サービス開始日: 2021-10-06 (1142日目)
尺的に都合の良い流れに見えてしまって、劇場版単体で見ると原作ほどに感極まるということはなかったけど、作中人物たちの決断に心を打たれるのは変わらず。咲太、麻衣、翔子さんそれぞれのなかに、強さ、弱さがあって、その多面さがキャラの魅力にもなっていて、それ故にしっかり青春ものになっている、恋愛ものになっているのがこの作品の良さ。
上手いのは、翔子ちゃんではその歳特有の頼りなさ、強がりを、翔子さんではその歳なりの包容力といった表現をひとりの人間で描いているところ。咲太にも二人の咲太が同時に存在するタイムパラドックスな場面を作って「分からず屋だな、僕は」なんて言わせたりする。過去の自分をぶん殴ってでもやり直しさせたいと主人公がぼやく作品は数あれど、この作品はその描写の仕方が面白いし、非日常要素、SF要素の盛り込み方も面白い。
あと、双葉の咲太に向ける感情が相変わらず惚れているように見えるのに笑ってしまった。普段、感情を表に出さない分、突然の発露が不器用なだけで、あくまで友人としての振る舞いと分かっていても、実は咲太のことが好きなんじゃないのかと思えてしまうから困る。そこで補足説明したり、言い訳がましい描写を入れないのがまた良い。
神谷さんを始め、どのキャストもさすがに声の衰えは隠せなかったけど、それでもそれほど違和感なく耳に馴染んで感動。キャラの年齢設定が元々高めなのと、この作品は作中人物が年輪を重ねていても不自然に感じないというのもあるかもしれない。
また、パラレルワールドとはいえ、「エンジェル・ハート」の後だと、リョウと香の関係を見る目も変わってしまう。香への気持ちに対する照れ隠しは以前からあったけど、本作でのさもありなんという受け流し方に時の流れを感じたのは気のせいか。いっそのこと、本家シティーハンターのほうでも年老いたリョウたちを見てみたいような、やはりそこは見たくないような、複雑な思いを抱いた劇場版ではあった。
場のつながりを若干ぶち壊してでも、劇中でTVシリーズの主題歌をバンバン流していたのがファン向けにもなりつつ、TVシリーズ当時の時代感を思わせる演出になっているのも面白かった。決してこの作品のために作られた曲ばかりではないのに、しっくり来る名曲ぞろい。
TVでは規制が入りそうな描写満載の黎明卿の話に、グリグリ動くアクションシーンと劇場版ならではという点では楽しめたけど、TVシリーズほど胸に迫るものはなかった。
黎明卿の非道ぶりはナナチとミーティの件で十分伝わっていたし、アビスに自ら足を踏み入れ、何が起ころうとアビスの底への情熱を失わない探窟家という時点でリコも立派に狂人なんよ。だから変わり果てたプルシュカを前にして取り乱すリコの場面は、リコも人並みの感情を持っているのだということを見せられているようで黎明卿と同じような目線で見てた。なんせ「プルシュカがこぼれちゃう」だし。まあ、あれは作者の好みを出しすぎなだけだとは思うが。
TVシリーズは群像劇の部分が醍醐味だったけど、劇場版はどうしてもひとりひとりが薄くなりがちで、それが盛り上がりに欠けたかな。みゃーもりたちのその後もひと通り描いてくれてるようで肩透かし感があったし。
バラバラになっていたスタッフたちが集結するという物語によっては熱い展開も、遠藤さん以外はあっさりで残念。この作品的にはそこを厚く描いてほしかったという思いはある。おれたた言うなら、全員が集まって、さあ、劇場版を作るぞってところで終わるくらいのね。
自分としては、劇場版はみゃーもりたちどんどんドーナツ組が高校時代の夢の実現に動き出すお話を期待していたので、劇場版二作目があるなら今度はそちらを是非。
思ってたよりきれいに畳んでくれた印象。もっと投げっぱになるのかと期待してた。初見時はさっぱり付いていけなかったQに対して、その先例込みで対ショックの準備ができていたのもあるだろうけど、今作は端的にでも説明を入れてくれてたし、慎重に丁寧にある意味約束された結末に導いてくれていたように思う。あの庵野監督がここまで引っ張りながらこんな軟着陸を模索していたのかと思うと微笑ましくもある。今作ではみんなシンジに優しかった。アスカはあれが優しさだしね。その皆の優しさにシンジが応えてくれたと捉えたい。
特殊能力はあるけど、語りは物凄く穏やかというか、描いているのはごくごく普通の人たちというのがいい。国は違っても切り口はそんなに変わらないんだなという部分と、やはり少し違和感を覚える部分が同居しているのも面白い。個人的にやっと普通に楽しめる中国アニメに出会った気分。
あと初回は気付かなかったけど、音楽が天門さんなんだ。どうりで新海監督みを感じるわけだ。
勢いと言葉の熱さで王道をやり切った感があるなー。八十亀ちゃんの無言の友情出演?にクスリと来たり、春子、お前飛べたのかだったりと相変わらずツッコミながら楽しめた最終回ではあった。最後のカケルと逢花のシーンも自分的にはほろりとしてしまって、またひとり身代わりとなったイバラも二人の子か孫の代に再会できればいいなと思うばかり。
アクションシーンをカッコよく見せる熱意はとにかく伝わってきて、CGの使い方も他の同種の作品に引けを取らなかったと思う。その熱に引っ張られるように最後まで見てしまった。全編2Dのときはギャグ回、遊び回に徹する思い切りも良かった。その半面、3Dと2Dが混在すると落差が気になったのが課題かな。何にしても、東海地域の人たちでひとつの作品を作って盛り上げようという試みには同意。自分も名古屋に住んでいたことがあるという贔屓目も多少あるけれど、こういう試みは続けていって欲しい。
時系列ごちゃごちゃにして結果を見せるパターン、好きねえ。仕切り直しで再出発という意味もあるのだろうけど、それいうならセルフプロジェクトの世界線をもっと見たかったな。あのルートでのすずれなの距離感、好きだった。
序盤からこんな物量ゴリ押し作戦で大丈夫? 今回は脳筋相手だからということで、今後はより暗殺者らしい戦い方が見られるのかな。何にしてもルーグでも肝を冷やす敵の登場にようやく始まったという感じ。
原作はどうか知らないけど、アニメは非常に丁寧に、真面目に作られていた印象。回復術士の作者と聞いて、見たら作風のギャップにビックリ。さらに初回の転生前の話はほぼアニオリと後で知ってまた驚いた。中の人があまり出しゃばらない転生モノなのに、ルーグの言動の端々に中の人がだぶって見えて仕方なかったのは初回のイメージが強すぎたせいかもしれない。中の人のストイックな性格も相まって、真面目に語られているのにギャグのように見える違和感は最後まで拭えず。それはそれでツッコミながら見れて面白かったけど。
なじみが主役かと思うほど、最終回はなじみがはっちゃけてたねえ。いやでも、今作のりえしょんは頑張ってたと思うし、ホンマお疲れさまと。それに、なじみたち騒ぎまくる勢、古見さんや只野くんのように静かに見守る勢、どの視点からでもイベントを楽しんでいる雰囲気が感じられて良かった。特に打ち上げのカラオケでの空気感が見事。ポップなOP曲を流すタイミングといい、鳥肌すら立った。
息遣いや挙動で古見さんがときに饒舌に感じたり、無口な古見さんに呼応するような間の描写が素晴らしく、主人公がほぼ喋らなくても、物語がほぼなくても楽しめる表現の面白さをあらためて教えてくれた作品。
ピリオド間の休憩のタイミングで和解させて、お互いベストを尽くそうという流れにするバランスの良さ。そして戻ってきた優を迎える愛佳のどんと構えた頼もしさよ。いろいろ思うところはあったけど、愛佳たち新人組の絆に焦点を絞ったストーリーはほんわか見れたし、愛佳の精神的エース感がとにかく小気味よかった。最後のビクトリーダンスに何の違和感も覚えないくらい、気分良く盛り上がったまま終わって、後味もよろし。来年のオリンピックでは女子アイスホッケーに注目してみようかと思えるくらいには、アイスホッケーにも興味を持てた。
前回の流れからすると、イバラを喰らったはフラグじゃない?w まあ、イバラがまた身代わりになるのはカケルが許すとも思えず。何の根拠もなく、勢いで突っ走るカケルもそれはそれでいいんだけど、今回、一番熱くヒーローしてたのは逢花様。敵の威圧にもたじろがず、覚悟の次元が違う姿に惚れた。Cパートはお姉ちゃんの悲鳴まで含めて、いい演技だった。
最後まで仕込むねえ。ラストの提供テロップは完全に油断してた。まさかこれをやりたいがために今回だけKADOKAWAがいつもより多く出資したとかないよね。
序盤はエロさにも釣られつつ、みこが平静を装いながら内心めちゃびびってる様子や、ハナやユリアとのギャップを見てるだけでも楽しめたけど、善先生絡みのミスリードも含め、終わってみれば話の積み重ねを感じられたのが意外な収穫。みこ自身も意識が変わり、ユリアとの関係性も少し変化したなかで、見えることにどう向き合っていくのか、続きが確かに気になる。
どうあがいても敵わないと感じる天才に、なおかつ身近な存在にほめられたら、そりゃ素直に嬉しいよなあ。龍二ともそうだし、世田介とでも同様に、八虎は人の言葉や態度を自らの原動力に変える術がほんと凄い。なんだかんだで八虎の合格にひと役買う世田介だったりと、試験中の二人のやり取りが微笑ましくてほっこりした。
時々、表現が独特すぎて、ん?となる描写があったりしたものの、毎回のように深く染み入るセリフがあったりして、そういう青さも含めてド直球な青春ものであり、成長物語だった。迷える八虎を導いた佐伯先生と大葉先生を存在感たっぷりに最後に登場させるのも良き。森先輩とは最早すれ違う運命なのかだけどw でもこっちは森先輩の姿を久しぶりにちゃんと見れて満足。