紅華の運動会は普通の運動会ではなくこれも一種の舞台
そこに立つ者を見る為に観客が集まるわけだから、紅華乙女達は自分がどう見られるかを意識しなければならない
演技に個性が無いと言われたさらさにとって一種の試練となる回だったね
まだ自分の演技を手に入れていないさらさにとっていきなりの舞台は厳しいもの。緊張に負けそうになるし、小さなミスの後は萎縮してリコーダーを吹けなくなる
そして本科と予科、成績による序列はさらさに、分不相応な舞台に立つ事になるとの思いを更に抱かせるものになる。素の自分のままぶつかれば壊れてしまいそうな恐ろしさ
ただし、演技が必要と言ってもさらさの立場はちょっと特殊なんだよね
聖の「無になりなさい!」は嫌みだけど、真理を突いている。運動会を見に来る人達はトップスター達や専科を見たいのであって、予科生のさらさなんて知られてもいない
だからさらさに求められる役割は自身は目立たず、他を目立たせること
リサと星の激励はさらさに何をすべきか、そしてトップの人達が舞台以外の場所でもどう振る舞っているかを教え示しているね
そして赤薔薇は誰も見てくれる人なんて居ないと落ち込んでいたさらさに観客の存在を教えてくれる
……その果てに得た解決策がEカップの自分というのはちょっと凄い発想だったけど(笑)
ただ、Eカップの理想像はさらさを舞台に立たせる大枠でしかないんだよね。Eカップになったからってさらさの役割が変わるわけではない。自分に求められるものを考えなければならない
咄嗟の判断で、あの場面で観客が見たい役割を星に与えたさらさは素晴らしいね
あの土壇場で自分の役割だけでなく、他者の役割まで推し量ったさらさは大きな成長を見せたんじゃなかろうか
予科生の中から特別にバトンを受け取る役割を与えられたさらさ。彼女はきちんと先輩達の教えを受け取ったのではないかと思えてしまう
あと、愛は助言に失敗したと思っていたのに、意外とさらさの役に立っていたようで良かったね(笑)