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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
良い
ストーリー
良い
音楽
とても良い

こういろいろな要素が掛け算になっていたところが素晴らしいという作品の個別の要素に評価を付けたりするのは野暮なのではないかという気もする。最初から最後まで信じられないくらい色々込められ中身が詰まった作品でした。

登場人物の生活を見せることや感情を描くことに徹して、視聴者の気持ちを操作するために出来事を起こしたり不要な起伏をつけてある感じが少なくて良かった。不要なラノベ感やラブコメ感も注意深く避けられていたように思います。

アニメを娯楽として観ている以上は楽しみたいとか観ていて気持ちよくなりたい思いがあるものだけど、行き過ぎると自分が知っている気持ちよくなれるパターンにはまっていないから作品を批判したり、酷い時は作中で何が表現されているかより自分が読み取りたい要素を無理やり見出そうとしたりしてしまうこともあったりするけど、この作品の中に描かれていることを最大限受け取ろうと思えるような時間が過ごせたこと、とても幸せでした。おかげで毎週長々とお気持ちをしたためてしまった…。

美しくまとまって終わったので個人的には2期はない方がうれしいかな。

これまでの感想は原作及び原作者の解説をまったく読まずに書きましたが、原作者の解説をこれから読んでまた何度か観返してみるつもりです。
https://min.togetter.com/JSwASc6



とても良い

11話を観返していて気づいたのだけど、放送の終わりに付いている予告編はカセットプレイヤーの再生ボタンを押す音から始まってカセットテープのノイズに合わせて音楽が流れるのね。これは多分オープニングの現在のふたりを描いた部分が綾瀬の日記の回想の画質(いわゆる8mmフィルムの感じとのこと)で描かれていることと合わせて、この作品で流れた時間を未来の(多分)綾瀬が振り返っているという作りになっているように思える。

ただオープニングの綾瀬の回想ぽい部分に綾瀬と接点がなかった藤波が出てるのは謎。あと、藤波は浅村が落とした"栞"を拾い上げるとかいう意味ありげな登場をしたのに読売先輩との絡みが特にないまま終わったの嘘だろ…。

オープニングでは横たわっている藤波の髪に2頭の黒い蝶が止まっていて、8話では1頭の白い蝶が高いところを飛んでいる。12話では回想の中の藤波にまとわりつくように白黒2色の蝶が2頭飛んでいて、藤波が自分の気持ちに気付かされたくだりから蝶が離れていく。世界が色づくのに合わせて羽の色も白と黒の2色から下半分が赤くなっている。蝶が離れていくのは両親がいなくなって起こったいろいろな悲しみを自覚したことの暗喩ではあるのだろうけど、8話の蝶が綾瀬の「楽しみ」という言葉と共に結構高いところを飛んでいたことを思い出すと、蝶が離れていくというのは気持ちを解放したことの表現に思える。

綾瀬がこぼした涙がベッドのシーツの落ちる音、浅村を部屋に引き込んでドアを閉めて鍵をかける音がすごく生々しかったのが特に印象的だったけれど、他にも踏切を通り過ぎる電車、綾瀬が浅村を抱きしめる時の衣擦れ等々、音響が特に印象的な回のひとつでもあったし、主演のおふたりの演技も尋常ではない素晴らしさだった。

9話から12話までで、オープニングで描かれた過去にふたりが出会えていたら結べたであろう関係に今のふたりが至ろうとしているて解釈はまあまあ有りだったのでは。オープニングでは駆けていたふたりが並んでゆっくりと光の中を歩いてくラストは自分の気持ちをうまく表現できる言葉を持たない。

過去に負った傷から深い人間関係を結べなくなったふたりが至る関係としてこういう終わり方なの本当に良かった。本当に美しく終わったので、2期はやらずにいて欲しい。



良い


とても良い


とても良い

アトリは自分に心があるとは思っていなかったから、自分が良心で実力行使に出たという自覚を持てなくてアトリの中では謎の衝動にかられて人間を傷つけロボット三原則を破ってしまったということになっていたのね。さらにそのことで詩菜の気持ちがアトリから決定的に離れてしまったことをずっと悔やんでいたと。

ずっとエンディングの曲を好きになれないと感じてたけどこの回でこの曲は本当に受け入れ難い…。



綾瀬が水槽に鍵を沈めた9話以降オープニングの最後の水槽に鍵が描き足してあるのは教えてもらったけれど、他に綾瀬の髪型もショートになってたのね。

綾瀬母が面談前に浅村をからかうみたいになってたのは素なのか、自分が緊張していたからか、それとも浅村が緊張しているように見えたから気遣ってか、とにかく綾瀬母のゆかいな振る舞いの結果として浅村も母と言えたところがなくもない気がして、そういう人たらしなところに浅村父も惚れたんだろうかと思うと良いシーンでした。

ここまで丁寧に日々の生活を描いて来たのがここに来ての綾瀬と工藤の会話は物語を動かすための装置という印象が強過ぎて素直に受け止められないな…。

とりあえず最終話がうまく閉じればすごく良い作品であったとは思えそうだからもう少し観直したりして過ごします。



栞子の曲ずいぶん凝ってる気がしたけどtofubeats氏作曲なのか〜。



前回をいまいち受け止め切れないままかなりぼんやり観たので感想が出て来なかったのだけど、他の人の感想を見て改めて観返すと前話のCパートで綾瀬が今の家族や生活に前向きになったことが心象風景で描かれ、この回では浅村父やクラスメイトとこれまでより積極的に関わろうとする様子が描かれる一方で綾瀬と距離を置くことを決めた浅村の学校と家での寄る辺なさが対比されていた、と。

朝食の時に浅村父から綾瀬母の言葉を聞いた浅村がいつまでも実母へのトラウマから綾瀬母と距離を取っていてはいけないと思った風であり、そこからの自転車で坂を登るシーンなので坂は浅村のトラウマの暗喩なのだろうけれど、このシーンは坂を登り切ったのか曖昧なまま終わる。浅村の「お母さん」という言葉も自転車で坂を登っているのに息が切れていないことから浅村の心の中だけの言葉で口に出せたわけではなさそう。

浅村父は多忙のためかこれまでに浅村の気持ちを思いやるシーンがほとんどなく、綾瀬母とはまだ打ち解けておらず、綾瀬とは距離を置こうとしていて、学校では丸としか親しくしていない、その中でバイト先での読売と藤波との会話は意味が大きそう。

読売が清原がFA宣言した時の長嶋監督みたいなこと言ってたの良かった。浅村は今からでも読売に入団するべき。



1週間経ち次の回も観てから振り返ると避けようのない突発的な強い感情のことを描いた回としていろいろ納得はいき、でもまだ素直に消化出来たとは言い難い感じ。



ここまで観てきた感じ、センシティブな題材について誠実に描くことより視聴者の心に波風を立てることを優先して劇中でいろいろトラブルを発生させているように感じる。





反応や行動は人間も学習していくものだろうけど、それと感情や心の境目とか、心があるとしてありのままの心というのがどういうものなのかとかは結局みんなよく分からないんだよな。夏生自身もこれまで経験したことがないようなことに対して自分の気持ちが分からなくなっているわけだし…。



バトルシーンの作画をここまで完全に捨てるならバトルシーンが少なくても成り立つ脚本にしてくれないと毎回観終わって微妙な気持ちになってしまう…。



とても良い

めちゃくちゃよかった…(語彙力)



全体
良い
音楽
良い


きみの色を観たので改めて感想を書くけど、きみの色が出会いと始まりの話で今作が別れと喪失の話でそれぞれがA面 / B面だという見方も可能ではあるかなと。それぞれの内容を考えると音楽がミスチルとラブリーサマーちゃんだったのも内容によく合っていたように思います。

今作がもっとシリアスな作画で過ぎ去る日々を詳しく描いていたりしたらちょっとつらく感じたのではないかという気がしたりなど、きみの色も今作も描かないと決めたことを描かないことへの思いを強く感じる内容でした。



オープニングで描かれていた幼少のふたりが出会えていたらのシーンが9話であらためてあり、いまのふたりがバスに乗り綾瀬の髪が短くなりとオープニングをやり直しているような内容が描かれていたのはいまのふたりが幼少に出会えていたら結べたような関係にこれから至る暗示だと解釈したのだけど、10話は綾瀬母の浅村への思いの吐露、綾瀬と浅村父ふたりの夕食とこれまであまりなかった家族のシーンがあり、今後の出来事の予感はありながら穏やかな回だった。

綾瀬が綾瀬母の言葉を回想する時の画がこれまでは浅村の回想で使われていた描き方になってたのはなぜなんだろう。綾瀬がプールのことを思い出すシーンもこれまでの回想の映像のテイストとは違ったけど、これは9話までの綾瀬の回想で使われていた映像の処理は綾瀬が日記を読み返していることを表現していて、綾瀬は本当に日記を書くのを止めたということかな。

藤波はもし踵が高い靴を履いているんだとしても身長が高い。

オープニングのタイトルロゴの色の変化はキッチンとダイニングの間に置いてある花の色の移り変わりに合わせてあるのかと思っていたけど、10話は話の中で花が変わっていたようなので確信が持てない。



映像
とても良い
音楽
とても良い

作中で描かれたこと以外の背景についての説明をすっぱりと切り落としてあるように感じたから物語の起こりの部分はとっかかりがないように感じられて、これについてはもう何度か観返したら感想が変わるかも。劇中で描かれたこととそこから生まれた音楽のライブのシーンがすごく良かったので、作中ではっきり描かれなかったことを考えたりするより作中のその瞬間のことを素直に受け取るのがこの作品の見方として自分には合っていそう。

ライブのシーン、ルイが作曲した設定であろう曲のタイトルがルイと直接の関係はない「反省文」なのは曲作りに苦労していたルイにふたりが与えた影響の暗示として美しいし、あとの2曲では5本の指を使って鍵盤を弾いていたトツ子がルイの曲では人さし指だけで弾いているの、山田監督なのか牛尾氏なのかのルイがそういうニューウェーブを愛好するような音楽オタクであるということの解像度が高過ぎてちょっとにやにやしてしまった。ライブシーンの音楽が映画館の音響ですごく良い感じに鳴るようになっていたのは牛尾氏の職人芸かな。

ミスチル特に好きじゃなくて、エンディング主題歌も事前に単品で聴いたときは良さが理解できずちょっと不安を覚えたのだけど、本編を観た後ではこの作品のエンディングに綺麗に収まっているように感じられたので良かった。映像は綺麗だし、メインのキャラクター達の声を声優が本職じゃない人たちが演じてるの、素朴だったり内気だったりするキャラクターと良く合っているように感じられたのも良かったし、また観返したいな。



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