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俄然攻勢を強める三重さんを見て、前回のエピソードを経て彼女の中で確かに何かが変わったのだろうと思う。
美術準備室に行くエピソードとか、二人きりになりたい以外のなにものでもなく、前回までの三重さんには見られなかった行動、のような気がする。



しみじみと、いいエピソードだなあ。
ここまで概ね「好きな子がめがねを忘れた」というシチュエーションから始まるコメディが主だったけど、原作はこの辺りから心情描写がより深く繊細になっていく。
三重さんと小村くんだけでなく、あすかちゃんと八坂くんの関係も変わっていくのがいいし、そこからさらにあすかちゃんの表情と小村くんの表情が重なることに気づいたことで三重さんの恋心も大きく動き出す、という変化の連鎖が本当に見事。
で、その小村くんの表情の意味に三重さんが気づいたときの演出、原作では1ページ1コマの大ゴマで三重さんの表情をアップで見せる(台詞もなし)ことでその瞬間を強く印象づけているのだが、アニメ版では大ゴマに代わりになるような手法を用いるでもなく、原作に比べるとだいぶ印象が弱くなってしまっていたのが残念。



今回はちょっとエロいエピソードが多かったなあ。
と思ったけど、アバンタイトルの三重さんが濡れた靴下を脱ぐエピソード、自分はたいへんエロいと感じるのだが、その感じ方は果たして世の中で多数派なのだろうか?という疑問が浮かんでしまった。
原作からそうだったのだが、スクール水着がちゃんといまどきのデザインだったのはよかった。
三重さんが夜中にトイレに行こうとするエピソード、三重さんがうっかり電話を切り忘れたまま用を足してくれないかなーとか思いませんでしたよ、ええ。



Aパートは原作でも屈指の……小村くんの気持ち悪さが炸裂する(褒めてます)エピソード……もとい、眼鏡っ娘ならではの眼鏡フェチ度の高いエピソードでお気に入り。
ただ、アニメ版では小村くんの部屋にいるイマジナリー三重さんが「三重だよ」としゃべるけど、原作通りしゃべらない方がよかった気がする。なんだろう、しゃべると実在感があり過ぎると感じるからか。



伊藤昌弘さんによる小村くんの気持ち悪さの表現が、回を追うごとにパワーアップしている気がする。緊張をほぐすために三重さんの手を握ったときとか、声の演技だけで笑ってしまった。
次回は原作でも特にお気に入りのエピソードなので楽しみ。



どの三重さんもかわいかったが、自分のお菓子食べたい欲を「めがねないから」で誤魔化そうとする三重さんが殊の外かわいかった。
スーパーでピンチとチャンスを高速で行ったり来たりと神に振り回される小村くんも面白かった。



めがねスキーの人達にとって「好きな子のめがねを選ぶ」というのは夢の一大イベントだったりするのだろうか。
今回はコートを着るくらいの寒い季節のエピソードで始まって、半袖の季節のエピソードで終わった。ざっと確認したが、各エピソードの季節は原作準拠。確かに原作は順序を入れ替えても問題のないエピソードも多いが、それでも二人の関係は時間の経過に伴って少しずつ変化していっているので、順序変更は注意が必要。エピソードの時系列シャッフルが面白さに繋がるタイプの作品でもないしなあ。原作の順序を守るでもなし、順序変更に伴って季節を調節するでもなし、というのは中途半端に感じる。



「相手にめがねをかける」ということがメガネスキーの人達の間では特別な価値のある行為だと知ったときは、自分には全くない発想だったので大きな衝撃を受けたことを思い出した。本作にもそういう価値観がちゃんとあるので信頼できる。
掃除の時間のエピソードは原作だと三重さん達が3年生に進級してからのエピソードだけど、特に違和感はなかった。改変した意味も特にないので尺調整かもしれないけど、問題なし。



小村くんの脳内で三重さんの台詞が反響する演出が度々使われていて、ちょっとくどく感じた。



当方原作ファン。先行上映イベントで第1,2話を見た後、あらためてTV放映を見た。
三重さんは若山詩音さんの声を得て、さらに魅力を増している。
眼鏡描写については、レンズへの映り込みはあるものの、レンズ越しの部分の輪郭線はずれていなくて、そこはこだわって欲しかったところなので残念。
絵はきれいなのだが、三重さんの表情があまり目つきが悪いように見えないことが多い気がする。原作と見比べてたりもしてみたのだが、眉の表情とか、眉と目の距離とかの微妙な違いがニュアンスの違いを生んでいるのかも。
演出については、特に第1話は画面に映るオプジェクトを増やせばリッチだろう的な方向性で、広角や超ローアングルを多用したり、画がうるさいと感じた。好みもあるが、作品にマッチしているかという点でちょっと首を傾げる。



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