掴みはいい。
画も丁寧できれいですが、設定の甘さが目立つ
空間に映像を映し出したり、物を浮かせたりできるのに、
現在と生活が全く変わらないのは 想像のバランスが悪い。
中でも物を浮かせる技術は世界を一変させるはずで、
交通機関、工事方法(ビル解体など)、居住空間、
働き方も大きく変わるだろう。
重力制御なら宇宙開発も大きく変わる。
高度な人工知能と併せて極端に世界は変わるだろう。
この作品の場合、ナナコのデザイン以外に重力制御は
使用していない。本来不要だからこそ、齟齬をきたしてる
のは残念。
その点以外は良くできたジュブナイルだと思う。
ほう、変装するのに魔法を使ったか
ということは、この世界にはモデルとなった国や時代はない
つまり全くの架空の世界ということか。
だとすれば、多すぎる様々な矛盾点は大目に見ないといけないのだろうか。
例えば、
・手術に際し、麻酔や輸血をしない
・手術照明の光源が不明(電気か?でも壁の照明はランプだし…)
・病院の衛生管理に対する認識が低い
・床ずれを放置していたので、軟膏などの塗り薬がない
・外科の発展に比べて内科は遅れている。
などの矛盾点は魔法で対処だろうか…
麻酔、輸血は魔法で、光源も光魔法、病気も魔法。
なら、外科も治癒魔法でいいか。
なかなか落しどころが見つからない。
またぶち込んだね
おとぎ話の形で新たな伏線
世界の終わりを回避するために異世界から呼んだ子供が使った、今は忘れられた魔法。
で、主人公は自分の中に前世の人格があり、その人格は異世界の記憶を持っている。
これはもう決まりだな。
しかし、いつも眠ってしまって途中までしか知らないおとぎ話を 他の誰かにしようとするかね。
まあ、おとぎ話の最後まで語ってしまうと ネタバレになるから、こうして濁したんだろうけど。
医学はトライ&エラーの上に築かれた知識の産物
病名はもとより処置の仕方、原因と考えられたことなど、時代により様々に変わってきた。
いつの時代に戻った設定なのか分からないが、中世ヨーロッパでは民間療法、手術といえばヒルを使った瀉血。
19世紀のフランスでは病理解剖学による医学の科学化が進められつつあったものの、
同じ時代のイギリスでは解剖は忌むべき行為として避けられていた上、医療技術を他人とは共有しないので、
近代的な医療とはかけ離れていた。
この物語の世界は、病室を清潔に保つという基本もできていない程に医療が低いレベル
(にしては、感染症の概念はあるようなので、見捨てていたからワザとという穿った見方もあるが…)
「JIN−仁−」のように、低レベルの医療しかない時代での孤軍奮闘となるはずなのだが。
世界観の設定が この回でやっと説明された。
宗教的な偏見の支配する設定だということは分かった。
しかし、親子愛すら無視する程の思想的な呪縛とは
かなり極端。違和感を感じる。
過去には能力の無いことが当たり前の世界だったとの事
なので、能力の低いものを異端とする選民思想が広がり、
粛清していったということだろう。
すると、この世界に至るまでには大虐殺の歴史があったはず。
しかしながら、生存を許される能力というのも それ程高い
ものを要求されているわけではないらしい。
生死を左右するにも係わらず、微妙な差で決められる。
これは大衆が支持する思想となり得るだろうか。
まして、可愛がっていた我が子を率先して殺そうとするなど…
百歩下がってこういう思想がはびこる世界を創るとしても、
反対勢力が無いのは絶対に片手落ちだと思うのだが。