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良い

祖父母の家での話という内輪の集まり。その為か今回は互いを想い合う家族の面が強調されていた印象だね
小春にとって初めて訪れるだろう祖父母の家。でもそんな事を感じさせないのは、流れる空気が家族想いの愛情に満ちたものだからなのかもしれないね

ひよりと小春の家庭は再婚したばかり。だから知らない事は有るし、初めて見る面も有る。でも、それは血が繋がった相手である祖父相手でもそうだし、自分の母親だって長らく見ていない顔が有るほど
家族は強い繋がりだけど、家族だからって無条件に全てが通じ合えるわけではない

それは一緒に暮らして数ヶ月経つひよりと小春も同様。ひよりは小春が渓流釣りの後輩に当たるから、小春がお姉ちゃんとして頑張ろうとしていた事に気付けなかったし、寝込むと気弱な姿を見せる事も知らなかった
家族は自動的になれるわけではない。相手を想う行動が有って初めて家族になれる。祖父の行動や母の提案、そしてひよりの料理にそれらは現れているね

また、すぐ帰って来られなくても小春に愛情を向けてくれた母、小春の為に会社を切り上げすぐに向かってくれた父。小春は愛されているね
それはひよりが小春に向けるものも同じ。ひよりは小春を家族として想いたいから小春から想いを向けられる事を望んだ
ここで良い、ここが良いという遣り取り。二人はより家族らしくなれたようだね



良い

いや、番人の正体には驚かされた。前回がミステリっぽい内容だったものだから、てっきり真っ当に推理できる存在なのかと……
こういった視聴者の予想を完全に外してくる展開こそジョジョの醍醐味と言った処
そして他者の予想を外すという点では徐倫もそういった存在になりつつあるね

三人の女囚の内一人が犯人、他は無実。なら犯人だけ倒すかと思いきや徐倫は全員倒すのか(笑)
でも敵は三人とも操っていたのだから選択肢に無い予想外こそ正解。また、フー・ファイターズもこれまで徐倫が会ったスタンド使いから外れた存在だね。人間ではなくプランクトンもスタンド使いになれる

手錠とディスク、選択を迫られた際に徐倫が出した答えはまさかの両取り。エルメェスは出会ったばかりの相方、命を預けるにはまともな選択ではない
徐倫は更に相手の選択肢を外してくるね。水溜りに入るか逃げるか、徐倫は水溜りに入った上で戦うよりも質問を先に行った。それはフー・ファイターズですら疑問に思う予想外

けど本当の予想外しは徐倫の優先順位だね
彼女は敵を倒す選択よりもディスクの確保、そしてフー・ファイターズの懐柔を狙った。そう出来たのはフー・ファイターズがホワイトスネークよりディスクを選ぶ予想外の存在だったからだね
だから徐倫はフー・ファイターズよりホワイトスネークが悪だと選べた

これでOPで中心的な描かれた方をしている三人が揃った形だね。まさか3人目がこのような人物……というか存在とは思わなかったけど
力強く、頼りになる三人といった印象だし、そのリーダーとなる徐倫も主人公の風格が出てきたね
ただ、そういった予想外は敵にとっても同様のもの。ここから敵の攻撃は激しさを増してきそうだ



普通

シュウタにとってモラトリアムの終わりとなる回か
ランやコウキ、そして周囲の人間達はシュウタに大人になれと促しているかのよう。だと言うのに、何かを諦めるのではなく、初期衝動に立ち返るのはシュウタらしいね
……その過程で女性の胸をガン見してるのはズッコケ要素では有るけども(笑)

シュウタが悩んでいたのはヒーローになるか、家業を継いでパン屋になるか。いわば理想を取るか現実を取るかの二択かな
ヒーローを選んだのがランで、家業を継いだのがコウキ。シュウタは明確な指針がないからどっちつかずになってしまう。パンの味も微妙なものになってしまう。だから悩んでしまう

でも、突っ走って事態を変えるシュウタが悩んでいる時点で間違いなんだよね。
必要な答えは全てが始まる前にあったようで。ヒーローもパン屋も人を救う。ならシュウタがどちらかを選ぶ必要なんて無いわけだ
まあ、ここでもアスミが関わってくるのかと思わなくもないけれど……。シュウタにとってアスミと無関係に未来を選ぶ事が出来た時が本当のモラトリアムの終わりになる気がしないでもない



とても良い

平家の中心である平清盛の死。平家の凋落がここから本格的に始まる事を思えば歴史の分岐点になった瞬間と言える
だからか皆して未来を見ようとしている。未来の不確かさに恐れる者、迫る未来へ覚悟を決める者。でも、それによって未来が変わる事はないという事実が何よりも残酷に思えた

未来の残酷さからは清盛も逃れられない
支配者であった清盛にとって予想できない未来は「面白いもの」だった。でも頼朝の動向も南都の反抗も予想出来ない上に「面白くない」
東大寺焼失は一瞬面白く感じたものの、それによる祟りがあるかもという未来は面白くない
また、源氏打倒の未来を楽しめる事もない

上皇の危篤に際して、徳子に明るい未来を用意しようとした清盛・時子。けれど高倉上皇の愛を知った徳子にとっては暗い未来。それは初の逆らい、道具からの脱却となり、自分の生きる意味を実感する未来へ繋がる
ただ、亡くなった上皇への愛に生きるという事は過去に生きるという意味でもあり…。なのに、びわには見える過去の存在が徳子に見えないというのは少し残酷だ

未来を見る面々の中で維盛だけは未来を全く想像できず声を荒げる。「先が見えたってきっと何も出来ませぬ」と言われた維盛はあの瞬間に辿り着く未来すら無くしたのかもしれない

そして平家の未来を想像する資盛の言葉が……!
未来と過去を見るびわが平家から離れた事は平家にとって何を意味するのか……

それにしても清盛の遺言は印象的なものだったな
多くの平家作品において、「頼朝の首」発言は清盛のクライマックスとして扱われているように思う
けれど本作ではそれを扱いつつも、最後の言葉として徳子を想う父親としての言葉を示したのは意外だった
そういった点からは本作を軍記物よりも人間の物語として描こうとしているのだと伝わってくるね



良い

記憶を司る精霊とはこれまたストレートな……
記憶はその人の基軸となる部分。それがあるから自分自身で居られる。逆に奪われてしまえばチカ達のように頓珍漢な事態となってしまう
人格入れ替えネタみたいになっていただけに深刻さよりも面白さが目立つ回だったけども(笑)

印象的なのはペコリーヌとキャルの微笑ましいを通り越して尊いと言いたくなる絡みかな
足手まといを嫌がって痛みを我慢したキャルに対して、無理やり抱え走ったペコリーヌは頼りになるけど少し抜けている
自分達を姉妹と喩えた二人。それは基軸に別の人格を被せるかのような行為。でも元の基軸は失ってないから二人らしさも失わない

前々回で示されたように記憶を失う前のユウキは多くの絆を抱えていたようだけど、今だって新たな絆を築いている。記憶を失ってから永いユウキは基軸に別の人格を得てしまったと言える
コッコロはチカ達を「元に戻って良かった」と言ったけど、それは果たしてユウキにも当てはまるのだろうか、とふと考えてしまった……



とても良い

過去の行いに後悔を持つそれぞれが交わる事で生まれる人間ドラマが面白いね
過去は変えられない。けれど未来は変えられる。だからトキ達が過去に潜るのは未来を良い方へ変えるため。今回は依頼主だけでなく自分達の未来すら変えようとしているね

児童誘拐という重いテーマだけど、 ダイブのルールからして過去の世界で子供を救うのは許されない。だから見つけようとしているのは夫妻の未来を良い方へ変える為の手掛かりだね
何度騙されても占いに縋っても、それでも諦められないくらいに今の夫妻は過去に囚われている

過去に囚われているのはリンも同じか。見たと言えなかった、後ろめたさから逃げてしまった。だというのにその過去が現れたからリンを苦しめる
また、過去に潜って欲しいという依頼もトキを苦しめるものになっているね。過去を変えられず誰も救えないなら何の為に潜るのか…

トキがそのままの姿で潜る事になった今回のダイブ。これまでは他人の姿を模していたからその人を演じれば良かった。でも今回はトキはトキ自身として過去を体験するしかない。その影響は計り知れないね
そうして生じた過去を変える一幕。この邂逅をトキとヒカルは良い未来へ繋げられるのだろうか?



良い

地ならしが始まった事でパラディ島の住人は自由を得ると確定した
でも、自由になったのなら自分で行動指針を決めないといけない。今回は大虐殺が行われる極限の環境でそれに悩まされる面々が描かれていたね

硬質化が解かれ自由になったアニ。彼女が語るのはこれまでとこれからの自分
養父に技を仕込まれていた頃のアニは不自由で、養父の足を砕き戦士隊に選ばれた時にようやく自由になった。だというのに今の彼女が考えるのは養父の下に帰ること。アニは自由を手にした後に不自由かもしれない繋がりを失えなくなったわけだ

いつもは事態打開策を示すアルミンがパニクっている点が何よりも事態の深刻さを物語っているね…
味方と思ったエレンが虐殺を始め他の全てが狂った事で彼もどうすれば良いか判らない。自由が過ぎて不自由になっている
遂にはエルヴィンが助かれば良かっただなんて、自分が得た命の自由を否定するかのような言葉を……

友人の死を見て以来、屈する事を許さず進み続けていたジャンはある意味不自由だった。それに対しフロックが示したのは戦いから解放される自由
自由への誘惑を前に膝を屈したジャンは何を思うのか……
また、アルミンから突き放され自分で考えろと促されたミカサ、ファルコという餌を持って母を自由にしようとするコニーはこれからどう行動するのだろうね



良い

一つの物事に他の要素を加える事で見えてくる魅力
たった一つの事、それだけに専従すればそれについては上手くなるかもしれない。でも、実際は他の要素や経験を持ち込む事で魅力は磨かれる。そういった事を感じる回だったかな

その最たる例は新菜の面相描き
新菜は面相描きの練習をしていないから腕が落ちたと思っていた。でも、祖父に言わせれば海夢の化粧という経験を積んだ事で評価が上がった
面相描きにコスプレ化粧の要素が持ち込まれる事でより磨きがかかった

作中アニメも同様だね。一面的には女児向けアニメだけど、そこに姉の悪堕ちとか男友達が出来てるとか、他の要素が存在する事で放送が終わって大分経つのに魅了される者が止まらない
だから海夢だけでなく新菜も作品を見て泣いてしまうし、書き起こした三面図もみっちりしたものになってしまうのだろうね(笑)

新菜のお宅訪問は海夢らしい内装により緊張を和らげるものに。一方で海夢は一緒にアニメを見る行為に好きな人という要素が加わる事でおうちデートとして楽しめたのか
また、失敗したオムライスもそこに鶏ガラという和食にない要素が加わる事で新菜を感心させるものに。まあ、それ以上にオムライスと理解されなかった事も要因の一つなのだろうけど(笑)



良い

まるでミステリーのような内容だ。正体の見えぬ黒幕、隠された記憶とディスク。そして限られた空間に増える囚人……
徐倫が探すのは父の記憶ディスク、エルメェスが探すのはスタンドとは何か。それぞれの探しものが別の探しものを誘発する展開だ

ただ、徐倫の探しものはトラクターに近づかない事にはどうしようもない。だから進むのはエルメェスの探しものだね
手錠の虐めに抗弁するしか出来なかったエルメェスを徐倫は糸を使って救援した。これは徐倫のスタンドがどのようなものか教えると共にスタンドの使い方を教えるものになっているね

でも、スタンド使いとして初心者なエルメェスはまだ警戒心が薄い。敵の姿が見えないだけで何でもないと思ってしまった。逆に徐倫は見える姿を利用して相手の攻撃を捕まえた
スタンドの何たるかを教える攻防。探しものを見つけたから、エルメェスは相手に一杯食わせられたわけだ

5人の筈が6人居る囚人。そして看守から離れられない密室空間のような場所で殺されゆく彼女ら。どうにかして犯人(スタンド使い)を探さなければならないのだけど…
ミステリーなら定石のような考え方が有ったりするんだけど、これもそのパターンだったりするんだろうか?



良い

釣り趣味を藍子に明かすか悩む二葉。自分の大切な一部を相手に話すとは、つまり相手と何かを共有する行為に繋がるのかもしれないね。逆に何かを共有できるのは大切な話し合いが出来ている証拠
二葉は藍子と趣味を、そしてひよりと小春は両親と家族を。そういった共有を感じた回だったな

藍子に秘密をいきなり打ち明けるのではなく遊園地を挟んでから。秘密を明かす準備運動は二葉に心の準備をさせるものに。だから頑張って明かせた
藍子の返しは意外でむしろ二葉が明かせない事で無理していたのではと気にする程。これは二葉のやりたい事をを大切に共有したいとの想いがあった為かな

指輪かペンダント、これは大切な人と想いを共有する媒介になっているね。二葉はネックレスを通じて姉に感謝を伝えた。一花が嬉しそうにこれをつけているのも、その時に受け取った想いを二葉と共有し続けたいからか
そういった意味ではひよりと小春の両親が指輪を付けられないのは共有を阻害してしまうかもしれない

娘達に気を遣って指輪も式も無い両親。そういった事情を話せないなら、ひよりと小春は両親と『家族』を共有できていなかったと考えられるかもしれない
だから二人が両親の為に結婚式を挙げる必要があって、それはドレスで着飾るよりも両親を、そして自分達を『家族』にする大切な一夜になったようだね



とても良い

福原への遷都、世は平家の衰退へ向け変わり続ける。けれど、清経などは以前のような風雅さから変わらないまま
これは平家が貴族化してしまった為なのだろうね。清盛が打倒した筈の貴族に平家は成ってしまった。だから武士から変わらない源氏の圧を流せない

月見をしながらの笛。まるで貴族のような振る舞い。そこでは戦の話は避けられる
場所も世も変わっていくのに、変わらないものがこの平家か。ただ、一方で変わらない事で見えたのが高倉帝の真意かな
ようやく明かした徳子の印象。それにより彼の中で徳子への愛が出会った頃から変わっていない点が見えたのは良かったね

異変が見える福原の中心に居る清盛は変わらない。びわの音を聴きながら思うのは既に世に居ない重盛のこと、自身が変えた世のこと
清盛は世を変える側だから彼が変わる必要はない。だから周囲の者が過剰な影響を受ける。重盛の影を求めるように総大将の役を任じられた維盛は最大の被害者か

温和な維盛は貴族平家の象徴、武より舞が似合う人物。
水鳥に驚き逃げ出す兵を檄せなかった維盛に重盛のような大将の器はない。また、木を切りつけても彼が武士に成れるわけもなく
変わる世で変わらぬ者、変われぬ者。そこから予感される後の悲劇が今から叫び声を発しているかのような終わりだった



良い

外から入り込んだスパイ、中から守る騎士団、2つの面を通してランドソルがどのような場所であるかを描くエピソードか
スパイは当然の事として、鎧騒動で騎士団も街の害として扱われていた。受け入れられているわけではないから、街とどう関わっているかが焦点になってくる

モニカは面白キャラだけど、橋の破壊やぷにぷに騒動の原因になったりして街の害。騎士団も似たようなもの
でも、トモやマツリは街を守る為に鎧が団長であろうと立ち向かった。その瞬間に騎士団は街の守護者に返り咲くわけだね
また、街の人々もモニカ達を助ける為に奮闘。街全体が一つになっていた

最後は姫であるペコリーヌの必殺技で締めるというのは気持ち良い構成
また、ペコリーヌがモニカに渡したスープは彼女を街の一員であると認めるかのようだったね

それにしてもクウカの変態趣味に対していつになく強硬策に出たユウキの姿は珍しい。まだミツキの一件がトラウマになってるんだなぁ(笑)



良い

素敵な小品…。
劉思文は欧陽を娶る為に彼女の父に勝たなければならない。負ければ認められない
この話のミソは敗北条件を決めていなかった点だね。敗北条件は誰もが自分で決められた。それが勝利の分水嶺となった

判りやすいのが兄弟子。彼は欧陽父の力に屈服した。恐怖を敗北条件とした
けど、劉思文は敗北条件を設定しなかったわけだ。幾ら勝てなくても負けを認めなかった。挑み続けた
なら彼は勝てなくても負けていない

敗北条件は欧陽父にも関わる話。打ち倒されたら負けとなる。でも、それは絶対ではないから変えられる
劉思文が負けなかったなら、欧陽父が負けるしかない。
また、一方で感じ入るのは劉思文を待ち続けた欧陽の姿か。彼女も状況に負けず彼を待ち続けた。なら、そんな二人はずっと勝ち続けていたと言えるのかもしれないね



良い

エレンによる地ならしの理由が自分達を守る為かもしれないとか……
仲間想いと言えるかもしれないその行為。でも自分達の為に世界全てを皆殺しにして良いと思える人間なんて居るわけない
ユミルの民に突きつけられたのはこの大虐殺をどう捉えるかという点だね

ジャンのように外の連中が招いた結果と考える事は出来る。単純にエレンを悪と考える事も出来る
でも誰かが悪いとばかり考えていたら、命の奪い合いは止まらない。ニコロが言っているのはそういう事だし、奪い合いの連鎖を抜けられるかもしれないと証明できたのが、互いに庇い合えたガビとカヤであると言えるわけだね

それでもまだガビに突きつけられる過去の罪。4年前に奪った命が形を変えて今まさにファルコの命を奪おうとしている。
そのタイミングで現れるのはアルミンにとって過去の罪と言える女性か……。彼女の再誕はこの状況で何を意味するのだろうね



とても良い

死が目前に迫る激闘を越えて遂に上弦の鬼を倒した炭治郎達。それは死への道から生還したようなもの
対して鬼である妓夫太郎と堕姫は死の道から戻る事はなく。むしろ生まれた時から死中に居た兄妹だったんだろうなぁという点が見えてくる回想だったよ……

醜い容貌のせいで人間らしい生き方が出来なかった妓夫太郎にとって、輝く美しさの梅を守る兄に成れたのはこの世に生を受けたと同じようなものだったんだろうなぁ…
だから醜い容貌のままでも、仕事や醜さを誇りに思えた。梅が居たから妓夫太郎は生きていられた。だから梅が死に追い遣る世界に報復する為なら鬼に成るのも躊躇わない

死への道で梅の姿が昔のままだったのは純粋さの現れか。なら醜い妓夫太郎とは別の道を行ける。だと言うのに、梅は離れず
兄が妹の為にした行動を後悔しないように、妹も兄の為に一緒に居る事を後悔しないというね……
ずっと一緒と約束した兄妹が地獄の業火へ足を踏み入れる姿には涙が止まらないよ……

天元は死の道から辛うじて生き残れたけど、戦線は離脱。かといってその判断は鬼殺隊の弱体化を覚悟してというわけではなく、この戦いを通して後進が育っていると知って安心できたから離脱できるという
生き残れたと喜ぶ炭治郎達。短い間に彼らは濃密な成長を遂げたようだ。まだ彼らの活躍を楽しめると思うととても喜ばしいね



良い

コスプレとは外見を繕い望ましいキャラに成りきるもの
恋をした海夢が新菜の横顔に見惚れて自分の恋を自覚したり、未来を夢想しつつも窓ガラスに映る自分の顔を見て照れてしまったり、なんてシーンは本作の主題に沿った淡い恋を感じさせるものになっているね

特異な外見的要素を持つ紗寿叶はその時点でインパクト有る可愛らしいキャラクター。それに反して、ストーキングしたり衣装製作を要求したりと内面も強烈なものを持っている
キャラクターは外見を取り繕うけど、それだけにどういう内面を持っているかは判りにくい

紗寿叶が海夢を本気でコスしてないと決めつけていたのはギャルっぽい外見のためかな
でもアニメ内容に滅茶苦茶詳しかったり、好きだからイメージを壊すコスをしたくないとの言葉から海夢の内面を知って見直したんだろうね
その際、半泣きになって謝ってしまう辺り、紗寿叶もキツイ内面だけの人物ではないと判るね

紗寿叶からは付き合っているように見える新菜と海夢。勿論そんな事実は無いから新菜は否定するけど、未来を夢想していた海夢としてはまるで未来を保証してくれるような言葉だし、新菜に彼女居ないとも判る言葉
海夢が恋心に目覚めたことで本作の内容もよりキラキラしたものに変わり始めたね



良い

暑いから涼しい店内に留まるのは判りやすい行為。けど、今回しているのは敢えて日差しを遮るものがない海釣りに行くという発想
発想を変える事で、シイラのように色を変える事で別の楽しみが見えてくる。今回はそういった面が強く見える回だったね

太陽が照り付けるから暑いかと思いきや、海上は海風も有るしトビウオも見られる涼しい場所
それは釣りも似ている。魚を入手するだけなら方法は他に幾らでもある。でも敢えて釣りという色を用いる事で釣り人ならではの楽しみを味わえるのだろうね
「難しい」が楽しい。まあ、そこには多少の強がりも混ざっているのだけど(笑)

狩猟をする楓に魚を捌かせる事で味わえる幾つもの色。それはシイラの味だけでなく、狩りによって得た鳥毛、果ては自然の中で生きてきた人間の浪漫まで
陸で生きる人間が海で釣りをする事で得られる単色では済まない多くの楽しみ。一回だけで満足できるものではないから、再び味わいたくなる
小春はどんどん釣りに魅了されているようだね



良い

4部でも癖の強い敵が数多く登場したけど、6部も癖強い人が多すぎない?今回の敵なんて、相手の隙を見出す為に会話しているのかカウンセリングの為に会話しているのか判らないレベルだったよ(笑)

エルメェスに求められたのはルールの理解よりも現状を受け入れる事かな。エルメェスは不可思議現象の原因を理解するより先に能力を使いこなしている
金を重視する即物的なエルメェスは異常な現実を受け入れる資質を持っている。そんなエルメェスでも難しい相手となったのがマックイイーンか(笑)

テンションのアップダウンが激しすぎる男。自殺行為に他者を巻き込む彼はいわば相手を強制的に受け入れさせる能力者。エルメェスに求められるのは彼の能力を拒みつつ、自分の能力や常識を受け入れさせること
だから会話がカウンセリングのようなものになってしまう

無罪の主張が受け入れられず絶望した彼を様々な手で懐柔しようとするエルメェスの醜態には笑ってしまうが本人は真剣
懐柔は届かなくてもギリギリ届いたシール。それによって得た勝利で真っ先に考えるのが金の回収だったのは本当にエルメェスらしい
この回は視聴者にエルメェスという人物を受け入れさせるものになったね



良い

重盛の不在が大きく響く内容。以前は「面白かろう?」と言って清盛が暴走しても、重盛がそれを諌めたり、事後調整を行っていた
その重盛が居なくなれば誰もが好き勝手に動くのみ。中でも力を持つ者が動けば皆がそれに引きずられる。まさに動乱の時代の始まりといった処か

これを好機と見た後白河による暗躍、それを受けて清盛による過剰な報復。両者の釣り合いを取る者が居ればどちらかに天秤が傾くような事はなかった。でも清盛ばかり強いから天子をもすり替えてしまう
重衡は家内の天秤を取りはする。でも、大きな事態はどうしようもない。味方を照らす為の光がより大きな禍根を残したように

特に大きく翻弄されたのは維盛と徳子か
維盛は戦が似合わぬ人なのに戦に関わり心を病んでしまった
徳子も政略結婚の道具のまま、いつしか芽生えた慕情も向けられない。
そして徳子は翻弄されるからこそ、赦すつもりなのか。でもそれが徳子を救う 事はなく……
涙を流す彼女の姿はあまりに心苦しい

今回、平家の命運は大きく動いたように思う。けれどそれにびわはほぼ関わらないし、見もしない。代わりにいずれ不幸の渦に身を投じる安徳帝に構うばかり
未来だけでなく過去も見れるようになったびわ。彼女が何を見ているかは視聴者にとって大きな意味を持つ。その彼女が気にした『赦し』はどんな意味を持ってくるのか……



普通

それぞれの正義感の違いが鮮明になり、それが友情の終わりに繋がってしまう流れか…
テロに屈しないのも正しいし、仲間を見捨てないのも正しいし、仲違いする友達の間を取り持つのも正しい。でも、それぞれの正しさを曲げられないから友情を曲げるしか無い

アウトローのランはゼロスの影響もあってか壊して正しさを求めるタイプか
手始めにcPhoneを、次にRGBの絆を壊して、シャンティタウンや同じ境遇の仲間たちを守ろうとする。だからシャンティタウンに属さない者を味方に出来ない

コウキは秩序を守って正しさを求めるタイプかな
キャストに違和感を覚えても、秩序そのものを疑うのではなく秩序の管理者である父に問う形を取る
だから秩序に疑義が含まれていると知ってもそれを受け入れてしまう。結果的にランと相反してしまう

シュウタは人の繋がりの中に正しさを求めるタイプかな?
ランの事情を教える形で、幼いコウキに成長の機会を与えたのは功績と言える
でもシュウタの正しさは無知で無力な者限定かな。だから周りが成長しシュウタが成長できなければ助けられる者は居ない
シュウタは正義を取り戻せないまま翻弄されるのか…



とても良い

今回の話を見るにユウキ達は多くのものを奪われて今が在ると言った処か
奪われる状態に屈してそれでも守れるものを固執するか、奪われる状態を乗り越えて何かを得る道を選ぶのか
世界の謎に迫る、大きな分岐点となった回だったね

バグとして生まれ落ちたキーリは唯でさえ危うい存在だからふとした拍子に奪われる
それに常と異なる様子で抗うユウキは奪われる悔しさを誰よりも知っている存在か……。だからキーリが消えた後もそれ以上奪わせない為に走る。彼はそういう人間だったのか

城も絆も名前も奪われたペコリーヌが奪われる状態に臆病になるのはおかしな事ではない。だというのに、その恐怖を乗り越えた上でカイザーインサイトとも絆を得る道を望むのか…
新たに得たペコリーヌの名を足掛かりに全てを取り戻すと表明した彼女の姿は麗しい

戦場へ覚悟新たに舞い戻ったペコリーヌによるプリンセスストライクは今回のクライマックスを飾るに相応しい技
けれどそれ以上に、ペコリーヌが「只今」と言い、キャルが「お帰り」と返す2話と逆の構図には、様々なものを奪われてきた二人が温かい絆を手にしたのだと判る構図には感動してしまうね



良い

変えてはいけない過去を変えるトキを阻むのはヒカルの言葉だけでなく、過去そのものもトキの邪魔をする
過去を変えれば何が起こるか判らなくなり、結果的に被害を広げてしまうかもしれない。守る為に変えられないという苦渋の判断…

全てが終わった後にトキが気にしたのは彼らを救わないメッセージに何の意味が?という点
これは陳瀟の姿勢がヒントになっているね。彼の父は「もう少し早いバスに乗れてれば…」と助けられた可能性を提示している。けど陳瀟は何も返さなかった

陳瀟のメッセージは改めて描かれたように見えたけど、あれは未来の陳瀟が発するモノローグ。つまり、陳瀟は過去を過去のものとして既に整理出来ている。現在から過去に戻って全てを救いたいとまでは思っていない
だから伝えられなかった言葉を伝えるだけで充分だったのかもしれない

でも過去が過去として全て無くなってしまったわけではなくて。無くしてしまった筈の光景がトキが守ったカメラから現れるというのはとても良いラストだった。あれは陳瀟にとってほんの少しだけ変わった過去として救いになったのかもしれないね
けれど、過去を現在として体感したトキとヒカルは…



とても良い

自由と奴隷。座標にてジークとエレンが争うのはこの点
いにしえの王が死んだ後も縛られ続けるユミルは奴隷であり、今もジークの支配下。対してエレンは自由を信奉しユミルにもそれを与えようとする。この争いが誰しもにとって運命の分かれ道となる構図には鳥肌が立ってしまう

ユミルの境遇は哀れなもの
早い時点で奴隷となり「お前は自由だ」と言われてもそれは真の自由ではなかった
巨人の力を手にしてもエルディア王に隷属していた
力があるから自由なのではなく、自分の意志で自由だと決定づけられるからこそ自由だと言えるのだろうね

だからユミルに必要だったのは「お前が決めていい」と言ってくれる人。ただ、エレンがそれを行えた事が最悪だっただけで…
エレンにとって自由を阻む象徴だった壁は壊れた。そして始まるのはパラディ島の自由を守る為の進撃。エレンの自由は他者の自由を壊すものになってしまった……



とても良い

あと何度神回を更新すれば気が済むのか……!
倒れ伏した天元達、一人で抗うしかなかった炭治郎。いわば炭治郎達は一度負けたような形。だというのに鬼を倒す為に地獄を拒否して死力を奮い続ける彼らの気迫は凄まじい

妓夫太郎と炭治郎は妹を大切に想う兄という立場で似ている
似ているから単純に相手を斬るだけでは勝った事にならない
妓夫太郎は「妹を守れない弱い兄」を倒そうとし、炭治郎は「妹の為に鬼になってしまった兄」を倒そうとする
どちらの意思が前向きかなんてはっきりしている

ここで面白いのは炭治郎の確信かな
炭治郎はもし自分が鬼になったとしても鬼殺隊が首を切ってくれると、鬼に鬼殺隊が勝てると信じている
だから鬼殺隊である炭治郎はどれだけ追い詰められても諦めないし、同様に善逸達もどれだけ傷を負っても立ち上がり続ける

それでも上弦の鬼を打ち倒すには死力を超えた全力が必要になる
炭治郎、善逸、伊之助、天元のそれぞれが死を超えて振るう刀が遂に妓夫太郎と堕姫の首を跳ね飛ばすシーンからは目が離せなかったよ

そして遂に、遊郭編も終盤か…



良い

二人の異なる世界が混じり合うようにして始まったコスプレ活動
『好き』を体現した衣装を着れば自分も『好き』な存在になれる。そういったレイヤーが集う場所に混じってなお輝きを失わない海夢の姿は眩しくて、そして特別なものだったね

その眩しさは海夢だけが作り出したのではなく、新菜の尽力有ってこそ
3話にて新菜を明るい世界に引っ張った海夢。今回の二人はどちらも明るい世界に居たけど新菜が考えていたのは再び暗い世界に戻る事
でも「居なくなったのか」と焦って駆け寄った海夢にとって新菜はもう違う世界の人間ではないのだろうね

新菜にとって初挑戦となる衣装製作は会場で列形成出来た点や海夢が大喜びしていた点から成功と見ていい
でも、反省点が有るから完璧ではない。職人気質の新菜は改善策をつい考えてしまう。次はどうすれば良いか考えてしまう
新菜は無意識にでも、これで終わらせよう等と考えてない点が判るね

一方で反省点が有るから次ではなく、もっと好きなキャラのコスをしたいから次となる海夢は良いね。二人の関係がポジティブなものとして続いていくのだと想像できる
そんな最中に新菜が口走った特別な意味の『綺麗』。これまでは新菜が海夢に惹かれる構図だったけど、それが揺らぐ…?



良い

二葉の言葉を気にし、恋以外の釣り仲間とも関わるようになったひより。短い間に手にした変化が強く見える回だったね
良い方へ変化できたひよりだからこそ、釣りを悪いものに捉えそうだった二葉の悩みにきちんと向き合って、そして答えてやりたいと思ったのだろうな

ひよりは最も近しい関係且つ同じ趣味の父を亡くしてる。それは釣りを辞めても可怪しくない状況
でも続けたからこそ、趣味や楽しさを分かち合える相手と出会えた訳で
嫌な経験から釣りを辞めそうになっていた二葉にこそひよりは言える事があって、関わりたくなったのかもしれないね

嫌な思い出を良い思い出に変える変化
ひよりは虫が苦手だからフライ以外出来なかったけど、釣り仲間と一緒にやる事で変わりに餌を付けて貰える環境を手にした
料理を振る舞う腕が無いからあの頃の賑やかさを取り戻せないと思われた家が、小春が料理を提案する事で賑やかさが戻ってきた

二葉が釣りを辞めかけたのは釣りが変だと、嫌われる事で釣りそのものが嫌な思い出になりそうだったから
でもひよりや恋の言葉、そして一花による無償の愛はそれを引き止める力になったようで
また、友達になろうとのひよりの言葉は幼い二葉の趣味の場を守ろうとする優しさにも思えたな



とても良い

現実と辻褄が合わない、繋がらないものをきっかけに夢を暴いた徐倫。彼女と同様の手法で承太郎も幻覚を破る展開は親子だと感じられるね
ただ、部屋の脱出方法があまりに乱暴だから相性の悪さも感じてしまったけど(笑)

辻褄が繋がれば現実だと、事実だと感じられる。逆に繋がらなければ事実にならない
徐倫にとって転んだ時に手を差し伸べてくれる父親を期待したけど、それは繋がらず。殴られたり、自身よりペンダントを優先する姿はこれまでの現実と簡単に繋がってしまうから余計に失望する

夢と同じジョンガリ・Aのスタンドは虚実と疑いそうになる。でも事実と辻褄が合うならそれも事実。もう一つのスタンドを炙り出す展開は鳥肌モノ
同時に徐倫の中で繋がるのは父の優しさか。自分より大切だと思われたペンダントが、自分を大切に思う証だと繋がる、事実だと理解できる

ジョンガリ・Aの撃破、弱者の為に逃げない精神。それによって繋がるのは徐倫が真にジョースターの血を引く者であるという事実

そして始まるのは反撃。自分の為に島から脱出するのではなく、父の為に島へ戻る。閉じ込められるのではなく追い詰める
新たなジョースターの物語の始まりにワクワクしてしまうよ



とても良い

徳子に子が生まれ、法皇は側近を失い、清盛の増長は留まる処を知らず…
支配者が明確に成りつつ有る中で被支配者に出来る事は人事を尽くして天命を待つのみ。自分の見える範囲で精一杯になる人々の一方で人より多くを見てしまう重盛とびわの悲嘆があまりに哀しい……

目前の運命を変える為には自分に出来る事を積み重ねるしかない
出産の為には供養や赦し、赦される為には卒塔婆を浮かべ、相手に振り向いて貰う為に別の相手と……
出来る事すら無い者はもう運命など変えられない。清盛に見捨てられた形の盛子や市井の人々は救われない

権力者の傍にいて過去や未来が見える重盛とびわは見えるからこそ、救われずに終わりを迎える者達に対して忸怩たる思いを抱くのだろうね。
過去が見えたとて、未来が見えたとて、運命を回避できないなら何も出来ないも同じ
それでも何かをしようとするならば……

変わらないものが変わらないなら命を燃やし尽くすのみか…。自力で出来る事が無くなった重盛に残されたのは後事を託すのみ。息子に刀、そしてびわに……

見えるのに何も出来ないと嘆くびわに託されてしまった眼。そこに居ても歴史に関われない彼女の悲しみが更に増す未来しか見えないよ…



普通


良い

変えてはならないという絶対ルールが存在している筈の過去へのダイブ。それを裏切る試合結果から、最後に明かされる絶対的な分岐点
いや、そもそも「メッセージを伝える」行為をヒカルが改変されないと受け入れた時点で気付くべきだったか……

元々の時間軸では試合に負けた事で決定づけられた陳瀟の最悪な一日。試合は別口として当時は伝えられなかった言葉を全て伝えられて最高の1日に変わった
トキが「順調過ぎる」というのはあまりに依頼人の望みが叶いすぎて未来が変わるのでは?という懸念が有ったのか……

でも、最高になった日が何も意味を為さないのであれば、未来は変わらない
視聴者には伝えられないメッセージの内容。それは大切なものだから明かされないのか、明かした所で意味が無いからか
トキにとっては変えたくなる過去。それをどう変えずに過ごすのだろう……



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