私はひとりで生きてきた——。
失われたレントンと再会するため、エウレカはスカブコーラルを生み出し、その中に仮想世界を何度も作り上げた。しかしその試みは失敗し、その影響でアネモネのいる“この世界”では多くの人々が死に、世界は崩壊寸前まで追い詰められることになった。そしてアネモネがエウレカを連れ出した結果、スカブコーラルは崩壊。仮想世界に生きていた人々は創造主を失い、“この世界”へと“受肉”し、姿を現すことになった。これが後にいわれる“大融合”である。
スカブコーラルから出現した人類は「グリーンアース」。旧来の地球人類である「ブルーアース」。スカブコーラルの崩壊とともにその能力を失ったエウレカはただの人間となり、双方の運命を狂わせた存在として憎悪を一身に集める存在となった。そして10年が過ぎた。
どれだけ傷ついても、未来を届けたい——。
2038年、エウレカは、国連麾下の独立師団無任所部隊A.C.I.D(アシッド)に所属する上級戦闘員として働いていた。様々な任務で体に傷を追いながらも、それが罪を背負って生きる唯一の道と信じ、日々を過ごすエウレカに新たな命令が下る。
命令はアイリスという少女を保護すること。アイリスは、スカブコーラルを生み出すことができる新たな“EUREKA”だった。当初はぶつかりあう2人だったが、隠密の逃避行の中、2人は次第に互いのことを理解していく。自分の能力を恐れるアイリスにかつての自分を重ねるエウレカ。アイリスは、レントン不在のこの世界で、エウレカが生きる自分の人生の意味をつかみ直すための、希望ともいえる存在となる。
私が愛したこの世界に——。
エウレカが生きた“大融合”後の世界。だが、この世界を認めない人物も存在する。デューイ・ノヴァク。エウレカが生んだ仮想世界「グリーンアース」の軍人の一人で、他の人々よりも一足先に「ブルーアース」の世界へと“受肉”していた男だ。デューイは自分たちの尊厳を守るため、仲間とともに、この世界を滅ぼすための大規模なテロ計画を実行に移す。
いびつに出来上がった“この世界”をそれでも愛するのか。それとも自らの尊厳を傷つけるものとして否定するのか。エウレカとアイリスが絆を深めていく一方、デューイの望む世界崩壊が刻一刻と迫る。もはやなんの力も持たないエウレカは、自分が生きてきたこの世界を救うことができるのか。
テレビアニメ『交響詩篇エウレカセブン』の放送開始は2005年。『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』は、16年間続いてきた本シリーズを締めくくる完全新作で描かれる一作である。エウレカの旅路の果てに待つのは、「少女の終わり」と「少女の始まり」。そこには「HI-EVOLUTION」が切り開いた未来が広がっている。
最初は愛情どころか愛想すら知らずアイリスの子どもの心を解することができなかったエウレカはもう見ていられないくらいだった。
だけど、アイリスにとってエウレカは私たちが私たちだけが世界をも狂わせる力を持った存在で、ヒトではないと突き付けられた心を理解してあげられる唯一の存在という点で特別な絆を感じ、エウレカは子に対する愛を、アイリスは親に対する憧れを知っていく姿は慈愛に満ちていた。
だからこそ、ようやく知った大切な存在を失い守ることができなかったと失意に崩れるエウレカの姿は本当に悲痛だった。
グリーンアースの正体が明かされ、彼らの戦いのために、彼らの愛する人を守るために命を散らすのを前に、グリンアースの彼らを生んだ母/神であるエウレカが彼らを守るために自己を犠牲にする選択をしたのは必然であった。
そして、散っていくエウレカを前に嘆くわけでもなく、彼女のように幸せのために呪われた力を使いたいと憧れるのも必然であった。
分からない…。何の映画なのか分からない…。とりあえず凄い事が起こっているらしい事は分かる…。設定を読むしかない…。映像は美しい…。