1クールでカンペキに構成されている作品。
単に見て楽しむも良し、比喩やメッセージ性を考察するも良しのタイトルで、1期ラストも純粋に内容のチカラで原作の購買欲を掻き立てるものだと感じた。
1期通した感想としては、このシナリオはその人のおかれる環境や生い立ちによって、
多角的な視点から見られるのではないかという印象を持った。
その1つとして、始終出てくる「バケモノ」という表現があるが、この作品におけるバケモノは必ずしも排除の対象ではない。
例えば特定の人物に親しい存在や、友人や親族が、中身だけ別の存在になったとして、
恐怖はあれど、同時に嫌悪、忌避の対象になるかは別だ。
デカルトの有名な「我思う、ゆえに我在り」という自己の根拠をめぐる命題があるが、
その人をその人たらしめるものとは何か。
佳紀が光を受け入れるに至るまでの葛藤にまつわる描写は、
佳紀の思春期的な側面もうまく描かれていたと思う。
加えて、同じ記憶を持った存在が未知の体験をした時の反応について、
実際に経験したのではないかと思わせられるような描写の解像度の高さに驚かされた。
2期の映像化も期待。
作中全体を通してミスリードは少なく、分かりやすい構造。
常に感情優先のアクションで、リアリティはあまり尊重されていない印象。
特に対ナポロフのシーン。
ついにハロルドが自律的思考によりアクションを起こしたタイミングで、ヒエダが、その先のアクションを止めるように一喝。
この時のハロルドの様子として、少なくとも演出上は、強行しようとしているように見えず、状況としては武器もすべて奪っているため、これまで背後から襲われ続けている流れを見るに、慎重に会話をするよりもナポロフに手錠をする方がプライオリティは高いのではないかと思ってしまう。
もしハロルドが一触即発の雰囲気で、ナポロフの煽りでもあれば次のアクションを起こしそうなのであれば、距離感として適切だと感じるが、そのようには見えないのが少し残念だったところ。
この辺りは原作を読むと描かれ方が違うのかもしれない。
冒頭から、敬愛規律(ロボット三原則のようなもの)の説明と技術的な背景に踏み込んだトークで始まるエピソード。
製造初期と学習後の性格の変異について、ボトムアップモデル的な表現で描かれている点がリアルな印象。
自律的な思考に対して学術的な説明はできても具体的にどういうプロセスでそうなるか説明がつかないという要素について「ブラックボックス問題」と表現している。
解釈としては、人間の性格に置き換えた時に心理学的な説明はできても、ある人間がなぜそのように育ったかを具体的に説明することは難しいという、ある種、自律的な人工知能と人間との違いに問いかけるような事象
さらに畳み掛けるように、人に近い思考ができる人工知能との距離感について考えさせるようなシナリオの作り。
ただどうしても、捜査フェーズが演出のためとはいえやや強引さを感じる。。
逃走車の中を背中を注意せず中腰で覗き込んだり、ハロルドも「注意してください。ファーマンは銃を持っています」と言いつつ、ハードウェア的に替えがきくのに前を歩かない、など。
ヒエダも兵士ではないので当然ではあるものの、後ろから襲われるシーンが立て続けに起こり、
警察や検察のような権限を持つスタッフにしてはカジュアルみが強く、定期的に、おいおいと感じてしまう。
アンドロイドを総称して「アミクス」と呼ぶ世界。
ヒロインのエチカ・ヒエダは、「ユア・フォルマ」と呼ばれる脳に埋め込むタイプの情報端末を使い事件の捜査を行う、特別捜査官「捜査官」。
相棒のアミクスであるハロルドが傷害事件の容疑者として取り調べを受けるところから物語が始まる。
攻殻機動隊や、電脳コイル、サイコパス、ゼーガペイン、イヴの時間など、この手の作品は(真実は別としても)世界観が1話から分かりやすいものが多い印象がある。
この作品は、どういったメッセージなのだろうと見た時に、個人的な印象としては、設定よりも、社会性、心理寄りの印象を受けた。
あえて1話でこの辺りを予測して最終話まで見たときにカン違いがあれば、再解釈してみようと思うが、
そう考えた理由として主記憶装置の名称を「メモリ」と呼ぶなど、やや違和感のある表現ではあるものの、
より一般に馴染み深いものを選んでいる印象があり、随所にもそうした工夫を感じたためだ。
逆に気になった点としては、取調室の「ずっとここに居たのか」といった一幕で、
その質問に意味はあるのか、という点。
常にオンライン接続しているであろうアンドロイドにとって身体は単なるハードウェアであり、
別の場所の身体を動かすなども可能と考えられる。
だとすれば、取調室は完全に電波遮断されている前提なのだろうか、
でもヒエダにブラウンからビデオ通話がかかってきているな、
などが気になってしまったので、そうした細かいことは気にしない前提か、
あるいは、何らかの設定や意図によるものなのかもしれない。
別途、製造元スタッフへの調査シーンでは、
製造元の主張として「AIは、あくまでプログラミングにより人の感情を模倣しているものであり、世代に関係なく、製造元に予測不可能なアクションを起こすことはない」と否定をしているが、
調査官側が、「過去に製造モデルがホログラムに発砲した事例」について言及した際の製造元のアンサーとして、「改ざんによるシステムエラーによる可能性」という推測をしており、
エンジニア側は、仕様と運用上の不確実性を切り離した会話をしているのだが、
捜査官側は「それって要するに、あるってことじゃん」という主張をしていて、
この辺りの責任分界点の定義と攻防は逆に妙にリアルだな、と感じた。
テクノロジー的な演出としては、攻殻機動隊やターミネーターで馴染み深い首の裏の有線接続で電脳疎通を行うタイプの演出で、すっと入って来やすい。
ひとまずこのまま、続きも観ていきたい。
あらすじやカバーなど何かしら読み取れる前情報は一切見ずに視聴開始。
導入の伏線やゴローの例のシーンまでの展開がやや畳まれている印象で展開的にどうかと思いきや、転生以降、奥行きがグッと広がり、作画、声優さん、曲、話のテンポも良く見入ってしまった。
アイの16〜20歳までの時間軸を描く中で双子の(精神はともかく)肉体的な成長速度が合っていない点で少し引き戻されたものの、以降からは無理やりの感も減ってきて、各設定が今後どう明かされていくのか楽しみ。
(りえりーさんがここで完全に捌けるって事もないのではという期待も)
1曲めのギターと孤独と蒼い惑星で素人耳にもわかる(気がしてるだけなものの)あえて走ってたりモタついてるかのような演出の流れからの2曲めの繋ぎが最高。神回です
ここまで数回のループを経て判明した「影」の特性から登場人物を増やし攻略パートが動き出した。
遂にキーである潮?が登場するも”どちら”か、という展開から始まった。
タイムリープが目の色に関係するとすれば夏樹はプロローグで潮との接触後に既にタイムリープが発現していた事になるので、AパートまではAll you need is kill的に影化した潮が何らかの特異な理由でその能力を授けたのだろうか、と思ったが、Bパートで影はタイムリープについて知らない様子。
と同時に、タイムリープものでよくある主人公以外のキャラは認知できない、もしくは口外を禁じられているという設定から外れ、どんどんバラして(バレて)ゆく中、影もコピー?した相手の記憶を読める能力により断片的である事からそれを察し、主人公のタイムリープを阻止する行動に出たことから影の知性を感じた。
面白くなってきた回でした。