人間関係の描き方がなんとなく新鮮で、かつ「リベラル」な趣があり、調べてみると、2020年のライトノベルが原作らしく、腑に落ちた。具体的にどこがどう新鮮なのかを理解できているわけではないのだが、10年代の非ファンタジーのライトノベルが考えてきた自意識や人間関係の閉塞を、男性主人公・複数ヒロインというハーレム的な枠組みを取っ払い、全メインキャラクターを女性とすることで突破しようとしているように感じる。原作一巻が同時期の『負けヒロインが多すぎる』は、「失恋後」を舞台とすることで突破を図っていたわけだが、その亜種という印象だ。だが、全メインキャラクターを女性にするというのは、かなりラディカルな設定であり、単にハーレム設定の限界を突破するという以上に、「男女」という関係性に付きまとうジェンダー的な限界をも無くしてしまうわけで、それが最初に感じた「リベラル」な趣につながっているのだと思う。原作がコロナ以前なのも、たぶんその方向性を増長しており、ジェンダーの影響を取っ払った状態での「友情」や「恋愛」を空想で科学しようという志向がそもそも強い。翻って、コロナ以降の非ファンタジーライトノベルがどのような問題意識に向かっているのか、気になるところだ。