サービス開始日: 2023-07-02 (518日目)
話数が少なめ、かつ最終回以外は敵の鬼との戦闘がない修行編という位置づけではあったけど、その分アニオリ要素を多く盛り込んだ素晴らしい章だった。主に柱稽古での様子や炭治郎と鬼殺隊のモブ隊士達との交流を多く描き、原作をより良い形になるような補完し、さらにはこの先に待っている無限城編の内容に繋がるように構成していた。モブ隊士達の描写を増やすことによって、炭治郎やその同期のメインキャラ、柱の面々以外の鬼殺隊の隊士に対して愛着を持てるようにするというアニオリの使い方がとても良かったと同時に、後の展開を考えると中々鬼畜なことをしてくれるなぁとも思った。また、最終回以外では敵との戦闘が描かれない章だったけど、柱同士の手合わせのシーンもアニオリで加えることによって、この作品の醍醐味の1つである神作画戦闘シーンを本作でも楽しめるようになってた。ストーリーに加えて、オリジナルの戦闘シーンの追加や細かい演出などのアニオリ要素も素晴らしいものだった。豪華声優の起用も相変わらずで、前期も登場した釘宮理恵さんに加え、今回新たに速水奨さん、中尾隆聖さん、堀内賢雄さんなどが烏の役で登場した。ベテラン・大御所声優さんのほとんどが烏役で、もう豪華過ぎて笑えてくるレベルだった。そして最終回は、柱稽古編の最終回であると同時に無限城編への導入としても完璧な回だった。産屋敷邸におとずれた無惨とお館様との会話から始まり、お館様の自爆、珠世の急襲、そして柱達の集結など怒涛の展開が描かれた。産屋敷邸の爆発から悲鳴嶼さん、そして他の柱達の無惨への攻撃、そして無限城突入までの全てが劇場版レベルの神作画で、迫力あってめちゃくちゃ興奮したし、凄まじい緊迫感だった。原作既読でストーリーも知ってるけど、その上でもすごテンションが上がってワクワクした。前回の刀鍛冶の里編と、この後の無限城編を繋ぐ修行編兼箸休め的な章ではあったけど、そういう箸休めの章とは思えない位すごい満足感があった。いよいよ最後の戦いが描かれる無限城編が始まる。無限城は3部作の劇場版ということで、今までの集大成のような最高の戦いが見れるんじゃないかと思う。アニメのほうもついにここまで来たんだと思うと感慨深い。無限城編を楽しみに待ってる。
今までの3クール以上に様々なことが起きた怒涛の章だった。シルフィとの結婚生活から始まり、ノルン&アイシャとの再会、ゼニス救出のために迷宮探索、パウロの死、ロキシーとの再会そして結婚、内容が凝縮された非常に見応えのある、面白い1クールだった。序盤のルーデウスとシルフィの結婚生活は、とにかく幸せいっぱいで癒やされたし、見ていてこっちも幸福な気持ちになることができた。ルーデウスとシルフィがいかに互いのことを愛し、大切にしてるのかってことが伝わってきてとても良かった。加えて、2人の結婚を祝福するザノバやアリエル王女たち魔法大学の学友との絆が分かるような場面も多くてとても良かった。結婚編の後は、ノルン&アイシャと再会して一緒に住むことになり、ノルンとルーデウスとの関係にもスポットが当てられた。物心つく前に転移事件で離れ離れになり、その後成長して再び出会った時はルーデウスとパウロの親子喧嘩の場面だったから、ノルンがルーデウスにあまり良い感情を抱いていなかったことは理解できる。それ故にルーデウスにも最初は心を開けていなかった。そんなノルンにも兄として向き合い、悩みながらも支えようと頑張るルーデウスの姿にもとても感動した。後半はゼニス救出を目指した迷宮編に突入。2クール目前半はキャラクター同士の人間関係に焦点を当てたドラマが中心ではあったけど、後半はそ迷宮内での戦闘シーンも加わり、より緊迫感のある章になった。ヒュドラとの戦いは過去最高クラスと言っても過言じゃないレベルの神作画ですごくワクワクした。けどこのヒュドラとの戦いで、ルーデウスの父パウロが死亡した。1期からルーデウスとパウロの関係は比較的丁寧に描かれていた。ルーデウスは前世の記憶があり、加えてその前世ではパウロより歳上だったこともあって、パウロを父親だとは思いつつも、一方でただ純粋に父親として見ていただけではなかったように思える。幼少期のやり取りだったり、親子喧嘩をしたり、迷宮探索中のやり取りからも分かるように、父と子としての絆は確かにあったけど、心理的な距離が少しだけあったんじゃないかと思う。けど少なくとも作中の世界においてはパウロはルーデウスの父親だったし、ルーデウスもそう思っていた。だからパウロの死であれ程憔悴し、もしロキシーがいなかったら立ち直れなかっただろうという所まで絶望していた。パウロの方も女癖が悪かったり、若さ故に少し浅はかな部分があったり、子どもっぽい所もあったり、欠点が描写される時が多かった。けどそれだけじゃなく、転移事件で離散した家族を必死で探したり、ルーデウスとのやり取りや絆だったりと、家族の長として、そして父親として本人なりに悩み、向き合うとする姿もしっかりと描かれたし、その姿勢が伝わっていたからこそ、ルーデウスや家族に愛されていたんだと思う。最期はヒュドラの攻撃からルーデウスを庇って死亡した。死に際に言葉を交わすことはできなかったけど、ルーデウスの無事を確認し、わずかに微笑みながら逝った。それが救いになったんじゃないかと思う。パウロは欠点も多く、決して完璧な父親ではなかった。けど紛れもなくルーデウス達の父親だったし、その姿は、父親になったルーデウスに間違いなく影響を与えると思う。作中世界におけるルーデウスの今後の人生に大きな影響を与える重要人物だったことは間違いないと思う。そして2期最後に描かれたのはルーデウスとロキシーと婚約。妻が2人なるわけだからいわゆるハーレム展開にも含まれるかもしれないけど、それに至るまでのルーデウスの苦悩、ロキシーの苦悩がそれぞれしっかりと描かれたし、シルフィもロキシーも必ず幸せにするというルーデウスの強い覚悟も感じられた。見る人によっては抵抗があるかもしれないけど、個人的には、描き方も丁寧だったしこの展開は全然アリだと思う。そしてロキシーを温かく迎え入れるシルフィの姿は聖母のようで美しかった。本当にルーデウスは良い人に出会えたな思う。2人の女性との結婚、父との死別、そして子どもの誕生、2期2クール目はルーデウスの人生の節目になるような出来事が沢山起きたけど、どれ1つとして疎かにせず丁寧に描いていた素晴らしい作品だった。これからも色々なことが起こると思うけど、きっとルーデウス達は乗り越えていけるだろうと思う。今後はどんな展開が待っているのか、3期を楽しみにしてる。
初めてこの作品を見たのが去年の夏(2023年7月下旬頃)だから、リアタイ視聴ができたのはこの3期だけだったけど、久美子達が北宇治の吹奏楽部に入学してから、3年生として臨む最後のコンクールまで、キャラクターそれぞれの人間ドラマと成長を見ることができて本当に良かった。オーディション時に見られる先輩と後輩の関係や全国大会金賞を目指す上での部員同士の対立やすれ違い、けどそれだけでなくキャラの友情や師弟関係、そして少しだけ恋愛、様々な人間ドラマが見れてとても面白かった。弱小だった北宇治が全国金賞を目指すまでの過程では本当に色々なことがあった。きつい練習に対する部員達のモチベーションの違い、部内オーディションとその時の先輩への気遣い、部活内の人間関係など、現実の吹奏楽部にも実際にあるようなリアルな描写が多く、シリアスな展開も多かった。けどそういうすれ違いやギスギスだけではなかった。部員同士の絆を感じられるような感動する展開も決して少なくなかった。久美子と麗奈の関係がその代表になると思うけど、久美子と塚本の関係、1年の時の久美子とあすか先輩の関係、小笠原部長・あすか先輩・香織先輩の関係、みぞれ先輩と希美先輩の関係、中吉川(仲良し川)と一部で呼ばれる夏紀先輩とデカリボンこと吉川先輩の関係、久美子と久石奏の関係、求くんと緑輝ちゃんの関係、そして今回の3期でスポットが当たった久美子と黒江真由の関係、キャラそれぞれの苦悩や葛藤、対立やすれ違いもありつつ、その先にある固い絆には本当に感動した。友情、恋愛感情、先輩と後輩、師弟関係、部を引っ張る幹部の仲間、そしてどれにも分類することが難しい一言では表せないような特別な感情、色々な関係性の形があったけど、それぞれに唯一無二の良さがあったし、それがこの作品の最大の魅力だったんじゃないかと思う。個人的には、久美子と麗奈、久美子と塚本、みぞれ先輩と希美先輩、求くんと緑輝ちゃんの関係性が好きで、それを特に楽しみに見ていた。特に久美子と塚本は、両片想い状態で、この作品における貴重な恋愛要素の1つも担っていた。2年生の時に1度恋愛関係になりつつも、部活に集中するために恋愛的には距離を置くという展開になった。けどそれでも、部活の仲間として、そして3年の時は幹部として、お互い助け合っていた。どちらかというと久美子と麗奈の関係に重点が置かれたから描写はそれ程多くなかったけど、久美子にとっては麗奈だけじゃなく、塚本もまた特別で大切な存在だったと思う。3期最終回ラストで教師になった久美子が持っていた名簿に付いていた花から、直接描写はなかったけど、卒業後に久美子と塚本はまた恋人関係として共に歩んでいるんだと思う。もう少し久美子と塚本の描写も沢山欲しかったのが個人的な本音ではあるけど、2人の明るい未来を自分で想像してみるのもまた面白いかなと思う。求くんと緑輝ちゃんの関係性もすごく好きだった。緑輝ちゃんを単なる先輩だけでなく師匠として慕う求くんと、嬉しそうにそれを受け入れ、求くんを大切にする緑輝ちゃんの描写がすごく良かった。3期で求くんの掘り下げがあって、求くんが緑輝ちゃんに自分の姉の姿を重ねていることが分かってからは、2人の関係性をもっと好きになった。単なる憧れだけではないだろうし、これもまた一言では表せないような感情だろうけど、2人の絆もまた、自分がこの作品で注目してた要素の1つだった。最終回でのやり取りは最高だった。キャラ単体としては、自分の場合やみぞれ先輩と滝先生が特に好きなキャラだった。みぞれ先輩は大人しくて不思議な発言も多くて可愛かったけど、その発言が時に久美子に何か気づきを与えたりと、作品の中で重要な意味を持っていた。あと、演奏中の姿は本当に美しく神々しかった。滝先生は吹奏楽部の指導に関してはスパルタだったけど、亡くなった奥さんのことや、特に3期では、表には出さなかったけど本人なりに悩んでいるかのような描写があったり、久美子の成長や金賞の獲得で涙を流したりと、より人間らしい一面が見れてとても良かった。生徒だけじゃなく、滝先生もまた、生徒達と同じく、悩みながらも金賞獲得のためにできることをするキャラだった。久美子達の3年間は本当に濃密だったし、辛いことも多かったけど、その分楽しかったと思う。その歩みを、頑張りを、この作品を通じて見ることができたからこそ、最終回で全国金賞を獲得した時は本当に感動した。ストーリーやキャラクターだけでなく、作画や演出、そして演奏パートも見事で、どの点においても本当に素晴らしい作品だった。
最初にキービジュアルを見た時はコメディ系の作品なのかの思ってたけど、いざ本編を見てみたら結構シリアス目の作品で、けどすごく見応えのある面白い作品だった。一応は戦隊vs悪の組織という構図になってはいるけど、ストーリー開始時点で既に戦隊側が悪の組織を事実上無力化し、民衆を相手に「日曜決戦」と称する八百長試合を見せるという、他の作品には中々ない設定のもと始まった作品だった。戦隊側の方が戦力は圧倒的に上で、悪の組織側は理不尽に虐げられたり、戦隊の言いなりで利用されたりと、辛酸を舐める側になっているような状態だった。そういう世界観もあって、主人公の戦闘員Dも序盤はなす術なく倒されてしまう場面が多かったけど、やられ役という運命に抗い、戦闘員としての意地や戦隊への強い憎しみを胸に立ち向かい、少しずつ戦隊側の意表を突き、一泡吹かせる展開も増えていって、爽快感を味わうことができた。桜間と入れ替わって戦隊に侵入し、そこで訓練中の候補生と試験に臨み、対立や協力を繰り返していく中で、候補生達に対して情が生まれ、幹部ペルトロラの襲来時に共に戦う場面もカッコ良かったし、王道展開でテンションが上がった。強大な戦隊に立ち向かう戦闘員D、後半で描かれた試験、そして戦闘員D&候補生達と幹部の戦いなど、弱い者が強い者に立ち向かい、苦戦しつつも一矢報いるという、ドキドキしつつ爽快感のあるストーリー展開がすごく良かった。また、この作品は、戦隊vs悪の組織という構図に収まらない、キャラクターそれぞれの思惑とその交錯がすごく面白かった。戦闘員Dをして腐っていると言われる戦隊側も一枚岩ではなく、内部から戦隊を変えることを目指す桜間、戦隊壊滅を企んでいると思われる錫切の他、ドラゴンキーパーの5人や候補生達もそれぞれの思いや目的、野望を持つキャラが多かった。その目的のために他の人物を利用したり裏切ったりするキャラもいたけど、それだけでなく友情や大切な人を守ろうとするキャラもいて、絆を感じる場面もあった。キャラクター同士の関係性や、野望を果たすための動向に注目して見ても面白い作品だった。他に、この作品はアニメとしてのクオリティも高かった。絵も綺麗で、戦闘シーンもかなり迫力があった。劇中bgmも個人的にかなり好きだった。1期はブルーキーパー死亡という衝撃の事件が起こり、戦隊側にも大きな変化が起こることを予感させる終わり方だった。その混沌の中で戦闘員Dがどう動くのか、2期を楽しみにしてる。
最悪の魔王であるAFOを相手に前線に出て、さらには啖呵を切ることができる耳郎響香が超カッコ良い。AFOは強大で簡単に勝てる相手ではないけど、まだまだ勝負はこれから。
喧嘩を通じた漢達の意地のぶつかり合いと対話、そしてその先にある絆に感動できる、王道不良バトルアニメとしてすごく面白い作品だった。この作品の主要人物が多く在籍する風鈴高校は不良が集まる高校ではあるけど、そこに在籍する不良達は自分達が暮らす町を守る役割を担っていて、困っている町の人々の助けになったり、交流したりすることによって住人達から愛されていた。そういう面で、この作品では人情のようなものを感じられたし、単なる不良ではない、自分達が暮らす町を、そして同じくそこに暮らす人々を大切にしている風鈴の生徒達にはとても好感が持てた。主人公の遥は、当初は風鈴の生徒や町の人達の優しさを拒絶するような場面もあったけど、共に過ごしていく内に少しずつ仲を深めていき、まだ素直になったとまでは言えないけど、初期に比べたらかなり打ち解けてるんじゃないかと思う。遥の他にも、風鈴の生徒達には個性的なキャラが多かったし、各々がそれぞれの流儀やこだわりを持つ、とてもカッコ良い漢達だった。特に風鈴高校頭取の梅宮がすごくカッコ良かった。非常に大らかで新しい仲間の遥のこともすぐ受け入れ、何より仲間のことを何よりも大切にしている、まさに頂点に立つ者に相応しい器を持つ漢だった。彼が話した「喧嘩は対話、拳は言葉」という言葉は、まさにこの作品を象徴する名言だったと思う。ストーリー、キャラは勿論、この作品はアクションシーンのレベルがすごく高かった。漢達の喧嘩もこの作品の魅力の1つだけど、とにかくその喧嘩のシーンはすごく迫力があって目が離せない、とてもワクワクするものだった。特に獅子頭連との勝負の時の遥vs十亀の喧嘩は、全編に渡ってすごく迫力ある喧嘩だった。梅宮の言葉の通り、この作品のキャラは、最初はいがみ合っていても喧嘩を通じて対話し、互いの意地をぶつけ合い、そして分かり合っていく。この作品において喧嘩っていうのは核になる位にすごく大切なものだってことが分かるし、その喧嘩のシーンを気合入れて描き、妥協しないという制作川のこだわりも感じられた。こういう最高のアクションシーンがこの作品をさらに魅力あるものにしてたと思う。1期はかなり続きが気になる終わり方をしたし、2期も決まっている。級長になった遥が仲間のためにどう動くか、そしてキールとの勝負の行方がどうなっていくのか、今からすごく楽しみ。
一応原作既読でストーリーはある程度分かってる状態で見たけど、キャラの細かい動き、演出、何より音楽がすごく良くて、原作をより深みのある作品にしてたしめちゃくちゃ感動した。原作が元々セリフなしのシーンが少なくない作品ではあるけど、今回の映画では所々でそういうシーンで動きをつけたり、音楽を加えたりしてた。その音楽がすごく良くて、藤野と京本の日々を映しながら音楽を流し、徐々に盛り上げていく、映画館の音響で見ることによって体全体にそれが伝わってきたし、感動がより大きくなった。キャラの動きとかも良くて、リアルな部分もあり、そして原作の絵の雰囲気をそのままにアニメにしてくれたのがとても良かった。タイトルに「ルックバック」=背中を見て、とあるように、この作品は様々な場面でキャラの背を描いてたのが印象的だった。一番最初、部屋で机に向かう藤野の背中を映して映画が始まることにもそれが表れてる。他にも、京本の服の背中に藤野がサインをしたこと、部屋から出て藤野と一緒に外に出た時に、手を引かれながら京本が見ていた藤野の背中などが描かれてた。「背中を見て(ルックバック)」が回収されるのは最後、亡くなった京本の部屋の前で、藤野が京本の描いた4コママンガを見つけた時のシーン。ここは少し不思議なシーンではあるけど、京本が描いた4コマが藤野に届くことによって、自分が京本を外から出さなければ京本が死ぬことはなかったという後悔する藤野が、再び絵を描き始めるきっかけになる、作中一番の名シーン。EDでもエンドロールでは藤野の背中が映されるけど、人の背中が見えるのはその人が前を向いてる時だから、藤野が再び前を向くことができたことを象徴する意味があるシーンとして、そしてこの作品全体を通じて、やっぱり「背中」を描くことがとても重要な意味を持ってたことが分かる場面だった。1時間があっという間に感じる位に素晴らしい作品だった。
原作マンガだけでなくアニメの方でも完結まで見ることができて本当に良かった。この作品は、主人公の坊っちゃんが触れた生物の命を奪う呪いをかけられてしまうという、描き方によっては極めてシリアスな作品にもできる設定だけど、この作品はそんな設定の中でも楽しくコミカルに、そして温かみを感じられる作品として描いていて、面白かったしとても見やすかった。おとぎ話のようにも感じられる雰囲気の中で、坊ちゃんとアリスのラブラブな様子、人間や魔女など種族も様々かつ1人1人が個性的なキャラクターの登場とその友情や愛の物語が素晴らしかった。ファンタジックなラブコメではあるんだけど、恋愛だけではなく、家族愛や友情などの様々な関係性を描き、いずれもすごく温かくて、優しいものだった。そしてこういう要素を成立させている最大の要因が、キャラクターに悪人がいなかったことだと思う。主人公の坊ちゃんやアリス、その周りの人達は勿論、一見冷徹のように思えるけど実際はただ不器用なだけで、けど不器用なりに子ども達を愛していた坊ちゃんの母親のガーベラ、呪いが原因で坊ちゃんを遠ざけてしまうけど、そのことを悔やんでいたフィリップ、さらには坊ちゃんに呪いをかけた全ての元凶であるシャーデーも、嫉妬などによって道を間違えてしまったものの根は決して悪い人物ではなかった。だからこそ、最終的にはキャラクター皆が強い絆で結ばれ、それぞれがハッピーエンドを迎えることができた。全員の心の中に優しさがあったから、楽しくそして温かい作品になったんだと思う。ストーリーやキャラクターが魅力であることの他に、アニメ独自の演出として、ミュージカルのような形で所々に挿入歌を入れてたこともこの作品の面白い所の1つだった。色々な場面で流れる挿入歌は、歌っているキャラの個性がよく出ていたし、その場面の雰囲気をより良くするものだった。ファンタジックでおとぎ話のような、そして楽しく優しい、本当に素晴らしいラブコメだった。
世界観と雰囲気がとても良くて、オスカーとティナーシャの関係性の変化が丁寧に描かれてたとても面白い作品だった。1話でオスカーがティナーシャに出会い、自分と結婚することを要求して以降、最終的に結婚することは予想できたから、それまでに何があるのか、どういった過程を経て2人は結ばれるのかっていうことに注目しながら見るのがとても面白かった。400年以上孤独に生きてきた魔女のティナーシャが、オスカーとの日々や共に敵と戦うことを通じて少しずつオスカーに惹かれ、大切な存在になるまでの過程がすごく丁寧に描かれていた。何回結婚を断られても意に介さず、ティナーシャに寄り添い続けるオスカーはとても良いキャラだったし、ティナーシャの方もリアクションが可愛かったし、オスカーの優しさに触れ、時には自分の命を懸けてでも助けようとする所を見せる程に変化していった。結婚しろと言われても、嫌だ、しないと拒み続けてきたティナーシャが、オスカーへの想いを自覚し、悩みながらも最終的に結婚を決めた11話が本当に神回だった。この回でオスカーとティナーシャがついに結婚したのは勿論、事実上の1クール目ラスボスであるレオノーラとの戦いは、オスカーとティナーシャが見事な連携で勝利し、2人の関係性の変化を描いた作品としての集大成のような内容だった。それだけに12話の内容はかなり衝撃的だった。過去に戻ったオスカーがまだ幼いティナーシャに出会い、ラナクの陰謀に巻き込まれる前にティナーシャを救うことに成功するけど、オスカーが過去に戻った時点でそれまでの歴史、つまり11話までに描かれた歴史が全て消え、オスカー自身も消えてしまうという衝撃の展開だった。オスカーと出会うまでの400年に渡る孤独からティナーシャを救いたかったという気持ちが、オスカーにはずっとあったんだと思うし、過去に来たことでもとの時代は消滅し、戻れないということが分かっていながらも、孤独からティナーシャを助けることを選んだ。11話までのオスカーとティナーシャの歩みが実質なかったことになってしまったとも言えるし、最後のティナーシャの非通な叫びもあって、これだけ見れば悲しみ物語になってしまったようにも感じられるけど、オスカーがラナクからティナーシャを救ったことによりティナーシャが400年に渡って孤独に生き続けることはなくなった。そういう点では救われたと思うけど、どこかオスカーがいない寂しさの中でその先生き続けたんだとも思う。2期ではそのティナーシャとオスカーの関係性が、もう1度始めから描かれるんじゃないかと思う。2期が決まって嬉しかったと同時に安心した。新しく始まる2人の日々がどう展開されていくのか楽しみにしてる。
男装女子と吸血鬼の恋愛というファンタジックな作品で面白かった。まず登場するキャラクターのデザインがめちゃくちゃ良かった。男性キャラは全員超イケメンで、女性キャラはその数は少なかったけど1人1人はすごく美人で可愛かった。すごく画面が華やかだった。ストーリーの方も面白くて、特に後半は、美人を巡るルカと蓮の対立が激しくなったり、吸血鬼の世界の王の地位を巡る様々なキャラの思惑、ルカにとっての運命の女などの様々な要素が絡み合い、毎回予想がつかない怒涛の展開だった。ラスト3話では、蓮のキスによって美人が男になり、さらにはルカに関する記憶を失うという衝撃の展開で、ホントにどうなるか分からなくてドキドキした。どう収まるのか予想できなかったけど、最後は無事美人が女の子に戻り、ルカとの記憶も取り戻し、晴れて2人は結ばれることになってとても良かった。蓮の恋は結果として報われなかったけど、ルカと同じく蓮もまた美人のことを本気で好きだったことは伝わってきたし、すごく魅力的なキャラだった。サブキャラの樹里と宝の恋愛に関しては、作品の中では明確な答えが出たわけではなかったけど、前向きな方向に進んでいくことを予感させる終わり方だったから良かった。ルカと美人は無事結ばれたけど、最終回で始祖様が言っていたように、ルカを王として認めない勢力との対立が今後も続いていくんだと思う。実際最終回の最後では美人達の学校に意味深な感じで転校生が来たし、まだまだストーリーは続いていくと思う。ルカがそういう対立の中で、美人を守ることができるのかっていう新たなストーリー展開が期待できるだろうから、いつか続編があれば良いなと思う。
悲鳴嶼さんの過去、原作読んでるから内容知ってはいたけど、いざアニメで声がついてみると、分かっているのにやっぱり切ない。一応この後に救いが用意されてはいるけどここだけ見ればまだ辛さのほうが大きい。柱稽古編もいよいよ終盤になった所で、ついに産屋敷邸に無惨が現れる。満を持して登場した時の演出、そして何よりEDテーマがここまで無惨とマッチングするとは思わなかった。EDテーマをbgmに産屋敷邸に現れ、お館様のもとへ一歩一歩歩みを進めていく無惨の姿は、まさにラスボスと言った感じのカッコ良さだった。最後の決戦が近づいていることを感じさせる素晴らしい引きだった。
パウロの死に打ちひしがれるルーデウスが本当に辛そうで見てるこっちもすごく苦しかったけど、それでもロキシーの支えとリーリャの言葉で少しずつ前を向き、命は助かったゼニスと共に帰ることを決める。同時に、旅の中で自分を支えてくれたロキシーに惹かれつつもシルフィのことも同じ位大切だと悩むルーデウス。エリナリーゼさんが言う通り、愛する人が複数いることは悪いことじゃない。それにルーデウスはシルフィのこともロキシーのこともしっかり考えているし、だからこそあれ程悩んでいる。軽い気持ちじゃないことがちゃんと分かる。ルーデウスは、シルフィもロキシーも他の家族も、誰も軽んじることなく大切にできる人間だと思うから、ロキシーとも結婚して幸せにしてあげてほしい。
基本的にはふざけたギャグが多めの作品だったけど、たまにまともなラブコメ展開をやってたし、キャラクター達のの作家としてのこだわりや考え方がよく伝わる面白い作品だった。一見主人公のマサムネ以外は全体的にボケにまわるキャラが多かったけど、キャラの多くは作家で、それぞれが独自の考え方やこだわり、そして夢を持っていた。それぞれがその夢やこだわりを追求し、頑張る姿はカッコ良かったし、お互いに切磋琢磨している様子は見ていて気分も良かった。それにしたってギャグの方が多かったのは事実だけど。個人的に1番好きなキャラは高砂智恵さんだったけど、メインヒロインというわけではないのかそんなに出番は多くなかった。けど、限られた登場シーンは結構印象に残るシーンが多かったし、最終回ではマサムネくんに対して「お嫁さんになる」と、ラブコメヒロインに相応しいセリフを言ってくれたから、個人的には彼女も立派にヒロインの1人だと思った。マサムネとの付き合いが長いのか、お互いのことをよく分かっているような雰囲気で、ラノベの話とかをしてるシーンはとても楽しそうだった。ストーリー面以外だと、作品の所々細かいシーンで他の作品のイラストやキャラが映り込んでいる時があって、知ってる作品があった時は嬉しかった。見つけられた中だと、とらドラ!とか狼と香辛料があった。他作品との隠れたコラボみたいな感じがあって良かった。全体的に楽しい作品だったし、他の作品のファンへのファンサービスみたいな要素もある良い作品だった。
現代社会を生きる若者として、そして音楽や絵を使って何かを表現するクリエイターとしての登場人物達1人1人を、それぞれの夢や挫折、悩み、そしてお互いの絆に重点を置いて丁寧に描いたとても面白い群像劇だった。キャラクター1人1人の心情描写がとても丁寧で、周りの人間とは違う何かを成し遂げたい、特別な存在になりたいという欲求と、それでもやっぱり周りの目は少なからず気にしてしまい、中々行動に踏み出せない、行動に出ることはできても不安が付き纏う、そういう結構リアルな心情がしっかり描かれてたし、特にまひるとキウイに関してはその辺がより丁寧に描かれてると思った。けどそんな中でもまひる達は花音と出会い、JELEEを結成してクリエイターとしての1歩を踏み出した。表現者としての実力の限界にぶち当たったり、個々の過去の経験やそこから来る不安やトラウマに悩んだり、決して楽しいことばかりが描かれたわけではなかったけど、互いの絆で乗り越え、目指すもののために一生懸命努力するその姿は最高にカッコ良かった。インターネット上のライブ配信や「推し」という言葉とか、現代ならではの世界観作りが徹底されてたから、キャラクター達の考え方に共感できる部分や、作品からのメッセージ性を感じられる部分も多かった。たとえ周りから奇妙な目で見られ、時にはバカにされたとしても、何かを好きになって、それを推すことは決して悪いことじゃないってことを感じられたし、時々耳にする「推しは人生を豊かにする」って文言も間違いじゃないなと思った。メッセージ性もある面白いストーリーは勿論、この作品はそれ以外の部分もかなりレベルが高かった。EDは異なる曲が何曲か用意されていたけど、どの曲も本編の内容とリンクしていてすごく良かった。さらには、配信活動をするJELEEが作中で動画をインターネット上にアップロードしたり、生配信を始めたりしたタイミングに合わせてEDを流すという構成も巧かった。作画や演出も良くて、夜の都会の風景の他、海月ヨルとしてまひるが描いたクラゲの絵が、海に見立てた夜の東京を浮かんでいるかのようなシーンがすごく綺麗だった。アニメ作品としてのクオリティの高さは勿論、ストーリーやキャラクター、その他細かい部分まで、現代社会を生きる現実の視聴者が、共感できたり、何かしらのメッセージを受け取れるように丁寧に作られていて、今の時代だからこそ見て良かったと思えるような素晴らしい作品だった。
とにかくめっちゃくちゃ癒やされるラブコメだった。ヒロインのとわちゃんがすごく素直で健気で、天使だから人間界のことをよく分かってなくて時々変なことを言う所も面白くて、すごく可愛い子だった。そのとわちゃんと出会い同居することになった主人公の森太郎は、とわちゃんをはじめ他のヒロイン達にも優しくて、ツッコミ役にまわることが多かったけどその時も面白くて、しっかりしている高校生だった。とわちゃんとのデートの様子とか超微笑ましくて癒やされた。つぐみは森太郎のことが好きで、恥ずかしがりながらも自分なりに頑張ってアプローチする様子が恋する女の子って感じで可愛かったし、応援したくなるような子だった。森太郎の次にツッコミ役にまわることが多かったけど、他のヒロイン達に振り回されながらも楽しそうだった。雪女ののえるはこの作品で個人的に一番気に入ったキャラだった。最初は冷たそうなキャラだったけど、森太郎と友達になって以降は一転してすごく表示豊かで元気な子になり、森太郎という初めての友達ができて本当に嬉しいんだろうなってのが伝わってきた。友達はこういうことをするみたいな感じで沢山色々なことをやろうとして森太郎を振り回すことが多かったけど、その時の楽しそうな様子がとても可愛かった。吸血鬼のリリーシュカは、中二病気味のキャラで、奇抜なことを思いついたり、悪魔を召喚しようとしたりと風変わりなことをたくさんやろうとする面白いキャラだった。河童のひすいは終盤から登場したから他のヒロインに比べて出番こそ少なかったけど、人見知りではあるけど自分なりに皆と仲良くなろうと頑張る可愛いキャラだった。森太郎と個性的なヒロイン達とのやり取りが面白くて、癒やしラブコメであると同時に楽しい日常系作品のような一面もある作品だったし、最後2話では森太郎とヒロイン5人の合宿が描かれて、6人の楽しそうな様子が見れた。アニメとしてのクオリティもかなり高くて、絵が綺麗だったし、所々で見られるデフォルメイラストもすごく可愛かった。笑って和んで癒やされる、今期一番なんじゃないかって位の素晴らしい癒やしラブコメだった。またいつか、森太郎ととわちゃんの微笑ましいラブコメ、6人の楽しい日常が見れれば良いなと思う。