前回、追い詰められた状況の中でもあがこうとする宗介たちの姿が描かれた。それは今回も継続しつつ前回と様相と少し異なるのが印象的
テッサの演技によってまんまとアマルガムを釣りだしたは良いもののやはり成果としては小さい点は否めない。そしてミスリルはまだまだ健在といっても少ない人員でテッサへの負担が大きい現状はとても不安定。
休憩時間を用意されても食事もできず眠れもしないし死んだ傭兵たちのことばかり思い出してしまう。そんな状態なのに自分の苦しさを明かせる状況でもない
どこか限界を感じさせる足掻き
かなめはレナードに対し気丈に振る舞っていても非力なまま変わらぬ状況は彼女を追い詰めるのか、珍しく弱気な発言が。
そこからの展開には目を見張った。自分の中にわだかまった重い感情を抜き取るようにひたすらプールで泳ぎ続けるかなめ。「まだ何かやれる」と下着姿のまま一心不乱にPCに向き合うかなめの姿には驚かされた
こちらは転機を感じさせる足掻き
宗介はあれだけの重症を負い2ヶ月近く意識不明だったのに、起きてすぐに敵を倒すし、キャンプに来たら猛特訓を始めている。
それでもワニを恐れてしまう姿や背負投に為す術ない彼の様子はやはり兵士としての限界を感じさせてしまう。しかし、厄介になった中佐が言うように宗介には無茶をする理由があり、そんな無茶な足掻きを通した先にはきっと凄い展開が待っているのだろうとも感じさせる
ただでさえ苦しい状況でカリーニンが敵に回っていたことが発覚。まさかどんな時もミスリルを支えてくれた彼が裏切るとは……
この誰もが追い込まれた状況でどのような逆転劇が描かれてくのか来月のスペシャル番組を楽しみに待ちたい
初回からずっと「ローマの休日」みたいなラストを想定していただけに、本作がハッピーエンドに辿り着いたことにただただ驚愕してしまう。これが多田とテレサの想いの結果、身分の差や生まれたときから決められた運命を越えたというのなら納得し受け入れられるのだけど、シャルルがテレサを想って身を引いてくれたから辿り着けたラストだからなぁ……
まさか壁を越えるのではなく壁が退いてくれるとは予想していなかったよ
前回、多田は勇気を出してラルセンブルグまでテレサを追いかけてきた訳だけどその時点で伝えたい言葉はどちらかといえば感謝の比重が強かったように思う。それがテレサの身分とシャルルとの結婚を知ることで一時の迷いが生じ、そこから伊集院の後押しと招待状を死に物狂いで追いかける経験を経て、最終的には感謝だけでなく自分の恋心も伝えることが出来た。
特に招待状を追いかける時に両親に何も言えなかったことやテレサの言葉を思い出す描写、何よりも両親の一件で心の一部を凍らせてしまった多田の恋心を再び動かすためのギミックとして冷たい川の中でも熱い想いを抱え多田を走らせる描写ははとても良かった。
暗い廊下で多田はデートの時も前回の再会に際しても伝えられなかった本当の思いを伝えようとする。最初はテレサも頑なな態度を保とうとするけど、それを打ち破り本当の想いを引き出せたのは幾つもの転機を越えた多田が自分の恋心を奥底まで伝えきったからだろうね。
ラストには多田が勇気を出してラルセンブルグまでテレサを追いかけたように、テレサも勇気を出して日本まで多田に会いに。そんな勇気の果てに二人が結ばれた結末は良かった。……のだけれど、シャルルが婚約を破棄したからって、テレサがシャルルとはまた別の人物と政略結婚する必要はないのか、日本人である多田との自由恋愛が許される環境なのかといったラルセンブルグ側の事情があまり描かれなかったことで今回のハッピーエンドを手放しで称賛できないのは残念な点でも有った
物語が始まってから季節が一巡りする春を目前にし、双葉の成長を強く感じさせる集大成的な内容になっていた。
最序盤の双葉はどこか臆病で自分の殻に閉じこもってしまいがちな印象の強いキャラクターだった。それが光とダイビングの魅力に触れる中で少しずつ「楽しい」の奥深さを知っていき、いつの間にか光と同じくらい周囲に明るさや楽しさを振りまくキャラクターになっていた。第一話を見た頃にはここまではっちゃけるキャラになるとは思ってなかったな
最初は光が双葉を引っ張っていたはずなのに、今ではどちらかがもう片方を引っ張るのではなく、二人がそれぞれの視点で楽しさを見つけ補強し合うような関係に。そりゃラストには互いに聞いていて恥ずかしくなるような手紙だって送り合ってしまうというものですよ
双葉が光に導かれてダイビングを始めたように、ことりも双葉の楽しそうな姿に触発されてダイビング部に入る決意を固める。季節が一巡りし再び春がやってきて、後輩となる新入生にダイビングの魅力を伝導できたシーンのように思えて良かったなぁ
四者四様に不利な状況に対して抗おうとする姿が描かれたのは印象的
アルはアーバレストが無いから、小さな箱の中に囚われ動けない。しかし、画面に映った文字を通して主人のように状況の説明を求める
テッサはミスリルが壊滅的打撃を受けた状況でも、アマルガムをおびき出すために自身が囮となる作戦を決行。その様は本当に部下に捨てられ抜け殻になっているのかと信じてしまうほどに迫真だった
かなめはレナードに付いていく道を選んでも彼が用意した食事を採りはしない。それは彼女なりに矜持を保ち続ける抵抗法
宗介はすぐ外で銃撃戦が起きているのに重症が響きベッドから起き上がることも出来ない。しかし、起き上がろうと必死で腕を伸ばしドアを睨む
レナードは「運命には逆らえない、受け入れることでやってくる別の救いも有る」と言う。けれどもテッサ達はは安直な救いを求めているのではない。彼らは運命を受け入れるのではなく、逆らい局面を打開しようとしている
その抵抗がどのような道に続くのか次回以降を楽しみにしたいのだけど、放送スケジュールどうなってるんだろう……?
薫子のマンガ、幾ら何でもメインとモブの女の子に画力の差が有り過ぎて「ああ、別人が描いのだな」と何の迷いもなく思えるレベルだったよ!
前編は皆の助力も有りつつ完成できたのに後編を描く段階になったら薫子の手が止まってしまう。
今回の内容を見て感じたのだけど、薫子にとって漫画を描くモチベーションが「描くのが好きだから」から、「皆と一緒に描くのが楽しいから描く」にいつの間にか変わっていたんだろうなぁ。
その感覚は今回のように皆が居なくなってしまうと描けなくなるという負の側面もある。退寮を前にして帰省ムードが高まり、皆が寮から居なくなってしまう点は薫子の精神を何時にも増して不安定にする材料。それだけでなく、漫画を描きあげてしまったら漫画の中にキラキラと広がる自分たちの生活をモデルにした幸福な空間さえも終わってしまうかのように感じてペンが止まっていたのかも知れない。
その状態の薫子では今までのように皆の後押しが有っても以前のようにフィギュアで妄想しても、母に宣言しても再びペンが動き出すのは難しかった
けれど、皆と寮で過ごした良い影響として今までダメダメなネームしか挙げられなかった薫子が編沢も手放しで称賛するような漫画を描くことが出来た。特に完全に手が止まり精神状態も危うくなっていた薫子の手を再び動かすきっかけとなった前編を見直し、漫画のモデルとした自分の寮生活がとても尊いものだったと思いだした上で小夢達との会話した描写はとても良い描写だった。その関係性と薫子の成長は第一話で編沢が想像していた以上の影響を寮で受けた証なのではないだろうか
ラストでは第一話と同じように寮への道をえっちらおっちらと進む薫子。多分、新しい寮が建っていることかして一年程度経過しているんだろうけど、歩く様子や没ネーム続きの状態で全く成長を感じさせないのはどういうことなのかと
ともあれ何の憂いもなく四人が再び揃う描写を見た時にはとても穏やかな気持になれた、そんな最終回だった
飛行機が怖いのに勇気を出しラルセンブルグまで到着できた多田。更に門の前でレイチェルに出会う幸運まで発揮して無事テレサと再会。……までは良かったのだけど待っていたのは頑なな表情をし多田を拒絶するテレサだった
勇気と幸運、これ以上無い組み合わせを持ってしても全て生まれた時から決まっていた運命には太刀打ちできない。テレサもそれが判っているからせっかくラルセンブルグまで追ってきた多田を素気なく追い返さなければいけない。
果てしない距離を超えて再会した二人。距離という物理的な壁を超えた先にあったのは身分という見えないけれど絶対的な壁。テレサだって多田を追い返したくはなかっただろうけど、越えられない壁が厳然と存在している以上、それに向き合うことで互いの傷が広がる前に別れようとするのはむしろ正しい判断
……それに納得できるかどうかはまた別問題なのだけれど
多田とテレサの関係性と同じように越えられない壁が描かれたのはアレクの想い
アレクはシャルルに想いを寄せていても、彼はテレサと同じく生まれた時から運命が決まっていた人。かと言ってアレクはテレサも大切に想っている以上、今回のテレサの選択のように二人から離れるなんて出来やしない。二人の傍に居るためには自分の気持から目を逸らし、テレサからそれを指摘されても「何のことです?」ととぼける道しか選べない
そう考えるとアレクはどれほど覚悟でテレサとシャルルの仲を見ていたのだろうと想像してしまう
兎にも角にも越えようがない壁を前にして最終回で多田がどのような選択をするのか期待して次回を待ちたい
全部盛りのドリームレース。そりゃ誰が勝ったかなんて描くわけ無いか。ここで下手に誰それが勝った、強かったなんて描いてしまったら、それこそここまでアニメが丁寧に積み上げてきた本作の魅力が崩れてしまう
今回のレース結果が描かれなかったことで当たり障りの無い終わり方にしたようにも見える。けれどそれぞれのウマ娘の魅力を存分に引き出し、背景となる実際の競走馬への想いも溢れさせてきた制作スタッフ達だからこそ、このドリームメンバーで誰が勝つかなんて予想できなかったなんて面もあるんだろうなぁ
本作を見始めた当初は、競走馬を美少女に擬人化して走らせるなんてイロモノ作品をまさか最終回まで視聴するなんて思ってもみなかったな。
それもこれも全ては視聴者の予想を大きく超えて最後まで全速力で走り抜けた本作に関わるスタッフ達の努力と競走馬への愛の賜物。スタッフ達に対しては称賛の言葉以外浮かばない。それほどまでに良作だと思える作品だった
ただ、欲を言えばもう少しスペシャルウィークとサイレンススズカ以外の、特にチームスピカの面々が活躍する場面も見たかった気がしないでもない
ダイジェスト風味で幾つかの重要レースの模様を描いてしまったようだから、第二期とかは流石に作れないのだろうか?
誕生日と山焼き、そして冬の終わり。それぞれの生まれ変わりを予感させるには充分過ぎるエピソードだった。ていうかこころって男の子だったの!?その衝撃が強すぎて他の要素が一瞬吹っ飛びかけたよ!
光の誕生日、新しい一日に新しい自分へ向け踏み出そうとしてみれば熱が出て寝込むことに。おまけに皆はどこかに言ってしまってと、視聴者に見えている以上に光はこの状況にかなりネガティブになってしまったんじゃなかろうか?だからこそ、皆が自分の為にたくさんのケーキやプレゼントを用意していたと知ると号泣してしまう。
そこから先の光景は風邪で16歳最初の一日に躓いたとは思えない程に優しさに溢れていた。
そんな光の誕生日を祝う中でこころと志しを同じくしていると感じた双葉だったけど……
こころがこれまでも光に心寄せ好いている描写は幾つも有ったけど、まさか男女の意味での好きだとは欠片も思わなかったよ!てっきり双葉が言うように男らしさに憧れる女の子なのかと……
そのような新事実が明かされ混乱状態に陥っていた私には火をバックに双葉達を守るこころの姿がとても男らしく格好良く映って見えた。この瞬間にこころは男らしく生まれ変われたんだろうなぁ
季節が一周りする前にアドバンスの資格を取り新しい自分になると宣言し直した双葉。ダイビングに出逢ってから1年程度が経つ双葉。最終回ではどのような成長を見せてくれるのだろうか?
学園モノではありがちな進路調査を問われる展開。けれど、既に漫画家として活動している彼女らにとって第一希望よりも第二希望をどうするかが焦点になる展開は独特な気がする
一応、小夢みたいに漫画家以外の夢も持っているタイプと翼のように漫画家以外考えられないタイプ。そして傍にいるのは漫画家だったのに別の道を選んだ寮母。
本格的に将来の道を選び直すような展開にはならなかったけど、漫画がとても下手で連載も決まらない薫子にとってはこの先自分が進む道を漫画家に決めるのも漫画家以外にするのも難しい
そんな彼女を後押しする決定打になったのが皆との会話と壁の落書きという展開は良かったなぁ。第一話冒頭で編沢が願ったように漫画家が住む寮で切磋琢磨し合うことで薫子に良い影響が起こったようで
これまでネームを一本書き上げるだけでもそれなりの紆余曲折が有り編沢に見せても没と言われてしまうのがお決まりの展開。それが今回は4本のネームを一度に持ってきて、最後のネームについては悪くないと言われるどころか掲載まで決まってしまう。
まだまだ漫画家としての道は険しいが掲載も決まり更には自分の進路を漫画家に決めることも出来た薫子。ここまで彼女が成長できたのは寮で暮らした経験有ってこそ。だというのに次回で退寮となってしまうのは彼女にとって良からぬ影響のように思えるけれど、どのような最終回が待っているのだろうか?
AパートとBパート、似たような趣旨の話だけどこちらが受け取る印象はまるで正反対。そんな2つをセットにして放送するスタッフの気が知れない……
新田を武闘派ヤクザと思い込み取材した記者、アンズはもっと凶悪だったはずだと思い出させようとする新田。どちらも予め持っていたイメージが強烈過ぎた為に眼の前の穏やかな新田や健気なアンズの様子を受け入れられない。それ故に相手を自分のイメージに近づけようと奮闘する
記者は現実にイメージが一致しない状況に耐えられず現実を捏造する手段に及ぶ。新田はイメージよりも鮮烈な眼の前のアンズに負け共に楽しむ道を選ぶ
Aパートが記者のあまりにもあまりな取材結果で「誰これ」の一言であっさり済んでしまう分、Bパートで描かれる新田の不純な対応に負けず天使っぷりを発揮するアンズが強調されてしまう印象。
新田はアンズが醸し出す雰囲気に負けて親子のように楽しむ状況を受け入れてしまうわけだけど、現実はアンズは新田の娘ではないから別れの時は来てしまう
イメージを捨て現実を受け入れたというのにそれは新田の望み通りにはならないのはなんて皮肉な展開。
オチとなるのはヒナの遭難。けれど、新田にとってヒナが遭難するのはイメージできても、それが大変なことになるとはイメージできない。それが淡白な反応に繋がってしまう
そういった視点で見ると、ここから最終回がどのような内容になるのか全くイメージできないのだけど、果たしてコメディなのか感動モノなのか判断に困る本作はどのような最後を迎えるのだろうか?
10年前に両親が突然居なくなってしまったように、テレサも突然居なくなってしまったというのに、多田は感情の変化を皆に見せようとしない
「よっぽどの事があったんだろう」と突然の別れに理解を示したフリをしつつ、一人になれば「どうして何も言わずに居なくなったんだ」と独白せずにいられない。「頼りがないのは元気な証拠」と言いつつ、心ここにあらずだから別の料理を出してしまう
10年前の別れをずっと引きずっていて、伊集院に心配され続けてきた多田は決して強い人間ではない。だから今回の突然の別れという衝撃の事態にもきちんと向き合うことは出来ず、むしろテレサが居なくなった現実を受け入れざるを得ないものと必死に自分に言い聞かせようとしているようにすら見える。多田の様子は辛そうだが、そんな彼を近くに見ながら何も出来ずに居る伊集院も辛そうだった
老夫婦の会話、テレサの写真を見つけ自分の感情を抑えきれなくなったのか一人でツリーにやって来た多田。この時、多田の心に大きな衝動が巻き起こったようにも思えるけど、それにも多田は向き合おうとせず帰宅してからはテレサとの思い出の品をゴミ箱に捨ててしまう
彼がようやく自分の気持ちに気付けたのは部室でテレサの写真を、彼女が活き活きと映し出された動画を見た瞬間か。この時になってようやくテレサに恋をしてしまったことを自覚できたのか
そして長年の友人である伊集院に自覚できたばかりの自分の心情を洗いざらい話せたこと、祖父の後押しも有りラルセンブルグに向かう展開に。
運が良ければ再会できるかもしれないが、身分の差がある以上は二人の恋が成就するなんてありえない。だから多田がテレサと再会した際には自分の中にある言葉を伝えると共に悲しいものになりかけた突然の別れを悔いのない明るい別れにしなければならない。その為には多田は多くの勇気を示さなければならないだろうね
タイトルの意味がそろそろ明らかになりそうで次回が待ち遠しくて仕方ない
期待が高すぎたのか、前回ほど感動できなかった私が居たのが残念。前回は大怪我をしたサイレンススズカが復活するというカタルシスが有りそれが感動に繋がった印象だけど、アニメを見る限りではスペシャルウィークとブロワイエの間にそれほど因縁が見られなかったのが原因か?
それでも日本のウマ娘を代表してブロワイエを迎え撃つスペシャルウィーク。トレーナーの夢を、皆の声援を背負いレースに挑むその姿は主人公然としている。エルコンドルパサーに教えられた「調子に乗んな!」の煽り文句まで少し様になっているのが笑えてしまうが
第一話でサイレンススズカの走りを見て夢を見たスペシャルウィーク。今回の話では逆にサイレンススズカがスペシャルウィークの走りを見て夢を抱く。
以前、トレーナーが示した二人が互いに影響を与え高め合える存在。長い時間を掛けて二人がそのような状態になっていることが感じられる描写だった
次回はもしかして全部盛りのドリームステージ?史実の競走馬を知っている人にとっては堪らない内容になるのだろうか?
こだまの「中学最後の年越しなのに」やら「部活選びを失敗したくない」という感覚はとても現代っ子的。そんなこだまへのきのの昔話は少し遠回りだけど実感と経験がとても籠もった話。
ダイビングが理解されない時代で、きのがひたすら海に潜り続けたのは海に魅了されてしまったから、潜り続ければ皆もいつか判ってくれると信じていたから、まずは自分が海をもっと知ることから始めるという信念を持っていたから。
毎日が失敗というキツイ状態の中できのが見つけたのは現代では有名な奇跡のような光景。たくさんの『もし』の先に見つけた光景だからこそ、諦めていたら絶対に出会えないであろうと実感できその後もダイビングを続けられる原動力になったのだろうね
きのの「一番遣りたい事を遣りな」という台詞はきのが言うからこそ説得力を持ってくる言葉。きののようにはなれなくても損得以外のものさしで自分の行為を図るのも有りだと思うには充分な訓示
それにしても多くのダイバーに豚汁を振る舞ってきたきのにそのような過去が有ったとは驚き。あまんちゅ屋の居心地が良く楽しい空間はダイビングの良さを追求してきた彼女だからこそ作り出せるものだったのかも知れないと納得できる内容だった
あれ?これで終わりなの?第二期の発表は無いのか。原作ストックが溜まったらまた放送してくれたりするんだろうか?
最終回ということもあってか、ローブを着た謎の人物が秋穂であると判明。しかし、その事実は海渡によって伏せられる。だから、さくら視点で見れば、怖い夢を見たりもしたけど皆が居てくれるから辛いことが起こっても絶対大丈夫と改めて確認しただけの一日となってしまう
他にもさくらには様々な事実が伏せられている。ケルベロスと月が知ったクリアカードはさくらが生み出している事実、兄や父や自分の行動をある程度把握している事実、小狼がさくらを守るために多くの犠牲を強いている事実、
さくらを守ろうとするあまり蚊帳の外に置かれているように見えなくもないが、捉え方を変えればそれぞれが出来る最善を尽くしていると読み取ることも出来る。つまりさくらの言う「皆が居るから絶対大丈夫」を裏付ける状況
視聴者にとってもこの先の展開が伏せられてしまう最終回となったことは寂しい限り。いつかこの話の続きを見たいものである
最初はダメ人間な隣の席に座っていた優等生といった印象しかなかった瞳がどんどん中学生離れしていく……。多数の仕事を掛け持ち家賃15万(本当は30万)の物件に一人暮らし、引っ越しパーティーには有名企業の重役が。何だこの中学生……
瞳が断れない性格で手際が良いからって幾ら何でも追い込まれすぎているようにも思える。というか瞳ってここまで流されるキャラだったっけ?限界まで働き涙まで流してしまった状況で自身を開放する手段としてパーティーに母親を呼ぶという手法はあまりに消極的
自分が歩む道の決定権を他人に委ねているから、思惑から外れて更にドツボにはまってしまう。「結局私は何がしたかったんだろう」という独白はもう少し早い時点で投げかけるべきだったのだろうね
後半はお金の使い方が判らないというアンズを連れて紆余曲折。
アンズはホームレス生活のせいでお金に頼らない逞しい性格になっている。そのせいで「お金を使って」何かをしたいという発想があまりないのだろうね。
世話になっているおじさんたちに何かをあげたいと思いついたまでは良かったのに、足りないお金を増やす手段を他人に委ねてしまったから結局はお小遣いを全て無くしてしまう。それでも能力を使えばお金が手に入る道があったのに、馬を思い遣り踏みとどまったのは彼女が自分はどのような手段で何をしたいかを考えたから
だから、瞳の助言で大切な事は感謝の気持ちと教えられた後、アンズはおじさん達に手製の肩叩き券を渡すことが出来た
お金はなくなってしまったけど、肩叩き券なら何度でも発行できる。アンズとおじさん達の笑顔に癒やされるようなBパートラストだった
ナミのあまりにあっけ無く突然の死にしばらく呆然としてしまった。あれじゃ助けるとか見捨てるとかそれ以前の問題じゃないか。この流れではクロスボウメンバーの態度含め、どうしても宗介が彼女らを不用意に危険地帯に巻き込んでしまったという印象が強くなる。
宗介としては元々アマルガムに近づくことが目的であったのだから、このような事態はある程度予想していたことだったろう。予想外だったのは彼女らに対して情を寄せ過ぎてしまったことか。
市街戦やクラマを追い詰めた際の宗介の叫び。かなめが攫われた時を思い起こさせる絶叫はナミが死んでしばらくは感じられなかった激情が少しずつ強くなっていく様子が感じられるようだった
ナミを殺したのはクラマだけど、その状況を作り上げてしまったのは闇バトルへの参加を決めた宗介の責任。参加を決める前にナミたちに対しどのような信頼を寄せていることに気付き、更には彼女らを巻き込まないと決めることがもし出来ていたなら状況は大きく違っただろう。けれど、宗介はかなめを助けたい想いが強すぎて自分の選択の意味を深く考えてこなかった
だから、クラマにナミを人質ではなく宗介を戦いに引きずり出すための駒に使われてしまうし、クラマを生け捕りにしたいレモンとの共闘も断る羽目になってしまう。全ては宗介が自分の行動の意味を考えてこなかったから
アマルガムとの戦いで自身の失策から手痛い敗戦が続いた宗介。重症の身体含め彼がこの絶望の局面からどのように復活するのか気になる
初めて多田と出逢った場所から始まった最初で最後のデート。多田を意識しすぎるあまり堅苦しくなっていたテレサが嘘のように今回は多くの場面で明るい笑顔にあふれていた
多田の記憶の中には笑顔を浮かべた姿で残りたいという乙女心から来る行為だったのだろうか?そして自分もいつも通りの多田を覚えていたかったから敢えて「いつもの多田くんで居て下さい」とお願いしたのだろうか?
反面、時折見せる寂しそうな表情や、プレゼントを貰った直後に泣きそうになったのにそれを必死に押し殺したテレサの姿が悲しい
又、両親が死んでしまい突然の別れが訪れた日を引き合いに出し「あのとき素直になっていれば」と後悔を滲ませた多田。同じようにテレサとの別れも予期せぬタイミングで起きる。今回もいつかのように悔み続けることになってしまうのか、それともテレサの「一度後悔したことは二度と繰り返さないようにする」という言葉に従いここから足掻き始めるのか
海外で暮らすなんて想像できないと言いテレサの勇気を讃えた多田。唐突に帰国してしまったテレサに対し、今度は多田を勇気を出して追いかける番か。
その前に自分の中にある感情を整理する方が先だと感じてしまうけど
アニメや漫画における金持ち描写って極端なものが多いけれど、本作も大概だなぁ
というか翼の実家があれだけの金持ちで且つ大きすぎる期待の下で育てられたとすれば、翼が少年漫画家になった理由も単純に少年漫画が好きだったからだけでなく、親への反発も有ったのではないかと想像してしまう
今回の話、往年の競馬ファンなら涙無しには見られない回だったんじゃなかろうかと思えるほどにスタッフの熱量を感じられる内容だった
まず冒頭から強烈だった。
サイレンススズカの靴紐を結び直す仕草、故障したレース前にも同じ動作をしていた為に一瞬不安な気持ちに襲われるがそこから始まるのは回想。つまりはサイレンススズカがこの復活劇のためにどれだけの積み重ねが有ったかを思い起こさせる描写が続く。その後に再び靴紐を結び直す描写が入る頃には視聴者の不安は消えている。むしろサイレンススズカの復活劇を早く見たくて仕方なくなっている。この構成は見事だった
そこからのレース展開もサイレンススズカらしからぬ後方に留まるものからの終盤であらゆる人の目を覚ますかのような素晴らしい抜き去り。このシーンは実況・解説コンビの演技が素晴らしかったことも有り本当のレースシーンを見ているような錯覚に陥ってしまった
いや、本当にスタッフは素晴らしい作品を作ってくれたよ
だというのに次回は今回の熱量を更に超えてきそうな回が待っているってどういうことだい!
サイレンススズカとの約束のため、エルコンドルパサーの雪辱のため、スペシャルウィークがブロワイエと直接対決する次回。今から楽しみで仕方ない
日常時々ダイビングがテーマとなる「あまんちゅ!」において夢世界が舞台の話という時点でちょっと引いて見ていた部分があったのに、今回は光達も夢世界に付いて来た上に愛の告白があったり、更にはピーターの正体が悪い意味で驚きだったことも有り、最後までどのような視点で見れば良いのか判らないまま終わってしまったように感じられるエピソードだった
あ、でも光達に関しては愛が「二人が夢の中まで付いて来てくれた」という夢を見ただけな可能性もあるのか?
他の人には迷惑をかけないようにとピーターと二人だけの閉じて停滞した世界を望んだ真斗、誰かが見つけてくれるかも知れないと不確定でも開かれた世界を示した愛
ピーターが受け入れたのは愛の言葉。これは発言者が愛だからピーターは受け入れることができたんだろうなと思える。発言者が真斗だったらピーターは真斗の身を案じる心が先に来て、真斗の示す世界が自分の望んだものであっても受け入れることが出来ない
ある意味、真斗より関係性が薄くてそれでも真剣な想いで現状打開を訴える愛の言葉だからこそ、ピーターは余計なことを考えず開かれた世界を受け入れることが出来たんじゃなかろうかと思える
二人の想いや自分の恋が叶わぬことを知りながら奮闘した愛。
だというのに再会の場面で「後は二人で」と去らなければならない愛の姿が悲しい。
ラストの「よく出来たじゃない」が様々な意味に受け取れて更に悲しみを覚えてしまう
相手の顔を見ていれば理解できることが有る。そして、自分を理解するためには鏡を見なければならない。けれど、鏡は左右逆だから他人が見ている自分と自分が鏡を通して見る自分は違うかもしれない
何時になくシリアスで皆に心配をかけたくないというさくらの言葉は少しずつ物語が深刻な方向へ進んでいる状況を表しているかのよう
今回はさくらや秋穂が倒れていたのもあってか、その二人を周囲の面々がどう思っているのか、かなり語られた回だった
桃矢がさくらの事情をかなり把握しているのは以前から知られていたことだったけど、お父さんも何となしに知っていたのね
それは母親である撫子の不思議な部分を事前に知っていたから知れた部分もあるだろうけど、やはり毎日のようにさくらの顔を見ていたからこそ事情を理解できたのだろうね。
それでいて余計なことは何も言わず穏やかに見守るなんてそうそう出来ることではない
エリオルが月とケルベロスに事情を隠していた理由も判明。主従として顔を合わせるさくらの前では月は隠し事が出来ないだろうと彼をよく知っているエリオルだからこその判断。
「あの魔法」を発動させるためとエリオルへ攻撃しさくらをどこかへ導こうとしている海渡。彼をよく知っているモモが懸念するように、目的の為の手段を重視するあまり少しずつ大切にしなければならないものの順番を見失いかけているのだろうか?
そしてメインとなるのはさくらと小狼。互いを大切にしようとするあまり、隠し事をしてしまう部分もある二人。
さくらから見える小狼、小狼から見えるさくら。大事にしたいという想いは伝えあっていても、その覚悟のために影でどれだけの犠牲を抱えているかは隠してしまう。けれど、互いをよく知っているから何か隠し事があるのは判ってしまう
空中でさくらを不幸にさせないと力強く誓った小狼。でも、今の小狼は不幸にさせたくないという想いが強すぎて逆にさくらを悲しませる結果になりそうな……
前回やらかしたヒナからの解放パーティーから気不味くなる程度で済んだの?もっと破滅的な影響が残ってしまうものかと……
斑鳩から応援にと召喚されたマオが降り立ったのは無人島。誰も居ないし任務は失敗だしで心細くなり終いには椰子の実をアンズとヒナに喩えて会話をする姿は哀しい……。何故もっと早く筏を用意しなかったのかと問い詰めたい
思い返せばヒナは今も色々と生活力が足りないし、アンズも最初は無銭飲食やら野宿やらで酷い有様だった。マオが自分の力で島から動こうとせずバカンスの真似事を始めてしまったのも、自分の考えで行動する力を身に付けるために必要な時間だったと捉えることもできる……のか?
「会いたい、人に」と大海に漕ぎ出したマオは無事日本に辿り着けるのかな?更に辺鄙な土地に辿り着きそうな気もするが
一方、組長の交代劇に巻き込まれた新田の扱いが酷い。彼自身は何の落ち度もないし上手く立ち回っている筈なのにあっという間にコンクリ詰めは笑えない。
最良と考え行動した結果があのような末路を辿り最後にはコンクリ詰めのまま頭コールで締められる状況は哀れとしか言いようがない
自分の考えで行動した結果、無人島を脱出したマオ、コンクリ詰めになった新田
そして、ヒナは自分の考えで新田の出世を祝うことに。普段、寝てばかりだし面倒くさがり屋なヒナが新田を祝うために奔走する姿は意外。
結果、作り上げた光景はどう見ても葬式仕様だったけど、新田を祝おうとする心は本物。新田が目を逸らしながらの「ありがとう」との一言からは恥ずかしがりつつもヒナの想いをきちんと汲み取っているように感じられとても良かった
実はナミもウィスパード?宗介はウィスパードと何かと縁がある人間だね
それにしてもサベージとM9の戦闘描写は凄いとしか言い様がない。
鈍重でカクカクした動きのサベージで最新鋭機のM9に勝利してしまう宗介のAS操縦技術は作中に於いてトップクラスであることを思い出させるようなものばかり。「ジャイアント・キリング」というサブタイトルがとても相応しく感じられる内容
しかし、サベージはもう動かないし敵はクラマも含めて数多い。捕らえられたナミを前にして宗介はどう戦うのだろうか?
その人のスタンスが漫画に反映されるのか、それとも漫画に合わせてスタンスが定まっていくのか
幼少期の翼に少女趣味があったという話は驚き。昔から今みたいな性格だと思っていたよ
しかし、翼は少年漫画を書いていく中で髪を短くし趣味や言動も少年のように。そういった背景があったからこそ、面白い少年漫画を懸けたのかも知れないけれど、日常回でお姫様の行動を考えようとした際にはその偏りが仇となってしまうのはなんとも皮肉
描くシーン毎に服装を変えることにした点はとても面倒なように見えるが、己のスタンスを漫画に反映させている翼には必要な行為なのかもしれない
お菓子の食べ過ぎで体重が増えてしまった小夢。コメディでは定番の体重計が壊れてる可能性を打ち砕く、お気に入りの服が入らない描写は残酷
それ故に小夢はダイエットを決意するけれど、その為に漫画からは覇気や小夢らしさが消えてしまう。
自分の漫画を書くために思い切ってデザートを食べお菓子も心ゆくまで味わう。やはりそんなスタンスの方が小夢らしく感じる。
思えば怖浦先輩もスタンスと漫画が非常にリンクした人間だし、琉姫もTL作家らしく小夢の身体に夢中になってしまうタイプ。
そう考えていくと薫子は現役女子高生である点を活かした作品よりもネガティブな性格を活かした方が面白い漫画が描けるんじゃないかと思ってしまうが……