映像と音楽があまりにも良かったので差別化のための評価。
Δ以外のテレビアニメ版マクロスシリーズを観てからの視聴だったが、それらとは大きく異なる夢破れた女(少女ではない)と、相変わらず夢に生きているようで多くの傷も負ってきた男たち(少年ではない)の物語。人類とゼントラーディを結びつけた歌の引力が、感情を“学習”した存在に委ねられたとき、人々は何で満たされ、何を失うのか。
熱を帯びた作画と強烈な音楽に久しぶりに圧倒された。
劇場で観られる機会があるなら劇場で観てみてほしい。
物語の運命を背負ったキャラクターたちが、己の運命、世界の運命と向き合うさまは非常に魅力的で美しい。
作品の特性上、複数の視座を持った構造を持っており、その間でキャラクターたち、時には視聴者自身が翻弄される。
さらに全体的にバレエやクラシックを活かしたストーリー展開となっており、クラシック音楽がBGMとして多用されている。バレエやクラシックへの知見があれば、それらが持っている物語性を踏まえ、本作のストーリーをさらに楽しむことができるのではないかと思う。
1話後半の怒涛の急展開には驚かされた。舞台先行型コンテンツということで舞台的表現が強く、好みは分かれるかもしれないが、私は好き。
学園青春物的な心のすれ違い、衝突、羨望、欲望、負けん気を、ファンタジー的なレヴューでぶつけ合うことで昇華させていくが、同じ舞台を作り上げる運命共同体の仲間でありながら、その中心に主役として立てるのは1人だけという関係性が非常に活きていると感じた。
音楽に関してはマジで神