サービス開始日: 2025-04-12 (19日目)
「アズ、デブ嫌い!」
これは現代では結構切実な叫びなんじゃないか。
少女の内的葛藤に向き合う。このアニメはまさにそういう元来の魔法少女ものをやってくれるんじゃないか。
風子の「風」は風化の「風」だ。
風子の話は「記憶の風化」という現実では緩やかに進行する現象をキャラクターとSFを媒介にして劇的に、凝縮して描いている。
非現実的な物語であり、寓話や隠喩として眺めたとしても、決して人生を描いているとはいえない。人生はこんなにハートフルではない。
にもかかわらず、「これは人生だ」と思わせるようなリアリティと厚みがある。
「風子をおいて、私一人だけが幸せになるなんて。」
「でも僕は、確かめなくちゃ気が済まない。」
麻枝の創造するキャラクターは人間の執着、信仰、あるいは非合理性の具象化であるように思われる。
このようなキャラクター造形がこの厚みを生じさせているのだろうか。
いずれにせよ、キャラクターSFの可能性を感じずにはいられない。続きが楽しみだ。
「マロングラッセはね、栗を煮て、剥いて、シロップに浸けるの。そうするとね、栗を覆う砂糖の膜ができる。そうしたらまた、もう少し濃いシロップに浸けるの。そうすると、砂糖の膜の上にまた砂糖の膜ができる。もう少し濃いシロップに浸ける。また砂糖の膜ができる。またもう少し濃いシロップに...。こうして何度も何度も繰り返すの。甘い衣の上に衣をまとって、何枚も重ね着していって。そうしていくうちにね、栗そのものもいつかキャンディみたいに甘くなってしまう。本当はそんなに甘くなかったはずなのに。甘いのは衣だけだったはずなのに。うわべが本性にすり替わる。手段はいつか、目的になる。」
「そしてね。あなたがわたしのシロップなのよ。」
小佐内さんの愛の告白よすぎる。
特に具体的な欲望を持たない女の子たちが、大学内にリビングスペースを獲得するために、物を持ち寄り、料理をし、活動を作っていく。かつての大学自治的なDIY精神をほのかに感じるとともに、けいおん的な「劇的ではないけどキラキラした日常としての青春」の味わいもある。今後の展開に期待。
1話よりは動いてなかった気がするが、依然としてとても良い。視覚的に統一感のある画面と高密度の演出がこのアニメの核であり、とくに画面全体の色調の統一感と美麗さには舌を巻かずにはいられない。美少女キャラクターアニメであるにもかかわらず、キャラクターのかわいさが作品の核ではなくその一部として、全体と調和している。全く新しいアニメだ。続きに期待。
キャラクターの振る舞い以外が写実的だから、振る舞いのわざとらしさが気になってしょうがない。vlogをアニメキャラでやる意味はあるのか。ただ、キャラクターとは何なのかということを考えさせられるので、哲学的関心から視聴継続。