「どう?ハチマキ。私の海、いいでしょう」
ノノの言葉に胸が一杯になります。月の大地は死と隣り合わせの恐ろしい世界。だけど彼女にとっては生まれ育った母なる海。人類がこれまで未知を切り開き世界を拡げてきたように、いつか宇宙にも適応して新たな暮らしを築いていける、彼女の笑顔はそんな人類の希望そのものに見えました。「わがままで冷たい宇宙とどう向き合っていくかってことなんだろうな」ハチマキが言うように、たとえどんなに過酷な場所だったとしても、与えられた環境でいかにふるまうかという誰にも奪うことの出来ない自由を人間は持っているのだから。
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