室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。
ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。名よりも先に、歌と舞を交わす二人。 友魚は琵琶の弦を弾き、犬王は足を踏み鳴らす。一瞬にして拡がる、二人だけの呼吸、二人だけの世界。
「ここから始まるんだ俺たちは!」
壮絶な運命すら楽しみ、力強い舞で自らの人生を切り拓く犬王。呪いの真相を求め、琵琶を掻き鳴らし異界と共振する友魚。乱世を生き抜くためのバディとなった二人は、お互いの才能を開花させ、唯一無二のエンターテイナーとして人々を熱狂させていく。頂点を極めた二人を待ち受けるものとは――?
歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。
歴オタの僕としては本当に好みの作品。
犬王は観阿弥と同時期に人気を二分した猿楽士だけど、その舞踊や音楽の様式が後世に継承されていないので、詳しいことは歴史学的に不明。
ただ当時、ある時期までの観阿弥や犬王などの猿楽はかなりテンポが速かったと言われており、この作品では、そこを逆手に取って犬王の舞いを大胆にロックなどと混ぜて琵琶とのコンビネーションで演出したと考えられる。詳細不明だからこそアニメでの演出や設定、物語の作り方に幅が出て、ある意味コンテンポラリーな芸術表現に昇華できたのではと。
時代は違うが、有名な二条川原ノ落書の一節が歌われたのもハイセンスを感じた。
さすがの湯浅監督作品。劇場で見たらもっと高評価だったかも。ユニークすぎるかも。
古典的な映像表現、アヴちゃんの圧倒的歌唱力、当時でも発想さえあればできそうなステージ演出、時代的にやはりハッピーエンドというわけにはいかないですが、男たちのロックな生き様はめちゃくちゃにかっこよかったです!
2回目
やっぱ怪作
琵琶で奏でるロックなミュージックに、室町時代の薄汚い民衆が波のようにロックフェスの観客のように狂喜乱舞する姿。清水の舞台で単独ライブ、観客は手は打ち鳴らして足は踏み鳴らす。そして、共に合唱する「でっかいでっかいでっかいくじら~~」。
そんなライブシーンに興奮しすぎて、思わず自分も手を叩いて足を踏み鳴らすのは当然。鼓動が早まって息は上がるし、気が動転したみたいに目は見開いてしまう。そして、コールや合唱しようと喉は息さえ通してないだけで大絶叫してる状態。その上でこれでも発散できない昂りが行き場を求めて目から溢れて来る……。映画館だから抑えなきゃだけど、だけど体も魂もこの興奮を発散させたいと雄叫びを上げていた。
度肝を抜かれた。犬王のキャラデザもだけど琵琶法師とコラボした室町時代の大掛かりなバンドライブがやばいくらい楽しかった。不気味な雰囲気とパッショナルなライブは映画館で見てこそ。
平家物語と同じ制作会社、近しい時代ということで観劇。
ミュージカルものだと知らずに見たのでちょっとびっくりしたw
ハードロックミュージカルを見せられるとは思ってなかったw
これは評価が分かれそうな作品だなぁと思うけど、自分はミュージカル部分にとても惹かれて、引き込まれた。
一緒に「でっかいでっかいでっかいくじら」とか歌いたいくらいにw
失礼ながら犬王の声を当てている人は初めて聞く人で、友魚も声優本業ではない森山未來氏ということ、PVなんかのちょっとだけ声を聞いた部分で若干の不安を感じつつ見に行ったわけですが、この二人じゃなきゃダメだったなぁ。
とにかく犬王と友魚、友一、友有の歌唱部分が本当に魅力的であった。
ドルビーシネマで見たかったなぁ…とあとから思うくらいに。
ストーリーは平家物語の比とならないくらいファンタジックな部分が多いんだけど、そこがまた楽しい部分だった。
機会があればまた見たいと思える作品。
あまりにもすごすぎて絶句、涙、狂乱
応援上映とかで一緒に狂いてぇ〜〜〜
おどろおどろしい恐怖さえ感じる序盤からは想像もできないようなまさにパッションやパワーに溢れた申楽ライブコンサート
何だよあのエレキビワーにソロビワー
平家の亡霊たちの存在の叫びを拾い、そして歌にして届ける友一と犬王の室町ライブツアー
清水の舞台であんなロックリサイタルとかロリガでしか見たことねーよ!!!そして、みんなで合唱して手拍子して足鳴らして、マジでブチ上がる……!!
楽曲のジャンル幅も様々で毎度ブチ驚かされる、詳しくないけどマイケル・ジャクソンっぽいなって思ったらフレディ・マーキュリーみたい、あるいはビートルズみたいとか
幕切れもなかなかまさかな感じだったけど、、忘れられたものたちが「俺たちはここにいる!!」という魂の叫びをぶち喰らった
歌がすごすぎて言い忘れたけど、作画も気持ち悪いくらいに半端ないです
アニメを見てるのか,ミュージカルを観ているのか,ロックオペラを観ているのか,ライブコンサートを観ているのか,とても不思議な感覚をもたらしてくれるいい作品。
よそで見たが,アブちゃんは女王蜂のヴォーカルで,TV「どろろ」(2019年版)のOPを歌っていた人。声に太さがあって,ところどころ裏返る部分があったりして,いい歌いっぷり。
TOHOシネマズの轟音上映で観たが,いい選択をしたと思ってる。この作品はいい音を鳴らすハコで観た方がいい。
文句無しの、満点です。これは、凄い!
いい意味で想像を超えるロックな音楽やありえない演出。どれも時代にあってないんだけど、それがある種のファンタジー色を強めてくれていて途中置いてけぼりになるけどなんか熱いなこの映画ってなる。
個人的にミュージカルがあまり好きじゃないのと歴史詳しくないのダブルパンチであまり面白いと思いませんでした。
ただ、ダンスの映像はぬるぬる動いてすごかったです。