シャア以外はアムロもホワイトベースのクルー・避難民、失敗続きのガルマみんな一杯一杯の状況が素晴らしい。
戦闘続きで精神的に参ってしまうアムロ。命懸けで赤の他人のために戦う理由が頭でっかちな正義感じゃなくて、「悔しいけど僕は男なんだな」という泥臭いところに落ち着くのが良い。
フラウの媚び媚びしてないけど優しさを感じさせるところが良い。爪を噛むアムロに「そのクセ止めなさい」と言うちょっと突き放した感じが好き。
リュウがアムロと同じ扱いなら、カイにも良いもの食べさせてあげたら良いのにと思う。
ザビ家の男のプライドをくすぐられたら納得するガルマはチョロい。マチルダさんに褒められたら元気になるアムロもチョロい。
ミノフスキー粒子のおかげで、運が良ければ輸送機が護衛もつけずにジオンの勢力圏をうろうろできるのかな?
でた!「親父にもぶたれたことないのに!」
もっとアムロがごね倒すのかと思ったけど、意外と早く立ち直った。ブライトに二度殴られて、フラウ・ボウに「私がガンダムに乗る」とまで言わせて、精神的に大人の階段を少し上ったということか。木馬が攻撃を受けていて皆が戦っている状況で、自分だけが拗ねて引きこもっているわけにはいかないし、生き抜くためには自分の能力を活かすしかないという覚悟と、ブライトに「シャアを超えられる」と言われて承認欲求が刺激されたことがあいまって、アムロを突き動かしたとも思える。
シャアはパイロットとして優れているだけでなく、権謀術数に長けた策士でもある。ORIGINEでは士官学校時代からガルマの親友のように振る舞い、暁の蜂起を主導させた。その頃からガルマを上手く操り続け、利用価値が無くなれば……というシャアの恐るべき策動は、悲しい生い立ちと復讐と理想に裏付けられた覚悟からくるものだと、今では位置付けられる。この回が描かれた時はそこまで重層的な背景が設定されてはいなかったと思うけど、後にORIGINEでそこまで描かせる余地を持つほどにこの1stガンダムにおける富野由悠季氏の構想力が冴えていたと言わざるを得ない。
そして、マチルダさん登場。アムロが大人の階段を上っていくw
☆☆☆☆★(4.5)
「二度もぶった……親父にもぶたれたことないのに!」
「悔しいけど……僕は男なんだな」
アムロが限界に達しているのを見るのがつらかった。特に食堂のくだり。
結局ブライトさんの言葉よりもフラウ・ボゥの言葉のほうが、アムロに諦めに近い覚悟を決めさせたのかなあ。「自分のやったことに自信を持てない人なんて嫌いよ。今日までホワイトベースを守ってきたのは俺だって言えないアムロは男じゃない」って名言だと思う。それでも才能がある人はそれを有効的に使わなくちゃいけないのかな、とかも思った。いくら戦闘の才能があっても怖いものは怖いよなあ。ブライトさんって指揮官としての能力はいかほどなのか。あと初代だと女はガンダムに乗らないのかな。
でも空中戦をするガンダムの姿を見ると、やっぱりアムロはすごいな、と思った。マチルダさんとの出会いもあって、アムロの心境に変化が訪れるのだろうか。これから心から戦うことを肯定できるようになるのかな。
マチルダさん顔も声も最高……と思ってたら戸田恵子だった。シャアはもうガルマをうまく利用してる感じだね。
それにしても次回予告……。
連邦のホワイトベースに対する動きは鈍いね。アムロは本当疲れ切ってる。
コアファイターって複数台あったのね。全部換装できるようになってるのね。
初の空中戦。順調に経験を積む。
シャアの言い訳は厳しい・・・。敵よりガルマの命のが優先度高そうだな。
マチルダさん・・・
アムロ鬱になってブライトさんに殴られる。アムロが空中戦闘を覚えた。シャアは思ったより意地が悪い。マチルダ少尉によりリード中尉や病人の避難民が引き取られた。
ホワイトベース内の空気が更に悪くなっていく……。敵の勢力圏を支援皆無で飛行しているわけですから当然といえば当然ですが…。
それに応じてアムロのいじけ具合も酷いことに。「もう怖いのは嫌」とか主戦力が言っちゃいけない言葉だよなぁ。そんなアムロに対してブライトの張り手炸裂。そうか「親父にも打たれたこと無いのに!」という台詞が登場するのってこのタイミングなんだ。
あまりのアムロの不甲斐なさに遂にフラウ・ボゥがガンダムに乗ると言い出すが、それに対してアムロが「悔しいけど僕は男なんだな」とやる気を取り戻すさまは格好いい。が、その後マチルダさんに一目惚れしてしまう辺りがちょっと…(笑)
シャアとガルマの偽りの友情は相変わらず。プライドの高いガルマに救援を出すと叱られるから出撃しないというシャアの姿勢は、叱られたことで出撃し仲間を救ったアムロと対比だったりするんだろうか?