やっぱこのミハル回はやり切れない悲しさがあるなぁ。
戦争の作戦行動の常とはいえ、シャアは罪深い。
ミハルが戦闘機から放り出されて空中に舞うシーンは、悲劇的ではあるけど、美しい作画だった。
ミハルの素性と背景を、カイ以外は正確に知らないまま終わる脚本の妙はさすが。深い悲しみを背負うのはカイだけという。
この回の作画陣の思い入れも伺える。
ミハルのあっけない死。ミサイルの噴気のことがわかっていれば、あそこまで無造作な操作はしなかっただろう。ミハルは軍人ではなかった。民間人がスパイにならなければ生きていけない状況。泣くカイに対して、「ミハルって誰?」「カイ、なんなのお前…」「誰もいなかっただろ…」みたいな反応をするホワイトベースのメインクルーたち。人間関係の有無によるこの落差の描き方、天才すぎる。富野監督すごい。
MAグラブロ。慣れない水中戦。
考え方を変えてホワイトベースの味方をしたミハルの最後があっけなさすぎる。
誰も知らない故の温度差が辛すぎる。
前回予告の誰が安らかにと言えるだろうか、も後からじわじわとくる
ブライトの執務室で不審者のミハルを見つけても通報せずに匿ってしまう辺りカイは本質的には優しい人間なんだろうな。貧困に苦しむ者に同情的ってことかもしれないが
ミハル自身も連邦に対する憎しみがあるわけではなく、弟たちを養いたいという気持ちからスパイ活動をしているからか艦内の子供達を見てホワイトベース、というかカイに助力することを決意。その結果があんなことになるのだからこの脚本は容赦ない。
ミハルの考え方って別に悪に踏み込んでいる訳でも間違っている訳でもないと思うんだけどねぇ……。戦争に振り回されて命を落とすことになったミハルや弟たちのためにカイを本気にさせるための工程か