サービス開始日: 2017-07-17 (3326日目)
コミカルに描かれていたララと現代社会の邂逅に対して、悲愴感のあるリサの過去が対照的だった。
サブタイトルの「わたしを照らす光」は話の内容からすると、リサ視点のものでコータのことを指しているのだろう。
が、あえてララ視点で「わたしを照らす光」(支えてくれる人)を考えてみると、
茉里はじめ大津家の人々、ひめか、バイト先の人々、などたくさんの人が浮かんできて、
やはりララとリサの対照的な立ち位置を意識させられる。
キャラデザを見ても「自分ではなにもわからず『停止』してしまうララ:赤」「自分の意志で『前進』するリサ:青」という対照性を感じる。
この対照性を意識しつつストーリー展開を追っていくのも面白いかもしれない。
ちなみにリサの過去には、つい同情してしまったし、リサとコータの関係性は、主従を超えた信頼関係が感じられた。
恋愛感情があるかはさておき、二人には幸せな結末を迎えてほしいと素直に思う。
そしてラストは、王子のそっくりさんと出会って人魚化するララ。
引きも秀逸である。
ここまでのエピソードで、蔵から脱走や、喜八との発明品づくり、引きこもり奥様の説得など、
稲子の成長する姿が描かれていたように思っていたので、
父親に叱られ自分への劣等感で身動きできなくなる姿には、ちょっと今更感を覚えてしまった。
とはいえ、喜八の声で背中押されているあたり、絆は深まっているのだろう。
また、健吾のケイトパパに対する感情や、ケイトパパと清六との関係性、清六人形の手を取って語りかける洋輔の心酔ぶりなど、
そろそろ清六の人物像の深掘りが気になるところ。
それはそれとして、バンドの特訓シーンが昭和アニメ調だったり、
洋輔がいきなり半裸になって踊りだしたり、
稲子たちの音楽がデスメタルだったり、
どう受け止めればいいか戸惑いを感じるシーンもあった。
サブタイトルにある「革新」を視聴者側にも意識させる演出だったのか、
それとも考えたら負けで、そのま素直に受け取って、笑って見てればいいだけなんだろうか。
ちょっと受け取り方に困りつつも、印象に残る回でもあった。
律のみゅーたいぷ加入をビオラが提案していたのは意外だったが、
問題の当事者であるビオラの提案をすんなり検討しちゃう大人たちの描写に不自然さも感じた。
その不自然さは、描きたいストーリー(律をみゅーたいぷに加入させる)が先にあって、
その展開に合わせてキャラクターが動かされているように感じてしまったからかもしれない。
ビオラの行動原理がはっきり描かれていないこともあって、
ビオラの悪質ないじめによってストーリーが展開されてるだけという印象もあり、
なんか全体的に話に入り込めない感じがある。
キャラクターの「コレがしたい」という確固たる意志で展開されるストーリが個人的には好みなので、今のところ物足りなさを感じている。
単純に設定は面白いと思った一方で、その魅力を十分に活かしきれていないようにも感じた。
記憶を取り戻していく中で生まれる意外性や、その人の生き方・考え方など、内面が掘り下げられていくところには興味を惹かれた。
また、黄昏時の世界の記憶を取り戻すホテルで「誰ソ彼ホテル」という名前も雰囲気のあるシャレたネーミングだと思う。
一方で「生と死の狭間」に対する自分のイメージと、作品が描こうとしている世界観が噛み合わず、終始ちぐはぐな印象を受けた。
比較することにあまり意味はないが、生と死の狭間というと、自分には「デス・パレード」のような雰囲気のほうがしっくりくる。
そのため、あっけらかんとした支配人や、死に対する緊張感があまり感じられない描写は、
作品の設定から自分が抱いていたイメージとはかけ離れているように感じられた。
また、終盤に登場する「記憶を持ったまま現世に戻れるエレベーター」や「地獄送りにできる箱」も、
ストーリーをまとめるための便利な設定のように感じられてしまった。
もちろん、「生と死の狭間」に対するイメージは人それぞれだと思うので、自分とは違う解釈として楽しめた人もいると思う。
隣りにいるミミの幸せを考えるシーナに対して大局的な視点で現実を突きつける保健医。
理想と現実の間で自分の望みに悩むシーナって感じだったけど、全体的なストーリーは進んでいかない印象。
サブタイトルが「終わらない夜」で不穏に感じるんだけど、そろそろ進むんだろうか?
いや、話が進むとそれはそれで、悲惨な展開になりそうな雰囲気だし、今のままでもいいっちゃいいんだけど・・・。
睦のエピソードが意外というか異様というか怖いもの見たさというか、
一言で表現するのが難しい不思議な印象を持ち、序盤から話に引き込まれていった感じがする。
素顔を晒すことで生じ始めるバンド活動の考え方の違い、さらには出生、人格、過去のトラウマ、家庭問題など
歯車が狂っていく様子は、ひとつの衝突が別の衝突を生んでいく、人間関係のビリヤードのように思え、
上手く表現できない不思議な面白さのある作品だった。
既存のバンドリシリーズのような成長ストーリーとは一線を画しており、
各キャラの感情や価値観のぶつかり合いと、その落としどころを探っていくストーリーに思えるので、
バンドリが好きという人ほど、違和感を覚える可能性はある。
個人的にはバンドリシリーズと思って視聴しないほうが良いように思う。
また、睦の人格とか、豊川家の影響力とか、突飛に感じる設定もなくはないので、
そのへん飲み込めるかで作品に対する印象も変わるかもしれない。
続編があるようで、何が展開されるか不明だが、視聴時に感じた上手く表現できない不思議な面白さをまた見てみたい。
今作では皆の仮面を外す役回りだったにゃむは、深掘りされていない印象を持ったので、
続編では仮面を外される側になり、睦に対する愛憎入り交じった歪んだ感情の掘り下げがあっても良いかもしれない。