両親が離婚し、父親と暮らす小学生の日高 暦(ひだか こよみ)。
ある日、父の勤務先で佐藤 栞(さとう しおり)という少女と出会う。
お互いに恋心を抱くようになる暦と栞だったが、親同士が再婚することを知らされる。
ふたりは兄妹にならない運命が約束された並行世界への駆け落ちを決断するが・・・。
原作小説を僕愛→君愛の順で読んだので,映画も僕愛→君愛で。この順番で観て良かったと思っている。
小説の好みは 僕愛 > 君愛 だったが,映像作品は 君愛 > 僕愛 だった。
制作スタジオは僕愛が BAKKEN RECORD で,君愛が トムス・エンタテインメント/第6スタジオ。
作画の好みは君愛に軍配。
終盤での僕愛シーンのぶっ込み方が秀逸。僕愛主題歌の須田景凪「雲を恋う」が心を揺さぶってきた。
原作小説もそう思ったが,これは2作とも見ないといけない作品。
佐藤栞が「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」(2019年アニプレックス)の牧之原翔子さんを思わせる。境遇的にもキャラデザ的にも。
いい作品を観た。
「観る順番によって結末が大きく変わる」
そう宣伝していたのはこういう事か…
物語の伏線とその回収を パラレルワールドという設定を利用して
別の作品にする。
別々のストーリーで伏線を仕立てるのだから、知る前と後で 全体のイメージは変わるに違いない。
並行世界で、ただのスピンオフでないところがおもしろい。
しかし、やはりパラレルワールドという設定は かなりムリがあるか。
第1人称で考えても、選択によって並行世界は無限にあることになる。
例えば変わりかけた信号を渡るか、渡らないかで、その信号に差し掛かる者が車を止めたり、通過したり、場合によっては事故になったりもする。
主人公の「君」が事故に遭わない並行世界が、近い並行世界に存在しないはずがない。
そもそも、シフト中の事故で植物人間になるのも強引だと感じるし、
ある特定の場所から動けない 幽霊のような存在になるというのは、もっと強引。
さらにタイムシフトなどというイベントで、主人公が「君」と同じ状態になるというのは、もうSFではなく、ファンタジーの世界だと思う。
僕愛から見ての君愛
パレルシフトの上で繰り広げられる二人のロマンスと、暦が栞のために捧げる一途な想いが切なかった……
栞が「私のために、それだけのために暦くんが生きてるなんてそんなの嫌だよ」って言葉に返す「栞のためだけに生きていたい、俺を一人にしないでくれよ」って暦の台詞に二人の全てが詰まっているような気がした
虚質のもつれでどんな世界線でも一緒に結び付けられた二人や、世界線と時を超えた二人の約束の再会は、二人が想い合ったからこそ掴めた運命や繋がりを感じて、切ないけれど幸せだった
可能性が生きている暖かさだと栞は言っていたけれど、確かにそうだと思う
栞は幽霊になっちゃったし肉体はもうないけれど、暦が栞を取り戻せると信じて、栞の幸せのために暦が想い続けている限りは、栞は生きているんだと思う
原作小説は僕愛→君愛で読んだので、映画は君愛→僕愛で見た。
どちらから見ても問題ない作品ではあるけど、映画作ってる側は君愛→僕愛で見る想定だったのかな?
なんかエンドロールの感じとかからそんな雰囲気がした。
僕愛→君愛で見ると僕愛だけ見た時点ではよくわからん事がたくさんあるかもしれない。
全体的に小説よりも分かりやすく作られている感じだった。
小説の方がどっちも読まないと全部わからないように書かれている感じだったかな?
ただ、終わり方とかは小説よりも救いがある感じだったかも。個人的には小説の終わり方の方がすきかなぁ。
並行世界で選択が違うだけでお話がまるっきり変わってしまうというのを 2 作品並行でやるというのが今までにない試みよねー。
この作品でしか味わえないどちらから見るかで感じ方が変わる不思議な体験をぜひ味わってほしい。
単品でも楽しめるお話ではあるけど、やっぱり僕愛君愛両方見てこそなので、どちらから見てもいいけど必ず両方見ましょう。
単体感想
全体的によくある恋愛物の話なんだけど、唐突な展開が多いから観ていて疲れる。あと、単体で観てもそこまで面白くない。
本作→僕愛 の感想
本作で多かった唐突な展開が僕愛を視聴することで補完されるから、僕愛を観るとすっきりする。
やっぱり、君愛→僕愛ですねぇ
仕組みとしてはとても面白かったのですが、2本100分だとだいぶ被りがあるので、そこをどうにか出来なかったかな…と思います
再婚相手の子供同士が結婚できるってあの場で教える日高父な…
もうひとつのほうよりこっちのほうが多少良く感じたのだけど監督が違うのね。いずれにせよ自分に必要なものではなかった。
両方を観ました。
こちらでは、より選択肢に限界があることを強く感じました(こちらを後から観ました)。
その選択を、選択できなかった可能性を含めて、眩しいものとして観ました。