今回の話、往年の競馬ファンなら涙無しには見られない回だったんじゃなかろうかと思えるほどにスタッフの熱量を感じられる内容だった
まず冒頭から強烈だった。
サイレンススズカの靴紐を結び直す仕草、故障したレース前にも同じ動作をしていた為に一瞬不安な気持ちに襲われるがそこから始まるのは回想。つまりはサイレンススズカがこの復活劇のためにどれだけの積み重ねが有ったかを思い起こさせる描写が続く。その後に再び靴紐を結び直す描写が入る頃には視聴者の不安は消えている。むしろサイレンススズカの復活劇を早く見たくて仕方なくなっている。この構成は見事だった
そこからのレース展開もサイレンススズカらしからぬ後方に留まるものからの終盤であらゆる人の目を覚ますかのような素晴らしい抜き去り。このシーンは実況・解説コンビの演技が素晴らしかったことも有り本当のレースシーンを見ているような錯覚に陥ってしまった
いや、本当にスタッフは素晴らしい作品を作ってくれたよ
だというのに次回は今回の熱量を更に超えてきそうな回が待っているってどういうことだい!
サイレンススズカとの約束のため、エルコンドルパサーの雪辱のため、スペシャルウィークがブロワイエと直接対決する次回。今から楽しみで仕方ない
日常時々ダイビングがテーマとなる「あまんちゅ!」において夢世界が舞台の話という時点でちょっと引いて見ていた部分があったのに、今回は光達も夢世界に付いて来た上に愛の告白があったり、更にはピーターの正体が悪い意味で驚きだったことも有り、最後までどのような視点で見れば良いのか判らないまま終わってしまったように感じられるエピソードだった
あ、でも光達に関しては愛が「二人が夢の中まで付いて来てくれた」という夢を見ただけな可能性もあるのか?
他の人には迷惑をかけないようにとピーターと二人だけの閉じて停滞した世界を望んだ真斗、誰かが見つけてくれるかも知れないと不確定でも開かれた世界を示した愛
ピーターが受け入れたのは愛の言葉。これは発言者が愛だからピーターは受け入れることができたんだろうなと思える。発言者が真斗だったらピーターは真斗の身を案じる心が先に来て、真斗の示す世界が自分の望んだものであっても受け入れることが出来ない
ある意味、真斗より関係性が薄くてそれでも真剣な想いで現状打開を訴える愛の言葉だからこそ、ピーターは余計なことを考えず開かれた世界を受け入れることが出来たんじゃなかろうかと思える
二人の想いや自分の恋が叶わぬことを知りながら奮闘した愛。
だというのに再会の場面で「後は二人で」と去らなければならない愛の姿が悲しい。
ラストの「よく出来たじゃない」が様々な意味に受け取れて更に悲しみを覚えてしまう
相手の顔を見ていれば理解できることが有る。そして、自分を理解するためには鏡を見なければならない。けれど、鏡は左右逆だから他人が見ている自分と自分が鏡を通して見る自分は違うかもしれない
何時になくシリアスで皆に心配をかけたくないというさくらの言葉は少しずつ物語が深刻な方向へ進んでいる状況を表しているかのよう
今回はさくらや秋穂が倒れていたのもあってか、その二人を周囲の面々がどう思っているのか、かなり語られた回だった
桃矢がさくらの事情をかなり把握しているのは以前から知られていたことだったけど、お父さんも何となしに知っていたのね
それは母親である撫子の不思議な部分を事前に知っていたから知れた部分もあるだろうけど、やはり毎日のようにさくらの顔を見ていたからこそ事情を理解できたのだろうね。
それでいて余計なことは何も言わず穏やかに見守るなんてそうそう出来ることではない
エリオルが月とケルベロスに事情を隠していた理由も判明。主従として顔を合わせるさくらの前では月は隠し事が出来ないだろうと彼をよく知っているエリオルだからこその判断。
「あの魔法」を発動させるためとエリオルへ攻撃しさくらをどこかへ導こうとしている海渡。彼をよく知っているモモが懸念するように、目的の為の手段を重視するあまり少しずつ大切にしなければならないものの順番を見失いかけているのだろうか?
そしてメインとなるのはさくらと小狼。互いを大切にしようとするあまり、隠し事をしてしまう部分もある二人。
さくらから見える小狼、小狼から見えるさくら。大事にしたいという想いは伝えあっていても、その覚悟のために影でどれだけの犠牲を抱えているかは隠してしまう。けれど、互いをよく知っているから何か隠し事があるのは判ってしまう
空中でさくらを不幸にさせないと力強く誓った小狼。でも、今の小狼は不幸にさせたくないという想いが強すぎて逆にさくらを悲しませる結果になりそうな……
前回やらかしたヒナからの解放パーティーから気不味くなる程度で済んだの?もっと破滅的な影響が残ってしまうものかと……
斑鳩から応援にと召喚されたマオが降り立ったのは無人島。誰も居ないし任務は失敗だしで心細くなり終いには椰子の実をアンズとヒナに喩えて会話をする姿は哀しい……。何故もっと早く筏を用意しなかったのかと問い詰めたい
思い返せばヒナは今も色々と生活力が足りないし、アンズも最初は無銭飲食やら野宿やらで酷い有様だった。マオが自分の力で島から動こうとせずバカンスの真似事を始めてしまったのも、自分の考えで行動する力を身に付けるために必要な時間だったと捉えることもできる……のか?
「会いたい、人に」と大海に漕ぎ出したマオは無事日本に辿り着けるのかな?更に辺鄙な土地に辿り着きそうな気もするが
一方、組長の交代劇に巻き込まれた新田の扱いが酷い。彼自身は何の落ち度もないし上手く立ち回っている筈なのにあっという間にコンクリ詰めは笑えない。
最良と考え行動した結果があのような末路を辿り最後にはコンクリ詰めのまま頭コールで締められる状況は哀れとしか言いようがない
自分の考えで行動した結果、無人島を脱出したマオ、コンクリ詰めになった新田
そして、ヒナは自分の考えで新田の出世を祝うことに。普段、寝てばかりだし面倒くさがり屋なヒナが新田を祝うために奔走する姿は意外。
結果、作り上げた光景はどう見ても葬式仕様だったけど、新田を祝おうとする心は本物。新田が目を逸らしながらの「ありがとう」との一言からは恥ずかしがりつつもヒナの想いをきちんと汲み取っているように感じられとても良かった
実はナミもウィスパード?宗介はウィスパードと何かと縁がある人間だね
それにしてもサベージとM9の戦闘描写は凄いとしか言い様がない。
鈍重でカクカクした動きのサベージで最新鋭機のM9に勝利してしまう宗介のAS操縦技術は作中に於いてトップクラスであることを思い出させるようなものばかり。「ジャイアント・キリング」というサブタイトルがとても相応しく感じられる内容
しかし、サベージはもう動かないし敵はクラマも含めて数多い。捕らえられたナミを前にして宗介はどう戦うのだろうか?
その人のスタンスが漫画に反映されるのか、それとも漫画に合わせてスタンスが定まっていくのか
幼少期の翼に少女趣味があったという話は驚き。昔から今みたいな性格だと思っていたよ
しかし、翼は少年漫画を書いていく中で髪を短くし趣味や言動も少年のように。そういった背景があったからこそ、面白い少年漫画を懸けたのかも知れないけれど、日常回でお姫様の行動を考えようとした際にはその偏りが仇となってしまうのはなんとも皮肉
描くシーン毎に服装を変えることにした点はとても面倒なように見えるが、己のスタンスを漫画に反映させている翼には必要な行為なのかもしれない
お菓子の食べ過ぎで体重が増えてしまった小夢。コメディでは定番の体重計が壊れてる可能性を打ち砕く、お気に入りの服が入らない描写は残酷
それ故に小夢はダイエットを決意するけれど、その為に漫画からは覇気や小夢らしさが消えてしまう。
自分の漫画を書くために思い切ってデザートを食べお菓子も心ゆくまで味わう。やはりそんなスタンスの方が小夢らしく感じる。
思えば怖浦先輩もスタンスと漫画が非常にリンクした人間だし、琉姫もTL作家らしく小夢の身体に夢中になってしまうタイプ。
そう考えていくと薫子は現役女子高生である点を活かした作品よりもネガティブな性格を活かした方が面白い漫画が描けるんじゃないかと思ってしまうが……
ライバルが居るから強くなれる。もっと早く走れる。そんな当たり前だけど大切なことを感じられた回だった
だけど、スペシャルウィークはサイレンススズカの為に走るとの想いを気負いすぎていたのか冒頭のレースでは完敗。完全復活なんて煽られてもそのお腹を見た時点でお察し下さい案件だったよ……
その後に設けられた休養によってチームスピカの面々は自分を見つめ直すと共に走る理由を再確認できたようで。
前回のトレーナーの発言からスペシャルウィークとサイレンススズカがライバルとなりお互いを高めあっていく関係が示されたけど、それはスピカの面々にも言えることなのだろうと好調なレース結果を見て思う
サイレンススズカが怪我した天皇賞をレースレコードで走ったスペシャルウィーク。仮想スペシャルウィークと全力並走したサイレンススズカ。
復活した両者が全力で走るレースを早く見たいものである
それにしても人参をぶっ刺したハンバーグのインパクトは凄すぎだよ……。あれが好物なの……?
同作者による『浪漫倶楽部』を読んでいれば今回の話はまた違った感想を抱けたんだろうかなんてふと思った
大人になった真斗はピーターに対して警戒感を抱いているように見えたけど、学生時代の真斗はむしろピーターへの依存が激しいように感じられた
学生時代の真斗は一度ピーターと距離を置くことになったものの、それはピーターが関係ない人も無差別に夢に巻き込もうとしたから。むしろ学生時代に時間を止めてしまいたかった真斗からすればピーターと二人だけの世界こそ望んだ場所だったように思える
ただ、そう見てしまうとラストの「ずっと一緒だ」という台詞と大人になった真斗の姿は繋がらないような気がするけれど。大人になってしまったからこそ学生時代のように夢想することが無くなった為だろうか?
これまでは自分の夢の中で不可思議体験することはあっても、他人のしかも赤子の夢の中に取り込まれ様々な体験をするパターンは『あまんちゅ!』の世界観からすると唐突なように感じられてしまう。
この一種、異様とも言える現象に対して愛は、そして光達はどのように向き合っていくのかな?
サベージを白黒カラーにしてアル二世と名付ける宗介に和んだ
圧倒的な実力で連勝を続ける宗介に危うさを感じてしまったけど、計画の内だったのか。それでも自分が頼りにされAS乗りとしての実力を発揮できる空間は居心地が良かったようで。やはり宗介にとっては日常の中にある学校よりもこういった非日常の戦いがある空間の方が性に合ってしまうのだろうな
ナミに事情を話す際、最初は椅子の背を挟んだ形で事情をはぐらかそうとしていた宗介だったけど、恭子の言葉を思い出してからは椅子の向きを変え更には事情を包み隠さず話すように
その様子からは宗介の中に学校でかなめに次ぐ頻度で関わっていた恭子に対し自分の口から正体を話せなかったことを悔やむ気持ちがあったのだろうかと推察してしまった
宗介とナミ、徐々に距離が近くなっていく二人だけど、本作がラブコメではなく、又宗介の気持ちがかなめにしか向いていない以上は悲しい結末しか予想できないのだけれど……
イクラ丼を奢る様子や車中での会話がとても良かっただけにオチが最悪だー!少ししんみりしていた気持ちとかが全部吹っ飛んだよ!
思惑のすれ違いが今回のテーマだったのかな?
斑鳩に出逢ったアンズは始末されるかと覚悟したけど実際はヒナが目的でアンズは関係なし
そしてそれなりの肩書を持ってやって来たのに調査方法はまるで小学生の行動評価表
新田のヒナへの対応を斑鳩は聖人かと恐れるけど、実際はただのヤクザ
マミは自身も超能力を使えるようになったと勘違いしてクラスメートに披露までしてしまったけど、そんなことはない
ヒナは命を奪う首輪の為に逆らえないと思い込み斑鳩に従うが、首輪はもう無いために斑鳩の方が命の危険を犯していた
そして新田に帰ることを告げようとするがヒナは上手く伝えられず、王室に入ったと勘違いされたり病気と心配されてしまう
そんな数多のすれ違いを経た後のイクラ丼や車中のくだりからはすれ違いなど無く互いの想いをしっかり伝え合っているように見えたのに……!
まさかあの流れから最大級のすれ違いがラストに待ってるなんて思わないじゃんかよー!ヒナと一緒に「これはない」と思わずに居られなかったよ!
このすれ違いがどうやって解決されるのか全く予想できないよ
ようやくテレサは多田への恋心を自覚したのかな?1クール恋愛モノでここまでメイン二人の恋愛事情がゆっくりと進展する作品も珍しいような
以前テレサは多田の父親が撮影した最後の写真から、多田の決意を読み解いたわけだけど同様な決意もテレサもしていたのか。おそらくこの時にテレサはバレエダンサーになりたいという夢を捨て皆が望む王女としての自分になるために本当の望みを押し殺しているのだろうか
かと言ってその生き方に納得しきれた訳ではないし、アレクにしたことの後悔はずっと引きずったままだったのだろうね。だからこそ、人生観に響く多田の言葉に救われた気持ちになりテレサの中で多田の存在が大きくなってしまう
「テレサも僕もそう簡単に自分の道を外れて生きる事はできないんだよ」というシャルルの台詞、もしかしてテレサが多田に惚れてしまったことに気付いてる?その上でテレサの恋が叶わず周囲が望むままにシャルルと結婚するしかない未来を憂えているのだろうか?
シャルルが去り、恋心を自覚してしまったテレサ。次回はどのような事態が起きるのだろうか?
ネームを没にされ続けて更にはファンも居ない薫子はどうして漫画家を続けられているのかと疑問に思っていた。そんな薫子に対する認識が少し変わった回だった
でも、やはり自身を持ったネームを没にされてしまうのは辛いはずで。寮に入る前のように一人だけでその現実と立ち向かっていたら、編沢が懸念していたように薫子は漫画を辞めてしまっていただろうね
けれど、寮で小夢達と出会い漫画も勉強もおふざけも共に楽しむ仲間ができたことで、薫子はどれだけ没にされても変わらずに理想の漫画家へ向かい進み続けられるのだろうね
他方で大人組の交友関係が高校時代の漫研から続いているとは意外だった。
大人として子供たちを導く立場だったとしても自分たちの判断に自信を持てないときは有る。そんな不安や悩みを思ったまま吐露できる仲間がいるのは羨ましい
薫子たちがそれぞれの夢に向けて支え合っているように大人組もそれぞれを助け合っていることが見えたようで良い内容だった
何にしても志しを同じくした仲間って大切だよなと実感させられる回でした
第二期になってから不思議な空気感を持った話が増えてきてARIA第二期の雰囲気を思い出してしまう
明晰夢で散歩→人魚に連れられ竜宮城→ハロウィンが夢と交じる、と非日常的な話が続き遂には学園祭でお化けが登場する運びに。ピーター=ピーターパンという認識で良いのだろうか?
疑問なのは愛も真斗先生も「時間が止まってしまえばいいのに」とは思っていても「大人になりたくない」とまでは思っていなかったように見えるのだけれど。
普段は昼の時間を過ごす学校空間だからこそ、学園祭直前という特別な空気の中で夜までワイワイガヤガヤする行為は殊更特別に思える。その明るく賑やかな空間は確かに違う世界のように思えるけれど、一方で愛が休憩していた人が居ない静かな空間は又もう一つの別世界
そこから始まるピーターとの邂逅は愛にどのような体験を齎すのだろうか。そして以前ピーターに誘われたという真斗先生はどのような体験をしてピーターを危険視するようになったのだろうか?
随分時間を掛けて「手袋を買いに」のくだりをやっていたけど、クリアカード編の内容とリンクしている部分が何かしらあったのかな?何がリンクしているのかイマイチ読み取れなかったのが残念
子狐が手袋を買うために人間の手を手に入れる部分か、それとも人間って怖くないと言う子狐に対し疑念を消せない母狐の部分なのか?
ただ、CCさくらシリーズにおいて対価は重要な意味を持っているような気もするので、子狐が人間ではないとバレても正しい対価が有れば手袋を買えた辺りの描写がリンクしているのかな?
『記録』を使おうとしたら間違って30年前の光景を映し出してしまったさくら。
時間を巻き戻せる強力な魔法を使える海渡でも秋穂の症状を止められない中でさくらに何かを求めている点を考えると、さくらの魔力が強くなり過去を映し出せるようになった状況は何か大きな意味を持っているような気がしてしまう
舞台を大きく移し視点も宗介ではなくナミを中心としたものに変わったことで話から受ける印象がこれまでと大分異なる
その御蔭で第三者的視点から宗介が見た目に似合わず高いAS操縦技術や戦闘能力を持っていることを思い出せる内容になっていた点は良かった。
他にも宗介がベッドの下で寝る癖がある点や「俺はアマチュアではない。スペシャリストだ」の台詞もどこか懐かしい情景
今回はまだ新章の導入編だからか、宗介サイドの事情については触れられず。何故一人で行動しているのか、テッサ達はどうなったのか、「捜し物」とは何なのかは今後明かされていくのかな?