真奥の所帯染みたムーブに踊らされる恵美が可哀想に見えるけど笑えてしまう
二人の様子は因縁など感じさせない痴話喧嘩そのもの。全ては魔力が脆弱な地球に来た事で刃を交わす事態など作りようがないお陰だね
だというのに真奥達を狙撃した謎の存在に千穂だけを襲う地震。おちゃらけたノリを阻害する空気が読めない奴は一体何処の誰なのやら
にわかロックファンとして描かれてきた李衣菜の成長が見える話であるのだけど、単純に本物のロックを知って成長したという方面に進めずに、ロックバンドをやっている夏樹と絡めることで李衣菜が李衣菜として目指すロックの方向性を問い直す構造は印象的
夏樹と接する中でロックの楽しさに目覚めていく李衣菜。にわかロックをしてきた李衣菜に本物のロックを教える流れは一見正しい成長に繋がるように見える
でも、それは同時にこれまで培ってきたにわかロックを過去にしてしまう。だから本物のロックを知ってから李衣菜はみくと合わなくなる。
というより、みくと培ってきたアスタリスクからズレてしまう
アスタリスクはにわかなりに李衣菜のロックを込めたユニットだから、夏樹の影響を受けたロックはアスタリスクに馴染まない
相手を気遣った会話などしていてもただ上滑りするだけ。最終的にステージ上での衝突に繋がってしまう
みくは李衣菜の変化を肯定しつつ、李衣菜がアスタリスクで良かったと思えるように努力する気で居る。李衣菜の変化を肯定しつつもアスタリスクで培ったロックを昇華させようとしている
独りで頑張ろうとするみくを前にしたからこそ、李衣菜は自分が目指すロックの姿を取り戻せたのだろうね
夏樹も自分のロックに迷いが無い訳ではないのは印象的
常務のロックバンド案。受け入れられもしないが拒むのも難しい
そこで夏樹を正してくれたのが李衣菜になるわけだね。与えられたロックではなく、自分がロックだと思うロックを本物とした李衣菜の姿は夏樹にも目指すロックの姿を明確にしてくれる
混ざりかけた李衣菜と夏樹のロック。本物とするロックが異なるならそれは終わらせなければならない。だから解散ライブが必要になるわけだね
でも、解散がそのまま別れになる訳ではなく…
アスタリスクに夏樹と菜々を加えてカワイイとロックを超融合したユニットを作り出してしまうとは衝撃的なラスト
豊かな喜怒哀楽を見せるゲーム内NPC
対してひたすら淡白に行動し、財力を持って空虚な家の中で自分を満たすユナの姿は対照的
本人は淡白なのに、愉快な熊の格好をして情緒溢れるゲームの世界に繰り出すユナのこれからの変化が気になってしまう第一話だったね
杏に頼れなくなったことで頑張らなければと奮闘する智絵里とかな子は話術の本を読んだり、四つ葉のクローバーを探したり、ダイエットしたり
その行為は周囲が見えていないから見るべき物を見逃してしまう
江戸切子の店で失敗してしまったのも店主や切子を全く見ていなかったからだね
その状況を改善する為には見るべき物を見なければならない
そこでKBYDの三人は判りやすくアイドルとは何かを見せてくれる。何に目を向けるべきかを見せてくれる
そうして物が見えるようになって、更には見えない四つ葉を飲み込んだ智絵里のシーンは印象的
ここからの二人は見るべき切子や店主を見るどころか、器にお菓子やお花を盛った見えない光景すら見て店主の心を掴む
輝く切子に囲まれて、そして彼女ら自身も輝く切子を作り出して。そうして店主を笑顔にし、自分達も笑顔になった智絵里とかな子は立派な成長を遂げたね
対して、杏はどう見られているかを敏感に察するタイプかな
それが智絵里達に効くフォローになることもあれば、あんきらとして組まされた意味を察することも有り…
どう見られているかを利用され、それにきらりが巻き込まれる遣り方はきっと杏にとって納得しがたいもの
きらりだって組まされた意味を理解していない訳ではないんだけど、自分がそして皆がハピハピになるからとその状況でも笑顔で居られる理由を持っているのは一つの強さだね
かといって強いから平気だというだけでなく杏に支え合いを求めるかのように甘える様子が有るのは良いね
どう見られているかを利用されている杏ときらりが最後に見せた「大成功☺」の文字
これはプロデューサーから自分達がどう見えて欲しいかを考えた上での報告方法
そして智絵里達が周囲を笑顔にするアイドルと見られている事を見て安堵する表情
どれも素晴らしいね
こうして智絵里達に訪れた試練の意味を考えてみると、あのように相手からどう見えるか、そして自分をどう見せたいかを完璧に把握しているかのように堂々と立ち「アイドルは前を向いてるもんです!カワイイ僕のように!」と言い切る幸子が最高に格好いいね
魔王と勇者の戦いという緊迫感の有る導入から、笹塚で生活基盤を得ようとする魔王がどうしても間が抜けているようにしか見えなくて、そのギャップに笑ってしまう。本人たちとしては真面目なんですけどね
臥薪嘗胆を唱えてコツコツバイトして魔王として復活するときを探ろうという意思は称賛に値するものだけど、端から見れば厄介事は全部芦屋に押し付けて真奥はバイトライフを満喫しているようにしか見えない(笑)
そんな最中に出会ってしまった魔王と勇者。命懸けで退治したはずの魔王が異世界でバイトしてたなんて笑えない状況だよなぁ(笑)
部署の後輩のため…、舞踏会のため…、赤ちゃんのため…。
自分の力ではどうする事も出来ない事態の為に自身のやりたい事、本来の姿を抑制せざるを得ない状況のアイドル達
その中での反抗や成長が美しいね
赤ちゃんが産まれお姉ちゃんになった事でテレビ出演の報告が出来ないみりあ
結局伝えるシーンは描かれなかったけど、3回目の家のシーンでは伝える暇がない事を苦に想っている様子はなく、むしろお姉ちゃんとして振る舞うことを喜んでいるかのよう
みりあはこの話の中で一つの成長を遂げたのかな
同級生に見栄を張った為に園児服のとときら学園に不満げな莉嘉
彼女にとっては姉への憧れが絡んだセクシー派カリスマギャルと園児は対極。けれど、その不満をプロデューサーに話すことは出来ないし、姉は受け止めてくれない
だから莉嘉はこの事態に逃げるのではなく立ち向かわなければならない
きらりの「自分らしく工夫するとハピハピになれる」という言葉は園児服という枠に押し込まれそうになっていた莉嘉に天啓を与えたようで。
とときら学園では幼稚園児役を求められるけど、それによって自分を出せなくなる、セクシー派カリスマギャルが出来なくなるわけではないと気付けたのは大きな成長
莉嘉の対処法が美嘉に影響を与える流れは良いね
望まぬ路線変更ながら変革を進める会社が示す方向性だからと受け入れざるを得なかった美嘉
最後に美嘉が譲らなかったのは芯の部分。もしくはスタンスとも呼べるもの
言葉に表せないけれど、城ヶ崎美嘉と言えばこれ!と言えるような力強さを持つ写真は秀逸
また、この回は足元の描写にも注目したくなるシーンが幾つか有ったね
見えない努力を象徴するかのような美嘉とプロデューサーの靴
遥か高みを目指すかのような美城常務のヒール
一方で「何を着たって自分は自分」と語る杏は素足
足元からそれぞれの違いが見えてくる演出は素晴らしいね
また、みりあの足元も良かったな
姉の立場に変わる中で揺れる心を象徴するようにぷらりぷらりと揺れて、涙を流す美嘉を見て足はしっかり地面へ付き、みりあは美嘉を抱きしめる
お姉ちゃんとして何をするべきかを確かにした彼女は年齢以上の成長を見せたようだね
試験を一発合格できてしまった優等生イレイナ。彼女の行動は才能だけでなく本人の言う通り、多くの努力が伴っておりフランの雑用にも耐える我慢強さも持っている
けれど、大人から見ればその傾向に危うさを感じることも有るようで
フランの下で掛け替えのない経験をしたイレイナのこれからの旅が楽しみになる第一話になっていたね
自称17歳の安部菜々さん担当回
美城常務のコンセプトでは真っ先に外されそうなイロモノアイドルな彼女。
同じくイロモノ路線であるみくの目を通す事でアイドルという存在が王道路線だけを求められているわけではないという点が見えてくるね
前回のエピソードにて、高垣楓がNGの指針になったように今回は菜々がみくの指針になっている
面白いのは菜々も今回のエピソードにて自分の道に迷えるアイドルとして登場し、岐路に立った際に後輩であるみくに進むべき道へ導かれた点か
アイドルは皆を笑顔にし会場を盛り上げてこその存在。
そういった意味では会社の方針に負けてウサ耳を外し、当たり障りない進行をしていた菜々は彼女が望むアイドルでは無くなりかけていた
だからこそ、みくがコールし続けたシーンは良いね。菜々ではなくウサミンと呼ばれたから安部菜々は輝ける
あの瞬間、ウサミンで居ることを辞めなかった菜々が居る為にみくは猫キャラでやっていける
同時に菜々はあの時、みくが名前を呼んでくれたからウサミンを辞めないでいられた
二人は同じ道を行く者として支え合っているし、その関係が独り善がりでないのは湧き上がった観客を見れば判ること
美城常務が目指す方向性でのアイドル像ではなく、自分達が大事にしているアイドル像によって皆が笑顔になれる方法を見つけ、アイドルにキャラは必要という確信を得た二人の笑顔は素晴らしいね