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とても良い

今回の話は翠がゲーム制作に勤しんだ6話の延長でありつつ、「どうしたらゲームは面白くなるのか」という点に着眼して構成されているように思えた

Aパートで遊ぶエルフェンランドはエミーリアが好むに相応しい本格的に作り込まれたゲーム。街を旅するという簡単なお題でありつつも、多様なカードが用意されコスト計算を用いての駆け引きが行われる
かなり奥深いゲーム

そんなゲームをドイツで嗜み、友達と「世界中の子供を笑顔にするゲームを作る」と誓いあった経験を持つエミーリアは翠からしたら眩しすぎる存在
今の翠にはエミーリアの姿はエルフェンランドのようにとても完成した姿に見えるのだろうね

対してBパートで紹介されるのはまさかのだるまさんが転んだ
美姫がルールを説明するけど、ローカルルールが混ざっていたり実際にプレイしたらルール上の問題が見つかったりと非常にあやふやで楽しみ方が徹底されていない遊び
これは6話で翠が制作したゲームに通ずるものがある

そんなあやふやなゲームにエミーリアはあっという間に改善案を見出して、テストプレイまで実行してしまう。
「全てのゲームは進化の途中」という言葉が示すようにゲームは遊べれば完成ではなく、必ず更に面白く改善できるポイントが有る事を如実に示しているね

なら、同じように未完成のゲームや自信を持てない自分を恥じる必要はない。
信頼できる友達の前にそれらを示せば改善案を見出してくれる。美姫が翠の様子を心配してエミーリアに相談したように

翠の更なる成長が楽しみになった回だったね



普通

クーファが消えて子供達は次々に襲われる中でメリダはクーファの無実を示す為に真実を突き止めようとするわけだけど……
大人が何かを隠そうとする時にはそれなりの理由がある。そんな事を感じさせた回だった

プリケット卿は自分の街で実験をするに当たり、都合の悪い真実を隠すためにミステリースポットを利用する。最初から歪んだ家を作って人を遠ざけるなんてかなり手が込んでいる
それだけ彼にとって見つかったら不味いものがそこには隠されている

ここで止めておけばメリダが知るのはプリケット卿の不正行為だけで済む。けれど、メリダはエリーが襲われたことに憤り、皆から怪しまれるクーファを救うために更に隠し事を暴こうとする
その結果、メリダは変わり果てたロゼッティに出会い、更にはクーファの真の姿にも出会ってしまう

これではクーファの無実は判っても別の疑惑が浮かんでしまう。クーファが隠したかったヴァンパイアとしての姿。この姿を見てメリダは何を思うのだろうか?



とても良い

娘があんこう踊りをしている絵面を見せられたしほの顔があまりに面白すぎて(笑)

時間切れまでにできる事を模索するエピソードだった第9話
冒頭で明かされるのは大洗女子が廃校になる秘密。学生にとって学校が無くなってしまうのは楽しい時間が終わってしまう一大事。転校すれば学生時代は続くけど大洗での日々は帰ってこない
そういった意味では来年度までに明確な成果を必要とされた杏は時間制限のかかった状況であり、時間切れまでに出来る事として戦車道を選んだ訳だね

それを知ってしまえば、大洗で戦車道の楽しさを知ったみほだって黙って負ける訳にはいかない。敵に囲まれた状況は変わらなくても降伏勧告の時間切れまでに出来る事を指示していく
イマイチ士気の上がらない皆を鼓舞すべく恥を捨ててあんこう踊りだってしてしまう

以前はギャグ描写として登場したあんこう踊り、学校が廃校になるかもという局面で登場することで郷土愛を意味する行動になるのは面白いね
皆であんこう踊りをすることで心が一つになったことを示しつつ、大洗という場所への愛着表明ともなっている
だから観衆や敵から見える位置であんこう踊りをしていたのは挑発行為ではない……筈、きっと…

みほの戦車道を見届ける為に来たしほは時間の無駄と帰ろうとするが、まほはまだ試合は終わっていないと母を止める。
時間切れを迎えるまでみほに出来る事はまだある。それを見ないとみほの戦車道を知ることはできない
……かといってあのあんこう踊りが母の目にどう映ったのか気になってしまうが

時間切れまでに使える時間を最大限使い、敵を偵察し、揺動を行い、フラッグ車を仕留めるために雪中に潜るまでした
同時着弾という時間切れはみほ達にどのような結果を突きつけることになるのかな?



とても良い

恐怖などのネガティブな感情に迷う成幸やうるかに真冬や文乃が諭す回

上手く泳げない成幸に対して真冬は上手く泳ぐ方法ではなく、恐怖への向き合い方を指導する。その上で自分が手を握っているから失敗しないと安心させ成幸に成功体験をさせる
大会を前に緊張感を語るうるかに対しても無理に平常心になる事を下らないと切り捨て、むしろ緊張感やプレッシャーが高いパフォーマンスを出すのに役立つと教える
真冬は泳ぎをする上で邪魔となる感情を取り除くのではなく受け入れる事を提案する。きっと真冬もこのような恐怖や緊張を受け入れて舞台に立ってきたからこそ言える言葉だね

後半もそれを応用するような話が展開される
うるかは海外留学の話を前にして、才能を伸ばすために海外に行くことも好きな成幸と向き合うことも決断できない
一方の成幸も余所余所しいうるかの態度の理由を本人に聞くことも出来ないし
そこで間に立つのは毎度の文乃さんだね
文乃は二人の想いを聞いた上で、二人が抱える別の想いを引き出せる。成幸にはうるかに彼氏ができたら、遠くへ行ってしまったら寂しいという感情を受け入れさせる。うるかにはあんまり避けてると別の誰かに取られてしまうと送りかけた代わりに成幸にうるかの嘘をバラす。
今後のうるかと成幸が本心で向かい合うしかなくなる状況を作り出す

水泳の才能を伸ばす為に海外留学すると決め、成幸と過ごす日々を大切にする為にこれまで通り接すると決めたうるか
恐怖や緊張感、躊躇や怯え。そういった後ろ向きな感情を受け入れても先に進もうとする意志があれば良い結果を導き出せる。そんな事を感じさせた回だった



良い

エミーリア初絡み回。以前からチラチラ登場していた彼女がどういう形で話に絡むことになるかと思いきや、既にボードゲームカフェの営業を手伝っているのね
ゲームの本場ドイツ出身でボードゲームカフェで働く。これは羨ましい環境だね

今回登場したゲームはケルトとドブル。前者がゲームに慣れ親しんだ者ほど楽しめるものであるのに対して、後者はゲーム初心者が複数人集まってやるにはうってつけのゲームな印象。2つのゲームの方向性は違っている
でも、その違いが四人だけでゲームを楽しむシーンからみんなでゲームを楽しむ文化祭のシーンへ上手く繋がっているように思える

ケルトでは案の定エミーリアと翠がゲームの要領を掴んだプレイングを披露し、最後には翠が勝ってしまう
負けたことがないと自信を持っていたエミーリアがそれでも翠に負けたことを喜んだのは楽しくゲームできたことを喜んでいるからだろうね。だから負けた綾にも丁寧にフォローできる

Aパートで自分達がボードゲームを通した楽しいを体験できているからこそ、Bパートでの不特定多数の人を楽しませようという感情に繋がっていく
人が来ない環境もSNSでのメイド服宣伝で切り開くし、人手が足らなければ田上だって頼るし、人見知りな美姫だって接客に回る
やってくるお客にボードゲームの楽しさを知って貰いたいからこその行動だね

美姫は慣れない接客の中でドブルの楽しさを伝えるだけに留まらず、シンボルの呼び名のあやふやさに悩む吉岡にもゲームの楽しさを伝えようと助言を重ねていく
にっこりウニなんて日常の中で耳にしたら変としか思えない呼び名もゲームの中では楽しさの発見に繋がる
美姫が「それでええんよ」と吉岡の呼び名を褒め認めるシーンは良いね

蓮が全体を取りまとめ、会長が足りない部分をフォローし、翠たちはボードゲームカフェを無事にやりきった
何人もの人々の努力の上に成り立ち、大勢に楽しさを提供する。ゲームの本質が見えたような回だったね



普通

遺伝子工学、沢山の孤児、妻を亡くしているなどこういったワードが並べば普通に嫌な予感しかしないよ…?

そういった正体があやふやなものがちらつく回

視聴者はクーファが半分ヴァンパイアであることを知っているけど、作中人物は知らないまま。だから「クーファとはどのような人物なのか?」と疑問に思えば際限なくクーファは怪しく見えてしまう
プリケット卿には娘の彼氏が突如現れたと言うだけで怪しいのに、過去の事件の首謀者の影までちらついてしまう

また、クーファを先生と慕うメリダもクーファの正体に想いを馳せる。二人の立ち位置を思えばこの二人がいずれ対立してしまうのは避けようがない
でも、今回はまだメリダの中でクーファへの疑惑は形にならないまま。自分を女の子扱いしてくれないとむくれても、デートしてくれればそんな悩みもクーファの正体に関する疑念もすっきり消えてしまう

また、舞台となる街もどこか正体があやふや。
地底の楽園と例えられるような緑溢れる土地なのに、ミステリースポットが存在したり理性を失う奇病が存在したり
そこに少女が襲われる事件が続けば尚の事正体が見えないことへの恐ろしさは膨らんでいく

一方で皆から怪しいと疑われるクーファも自身の中の感情に戸惑っている点は印象的。皆がクーファとは何者かと訝しむ中で彼自身も自分を慕ってくれるメリダへの接し方を悩んでいる
これらのあやふやなものは次回の話である程度形を持つことはあるのだろうか?



良い

戦車道って時間制限とか無いのだろうか?とか、相手に降伏勧告するってスポーツマンシップ的にどうなんだろう?とか妙な部分が気になってしまった

大洗で体験する戦車道を楽しいと感じ、仲間達と勝ち進んできたみほ
今回はその『楽しい』を支えたり、脅かすものが垣間見えた回だったように思う

この回で生徒会の杏達はみほを始め大洗の面々に廃校の事実を隠し続ける。「話がある」とみほを呼び出したのにあんこう鍋でもてなし、思い出話を広げるなど呼び出した意味を無くしている
廃校の話をしないのは大洗の『楽しい』雰囲気を壊さない為だね

一方でみほも『楽しい』を維持する為の努力をしている。家に帰ってからも対プラウダ戦術を見直している
だというのに、試合会場に着けば慎重策よりも勢いを重視する皆の意見を採用し作戦を変更している

けれど、その姿勢は母親のしほから見れば生き恥のようなものでしか無い。勝利の為なら犠牲すら許容するしほにとってみほのしている戦車道は甘っちょろいのだろうね
だからか、大洗はプラウダの仕掛けた罠にあっさり嵌ってしまう。普段のみほならもう少し警戒したかもだけど、『楽しい』を重視してしまった今の大洗は回避できない

対するプラウダ高校はしほの考えとみほの考えをハイブリッドしたような在り方。味方を犠牲にした囮作戦で大洗を追い詰めつつもプラウダの空気は明るい。
カチューシャは何度も大笑いしたり、肩車して相手を見下したり進軍の際には皆で歌ったりと楽しそう

優勝しなければ廃校という暗い話題に対して大洗の戦車道はどう対抗するのか次回が気になるね



良い

珍しい理珠回。だというのに皆面白いように理珠の想いがスルーされる

受験生にとっては進路を考える上で大切なオープンキャンパス。けれど成幸と関城にとっては理珠とお出かけする機会である点の方が大きな意味を持つ。成幸は関城と理珠を二人きりにしようとするし、関城はその逆をする。どちらも相手を慮っての事であるが、肝心の理珠を慮ったものではない。
この状況を補強する存在として数学教授も理珠の志望を気にせず彼女を数学科に誘おうとする

三人での楽しいお出かけを期待していた理珠。酔って普段よりも強弁となった彼女を前にしてようやく成幸は自分の間違いに気づくことができるし、理珠もその状態にならないと自分の気持ちを開かせない

Bパート、奇跡的な確率で連敗を重ねる理珠。店の損害を回避するなら当初成幸がしたように理珠にゲームさせなければいい。けれどそれは理珠の気持ちを無視したもの
あすみのフォローは確実な方法で店の損害を回避しつつ、理珠にもゲームを楽しませようとする。場の中心にいる理珠が楽しめば客だって楽しくなる
失敗を回避するのではなく誰かに成功体験をさせることで場を盛り上げる最良の方法となるわけだね。これは理珠の気持ちも客の気持ちも考えた手法

最後に成幸は理珠の心理学に進む意志を再確認する。成幸は今回の話を通して少しずつ理珠の気持ちを理解していく流れだったわけだけど、それは理珠も同じ。
仮初とはいえ、ボードゲームで勝てたことで理珠はゲームで勝てるようになる以外の志望理由を自分が持っていることを知る。他人や自分の心をもっと知りたいと思っている今の理珠なら進路が揺らぐなんて事はないのだろうね
……成幸の呼び方がかな~り揺らいでいたのはちょっと笑ってしまったが



良い

本作でゲームは人と人を繋ぎ、時には人の想いを代弁するものありつつもプレイする人々に「楽しい」を提供するアイテムとして描かれているけど、今回はその傾向がより強く出ている印象

一人で満喫していた美姫の前に現れた京子は美姫を遊びに誘う。
二人は数年前の出会いがあるとはいえ、それ程親しい間柄ではない。水遊びが一段落して服を乾かそうとなれば話で間を埋めるしかないが、今の二人には限界がある
そういった意味では美姫が取り出したもんじろうは時間的な間を埋めるものであると同時に二人の心理的な間を埋めるものとして機能するわけだね

悪口を言われて「うっ!」となってしまうのはそれを気にしているから。京子の悪口は美姫に刺さるのに、美姫の悪口が京子に刺さらないのはそれが理由だね
自身のキツい境遇から虐めを見ると動かずにはいられず、「狂犬の京子」と呼ばれた過去を話せる京子はそういった悪口は慣れたものなのかもしれない
だから、逆に相手を褒め合う場面では美姫の文字が次々と京子に刺さる。京子の強さに憧れ自分を変えたいと思う美姫は京子が良い人に見えるから京子が言われ慣れない褒め言葉を次々と思いつける
以前は勇気を示して京子を上回った美姫だけど、今回は別の方向から京子を上回ったね。これも美姫が少しずつ変わってきた証なのかな?

Bパートでは文化祭でのボードゲームカフェを認めさせるための駆け引きが行われる
何と言うか、複数人でボードゲームを楽しむならこれ!と言わんばかりのゲームが登場したね。戦略性が求められつつ運要素も絡む。
一歩を踏み出す度胸は必要だけど、無慈悲に噴火が起こる時もある
その中で巻き起こるワイワイは場を盛り上げるもので、会長が言及するようにまさしく祭と呼ばれるようなものだね

美姫と京子を近づけるもんじろう、ボードゲームの楽しさを判りやすく示すアイランド。本当にゲームは種々様々な物があるんだね



普通

クーファならトマトソースで誤魔化さずとも、実際に胸に大穴開けても平気そうな気がしてしまう(笑)

大人達の目が届かない書庫で繰り広げられるパジャマパーティーにもお茶会にも見える裏後夜祭。それは背徳感溢れる秘密の行い
伝統行事として受け継いできたそれを子供達は制御できてると思ってる。だから内緒によるドキドキを楽しめる
そこでは恋バナも怪談も背徳感やドキドキを盛り上げるスパイスとなる

でも大人にとっては子供達が目の届かない場所で遊んでいるなんて状態は許し難い。世にも恐ろしい話でしかない

だからクーファやロゼッティがしたのは子供達が制御できてると思ってる裏後夜祭をぶち壊すと共に大人の制御下に戻す事
怪談になぞらえて脅かす行為はまるで昔話を用いて子供を躾ける親のようで面白い
怪談を用いることで大人は状況を制御する側に回る。だからロゼッティは脅かし役を楽しんでしまう

もう一方で子供達は危機的状況が続きすぎれば、恐怖が麻痺してしまう
エリーゼは内蔵もどきから逃れる為に服を脱ごうとしてしまうし、サラシャの谷間発言から他の3人は嫉妬してしまう
そして恐怖が麻痺してしまえば魔女にだって互いを庇いつつ立ち向かえる

ラスト、四人はお揃いのパジャマを着てクーファに抗議し、その後は一緒のベッドで仲良く眠った。今回の経験は四人にちょっとした薬になると共に、強い連帯感を手に入れるきっかけになったようだね



良い

え?アンチョビの出番ってあれだけなの?え、どういう事なの……

何故戦車道を続けるのか、何故その道を選ぶのかという理由は何度か描かれてきた点だけど、今回はそれに加えて戦車道を進む中で何を得るのかという点についても描かれたように思う

冒頭でお婆ちゃんに滅茶滅茶に怒られる麻子。お婆ちゃんの口の悪さや麻子の不器用さからぱっと見では感じにくいけれど、別れ際のお婆ちゃんの台詞やお婆ちゃんを引き合いに出されると何も反論できなくなる麻子の様子から互いにどれだけ大事に想い合っているか伝わってくる
戦車道を続けることで単位を得て無事に卒業してお婆ちゃんの傍に居る時間を少しでも増やしたい。これが麻子の戦車道を選ぶ理由となるだね

続いて描かれるのはみほの過去と現在。決勝戦での選択ミスを責められて家を出ると同時に戦車道から離れようとしたみほ
彼女にとって犠牲を許容し、勝たないと意味が無い戦車道の在り方はそのまま戦車道を続けない理由となってしまう
その状態が沙織達との出会いを通して少しずつ変わっていったと思うと感慨深いものがあるね。
西住流などの家名を背負うのではなく、あくまで部活動として戦車道を続ける沙織達にとって戦車道は楽しいもの
そんな沙織達と接することでみほの戦車道に対する認識も変わっていく。戦車道を楽しいと思えるようになっていく。
更に秋山の言葉でみほにとって失敗の象徴でも有った戦列を放棄して仲間を助けに行った思い出も意味が変わっていく
大洗に来てみほがどれだけ救われたか、これでもかと伝わってくるような描写だった

また、変わっていくのはみほだけでないようで
大洗は戦車道の素人ばかりだから、どうしたってみほにばかり負担が集まっていた。それが沙織達あんこうチームが作業や役割を分担することを申し出た事で大洗で頼りになる存在がみほ以外にも生まれていく
沙織達によって齎されたみほへの良い変化。これが逆流するかのようにみほから沙織達に変化を齎すのは面白い

そのような状態だから、ヒントの少ない戦車探しも何だかんだ上手くいく。
戦力が増えた事で大会を勝ち抜く希望が見え、みほも大洗の中心人物として成長してきた。二回戦も突破できた
様々なことが上手く回り始めた大洗の快進撃を期待してしまう締め方だったね



良い

真冬の圧迫面接に耐えかねて面白い姿を想像しようとするのは判るとして、そこからスク水やらメイド姿やら想像してしまうのはちょっと発想がぶっ飛びすぎやしませんか成幸さん?

AパートもBパートも真冬が強すぎる内容の今回。これが人気投票1位の実力か……
それはさておき、今回はプレッシャーが掛けられた状態で思考を保ち続けられるかという部分に焦点が当てられていた印象

銭湯の前で成幸達に遭遇した真冬。この時点では葉月から「いつ嫁に来ますか?」なんて質問が来ても論外と切り捨てられるくらいに落ち着いている
それがサウナに入った辺りから怪しくなる。成幸を家に上げている事をバラしそうになる。これはあすみも同じで偽恋人の件をバラしそうになる。
涙目の葉月を前にした際はきっぱり断れていた嫁問題を「いつか」なんて濁して回答してしまう
サウナの高温や女の子の涙は彼女らから正常な思考を奪ってしまう

この流れはBパートはもっと判りやすい
普段はしっかりと志望動機を持っていても圧迫面接の中で根掘り葉掘り聞かれると考えを纏められず上手く答えられなかったりする。
大人でもプレッシャーが掛かる状態では正常な思考を保てないのだから、文乃達だって抗いようがない

この流れの中で成幸は少しだけ異なる動きを見せる
真冬を前にして斜め上の想像を働かせてプレッシャーを回避。また、アピールすべき長所が無いのかと問われた際には正常な思考を保ったまま今は判らないと言って出直そうとする
これは真冬が褒めるように成幸の長所だね。これは成幸を持ち上げようとしているのではなく、真冬が嫌な質問だと認めるように大人でも答えることが難しい質問と状況。プレッシャーの中でしっかりと自分と向き合い答えようとした成幸の姿勢は素晴らしいもの

ラストは次の面接に向けて復習を始める文乃と理珠で締め。プレッシャーに負けて正常な思考が奪われたなら、プレッシャーに負けない準備をしてから挑めば結果は変えられる
大人でも勝つことが難しいプレッシャーに負けず、自分の長所を言えるようになろうとするそれぞれの奮闘を感じさせる回だった



普通

正体を現したマディアがメリダたちを圧倒し、さあピンチかと思いきやクーファに一瞬で負けた上に女の子としての表情まで晒してしまう展開にはちょっと笑ってしまった

エリーゼの変容にショックを隠せないメリダ。遂には立場を弁えた方が良いのではないかなんて言ってしまう。
それに対するクーファのアドバイスが良いね。エリーゼのわざと試合で負けるという考えもメリダの立場を弁えて付き合い方を変えるというのも相手と真正面から向き合わない姿勢
本当に相手との和解を考えるなら、きちんと向き合って言葉を尽くさなければならない。そうでないと相手が何に不満を覚えているのか、自分が何をすべきかなんて見えてこない

相手と向き合っていないから見えなかったものがある。相手と向き合うことで見せられるものがある。エリーゼから散々弱いとか私には勝てないと舐められていたメリダがエリーゼをまさか上回るとは思わなかった!本当の本当に予想外だったよ
これはエリーゼが逃げ回り、メリダが諦めていたら起こり得なかった事態。仲違いに終わりかねなかった二人の友情を力技で繋ぎ直したメリダは本当に素晴らしいね

一方、圧倒的な力と追加の報告書でマディアを退けたクーファ。でも、彼の対処は問題の解決に動いたものではなく次善の策でしかない。だからマディアは講師として学園に戻ってきてしまう

メリダは自分のユニットにエリーゼを迎え、学園にはマディアが入り込んだ。他方ではミュールがマナの採取なんて事をしていた。メイド長を手引した存在も気になってしまう
そういった諸々の存在を思えば、次回は事態が大きく動くのかな?



良い

翠、オリジナルゲーム作成に挑戦するの回
これまで遊ぶ側だった人間が作る側に回るって本当に大変なことだと思う。作中では綾達によってその出来に幾つもの意見が出たけど、そもそも一応の形として出来上がる時点で一つの及第点とも言える

冒頭で話されるのはボードゲーム後進国としての日本の現状。店長はそれに対してビジネスもマーケットもこれからだと言う。今が駄目だからといっていつまでも駄目なままではないというわけだね

その言葉は今回の翠をよく表しているね。
翠は自分が作り上げるゲームを完璧なものにすべく努力し続ける。けれど、途中の成果を綾達には見せようとはしなかった
それは完璧なものでなければ人に見せられるレベルじゃないというプライドの他に、中途半端なゲームでは楽しく遊べるものになっていないという考え方によるものだね。

それが少し変わるのはジョージに煽られてから
ここから翠はムキになってゲームを徹夜で完成させる。彼女の中では完成すれば楽しく遊べるゲームになっているという理論
翠は頭の中で考えた面白いゲームを作り上げた。楽しく遊べる状態になった自負があるから綾達にも見せられる。綾達もルール説明された時点では「凄く面白そう!」と好印象

ここまでは頭の中で考えたものをそのまま出しているから翠の想像から外れることはない
でも、アイデアを形にして他の人に触れさせれば自分では思いもしなかった意見が出てくる。実際にプレイしてみれば綾達からすれば物足りない点が溢れるように出てくる

ここで翠が凄いのは綾達の意見を一蹴せず自分のゲームを面白くするために更に意見を求めたことだね
プレイヤーからの批判に耳を貸し、自分のプライドよりも他人の楽しさを優先できた翠。ジョージが言うように翠はデザイナーとしての一歩を正しく踏み出せたようだね



とても良い

前回、通信傍受やらケータイを用いた連絡やら戦車戦としてはズルい手法が横行した試合の続きとしてどのような戦いが描かれるかと楽しみにしていのだけど、まさかここまで気持ちのいい戦車戦になるとは思わなかったよ
これも全てはフェアプレー精神を重視するケイのお陰だろうね。
フラッグ車の危機を知ってなお、相手と同じ車両数で戦うと決断できるキャプテンがどれだけ居ることか

相手が卑怯な手を使えばそれを逆手に取った戦術が使える。だからアリサ相手なら彼女を窮地に陥らせるような局面も作れた
しかし、相手がフェアプレーを意識して正攻法で攻撃してくるならその途端に実力の差が表れてしまう。一旦アリサを追い詰めていた大洗が一転してピンチになったのはそれが理由だね

でも、フェアプレーで実力を出せるというならそれは大洗だって変わらない。みほは神憑り的な指示で敵の砲弾を回避するし、華も芸術的な一発でフラッグ車を仕留めてみせた
サンダース校を上回るに相応しい実力を二人は見せつけたね

最初にズルが有ったとしても最終的にフェアプレーで終わった試合は綺麗なもの。みほと華は感謝を伝え合うし、勝者を称えるケイの姿勢は素晴らしいもの
……まあ、フェアプレーだからこそ試合中の行動については反省会の形でしっかり追求されることになるわけだけど。哀れアリサ…

他にフェアプレーという面で印象に残ったのはやはりまほの姿勢かな。
みほと浅からぬ因縁のある姉という立ち位置で登場した彼女だけど、麻子の話を聞いてすぐにヘリを提供し、「これも戦車道だ」と言い放つ
それは戦車道におけるフェアプレーを意識した発言。このような姿勢を持つ彼女が何故みほと因縁を持つことになったのか、改めて彼女らの過去が気になるラストだった



良い

文乃は成幸の贈り物を「随分攻めたなぁ」なんて評しているけど、その下着を着けて登校しちゃった文乃さんも随分攻めてると思いますよ?

成幸は異性へプレゼントするなんて初めてだから相手の反応を見極めきれず、文乃も異性からプレゼント貰うなんて初めてだからそれが問題ないか判断がつかず
どちらも経験が無いから正しいプレゼントの基準が判らない。おまけに成幸が贈りたいと思った物と別の物が文乃の手に渡っているのだから尚更二人はそのプレゼントをどう扱っていいか判らない
そういったすれ違いによるコメディ展開はやはり面白いね

そして齟齬が発覚して更に水希よりも小さいと知ってしまい臍を曲げる文乃を慰める言葉なんて、女性に不慣れな成幸に思い浮かぶはずもなく……
結局二人にとって何とももやもやしたものが残る誕生日になってしまったね。ただ、文乃があの下着を着けて登校しなければもう少し問題は控えめになった気もするが

それにしてもBパートは色々とカオスでしたね……
これは成幸がリラクゼーションとしての手揉みが初めてだから加減が判らず、真冬達も出来たばかりの店へ初めての来店だからサービスが適正か判らずといったすれ違いによるものか
その中でもマイペースに張り合おうとする文乃さんの姿はちょっと虚しいものが有ったよ……?



良い

本作はメリダを中心として物語を回していくかと思いきや、ロゼッティにも何かしら秘密があるのかな?
前回クーファと共闘してその一体感に驚いていたけど、半分ヴァンパイアの彼と相性がいうことは彼女も只人ではないということになるけれど……

前回の話においてメリダはエリーゼと、クーファはメリダと一緒に居たい理由と覚悟をそれぞれ示した。それに続き、今回はエリーゼもメリダと一緒に居たいという想いを示すのだけど、そこに至る動機がメリダとあまりに異なるために心が離れてしまうという悲しい展開は驚き
メリダもクーファも相手の為に一緒に居たいと思っているのに、エリーゼは自分の為に相手と一緒に居たいと思う。そこにある壁はとても分厚いね

メリダはエリーゼの隣りにいる為にマナを手に入れかつての約束も思い出した。ランカンスロープを怖がるエリーゼを守りたいという想いが始まりに有ったのだけど、今はエリーゼと一緒に戦えたら素敵だなという動機にメリダの中で変化している。だから自身を軽蔑するメイド長に対しても力を示すことでエリーゼと組む権利を認めさせようとする。

でも、エリーゼの中でメリダと一緒に居たい動機は変化していない。いつまでもメリダに守られる妹で居たいと考えている
だからメリダよりも自分の方が強いと見られてしまう状況は間違っていると思ってしまう。自分はメリダに守られる妹なのだと示すためにわざと負けようとする
でも、それこそメリダにとってはエリーゼを理解できなくなる発想であり、そんな発想をすることで絆で再び結ばれたはずの二人が離れ離れになってしまう展開は驚きというしか無いね

メイド長の策略によってむりやり対抗試合の候補生となってしまったメリダにとってこの試練はどう転んでも辛いものにしかならなそう
唯一の慰めと言えるのは辛い境遇に追いやられたメリダの為にネルヴァが率先して立候補したことかな。あの瞬間のネルヴァは格好良かったね



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