燈路の謝罪からジェットコースターのように展開していくストーリーがあまりに衝撃的
燈路と杞紗の和解という心温まるエピソードを皮切りにしたのに、そこから始まるのは潑春による本気の憤りと慊人の非情さ
そうした感情を振り回されたからこそ、帰り着くべき所に帰り着いたラストが素晴らしい
「虚栄心ばかり気にしてる自分は小さくて馬鹿だな」と反省する燈路
虚栄心を無くすとは自分の本当の姿を隠さず正直に居るという事
日向の為に自分を変えようと思い始めた燈路だからずっと隠していたことを潑春に告げられるし、杞紗にも謝れる
燈路が正直に接してくれたから杞紗も優しく燈路を許すことが出来る
激情のあまり凶暴性を隠せなくなった潑春を前に慊人はのらりくらり
誠実ではない慊人の言葉に優しさは無いが、潑春の隠していた独占欲を顕にしてしまうもの
一方で紅野とはとりの裏切りや潑春の殺意が慊人の虚栄心を剥がすのは印象的
正直な嘆きは潑春の足を止めかけるけれど、それを受け止めるのは紅野の役目なんだよね……
追い詰められて傷付けられて彷徨う依鈴の心からぽろぽろと零れ落ちる悲しみがあまりに辛い…
考えなしの一言が家族を崩壊させてしまった経験を持つ依鈴だから、再び考えなしの行動によって潑春を危険に晒してしまった事を強く悔い、自分を否定する
だからこそ、そんな依鈴の前にふらっと現れて抱きとめてみせた潑春が素晴らしい……!
潑春を解放する為に奔走した依鈴はある意味虚栄心の無い正直な行動をした
慊人を振り切った今の潑春は全ての想いに対して正直になっている
そして2人の正直な想いは互いへ向いている。だから依鈴の帰り着く場所は潑春になるし、潑春の帰りたい場所は依鈴の居る場所になる
長い別離を終えた2人の様子は本当にハッピーエンドと言う他ないですよ!