サービス開始日: 2017-07-17 (3388日目)
何となくおとなしい子という印象があった月子が、ズバッと意見を言う姿が意外だった。
自分の意見をしっかり持っていて、ただ小雪に同情したり、話を合わせたりするわけではないところが好印象。
特に「どうしても、しんどくても雨宮くんじゃないとダメ?」という言葉は、小雪がそこまで湊にこだわる理由を考えさせる、核心を突いた言葉だったと思う。
過去の回想では、同じ出来事を五十嵐と小雪、それぞれの視点から描くことで、二人がすれ違っていた理由がよく分かった。
高校生になった二人は、互いに本音をぶつけ合う。完全に分かり合えたわけではないけれど、
以前はできなかった話ができたことで、わだかまりが和らぎ、一歩前に進めたように見えた。
自分の解釈だけで相手の気持ちを決めつけず、本人の言葉を聞けるようになった。そういう変化が、二人を前に進ませたのだと思う。
サブタイトルの「緩解」とは、病気が完治したわけではないものの、症状などが落ち着いた状態を指す言葉らしい。
五十嵐と小雪の過去に起きたことは変えられないし、傷ついたことや後悔をなかったことにもできない。
それでも、わだかまりが和らぎ一歩前に進めた二人の姿は、まさに「緩解」と呼べるものなのかもしれない。
そういえば、前話の夏祭りではラムネが吹き出すシーンがあったが、今回のコーラが吹き出すシーンとの対比があるように見えて面白かった。
小雪は湊への「好き」という気持ちを、「友達でいる」という蓋で押さえ込もうとしていた。
抑えきれなくなったその気持ちはラムネのように吹き出してしまうが、それでも、その気持ちを湊に伝えることはできずにいる。
一方、五十嵐と小雪は、互いに抱えていた不満や誤解を言葉にした。相手に言葉をぶつければ、相手からも言葉が返ってくる。そうして、二人の感情は激しくぶつかり合った。
ラムネが小雪の中であふれ出す感情を表していたのに対し、コーラは互いに本音をぶつけ合うことで、外へとあふれ出す二人の感情を表しているように思えた。
どこか重苦しさを感じるラムネのシーンに対して、コーラのシーンは前向きな印象を受ける。
この二つのシーンが対照的に感じたのは、過去と向き合った小雪の中に、新たな気づきが生まれたからであれば良いなと思った。
奨学金を元手に、手っ取り早く楽して稼ごうとする芽吹。
初心者にレバレジ500倍を設定させる萌智子。
ダメな人間ばかりでストレス感じてしまうが、「こいつら一回痛い目を見たらええねん」と思ってしまうのも正直なところ。
父親が涙する姿を見て、ようやく自分のやってることに気づいたくるみだけど、
天使の格好した悪魔の囁きで、FX取り引きを辞められないくるみの姿が容易に想像できてしまう。
ギャンブル依存症ってこんな感じなんだろうか。
本編はロゼの庵での二人の会話劇に終始していたが、登場人物を絞ることで、少しずつ変化していくロゼの心情が丁寧に描かれているように思う。
2話まではロゼのモノローグが多かったが、今回はロゼとハリージュの会話が増えていた。
さらに、フードを外して会話をしたり、祖母の思いを知ったり、母親との記憶を思い出したりと、ハリージュとの交流を通じて徐々に変化していくロゼの様子が興味深かった。
一方で、ハリージュについては、まだ内面の掘り下げが十分ではないように感じる。
ハリージュはロゼの孤独な生活や食生活を心配して庵を訪れ、彼女と過ごす時間にも居心地のよさを感じているように見える。
ただ、ロゼに対する恋愛感情があるとまでは描かれていないように思う。「人間とは認識されていても、女だと思われていない」というロゼのセリフからも、少なくともロゼ自身はそう感じていることがうかがえる。
ハリージュにとって、ロゼと過ごす時間はどのようなものなのか。そして、それが今後どのように変化していくのかはきになるところ。
惚れ薬の依頼主が王女だったと判明した一方で、惚れ薬をどのように使うのか、残された時間が1年とはどういうことなのか、新たな疑問も出てきた。
惚れ薬をめぐる謎とロゼの恋心がどのように交錯していくのか、今後の展開も楽しみ。
今回は、自分の気持ちに蓋をしきれなくなったこゆんの姿に心をゆさぶられる回だった。
些細な会話で「好き」という気持ちを再確認し、友達の範囲を超えなければ大丈夫と言い聞かせながら、湊と一緒にラムネを買いに行くこゆん。少しでも湊に近づけることが嬉しい反面、結局は傷ついてしまう姿がとても切なかった。
そして最後に「私どうしたらいいんだろう、すごく苦しい」と月子に思いを吐き出す展開が、見ているこちらも息苦しく感じるものだった。
一方の湊は、美姫に問い詰められ、「気持ちを近づけるために付き合う」と答える。
このセリフは一見、筋が通っているようにも聞こえる。しかし、相手が自分を好きだから、その気持ちに応えるために付き合うのであれば、相手が自分を好きでさえあればいいとも受け取れてしまう。湊自身の気持ちがどうであるかは棚上げされているように感じる。
仮にこゆんが別の誰かと付き合い始めたら、湊は平静を保っていられるだろうか。多分、無理だろう。
結局、湊は桃香との関係を正当化しているだけで、自分の気持ちと向き合えていないように見える。
自分と向き合い、苦しむこゆんと、自分と向き合えていないように見える湊。
こゆんの感情がぐちゃぐちゃになっている姿を見ていると、「おい湊、しっかりしろよ」と言いたくもなってくる。
Cパートでは五十嵐が再登場。五十嵐の存在が、湊が自分の気持ちと向き合うきっかけになっていくのか、それとも別の展開になるのかは分からないが、
いずれにしても、湊が自分と向き合わなければ、桃香との関係も、こゆんとの関係も、うまくいかないように思う。
くるみが豪ドル円のチャートとにらめっこしているだけなのに、妙な迫力と緊張感のある描写だった。
やってはいけないことを次々と重ねていく姿にこちらまでヒヤヒヤしたが、人間の精神的な弱さや脆さを描いているようにも映った。
正しい選択であるはずの損切りをした人が損失を出し、損切りできなかったくるみが利益を出すという皮肉な結果は、「損切りしなきゃ、だめ……?」というサブタイトルにも表れていると思う。
利益が出てしまったことで、今後くるみが「あの時上手くいったから、損切りしなくても良いのでは?」という判断基準を作ってしまったようにも感じた。
今回は、くるみの運が良かっただけだが、この経験から何を得たのかが今後の展開にも影響してくるのだろう。
萌智子の表と裏の顔も不気味。
表向きは良き相談者でありながら、内心ではくるみを「強欲のメス豚」や「良いサンプル」と呼び、くるみに利益が出たことを「面白くない」と言い捨てる。
他人の不幸を望むような萌智子と、くるみが今後どのような関係を築いていくのかも気になる。
ローブが欲しいロゼの様子から、紅や頬紅を用意するティエンには、世話焼きな親戚のおばちゃん味を感じる。
ロゼの恋心を察しているのか、単純にロゼの変化を面白がっているのかは分からないが、無理に事情を聞き出そうとせず、そっと支えようとする姿が好印象だった。
夜にしか来なかったハリージュが昼間にロゼのもとを訪れることで、二人の関係にも少しずつ変化が出始めていた。
これまでハリージュに対するロゼの口調は、感情を表に出さず、悪態をつくのも心の声だけだった。しかし、終盤では「これだからお貴族様は」と軽口を叩くようになっていた。
ハリージュに対して、少しずつ素の自分を見せられるようになっているのが興味深かった。
ハリージュが持ってきたパンを幸せそうに食べるロゼ。好きな人が目の前にいて、自分を気にかけてくれるのだから、うれしくなるのも当然だろう。
一方のハリージュは、ロゼの食生活を知り、放っておけずに世話を焼いているように見える。生真面目な彼らしい行動で、恋愛感情からくるものとは感じられなかった。
二人の距離は縮まったように見えるが、恋愛の面では温度差があるように感じる。
そんな二人の温度差が、甘酸っぱさを連想させるリンゴのバターに表れていたのかもしれない。