家族愛、兄弟愛、師弟愛、そして恋人との愛といった、愛の物語である。
確かに、これをガンダムじゃないと評した先人の気持ちもわかる。わかるが、個人的にこれはガンダムでやってこそ意味があるストーリーだと思う。
武道家同士、拳で語り合える!というのをNT同士の共感のメタファーとするなら、最終回でのドモンの告白のように、言葉にして伝えるべきだと示すというのは、ある種NT論に対するアンサーになっているとも思う。それの後押しをするのが強化人間枠のアレンビーなのが切ない。
地球と宇宙の関係など富野ガンダムに通ずるところにもキッチリ焦点を合わせているのも素晴らしい。
東方不敗など強烈なキャラクター、癖は強いが面白い演出、王道な展開など魅力的な要素もたくさん兼ね備えた作品で、見てきたガンダムの中だと最も健全な路線だと感じた。シュバルツ・ブルーダーがとにかくかっこよくて好き。
「ポトツキに利益の一割を贈与すること」から、アルベルト氏に本の題名が伝わることで”?”タウマゼインが伝播するラストが綺麗に終わっていて好き。
各時代の主人公たちが繋げてきた甲斐があったように思える。バデーニの論文がそのまま繋がるのではなく、学のないオクジーが考えた題名が伝わっているのが特にイイ…
大人ラファウはあくまで心理を探求する人々のアイコンなのだろうと解釈した。地動説を伝える感動のリレー!ではなく、そうした人々も悪役になりうるとすることで、ノヴァクの「俺が悪役~」の否定につながる。実際ノヴァクの妄想ラファウにもそう言わせているし。
時系列が先に進むにつれグラデーション的に現実に近づいていくのも伝記のようでイイ!
ひたすら画面が暗くて見づらいのはどうにかならなかったんですかね?そこだけが不満。