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人が抱える弱さや寂しさをドラマチックに描き、どこまでも広がる青空で優しく包み込んでいくような純粋な物語でとても良かった。人は誰しも何かが欠けていて、心の何処かに喪失感を抱えていて。それゆえに道を間違えてしまう事もあるのだけど、だからこそ人は優しさを持てるのかもしれないと、そんな事を感じながら何処か遠くへ想いを馳せるような余韻がいつまでも心に残りました。

クライマックスの場面、3人が終局に向かって対峙する中、突然映写機が回ってスクリーン一杯に青空が映し出されるシーンがとても好き。何者でもなかったはずの依人が空が大好きだったこと、その想いこそが彼が他の何者でもなくただ彼自身であることの何よりの証だったように思えます。

ストリングスやピアノ、アコギを使ったクラシカルな劇伴も作品の世界観をピュアにドラマチックに仕立て上げていて印象的でした。EDの「mellow melody」は切なく素敵な一曲。

あとこの作品、基本的にはシリアスなドラマなのだけど予告などでちょいちょいやるギャクや漫才がかなり笑えて楽しいです。登場人物のキャラが立っているからこそなのだと思うけれど。SPエピソードではそのギャクがメインの水着回があったり物語の前日譚を描いたりとファンサが厚いところも満足度高し。



ミステリというより青春文学作品として印象に残る部分も多く、事件やその推理の推移に絡めて小鳩君と小佐内さんの人間像や二人の関係性が段々と垣間見えてくるのがとても面白かった。無言の間、仕草や目線、二人の空想シーンなど空気感を大事にした演出がとても好みでした。

小山内さんのキャラクター像は岩倉玲音好きの自分には魅力的すぎましたね。MyGOの燈もそうだけど、羊宮妃那さんはボソボソ喋るキャラこそその魅力の真骨頂を見せるなあと思ったり。



静かで繊細な雰囲気を纏った作品。余白を活かした丁寧な描写、音響周りやピアノによる劇伴が素晴らしく毎週見終わった後に贅沢な時間を過ごしたなと静かな満足感と余韻に浸れる作品でした。

本作は他の作品同様はっきりとした起承転結のお話を求めると物足りなく感じるのですが、登場人物が置かれる状況を丁寧に臨場感をもって描くことで、一瞬一瞬の登場人物の心の揺らぎを自分もそこに居るかのように浸るという、いわゆる物語を観るのとはまた違った魅力を示してくれた作品でもあったなと。



良い


良い


良い








とても良い




良い


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