緻密に計算された良さがあった
面白かった。おすすめ!
20世紀初頭にパリに渡ったフジコ(CV:當真あみ)は絵を、千鶴(CV:嵐莉菜)はバレエを志し、助け合いながら暮らしていく。谷口悟朗監督のオリジナル作品。当時のパリの風景が彼女たちの思い描く花のパリとして美しく描かれる。背景美術が美しかった。
その中で苦労しながら自分の目指す「エトワール」を目指す二人。バレエのシーンは緻密で美しかったし、薙刀のシーンは武術的にも納得の出来。パリのラ・キャンを使う棒術使いのゴロツキは彼なりの武士道があるのも良かった。飲んだくれのジャンヌは何をしている人なのか描かれないけどそういうことなのでしょう。オルガの気高い生き方と対になっていると感じます。
天才の千鶴は努力とフジコの援助や周りの人々の協力を得て才能を開花させる。一方その光にあてあられる様にフジコは絵を描けなくなり、何度も苦悩する。ルシアンの共感が優しかった。主人公は天才ではない私たちの代表ということなのだろう。それでも周りの人々の生き様に影響され最後に絵を完成させる。脚本 吉田玲子らしい深みのある地に足のついたストーリーだった。
監督 谷口悟朗はスクライド、プラネテス、コードギアスなど熱い魂を描いてきた監督だと思う。その情熱がこの作品でも発揮されている。観客の心に情熱の火を灯すそんなメッセージが感じられた。
とても端正なアニメーションだった
奇をてらったことは一切やっていないが、細部まで精緻に構成されていた職人的アニメだなあと(特に背景美術と作画)
一次大戦前夜のパリが舞台ということで今の状況と重なる部分もありつつ、最後は明るい終わり方で〆るのも清涼な視聴後感に繋がっていてよかった
おススメです
千鶴役の嵐莉菜さんの演技がとても良かった。良い意味でいっぱいいっぱいで力の入ってしまっているキャラ感があって、千鶴のことをより応援したくなってバレエが上手くいった時はいっそう嬉しく感じられるとこがあった。
千鶴もフジ子も最初は周りに止められながらも、自らの道を切り開いていって、やがてみんなに応援されていくってシナリオも大好き
ストーリー :4
作画 :5
演出 :4
キャラクター:5
音楽 :4
総合評価:S
結構面白かった!!!
全体的に映像がジブリ的だなぁとか見ていて思ってたけど、キャラデザがポニョとかの人と知って納得。
映像はだいぶ満足。バレエシーンの映像が良くて、練習シーンの作画からオペラ座での演出までどれも良かったと思う。
メイン2人に同じアパートの優しい人たちだけじゃなく、チンピラ3人衆とか叔父さんとかのトンチキなキャラクターもいたのも良かった。
ストーリーも割と好み。フジコも千鶴もどちらも気を衒わない真っ直ぐな物語で見ていていい気分になれた。
かなり満足だったけど、差別とか戦争の描写から少し逃げているところがあってそこは気になった。まぁ無理に詰め込んでもとっ散らかっちゃうし入れなくて正解でもあるんだろうけれど、もうちょっとあってもいいんじゃないのかなとか思ったり。
結構じわじわと苦しい部分が本質というか、そういう部分に細かなリアリティがある。環境から絵が描けなくなる、薙刀は下手になっていってしまう。美しく終わったもののその辺りがもう少し救われて欲しかった気持ちがある。戦争という時局もあり『風立ちぬ』の如き刹那性を垣間見た方がいいのかもしれない。
その解釈においては「とても良い」としたいが、一方で恐らく多くの人々は単に「いい話」と見做してしまうのではないか。なかなか難しい作品。
伝記のコミカライズが想起される教育ものという印象で、出来事をスムーズに説明していくような構成だった。良かったのは画面・アニメーションで、バレエの動き、薙刀のアクションはとても丁寧で美しかった。ただ最後のオペラ座のシーンが3DCGだったのはちょっと残念。また、油絵のような背景やシーンの切り替わりで何度か差し込まれる絵画から当時のフランスへの憧れが伝わった(事実かどうかは知らないが)。
視聴日:2026/3/19
王道の夢追いストーリーで万人にウケる本作。
全体的に地に足の着いた丁寧なアニメーションで非常に見やすい作劇をしている。
随所に戦争の予兆を示す不穏さがありつつも、あえてハートフルなエンディングなのがまた面白い。
百合目的で見に行ったけど、確かに百合はありつつでも物足りなさはあったのと、最後で「結局男かよ!」となったのが残念だった。
でも芸術をテーマとして描いたガールミーツガール作品として見れば、決して悪い作品ではなかったかも。
劇場にて視聴。
1910年代のパリで、バレエと画家の夢を全力で追う日本人の物語。当時は女性の地位が低いのに加え、海外では人種差別などが行われていた時代。さらには第一次世界大戦も勃発し国際的に不安定な時期。
それなのに彼女たちは、自身の夢に向かって、苦悩しつつも努力していった。そんな彼女たちがたくましくてとてもかっこいいと感じました。
全体的には良かったかなという印象。
画家を夢見てパリに渡ったフジコと、バレエに心を動かされた薙刀少女・千鶴。二人の物語として始まるが、観ているうちに「主人公は誰なのか」がわからなくなっていく。
フジコの視点で話は進むのに、夢に向かって壁にぶつかり乗り越えていくドラマは千鶴の側にある。フジコは画家志望のはずなのに絵を追う姿はほとんど描かれず、千鶴のサポートに徹している。おそらくこれは意図的な構造で、谷口監督は「前に出る人だけがエトワールではない」という話をやりたかったのだと思う。
実際、最後にフジコが千鶴のバレエを描いた絵にたどり着く着地点は美しい。そしてこの着地は、フジコがパリを目指すきっかけになった「横浜で見た千鶴の踊り」に回帰しているはずで、構造としては円環になっている。ただ、道中でフジコがその原体験に立ち返る瞬間がほとんどない。千鶴の稽古を見てあの日の記憶がよぎるとか、何を描けばいいかわからなくなった時に「でもあの時の千鶴は美しかった」と思い出すとか、そういった執着の断片が途中にあれば、最後の絵は「ずっと心の中にあったものがようやく形になった」瞬間になったはずだ。それがないから、始点と終点は繋がっているのに間の線が引かれていないような感覚が残る。
テーマは好きだし、やりたかったことは理解できる。ただ120分の中でそれを体感させるところまでは届いていなかったように感じた。
積み重ねる脚本ってテレビアニメでやった方が良くない?またフィクションな要素はほぼゼロなのでドラマでやっといてください