切り絵のシーンは切り絵っぽいCGじゃなくほんとに切り絵のストップモーションとのことで凄かった。
負けヒロインをメタな視点でネタにしようとしてるのにその負けヒロインがみんな定型でキャラ作りにあまり力が入っていないように感じてたけど、メイン負けヒロイン?が観測者である温水だったからなのか。勝ち負けすら付いてなかった温水が負けたの良かった。温水がいちばん可愛いよ。願わくば温水は成長とかせず最後まで負け切ってほしい。
そしてこの回のタイトルを考えると視聴者もまた負けヒロイン…。
「今年の夏も暑そうですね」ってセリフがここまで趣きを含んで聞こえるアニメもそうそうない気がする。
完全な想像だけど読売は好意を寄せる相手に週末の夜を自分のために空けてくれと言えるような人間じゃないから映画の上映期間と浅村のシフトを調べた上で当日に映画に行くことを切り出す計画を立てたのではないかって感じるところがあって、浅村の「行きますか」って返事に対してすごくうれしそう。
自販機のシーンで浅村が一瞬反応に詰まったの、これはもしかして告白されるのではと思ったからなのか読売に見とれてたからなのか。映画の途中で読売の表情を確認した浅村は冷めた目に見えたけど、自販機の前ではちょっと雰囲気に流されそうに描かれていたから読売が告白出来てたら浅村はどうしたのか妄想が捗る。ヘタれて小芝居をはさんでしまったために告白の機会を失う読売…。週末夜のデートに意中の人間を誘って車まであったのに「そろそろ行こっか」てなる読売…。浅村と分かれた後に車中でため息をついたのが自分のヘタれ具合に対してなのか自販機のタイミングの悪さについてなのか。劇中劇で読売の思いがかなった世界の描かれ方が幼くて純粋なの、日頃先輩として大人ぶってる読売とのギャップが…。
レジでの接客を擦り合わせできない人との瞬間的なコミュニケーションて話があった後に読売と綾瀬をレジで話させるとか今回も演出がいろいろと強い。レジでの会計で綾瀬と話してる読売のうしろにSTOP万引きってポスターが張ってあったのこの泥棒猫!って読売の気持ちの暗示であって欲しい。読売は浅村の女性へのトラウマを本人から聞いていてそれ故ぐいぐい行けなかったって設定でそれなのに義妹こいつ…ってなってる状況だとしたら最高だな。
ポップコーンをふたりで食べることにこだわったりしてるのにガチなのは綾瀬ってことにしてちゃかさないと言葉にできない読売先輩の奥ゆかしい負けヒロインぶりを応援しています。
しかし前回綾瀬のモノローグが多かったのやっぱりなんだったんだろと。
いろいろ質が高いからとりあえず観てはいるけど、負けヒロインをメタな視点からコメディにするって行為自体は本気の負けヒロイン好きがやることではないのではという気がしてしまうというのがここまででの印象かな。
惰性で観続けてるけど、過剰な演出でメロドラマをやっていて観ていてめんどくさい気持ちになる要素が詰まった回でした…。
ひさしぶりにガッツリいわゆるシャフト演出を観てる気がするけど、個人的に眼の力が強いところが好き。シャフ度って言われてるやつについてはうろ覚えだけどこれまでのものってもう少しシュッとしたアニメ的な動きの中で出てた気がするけど、今作についてはゆったりとした日常的な動作の中に挟まれてるからほんとにこういう動きする人がいそうって思えておもしろい。
老倉が出てきたのがうれしかったけど話す内容がまた良くて、でもアニメで言葉があまり強いと言葉だけ浮きがちなところ、言葉の強さに負けないだけの演出がそれを支えてるのがすごくいい。千石のセリフへのエフェクトのかけ方もおもしろかったな。
オープニングもエンディングもすごく好き。
幼なじみ負けヒロインの匂いがします。
エンディング曲は個人的にはあんまり好きな感じじゃないし本編の雰囲気に合ってもないように感じるけど…。
前回の最後のシーンで小佐内が日頃から小鳩を自分の思い通りに行動させようとしていることが匂わされていてものすごく怖かったけど、今回も引き続きふたりの関係の歪さを窺わせる描写が本当に怖い…。
浅村が強めの言葉で綾瀬の行動を拒否するところがなんとなくここまで描かれてきた浅村の人物像に収まらない感じがして落ち着かなかったのだけど、実母の浮気から来た女性不信が浅村のいわゆる地雷だから、そこに触れられたことでずっと冷静で論理的な話し方をしていた浅村から「嫌い」という主観に基づく言葉が出てきたということなのかな。
YouTubeの先行配信で観た時に、綾瀬が浅村に絆されるための装置として今回のくだりがあって、今回で今後の関係性が固定されてしまうのだとするともやもやするということを思ったのだけど、配信で観直したら浅村が過去のトラウマに触れられたことで初めて感情を露わにした回だったのだということに気づけて良かった。
これまで映像と言葉の組み合わせで穏やかに展開していたのが今回綾瀬のモノローグが多く感じて、言葉で心情や状況を直接的に説明をする演出は個人的に苦手だなと感じました。
映像と劇伴は最初からずっと綺麗。トンネルで二人が話すところのトンネルの響きを再現した音響がすごく良かったな。
1話目はそんなにおもしろくない中で演出まで使ってとにかく笑わせたいという気合いみたいなものが感じられたのは良かったかなと思ったのですが、2話目は30分ひたすら虚無でこれは本当にちょっとむりでした…。
知らないカルチャーについて取り上げられてるからなんとなく観てみてたけど、他人がやってることに対して流行ってるミームを使ってリアクションしてるだけに見えてしまって、その界隈の外の人が観てたのしめる要素がないように感じるかな…。
劇伴がすごく良いけど担当してるCITOCAのことを調べてみても一切情報がない。音楽の制作としてクレジットされている会社はharuka nakamura氏のマネジメントやライブの制作を担当しているところのようだけど、そのうち詳細を公開してくれるのでしょうか。