多くを語らない作品ではあるが、最後まで見るとテーマ性はわかりやすいし一本芯が通っている。
まともな性格のキャラがほとんど存在しないが、それだけに強く印象に残るし、周辺人物を使った掘り下げがうまいのでいつの間にかみんな好きになっていた。個人的なお気に入りは有栖川樹璃。
クールごとに変わるバンクはどれも秀逸で、毎回繰り返し見ても飽きがこない。
視覚的にも聴覚的にも楽しませてくれる要素が多く、世界観にどっぷり浸かることができる。
トンチキなギャグは人を選ぶかもしれない。
7話あたりから加速度的に面白くなっていくのでそこまでは見てほしい。
イクニ作品の代表とも言えるアニメ。
90年代アニメは総じてシリアスとギャグがかなりごちゃまぜだがウテナはそれが特に顕著。
しかも、シリアスは比喩多め、ギャグはシュール系と輪をかけて分かりづらい方向性。
王道から外れている作品なので正直人は選ぶ。だが、その分、ツボにハマったときの威力が凄まじい、0か120かの作品。
とにかく音楽と美術の出来がよく、そういった「視覚の美しさ」を求める人はハマりやすいかも。
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一話ごとの話の構成はワンパターンだが、独特な演出や登場人物による愛憎劇が面白く飽きなかった。個人的には樹璃のエピソードが好きだ。
登場人物が人間くさく魅力的だった。他者への嫉妬や憧れ、男装した少女、同性愛や近親愛など多くの要素を含んだ作品だった。
終盤は抽象的な表現が多いため私には理解できなかった。ただ少し分かりにくい所も含めてこの作品の魅力だと思った。
アンシーの意識革命の物語だと説明されたらそれが一番しっくりくるのはそう。
この作品の見どころは、社会によって「女の子」にかけられた呪縛とそこからの解放というテーマを、ストーリー構成やキャラクター設計といったさまざまなレベルで重層的に表現していること。ウテナの男装も、アンシーの従属と解放も、旧態依然とした男性キャラも、GL要素も、全部そこに繋がっている気がした。
総じて前衛的だけど分かれば面白い作品という感想。1周しただけではなんだこれ状態なのだがとはいえ2周3周とするのは腰が重いとなってしまうのは私のせい...?
登場キャラ達がどうにも好きになれない
特にアンシー