まことと竜二の関係は当たり前のようにそこに在るものかと思いきや、変化への覚悟により形成されたものだったようで
一度は変化を恐れまことから距離を取った。けれど、変化したまことを見て、竜二も変化への勇気を持てた
それらが今の二人の関係を形作った。だからこそ今回まことが選んだ関係に不安を覚えてしまう…
まことの変化が竜二との関係を復活させ、その関係がまことに更なる女装をさせた。それが結果的に咲との出会いを生み、まことが学校に受け容れられる土壌となったのだけど…
隠した写真から露わになってしまうのは秘した竜二の想い。当初、まことがしたように見なかった事にすれば何も変わらずに居られる
でも、気付いた事に気付かれれば変わらずに居られない
竜二は偉いね。自分の秘密がまことに嘘を吐かせていると知れば、まことの為に秘密を明かせる。想いを叶える為の告白でない点が辛いけど、まことが自分の悪影響のせいだなんて謝るのはもっと辛い……
告白を受けてもまことが当然のように望んだのは『親友』、コレほどキツい返答はない…
そりゃ海にも行ってしまうよ
更なる変化へ歩を進めたら関係が破綻しかけた。だから竜二が再び疎遠になる事で友達に戻ろうとしたのは理解できなくもない抗い
だとしたら、付き合う事で元に戻ろうとするまことの選択はどうなのだろうね…。最初から破綻が見えている気もするけど
また、二人の知らぬ所で本人が全く望まぬ変化に直面した咲はどうなってしまうのだろう…
暑い日に熱いラーメンなんて不似合いだけど、その熱さこそ人を感動させるものになったようで
炎天下だというのに涼む時間すら惜しい。けど、その猶予が得られた上で口に出来たら嬉しいのは普段自分が得られないもの
確かに冷水は有り難いだろうけど、熱さこそ人の温もりや優しさを感じられるものになったのかもしれない
初期の頃は猫に応じたブラッシングがあるとも知らなかった珠子が今はどの猫も大満足なブラッシングが出来るように
それだけでなく、ちょっと扱いに気を遣うハナに踏み込むタイミングまで伺えるようになるなんてね
見た目以上に珠子は赤猫に馴染んでいる。贈られた新しい衣装はその証拠に思えたよ
馴染むという点では文蔵もその類かな?
今でこそ店長として店を切り盛りする彼もまた最初はただの捨て猫だった。それが父親の背を追うように先代の真似からラーメンを覚え、今は自分なりのラーメンを作り上げようとしている
それはきっと店という空間に自身が馴染み、此処こそ自分の居場所だと思えたからこそ至った変化なのだろうね
武の極みに至る2種の戦いが描かれたEP。「せめて笑おう」と言った義輝の戦は少しも楽しそうではなく、苦手な龍に挑み月湖を取り戻そうとした千夜は少しずつ戦いの楽しさを知っていく
両者の戦いは全く異なるが故にそれぞれが至った極みの違いから、二人が目指した境地が見えるように思えたよ
武を極め過ぎた義輝の戦は血が飛び交い容易に命が失われるもの
義輝自身は自分の命が失われる未来を知っているから辞世の句を用意していたが、戦だからこそ自分が死ぬだけを良しとしない。相手にも死を求める
それは全く楽しいものではないが、武士の頂点に居る彼だからこそ戦に求める価値観なのかもしれない
あんなに恐れていた龍に対して、勇気と笑いが千夜だけでなく彼の中の闇さえも変えていくね
それは千夜の武が一つに纏まっていく様だから、対するムドも笑いが起きていく
千夜の笑いがムドに楽しさを、ムドの強さが千夜に戦いを教えていく
それは相互作用だから、どちらかだけの勝利を決めるものにならない
千夜が至った極みはムドを感化するものになったようで。あの涙は彼が至るべき極みが最強無敵ではなく、千夜と遊んだ先にあると示唆しているかのよう
千夜はムドとの楽しい戦を通して己の価値を一段階引き上げた。けれど義輝は…
またしても謎の5人組が戦の邪魔をしてくるなんて空気を壊すにも程があるよ
ただ、武の極みに至った義輝だからこそ5人組とある程度会話出来た一面もあるのかな
あの瞬間こそ義輝が歩んだ武の価値が示されたような気がしてしまう
また、義輝の死は真介を悲しませても、彼自身は戦いきった己に天上に至る価値を見出した。それは戦など関係の無い、彼個人の望みを叶えるものになったように思えるよ
新たな魔法少女の登場は白夜に魔法少女の資格を問うものになるのか
悪の参謀とお茶する白夜より好戦的な火花の方が魔法少女らしい
一方で敵とも愛を交わすのなら、それこそが魔法少女が目指す平和への呼び水となるかもしれない
ミラと白夜の殺し合わない愛が向かうべき境地が見えた気がするよ
言葉が乱暴なんて程度を超えている火花だけど、口を開けば重要な事を言うタイプかな。先の件に加え、ラストの発言もクリティカル
ミラと白夜の愛がどうなるかは重大問題だけど、他者がそれを愛だなんだと認定できるものではない
鼓動の意味を確信できないとしても、白夜なりのペースでミラへの想いを確かなものと出来れば良いね
異質な現象や存在の侵略が唯でさえよく判らん空間を別種のカオスへ上塗りするようなEPが展開されていたような
意味不明なシカコレを餡子達は受け容れているからと虎子も受け入れたら、いつの間にかめっちゃノリノリに
そうして異質に染まった処で現れた先生が正気に引き戻し恥じらわせるのは酷い流れだ(笑)
シカ部の活動を配信するのはちょっと変だけれど、まあギリ普通と言えなくもない
けれど、のこが登場して異質を際立たせてからの展開が酷い(笑) 特に角がだらんと伸びた姿はシカと称するのも難しい異形の在り様。なのにそんな動画がバズってしまうとかシカ部よりあの世界の方がカオスじゃね?と思えてくるね(笑)
本作にしては珍しい第三者視点の話
燕谷が営む喫茶店はとても一般的。そんな常識的な空間がのこ出現により崩れ行く様はあまりに哀しく、そして笑える
角置きやら鹿煎餅とか喫茶店に無いのが普通。なのにそれを失敗として受け容れざるを得ないのことの対話が本当に酷い(笑)
そんな異質空間を理解出来ない虎子は常識人か、異質に染まれないまた別の異質か。曖昧故に面白い内容でしたよ
時行を反則的な未来視で導く頼重がポンコツになるとか、おもしろ…
さておき、それは保証の消失。これまでは頼重が送り出すならどのような危険でも躱せる保証という安全が有った。けれど、今回の事例に頼重は頼れない
それは安全からの逸脱であり、その象徴が悪党・瘴奸となるのかな
偵察に乗り気な時行達に対して頼重は面倒な慎重さを披露
ギャグ調だけど、鎌倉が落ちて半年程度なら想定外の危険も多い筈。むしろ呑気な周囲が可怪しい
結果として、吹雪に囲まれ絶体絶命の危機に追い遣られたのがその証拠と言えるのかも。まあ、今回は味方となる人物だったから問題なかったと言えるけど
吹雪がした行為は印象的。親や村の庇護が受けられなくなった子供達に戦う術を教えている。それは安全からはみ出た者達を再び安全圏に戻すような行為
似た部類としては時行に稽古を点ける狐次郎と亜也子も挙げられるかな。時行が適度に成長を感じられる安心安全な接待稽古。ぬるま湯のようなそれで時行は少しずつ強く成れる
破壊された中山庄の有り様は時行にとって鎌倉と重なり感じられるようで
思えば時行とて鎌倉の破壊で安全から遠ざけられた存在。なら、親だけでなく今にも故郷を失いそうな子供らを守る事で自らの心をも守ろうとしているのかな
ただ、そんな彼らを迎え撃つは常道から外れた悪党。保証無い中で戦う相手としては不安ばかりだが…
咲がまこと達と距離を置いたのは一種の決断、進む道を決めたようなもの
釣られるようにして、まことや竜二にも進む道の決断が求められた形に。まことは自身の性別、竜二は想いの表明。どちらも簡単に出来る判断ではないから思い悩む
それだけに距離を置いた筈の咲の助言に拠って光明が齎される展開は意外だったかな
踏み込んだ発言を契機に混迷状態の竜二は更なる進展を求められた形
踏み込んだのに誤解され、進路は離れ離れになる可能性…
猶予期間はいつまでも続かない。なら告白し関係を確定させる選択肢も挙げられるが…
そもそも告白出来ないし、出来てもどうにもならないから迷う余地すら無かったのに、咲の登場と離別が竜二の状況を難しくしているね
まことの性別はどちらなのか。最初期から曖昧にされつつ、今は『まこと』として受け容れられている状況は高校だから許されているようなもので
進学するならどちらかに決めておくのが望ましい
咲の助言は性別に関するものではないが参考になるもの。一つに決めるのではなく、決めないを決める
まことだから選べる最良の選択肢
対して先に決めてしまった咲は迷いは無いけれど満たされても無い印象
「先輩はもう特別な人じゃない」と理解した彼女にとって好きと特別は不可分のままなのか…?彼女の決断は他者を頼れない境地に追い込んでしまったような
そんな静かな咲を他所に竜二の秘め事がバレてしまったが、これは3人の関係を無理矢理に決断させてしまうものになりそうだ…
猫見て虎描いちゃう、いわばラーメン屋にてラーメン以外を注視してしまうようなもの?
ラーメン屋だから来る目的はラーメンだと思う。だから他の目的で来るとか想像が難しい
但馬のお婆さんも前評判から味のチェックに来たと思いきや、あれは単純に孫の顔を見るように猫達の働きぶりを見に来た感じだったのかな
持ってきたスイカを美味しそうに食べたらクリシュナのようにスイカが大好きなのと思うもの
けど、スイカを皆で食べるから美味しいと感じてしまう時だってある。別にそんな好きでもないのに楽しそうに食べられた珠子やハナにとっても良い時間となったようで
一方、自身が猫好きになっているのではないかと見当違いな心配を始めた珠子が気になる…
新谷は面倒というか超面倒というか…
ラーメンを食べて業務上の話を始めたのに、実際はラーメンではなく猫の接客しか見ていないし、自社の利益ばかり注視する
偉そうで自分本位な彼の面を猫好きな白藤が引っ叩いてくれたのは良かったな
赤猫高評価の真髄、信用がまさに発揮されたシーンに思えたよ
己の在り方を捉え直す千夜が避けて通れないのが己の強さ、武の極み
そこを考える上で更なる武を極めた義輝の存在は良くも悪くも参考になる。彼は極め過ぎて己の死をも直視した。それがまともである筈がない
なら、千夜は彼とは違う極め方が求められる。それが己の中の闇と勝負だけでなく対話を通して理解し合う事となったのかな
己を再認識する中で手にしたのは以前の記憶。取り戻すきっかけが衝撃ではなく、優しさに拠ってというのは良いね。
千夜は真介だけでなく多くの者の優しさに触れて今の自分を改めて形作った。それが無価値な筈が無く、人々の優しさや楽しみを知っている事が今の彼の強さの一つ
そう考えると義輝が彼に「笑え!」と言ってくれたのは彼の方針を肯定してくれるもの
千の闇や義輝と向き合う中で確率された千夜の武の極みとは笑顔
だからどちらかが倒れ死ぬを望むムドとは相容れないが、彼の武を受け止める器ともなる
ムドが用意した舞台に立ちつつ、彼の武とは異なる武によって戦いを征しようとする千夜はどこまで戦えるのかな?
また、義輝が次回に示すだろう武の奔流がどう描かれるか楽しみで仕方ないよ
新たな魔法少女は物語に驚きを齎す…と思いきや新たな御使いの方が驚かされたんですけど!白夜のと段違いに紳士的じゃん…
さておき、白夜とミラは恋した事で敵ながら敵で無くなった。けど、恋の余地が無い火花は敵にしか成れない筈。その違いはミラ達にどう作用するのだろうね?
白夜と違い火花は魔法少女の境遇に大きな問題は無いようで。むしろ自身を信じる御使いにどう報いるかという点が難しそうな
そう考えるとミラが火花には容赦なく敵対し攻撃した以上は彼女の想いが叶う余地も限られるように思えてしまうが…
てか、火花の変身バンクは中々に良いね。アイディアの面白さに感心してしまったよ
敵対しながら敵対以外の関係も構築しつつあるミラと白夜だが、所属として対立する事実は変えられず。だからミラが他の魔法少女を害する場面も無くせやしない
白夜が他の仲間への思い入れが無い為にそれは問題とならないように思えたが、個人的な繋がりが有るならそうは行かず…
対立しながら個人として仲を深めるミラと白夜にとって火花の参入は双方の関係性にどう響くのだろう?
本作は言葉で全てを表現していないが故に感想も言葉で全てを表現できないような気がする…
元が読み切り作品である為か、藤野と京本の交流をメインに物語は展開されている。また、2人は漫画制作に挑むものの、その内容がどのようなものであるかは明示されないし、制作においてどのような壁が有ったかもテーマとならない
そこに在るのは2人がひたすらに絵を描き続けたという事実だけ
なら2人はどうして描き続けたのかと言えば、それこそ2人が出逢ってしまったからとしか言い様がないように思える
当初の藤野は目立てる、他より優位であると示せるから描いていたように思う。それが京本というもう一人の描き手に出会う事で彼女の描く理由は変質した。相手の領域に追い付きたい追い付きたいと執念で描き始めた
けれど当初の京本は藤野への返答となる絵を描けないから、藤野は立ち止まってしまう。2人は互いの絵に出逢った事で描き続けられたのに相手と絵を交わせない状態では続けられない
更なる変質が起きるのは本当の意味で出逢い関わるようになってから
藤野は京本の憧れを体現する為に、京本は藤野の背に追いつく為に。2人は一緒に描き始めた事で最高の歩み出しが出来た
でも、道が分かたれてしまうのは結局の処、2人が1人と1人でしか無いという事実から抜け出せなかったかもしれない
藤野は憧れを体現する為に。京本は追いつく為に。その手法は異なっていた。あれだけの時間を一緒に過ごしていたのに互いは別の描き手であるという事実に気付かなかった
ただ、それは本来悪い事では無かった筈なんだよね。道が分かれたっていずれ合流すれば良い。成長した2人としてまた一緒に描き始めれば良い。
それを許してくれない理不尽があまりに哀し過ぎるから出逢った事すら間違いだったと、感情が許容できないだけで
藤野の後悔から描かれるIFの時間軸は残酷でありながら都合が良い代物
藤野が誘わなくても京本は美大に進み襲撃の現場に行き着いてしまうし、京本が襲われる場面で都合良く藤野がキックをかますなんて無理が過ぎる
けれど、そんな有り得ないIFで示されるのは2人が2人として描き手の道へ進むきっかけ。そこから判る、藤野と京本はどうなろうと描く道から外れられやしない
それは最早呪いかのよう
ならば究極的には京本の死が藤野を止める理由には成らないかもしれなくて
確かに藤野は京本の死によって休載し膝を抱え込んでしまった。けれど「出てくんな」と言われても京本が藤野の背を追いかけたように、京本が藤野に憧れて描いていたなら藤野も描き手で在り続けなければ
あのどてらは京本にとっては1人になっても描き続ける原動力だった筈。図らずも藤野にとってもそれは同様となった
それは呪いと祝福を同時に体現する、描き手にとって何よりも厄介な代物
藤野は漫画なんて描くもんじゃないと云う点に言及している。それでも描く理由を彼女は明言していないけれど、本質的に描き手はその答えを持ち合わせていないのかもしれない
描きたいから描くのではなく、描かなければ呪われてしまうから描き続ける。そういう呪いの下に生きている
藤野は1人になってしまった。けれど、京本がどのような背中を追い掛けて描き続けていたかを知ってしまった彼女はもう描くのを辞めるなんて出来やしないのだろうね
ストーリー面だけでなく描画方面についても感想を述べるなら、鮮烈な印象を残したのは藤野が京本から憧れを明かされた後の帰り道の様子かな
話している最中は京本の憧れにまるで興味がないかのような素振りだったのに、帰る道すがらに少しずつ躍動感が増えていき、雨を蹴っ飛ばすようにスキップを踏み始める彼女の表現には感動に近いものを抱いてしまったよ
読み切りが受賞した時よりも連載が決まった時よりも過剰に示された感情表現からは京本に褒められた事が藤野にとって描き続けた行為が何よりも報われた瞬間だったのかもね
スタッフロールも印象的だった
映画のスタッフロールは監督等の主要スタッフの後にキャスト欄が来る作品が多い認識があるのだけど、本作では作画に係るスタッフを残らず出してから他のスタッフ一覧を表示していた
それは本作が変えてはならない原点として掲げる、描き手への尊崇の念の表れであるように思えたよ
あと、この感想文は本作のサントラを聞きながら書いていたのだけど、聞いているだけで映画の各シーンを思い出して物哀しい気持ちになってしまった…
本作の音楽って素朴さを強く感じるのだけど、それだけではない孤独や強さや衝動などの印象を覚える…
唯でさえ設定も世界観もカオスな作品で怒涛の短編集をやるとか思い切りが凄い…
内容としては原作の4コマネタや1コマネタを編集したものなんだけど、それを整合性とか無視して連結させた為に当然の如くカオス度が増している
これらを見ると、のこってシカも人も超越しているような気がする…(笑)
一瞬だけやってきた夏パート。夏服モードとか結構貴重だと思うんだけど、あっさり終わらせちゃうのね
てか夏服イジリより夏毛イジリの比重が多いって何なんだろうね?あと、夏毛が制服にすら及んでるって本当に何なんだろうね?
と、疑問で油断していた所にガチキモな代物投げてくる本作怖い…
シカ部内だけで充分だが、のこが出向く場所も当然カオスになる。それがシカ部撲滅を狙う根子の下でもというのは厄介な話
のこが持ってきたツチノコ(?)がまともである筈がないが、カオスの権化たる彼女が別のカオスに負けるのは珍しい
それだけに前回はのこに敗れた根子がカオスに魅了される展開はそれはそれでカオスでしたよ(笑)
巧みな化かし能力の為に信頼が難しい手下にどう対処するかという難問に時行はシンプルな回答
どんな相手でも自分からは絶対に裏切らない。大将として申し分ない器
それは時行を見定めようとしていた玄蕃に響くもの。彼が如何にして時行を信頼するかという表面化していなかった問題を簡単にクリアしてみせたね
時行が玄蕃を裏切らないと決めた基準は彼らしい
時行は逃げる際に最も輝き楽しめる。なら、その逃避行を更にワクワクさせられる玄蕃は時行に欠けてはならない大事なピース
だから玄蕃の付き纏い宣言のような郎党になる際の発言も時行には自分の楽しみを向上させてくれる意味合いに解釈される。世に憚る玄蕃の面を時行は美化してくれる
大将と手下と云う意味では最高の目を持つ貞宗、最高の耳を持つ助房は良いコンビであるように見える。けれど、助房はなんか主にタメ口だし貞宗はそれに引っかかってるし
こっちはちょっとチグハグ
だからか、玄蕃という綸旨でも時行でもない奴の相手から脱せられず二人して化かされてしまうわけだ
対して、誰よりも圧倒的なカリスマ性を見せつけたのが足利尊氏か…
護良親王というカリスマを備えた人物を前に丁寧な姿勢は崩さないまま殺戮を披露する
おまけに血溜まりを作り出した当人が市民から敬愛されるのは異常という他ない
人外のカリスマ、こんな奴が時行の敵なのかと思うと寒気しかしない……
てか、今回の表現描写は今までよりも凄いと云うか、このレベルの表現法を披露できる作品って中々ないレベルに思えましたよ……
特に玄蕃が貞宗達を化かすシーンには目が惹き付けられるし、尊氏のシーンは全般的に驚嘆に値するもの
ただ、そうした印象を打ち消しかねない程にラストカットが酷い(笑)
見かけから中身は判らない。それは人だけでなく赤猫の従業員も同類のようで
メニューに難癖つけて撮影注意にも反論。上から目線で審判する面倒なマニアを納得させるのは何よりも器の中身となる展開は良いね。彼らはそれで店への認識を改めたのがよく判る
また、猫が接客する点も気に入って貰えたっぽいのはお店冥利に尽きる話
前々から人柄ならぬ猫柄がよく判らない佐々木。正体を聞いてみれば更に驚かされたよ
文蔵が経営者で無い点はまあ理解出来るけど、だからって佐々木が経営者と言われて納得出来るかは別の話で。見かけから想像される中身が掛け離れ過ぎている…
あと、クリシュナを動物園から連れ出す際の光景がインパクト強すぎて、こちらの理解力を越えていた(笑)
バーのママさんは見た目こそ驚かされる部分が少し有るけど、その中身はとても面倒見の良い人物のようで
別の店の人間だから積極的には関われないが、出来る範囲で世話を焼いてくれる。その一環が珠子の手首を解してくれた行為や餃子の注文なのだろうし
反面、新作餃子を勝手に作るサブは見た目通り厄介な猫かも(笑)
原作だと全裸だった華寅が服着てる……。流石に地上波でアレは厳しかったか…
再びの戦闘に心沈む千夜の前に現れた超人的おっさん義輝はこれまで登場したあらゆる人物と異なるタイプだね
それだけに千夜も真介も思い至らなかった言葉を持っている。価値観の転換を強く感じた回となったよ
以前の戦いでは結果として大きな被害と悲しみを生み出したのに、今回は分け身だった為に感謝を伝えられた
また、武の頂点に居る義輝は力や闇を単純悪と見做さない。故に闇が混ざった力強き千夜も只の人であると見做す
これらは己の在り方に迷う千夜とって人生の転機そのもの。武ではなく言葉の強さに拠って千夜の価値観を変えた義輝は凄い人物だね
ただ、自身について変えられても、月湖への罪悪感は消せやしない
月湖からは沢山の感謝を捧げられているのに、まともに向き合えやしない。そんな隙が月湖誘拐に繋がったのかな
ならば、千夜が己の道を定めるのは己の為だけでなく月湖の為とも成ってくる。だからこそ己の内に在る千の闇とも向き合えたのだろうし
これまで避けていた物事と向き合えるようになれば、傍に居る真介の人柄へも目を向けられるように。これも一つの試練だね
一方でとんでもない問題に目を向けさせる将軍様凄い…。そりゃ視聴者の大半は歴史的なネタバレを知っているけど、だからって当の本人がネタバレするなんて有りなのか(笑)
いや本当に規格外な人物ですよ
恋愛作品において、余計な男が茶々入れくてくる展開って本当に不快度高いよね…と翔一の自分勝手ムーブを見て思う
ただ、他者にそういう動きをさせるのが如月澪だと言えるかもしれず。そう考えると彼女が世に背を向ける現状に納得でき、逆にそんな彼女が陽と楽しむ為に学祭デートを実行した点からは本気の恋心を感じてしまう
それにしても陽の宙ぶらりん具合は酷い感じになっているね。表向きは真珠を気に掛けているのに裏側では澪に心を攫われている
彼としては真珠へのチャンスが無いならいっそ澪と…という腹積もりなんだけど、神の視点として真珠の心中が描かれている為に今の陽は残酷に映る
既に彼らの関係は変わり始めている。それを真っ先に知った真珠はどうするのかな…?
冒頭の御使いによる分析は見事に百屋の性質を言い表している
望まない、諦める、逆らわない。嫌な事や不遇に耐える力に長けていると言える。でも長けているからって何も感じないわけではなく
尋問という耐えきれなくなる瞬間へと誘う行為を通して、百夜の弱みを曝け出させる展開は本当に良いものでしたよ
魔法少女に敵対するミラはカメラの前で白夜を害する演技をしなければならない。それは彼にとって耐えられない振る舞い
白夜はミラの立場を判っているから、自身が耐える事で彼に迷惑を掛けまいとしている
ならミラはこの状況を乗り越えつつ、無理に耐えようとする白夜を拘束から解放してやる必要がある
施設で育つ過程で物分かりが良くなり過ぎてしまった白夜は耐えるばかりの人間に。そこに悲しみはある筈なのに
彼女が知らなかったのは自身が耐える姿に他者も悲しみを覚える点。ミラの深い感情が乗った言葉に釣られ、自らを告げた白夜の涙には感動…
二人は変わらず敵対している。だから相手の弱みを知って、互いの弱さを受け止め合える愛を育んでいくのだと思えたよ
本物の戦場で用いるかのような銃火器でのこを追う猟友会というカオスを挟んできたと思ったら、それをオチに使うなんてね
猟友会と血で血を洗う戦いを繰り広げるカオスの権化のこにとってちゃっちいヤンキー道具で武装する不良なんて朝飯前のようで
その割に自分自身も吹っ飛んでたが(笑)
あまりに存在がカオスだと正体が気になってしまうもの。だというのに探って判ったのはのこがカオスでしかない事実
動物園のシカに混じって展示されているとか、大名行列からのナウシカネタとか理不尽極まりない
でも最大の理不尽はそんな光景を経ながらも、最後には普通の女子高生のようにタピってしまった点か?
本作においてカオス度合いの低い根子が単身でシカ部に乗り込めば、そりゃツッコミ役になるというもの
虎子との違いはシカ空間にあっさり取り込まれた点か。虎子は部長に祭り上げられながらシカには成って居ない。でもシカ志望にされた根子はかなりちょろい
その描写から虎子と根子の実力差が見えるが、そう考えると却って根子の可愛らしさが目立つEPとなったのかな
犬追物に擬態した一騎打ち、貞宗が矢を打ち尽くし後は時行が射るだけとなれば自然に時行が攻めの形になる。でもそんなの逃げ上手の遣り方ではない訳で
一旦攻めの姿勢を取る事で相手に攻めさせ、相手から逃げる際に反撃するというパルティアンショットはとても時行らしい必殺技でしたよ
けれど、ただ逃げ隠れするだけではジリ貧になる可能性もある。領地没収がその最たる例
今の逃若党は武闘派2人と執事1人と武士としては正道な構成っぽい印象。それでは足りないというのが頼重の言であり、邪道の武士玄蕃こそ時行が天下に号令す大将になる重要なピースとなるのかな
にしても、玄蕃へのリアクションは面白い
彼としては邪道な報酬を要求したつもりなのに、正道に居る時行にしてみれば無欲な要求に見えるのか(笑)
しかし彼の邪道が最も現れるのは潜入術。他者に成り代われる彼が近くに居れば疑いの心を持たずに居られない。これに大将の卵として時行はどう返すのかな?
猫がやっているラーメン屋だからこそ、そこには猫という癒しを求めやって来る人がメイン。となれば、通常のラーメン屋とは店とお客さんの距離感は少し普通とは違っていて
今回はお客等が集まる理由を描きつつ、その人らにとっての適切な距離感がお店にとっても望ましいものなんだよと伝えてくれる内容だったかな
換毛期に伴うイライラというクリシュナ特有の現象は、珠子にいつも通りのブラッシングだけでは足りない時もあると教える機会となったね
言い換えればそれぞれに事情があるという話で。珠子は勤め始めてそれなり仕事に慣れてきたけど、そんな珠子でも皆の事情にはあまり踏み込んでこなかった
彼女はそのような距離感で勤めていると判る
距離感間違えているのは御所川原だね。熱心なのは良いけど、猫好きが溢れ過ぎて逆に迷惑。彼女にはそりゃブラシよりも弁護士をやって貰いたいと思うのも当然
我欲が先行して文蔵達から敬遠される様子を見ると珠子が猫より犬派だった点が採用理由となった背景に納得できるね
好きな店の為なら課金も惜しまずとは相当なもの。と云うか、直接できないからって沢山食べそうな見知らぬ男を連れてくるとは危う過ぎ
それだけに滝が理解し警告してくれたのは良かったな。あれはあれで真っ当な出逢いとなりそうな
ラーメン屋なのだから、下手な搦手などせずにラーメンを食べて欲しい。滝の豪快な食べっぷりは店員を純粋に喜ばせるものとなったね
あの素晴らしい3話からこのような展開へと変化するなんて誰が想像できたろうね
咲はまことの特別を在って良いものと受け止めた。なのに当の咲が自分の『特別』を疑ってまことから自ら離れようとするなんて。また竜二の想いの行く先も宛所不明
この物語はどうなってしまうのだろうね…
誰かを好きになってその人を意識する際には何かしらの変調が現れるのもの
だからそれを示さなかった咲を竜二は不審がり、竜二にそれを見た咲は変調を示せない自身に失望する
他方、別の理由で示された咲の変調を見てまことが勘違いしてしまうなんて思わなかったな。三人の恋心がここに来て厄介な構図を成してきた印象
まことが咲を誤解すれば連鎖的に竜二の想いも誤解する
ただ、竜二はまことが正しく受け取らない状況を利用してかなり踏み込んだ発言をしたような…
竜二は本物の告白をしてしまえば自分達の想いも関係も変わってしまうと知っている。だから何も起きない
でも、そうして『好き』に悩むのは本物だからと言える
咲にはそれが無い
皆との繋がりを求めて特別を作れなかった咲がそれでも求めたまことという特別。彼女視点の過去が描かれた為に咲がまことを好きになった動機を疑わずに居られない構図はキツい…
女装を受け容れられ始めたまことはこれから沢山の特別が出来るかも知れない。特別の無い自分がそれを邪魔したくない
そんな咲の哀しい覚悟は誰かが止めるべきだけど、果たして誰が出来るのだろう…
戦わない事を選んだ千夜だけど、その状態で叶えられる想いなどたかが知れていて
反面、たまは面白い術を見せたね。龍のムドと正面から戦うのではなく、幻術に拠って戦いを回避している。でも、それとて強さが存在するから出来る所業
強さすら否定しようとする今の千夜は容易に辿り着けない次元
第一部主要人物のたま再登場により、第一部と二部がようやく地続きとなったね
強敵であった千夜は山の神に負け真介に守られた事で心の弱さを持つ主人公へと転じた。また、弱いのに山の神に刃向かった真介は強さを見せたと言える
強者は弱者に、弱者は強者に転じると示唆しているかのよう
強さや戦いを否定しているのに彼の下へ狂い神が来るのは肉体的には彼が強者だから。一方で自分の強さを思い通りに出来ず振り回されるのは弱者の証か
強さにも弱さにも納得できない彼はまだまだ辛い立場だね…。それだけに謎の人物との出会いを契機に彼が変わっていく様をどのように描くのか楽しみですよ