敵のメイン武装の攻撃をくらって平気で反撃できる雑なバトル描写はどうかという気がするが、この突き抜けた設定のノリ嫌いじゃない(笑) しかし想像以上に絵が古いな……と思ったら1994年の作品か。そりゃ古いわけだわ。
以前見たときは数話で切ってしまったけど今なら違った見方ができるのではないかと思って再チャレンジ。が、一話見ただけで大幅に期待値が削られてしまった。まず第一に主人公及びまわりの人物の造形がお子ちゃま過ぎる。それだけならこれはこれで新しい個性ということで受け入れられたかもしれないが、子どもがろくにテストもしていないMSに乗って出撃しようとするのを止めようとしていたはずなのに、ちょっと決意表明を聞いただけであっさり認めて後押しするバカで情けない大人たちとか、シナリオにツッコミどころがあり過ぎる。子どもがガンダムに乗って活躍! ってのをやりたいなら、やはり『ビルドファイターズ』みたいな路線の方がウケやすいわな。
なんとかピンチを切り抜けたわけだけど奪われた変身能力はどうするのだろう。時間が経てば戻るのか、まだ戦いは続いているのか。ダミーは笑に願いを作ってそれをかなえさせてケースを手放させようとしていたけど、いつぞやの隕石のとき一度ケースパワー使ってるよね?(ダミーは知らないことだけど)
今回の話って何か意味があったんだろうか。ソフィにホラーの事件に関わることがどういうことか教えるといっても楽勝ムード過ぎて全然重大な覚悟が必要そうに感じられないし。
わっしーの記憶喪失が唐突な気が。満開の影響? まだ実装したての新システムだからおかしな不具合でも起こしたのかね。記憶が失われたとはいえ周囲の人間からすれば素性はわかっているはずなのになぜ名前を変えて別の家に引き取られたのかも作中の描写だけではよくわからないんだが。最後のバーテックスの進行の影響で鷲尾家の人々は亡くなっちゃって、わっしー本人も勇者としての力を失ったので、より良い余生を送れるように大赦が手をまわしたりしたんだろうか。何にせよこれで鷲尾須美の章は終了。後半の勇者の章でちゃんと決着はつくのかな。
前半は告別式描写がつらい。後半は日常描写に戻ったが一人欠けた存在の空白をまじまじと突きつけられてやはりつらい。ところで先生は精神は強さに限界があると言っているが、一期を知っていると友奈ちゃんは何故あれほどまでにスーパー勇者メンタルだったのか謎だ。
予想通りの展開だったけど思ったよりも微妙な印象だった。バトル描写が適当過ぎていかにもストーリー展開に都合よく動かしているだけといった感じで、いまいち素直に盛り上がれない。
なんだかフラれたり喧嘩したりの後の方が気持ちが加速している感じなのかね。しかし陽斗と葉月は時期が悪いわな。片や地元に残って就職、片や家を出て進学。そりゃ仮につきあい始めてもそう上手くいきそうにはありませんわ。瑛太と美緒は、恋愛感情が入り込む余地があるのかどうかはわからないけど、なんというかこっちの方が美緒の態度が自然体に感じられるんだよな。まあ作中で美緒と陽斗のやりとりの場面がほとんど出てこないせいでそんなふうに感じるってのもあるのだろうけど。で、そんなだから瑛太も未練を断ち切れないと(笑)
銀の種族って地球人類よりもはるかに強力で高度な超能力を持った種族ってことなのかなと思っていたら、この最終話の描写からすると黄金の種族からもらったヘドロンの盾とやらによるところが大きかったように見えるんだが。
まとめ。安定して楽しめたんだけど突き抜けてすごいと感じることはない作品だった。なんというか全体的に予定調和過ぎるんだよな。未来を知る黄金の種族が予見した通りの流れを進んでいて、主人公たるエイジも黄金の種族から断片的かもしれないけどその流れを聞いていて、ヒロインのディアネイラも巫女的神憑り感覚で正しい選択肢を選び続けるというストーリー展開で、いまいち血肉の通った人間ドラマ感が薄いというか神話的おとぎ話みたいな感じだったとでもいうか。
ディアネイラもプロメも超穏健かつ理性的なことあってこれ以上ないほど無事に和解の流れに。ここまできれいでスムーズな和解もめずらしいんじゃないだろうか。黄金の種族の力を手に入れ、ノドスの争いを収めるのが最後の課題かな。銀の種族の一部の攻撃派とはどんな結末が待ちうけているのだろう。