ちょっとしたバズりからの配信活動があれよあれよという間に大きなムーブメントになっていく様は驚き。それはアマネを好きだと思う人達が増える事によって起きる流行か
アマネはそれこそ好きを世界へあまねく広げた存在と言えるのかな。なら、Aパートの話もアマネを大きく出来る程に好きを広げられるアルマによって好きが広がる余地を思わせる話だったと思えてしまうね
極度の静電気を解消すべく様々な改善を行うも効果は無かったスズメ
トキに言わせれば「好きなものに触れるのが一番のストレス発散」、だとすればあれだけの挑戦をしても解決しなかった静電気がエンジに触れる事で解消されたなら、それこそスズメの好きを介添えしたアルマはキューピッド的存在か
そんなアルマが参加したアマネが沢山の人から好かれたのも当然の話なのかも。いや、手作りライブなんてしてしまう破天荒さに惹かれた人も多いのかも知れないけどさ。あの規模の会場を手作りするとか意味判らんですよ……
年末の大勝負・有マ記念、そのレースに出るだけで日本の頂点に近い存在と喧伝するようなもの。だからか集うウマ娘も強者ばかり
けど、それを見守る出走できないウマ娘達も出走者と自分達を隔絶した存在と捉えずに、走り続けた先にある光景だと捉えていたのは印象的。マーチはオグリが走り続けたから出走できたと解しているし、自分も走り続けているのだと理解している。チヨノオー達も走り続ける事での来年を意識する
それだけにこれがラストランだと捉えているタマモの周囲だけ別の空気となるのだけど…
オグリに謝るルドルフは彼女の走りに経緯を示す。対してオグリも彼女の”奔走”に感謝するのは感慨深い光景
オグリは実際の走りだけでなく、走った実績の意味を見出せるようになった。それはタマモとの向き合いにも活かされるね。もう彼女を引き止めはしない。けど、タマモの走りを超える事で彼女に報いようとしている。だからかタマモも走りがこれで終わりでも歴史に刻む事で走りの勝者で在り続けようとする
そしてレースはそれぞれの特徴や戦術を活かした走りを披露するのを嘲笑うようにタマモが…!いやぁ、本作のレース描写は激アツすぎて体感時間が短いね!
汐莉による人間との関わりが2種類描かれた今回、表面上は異なるように見えるけど実質はどちらも同一であるのは特徴的。向けた感情は異なりながら関わり方の面ではどちらも失敗しているね
昔の少女に対しては多くの場面で何もしなかった。それは汐莉の無関心を反映している。だというのに、別れ際の餞別が両者の関係を壊してしまった
比名子に対しては愛ゆえに何もしなかったが、こちらでも別れ際の餞別が比名子の人生が壊れるきっかけとなってしまう
これは汐莉自身の認識が関係しているのではないかと思えるよ
昔過ごした少女に対して汐莉はほぼ無関心。妖怪なのだから当たり前と思えるけど、美胡の過去と比較できるように、そもそも汐莉が少女や他の人間に対して壁を持っていたから両者は関わりを持てなかった。相手の望みを知らぬ状態で餞別を渡しても喜ばれるわけもなく
汐莉は揺蕩う中で自身を「世界の外側に居る」と定義したようだけど、それ以前の問題として彼女は人間が居る世界に入ろうとはしていなかった
そう思えばこそ、汐莉の世界に堂々と入っていき、彼女を穏やかで優しい世界へといざなってくれた比名子は特別に思えたのだろうね
幼い比名子はまたとない存在である事が容易に見えてくるタイプだね。恐ろしい外見の汐莉を怖がらず、汐莉自身とも言える海を好きだと言ってくれる。そんな少女を永久不変にしたいと望んでしまうのは仕方ない話か
ただ、ここでも汐莉は失敗している。比名子には比名子の人生があると想像できていなかった。だから妖怪である自身の血が人間の比名子に与えられる事で予想外が起こると考えなかった
汐莉の失敗の原因は人間への無理解に起因する。ならせめて必要なのは比名子への理解となるわけで。次回、行われる対話が両者の世界をどう変えるかに期待ですよ
今のアキラが知らない過去を振り返るユウグレによる述懐、冒頭から「二人共一命は取り留めた」なんて全く知らない情報から始まるものだから吃驚させられたよ
視聴者的にアキラとトワサが撃たれた瞬間は物語の分水嶺またはシンギュラリティであるように感じていた。けど、実際は第一話で言及されていたようにトワサの存在こそシンギュラリティであり、彼女は存在するだけで世界すら変革させてしまうようで
だとしたら、彼女がOWELから去った理由もアキラが最終的には探さなかった理由も見えてくるような気がするよ……
トワサの発明に拠って人間がアップグレードされ、人間同士の醜さが表出し、AIが核戦争が起こすなんて典型的なSF展開。一つのシンギュラリティが次なるシンギュラリティを引き起こし、収拾がつかなくなっていく
他方で典型的な光景に全く辿り着けなかった要素があるね。トワサもアキラもあの銃撃事件が起こる前より好き合っていて、アキラは彼女にプロポーズまでしていたのに、二人が結ばれる事はなかった。世界に幾らシンギュラリティが起きようとも、むしろ起きるからこそ二人は分水嶺に辿り着けなかったのかも知れない
だとしたら、二人を模倣した今のアキラとユウグレがシンギュラリティを経由しないままにあの時代を生きられたのはそれこそ結ばれる為だった、なんて考えてしまうね
ユウグレはアキラを見た瞬間から結婚を求めていた。アキラは今の人生を過ごす中でユウグレに惹かれていった
ユウグレ達は確かに前時代の恋人を模倣した存在だけど、トワサ達が辿り着けなかった展開へと到れるかもしれないという意味では大きなシンギュラリティを起こしたのではないかと思える。それはまるでテラの主張を裏付けているかのような点は少し不思議だけど
また、そんなアンドロイドの二人とのエルシーを望む人間であるアモルはどのようなシンギュラリティを経る事になるのかな?
前回ラストであれだけの大見得を切ったというのにイアナは全く力を発揮せずに終わったね。まあ、それがイアナらしいんだけど(笑)
悪を討てず助けられて終わる展開は彼女の無力を示しているね。今回は地下室のシーンに限らず、猿の魔物への対応でも彼女の無力さが強調されていたような
イアナは特別な力を持つタイプでは無いから戦えないのは仕方ないけれど、それにしたって作者でありながら黒歴史に抗う力も持たないというのは彼女の立場が彼女が思う程には優越的なものではないと示唆しているかのようだったよ
後半パートはイアナが置物を持ち上げられない非力エピソードから始まり、猿の魔物を追い詰めてもソルに助けられてしまう。無力さの極めつけとしてアマリリス夫人を助けられない描写もあるね。夫人が毒酒を飲むのは防げても黒歴史が彼女を殺す運命は防げなかった
それは黒歴史世界に対してイアナが何処までも無力であると叩きつけるようなもの。これまで助けた黒歴史世界の住人も安泰ではないという話になってしまう
だというのに、謎の人物はイアナが混沌を生み出しているかもなんて想像するのは不思議だね。果たしてイアナは無力な存在なのか、それともイアナ自身も把握していない特別な力でもあるのか?改めて黒歴史世界でイアナに何が出来るかが問われている気がするよ
最高の一夏の過ごし方を模索するようなエピソードの今回、前半部のナオキとアルマの逢瀬はそれこそ夏が見せた幻のようなお話
視聴者的にはあのアルマが本来の姿ではなく偽りだと判るけど、ナオキに彼女の素性は判らない。素性不明の綺麗なお姉さんと遭遇し、そのままに終わってしまった少し残酷で少し尊いお話となる。けれど、無くしてしたくない物をを大事なものだからと見付けてくれたアルマとの出会いは彼に大切な人夏の思い出を授けてくれたような
ナオキにとってあのアルマは奇跡のような出会い方をした夏の幻だったわけだ
絵日記を埋める為に大移動を繰り返すアルマはやはり規模が違うね
他方でまるでスケジュールに管理されているかのように夏を過ごす様には楽しい夏を過ごせているのかと疑問が浮かんでしまう
それだけに時間に急かされること無く夏祭りを賑やかに過ごす面々の様子に微笑ましさを覚えてしまったよ。だからか、その後に描かれる夏休みの過ごし方も極端なものばかりながら楽しそうだと映る
ラスト、アルマの夏休みが花丸だとナレーターに評価される作りはとても優しさに満ちていると感じられたね