サービス開始日: 2016-03-14 (3363日目)
今回は仕事で怒られそうな状況あるあるが描かれたような
寝坊なんて仕事の日にやってしまった時は気が重くなるなるもの。そこで同様に気が重くなった社会人と遭遇してしまえば、それこそ気が合うかもしれないが、ルリコの場合は犬と意気投合しちゃうんだ…(笑)
それでも仕事人ならば仕事に励まなければならない。その意味では村田がルリコに貰い過ぎたお釣りを渡す為に駆け回ったのもルリコが仕事で怒られないようにする為と取れそう
一方でルリコが仕事中に村田の財布を届けようとしたのは仕事に関係なく相手の為を思っての行動と言えるか
それが結局互いに想い合って探していたというオチに繋がるのはもう付き合っちゃえよ!と言いたくなるが
仕事中である為に普段は掛かってこないユキからの電話をコジローがすぐに取れなかったのは「鬼電」と評したように怒られると思ったからかな?
こちらも結局は仕事だからという理由以上に家族の為にとの理由でCSを目指す理由となるのは良いお話でしたよ
人だけでなく鬼すら想いを持つ本作において、物の想いについて言及したのは少し意外性が有りつつ納得できるものだったかも
秋津染五郎という人物の在り方も物に想いが宿る現象と似たような話か。血筋に拠って名を継ぐ処を弟子筋を通して想いと共に継いでいる
ならば、名を変えてしまった甚夜は何処へと継がれていくのかという点が描かれた回となったのかな
甚夜にいちゃつく奈津の姿にはニヤニヤしてしまうが、彼女が口にする「お兄様」との呼び名に宿る想いは甚夜に痛ましい記憶を呼び覚ませてしまうもの
だというのに、簪に宿った付喪神は名と想いを切り離したい甚夜を優しく否定するね。繋がりは絶たれる事はなく、命も継がれていくもの
だとすれば、鬼となった為に故郷を捨て名を変えた甚夜にも絶たれぬ繋がりはきっと在ると言える
そもそも甚夜の今の在り方とて、何かを断つものではないね
奈津を初めとして、おふうとも直次とも繋がりを持った。そして今回出逢った秋津も悪い人間ではない。甚夜は生き続ける事で多くと繋がりを持ち想いを継いでいる
そうであったとしても、甚夜が故郷に残した想いが現代まで継がれていた様には驚きと感銘を覚えるね。甚夜が捨てた筈の甚太という存在はきちんと守られ続けていたわけだ
そこに至るまでの物語を改めて見守り続けたいと思わされたよ
さておき、甚夜はどうして現在で学生やってるの……?
1話の中で3つもレースが描かれるなんて、とんだ豪華仕様だ。どのレースも迫力に満ちていて本作を心の底から楽しめる要因となっているね
でも、オグリがヤエノのマークによって別のレ-スをさせられたように、構図としてはまさしく別のレースが行われていたような
カサマツで鳴らしていたとはいえ、オグリは地方から中央に移籍してきた新参者。いわば大活躍するなんて期待はされていない。けれどオグリが魅せたのは三冠を期待させるような激走
それによって別のレースが始まるわけだ
オグリをライバル視するヤエノの動きは印象的
クラシックを目指すヤエノがクラシックに出られないオグリを敵視する理由なんて少ない筈。けれど彼女はレース前から好戦的でレース中も徹底マーク。レースでの勝利よりもオグリに勝つという別のレースをしていた事が伺える
けど、オグリは良い意味でどのレースもふわっと走っているね。ペガサスSの走り方に留まらず、ヤエノからあれだけ敵視されても意に介さない。また、オグリをダービーへという世間の期待すら大きく反応しない
オグリはどのようなレースだろうと自分の走り方を変えていないと言える
むしろオグリの走りは他者に別のレースをさせるものとなるね
オグリをマークするレースをしてしまったヤエノに始まり、オグリに熱狂した藤井は記者の領分を超えて署名やら嘆願を行ってしまう
また、カサマツのスターを目指すべく見出されたオグリはマルゼンのセリフを聞く限り、将来的にはトゥインクルシリーズの大スターを担わされるのではないかと思わせる
オグリの走りは競る者にも見る者にも別の行動を起こさせる。だとしたら、前回はオグリを否定したルドルフはどのような行動に出るのだろうね?
というか、次の話って原作ではかなり特殊な演出がされたのだけど、アレはアニメでどのように表現されるか、その点も楽しみだったり
本作って第一話でまこがぼっち状態だった印象が強くてそれを引き摺っている為か、既に出来上がってるしのん達の交友関係にまこが混ざったとの目線で見ていたのだけど、今回の話は良い意味で印象を裏切られたな
今が仲良いのは昔からの関係があるからとは限らず、今が仲良いからっていつまでも繋がっているとは限らない。それでも今の楽しさは嘘じゃないし、未来へ連れていける。そう感じられるお話と思えたよ
しのんが中心となり計画した合宿。彼女が気合を入れるのは部長だからとの理由もあるだろうけど、自分が雨女だから皆が合宿を楽しめないのでは?という心配もあったのだろうね
しのんは過去の経緯から合宿の成否を気にしていた
また、つつじもしのんを勝手に部長にした事を気にしていたようで。しのんには直接伝えていたけれど、ピザ作りに積極的だったのは楽しい合宿を企画してくれたしのんへの感謝もありそうだ
つつじも過去を踏まえて現在の行動へと反映していた
対して経緯の共有が少なかったのがくれあか
彼女は物分りが良いから「詰まらない事」と言うけれど、思い出の共有が出来ない寂しさは築地へ行った際のななが充分に証明している
だからくれあを友と思うならフォローは必要で
過去の共有ではなく、現在の共有を意識させそれが未来へ続くと約束したまこの心意気は良いね。それはくれあを大切な親友と告げているも同じ。だからくれあはまこを親友として名前呼びしたのだろうね
また、ラストの花火は夜に咲いて夜に消える閃光というよりも、朝には見えなかった綺麗な光景が夜に染み込むものになったかのような印象を抱けました
ほぼ誘拐されたような身の上であるにも関わらず、ちっとも深刻そうではないし、子翠達に己をどうするのかと問いもしない。また、子翠達が何者かも探らない
この点は壬氏に対するスタンスと共通しているね。猫猫は余計な問題に首を突っ込まない
だからか、猫猫は偏りの無い目線で狐の里やその色に染まる子翠を観察する。そうする事によって皇帝に連なる一族との相似が見え、物語が至ろうとする最終的な構図が垣間見えたような気がするよ
狐の里や子翠の真実は探ろうとしないが、蘇りの薬に対しては過剰反応してしまうのは猫猫らしいね(笑)
そんな調子だから、薬の為に里を探るのも躊躇いがない。踏み込んではならない場所にも入ってしまう
そうして開いた先にあったのは正しく里の秘密か…。そして、こちらが開いたという事はあちらからも開かられるという事でも有って
遂に邂逅した陰謀の奥底に潜む者。暴力を厭わない者に対して薬師でしかない猫猫に何が出来るというのだろうね?
バレるかバレないかの瀬戸際を攻めるかのようなお話が見られる回となったような
風でスカートがめくれるなんてしょうもないEPだけれど、そこにはちょっとした心理戦も同時に存在している
村田が見ていないと誤魔化すようにルリコもルリコで見られても恥ずかしくないなんて誤魔化す。互いに内心がバレないよう冷や汗を掻く様子は微笑ましい
それで居ながら、普段着の自分がバレなかった時には不機嫌に成ってしまうのだから余計にルリコは可愛らしいね
一方で他人の内心をバラそうとしたのが飯島か
彼はアオナから売り子の裏側を聞き出そうとするけど、アオナは飯島の探りを否定する部分もあれば異なる言葉で言い換える部分もあったね
逆に問答を重ねる事によってアオナには飯島の事情の一端がバレていたような。だからこそ、彼女は球場の良さや自分の仕事観を話したのだろうし
それが転じて飯島が良い記事を書こうという心意気へと繋がり、そしてアオナ自身が先生として作りたい光景の理解へと繋がるのは良いね
いわば、自分に本当の自分がバレてしまった、なんて言えるかもしれないね
鬼を斬る際に必ず名を尋ねる甚夜。それは相手を覚え続ける為のきっかけ作りのようにも、相手の本質を把握する為かのようにも思える
ただ、夜鷹が甚夜の表情から彼の心の本質を捉えた点を見るに後者の意味合いが強いと見るべきなのかな?
甚夜は鬼と成った身でありながら鬼退治をする。それもいつの日か妹を成敗する為に。己が哀しい身の上だからこそ、哀しく猛り狂う鬼が無くした本質を捉えてやろうとしてしまうのかもしれない
夜桜の鬼とて本質が垣間見える鬼だったような
遊女である為に受けた宿命から心まで壊してしまった。成れの果てとしか思えないその姿を夜鷹が気にしたのは、彼女とてあの鬼と似た在り方で生きているからか
人は己と似た在り方をしている者に感情移入して、時には入れ込んでしまう
そう思えば、奈津が甚夜に対して特別な関心を抱くようになったのも、己から遠いお伽噺の剣豪ではなく自分と同じ悩める人と知ったからと理解できるね
ただ、本作において本質は危ういものとも扱われているような
茂助の優しい妻が人喰い鬼として成り果てたように、鬼に変じれば容易に人の本質は揺らいでしまう
それだけに、突如甚夜に対しラブラブモードに変じた奈津の在り方はとても危うい。…まあ、あれはあれでめっちゃ可愛いのでこのまま継続して貰っても構わないんですけども
奈津の本質を取り戻す為には原因を退治しなければならない
原因らしき秋津の前に現れた甚夜は果たして退治屋や鬼か優しい兄か?また、秋津自身も何者か?次回にて双方の本質はどのように描かれるのだろうね
OPの新場面に居るマーチがまさかのあのシーンを映したものだったから冒頭からめっちゃ衝撃を受けてしまった……!
さておき、オグリが移った新たな環境は新たな環境なりの問題がある。カサマツとてオグリ入学時には様々な問題や衝突が起きた。ハイレベルな中央ならそれが起きないという話ではなく、起きる問題の種類が変わるだけ
ルドルフが言った「中央を無礼るなよ」は正鵠を射ているわけだ
これまでのオグリの目標は北原に釣られて東海ダービーを意識していた。カサマツを出て中央に来たなら新たな環境ならではの新たな目標が必要となる
ここでギャップとなるのは他のウマ娘達との差かな。ヤエノを初めとして、誰もがクラシック3冠などの目標を既に定めている。だから転入後に目標探しをしているオグリは異質と言えて
けど、異質故に目標と成りそうなものが見つかれば迷わない。それこそ皇帝に歯向かう程に
ルドルフの迫力は凄まじいもの。それは彼女が怖いウマ娘だから等の理由ではなく、彼女こそがあらゆる目標の頂点に君臨する存在だからか
ルドルフはダービーを目標として走ったウマ娘を駆逐して頂点へ辿り着いた存在。それ故に夢を軽んずる事を許さない
だとしたら、ルドルフと同じだけの迫力を持って宣戦布告を行ったオグリは夢を軽んじていないと言えるのか?という点は前回の北原と衝突し、彼と同じように悩んだ姿を見れば明らかなわけで
これからのオグリは己自身の力に頼り夢を掴み取る必要があると知れる遣り取りとなったような
中央という新たな戦場を前にして武者震いするオグリの姿は新たな覇者の誕生を予感させるものがあったけど、果たして…
美食を求め日々を過ごしていれば当然のように遭遇する体重問題。特にまこの場合は食べる事への躊躇が時折無くなってしまうのだから危険度はあの面々の中で最も大きい
かといって食べないなんて選択肢はないのだから、運動して消費するしか無い。けれど、運動ばかりしていたら、それこそ美食から遠ざかってしまうわけで
チートデイだなんて物は言い様だけれど、適度に自分を許さないと日々の美食は楽しめない
体重がアカン事になったのはまこだけなのだけれど、そこで彼女だけが運動に励むのではなく、つつじやななも一緒に運動するのは良いね。彼女らの仲がとても深まっている、互いへ踏み込む事を許し合えているのだと判る
だから、ダイエット中のまこを食事に誘うだなんてちょっと罪深い行為もチートデイという言葉で許される
そうすればまこも厳しいダイエットに向き合う己を時には許してやれるわけだ。⋯⋯それが転じて、リバウンドしそうな食事の誘惑に負けるきっかとなるのは意志の弱さの問題かなぁなんて思ってしまうが(笑)
かったるい声出しが実は日々の仕事に活きていたように、99回の無駄という監督の言葉に現れるように。全ては何かしら意味があり、何かが詰まっていると言えるかもしれなくて
関する要素は一宮と獅子尾の関係にも見られるね。一宮は獅子尾との差を見て自分は満たされていないと感じていたけれど、球場で働く者達と同じお米を食べて、自分は一人でないと気付けた。自分を応援してくれる人達によって己は満ち、己の存在とて無駄ではないと気付けた
まあ、そういう土台を描いたのに一宮と獅子尾が米派・パン派で物別れするのは何とも気の抜けたオチだったけどさ(笑)
ルリコがウィクベに載った。些細なインタビュー記事ではあるかもしれないけれど、表舞台に立たない者にとってそれは相手を遠く感じる話
一宮が成績から同い年の獅子尾を遠く感じたように村田もルリコを遠く感じてしまうもの
だというのに帰宅部という何て事ない共通項や変身!の言動から村田と同じ場所に居ると教えてくれる彼女は本当に魅力的で罪な女性ですよ
他方で村田も山田相手に罪な言動をしているのはどう解釈して良いものやら。村田は全く山田を特別な存在と認識していないのに、山田が勝手に勘違いしていく…(笑)
呪いの絵ではなく鈍けの絵なんて飛んだとんちが効いた話だね
曰くのある鬼の絵はまるで誰かを呪い殺すかのような美が籠められている。けれど、実態は養父の好きな人を美化した感情が鬱陶しい程に籠められたノロケ絵
それは絵の見た目からは想像できない本質であり、同時に甚夜が知らなかった養父の姿とも重なるね
というかこのようなトボけた感じの回が繰り広げられるとは思わなかったし。良い意味で本作の深みを実感できたよ
甚夜にとって養父とは大切な人を守る為に火中へ飛び込める勇ましい人物であり己を拾ってくれた大恩有る大きな人物だったのだろうな。それだけにノロケ絵の曰くはイメージをぶち壊す後悔しそうな話
対するおふうの言葉がいいね。甚夜が知らなかった一面も知っていた一面も変わらず養父その人を示す要素
だとしたら、以前再会した際に幼少時とは異なる印象を覚えた実父も同様かもしれず
彼らは親子の関係には戻れないかもしれない。けれど酒という幼少時には知らなかった一面を通して言葉を交わす甚夜と重蔵はあの頃は手に出来なかった関係を見つけられるように思えたよ
大学生になると色々と世の中が広がるものですが、それを車の免許取得という形で表現した回となったね
初ドライブなんて順風満帆に行くわけが無いのだけど、道間違えに直面しても新たな思い出作りとして行きたい所へそのまま行ってしまうのは青春感が有って良いね
また、行くだけに留まらず新たな思い出作りに邁進するが如く楽しさが籠められた味を体感する彼女らの光景は素晴らしいものだね
遠出の際には真っ当に準備してから挑んだ方が良いのは当然の話。準備しないと試験に落ちるしのんのようになってしまう
でも、思い出作りであれば多少の失敗が有った方が楽しめる。高速に乗ってしまうのも準備無く築地を訪れるのも
ちょっとしたお出掛けのつもりが築地でBBQなんて贅沢な思い出。そこに美味しい料理が絡めば尚の事
過ぎ去る思い出を大切に味わうから、これからの楽しさを何度も求めたくなる。「もっと皆と…」という呟きに込められた掛け替えのない感情にじんわりと来てしまったのでした
てか、初ドライブで同乗者全員が寝ても文句を言わないくれあ良い子だな…
前回に続き己に出来るは何事かが問われる内容
前回にて猫猫や羅門は壬氏よりも権限は無いながらに知略に拠って己に出来る事を突き詰めてその場その場で必要な手掛かりを見付けていた。対して壬氏は己に何が出来るかを突き詰めようとすれば、必然的に己とは何か?という問いに直面する事になるのか
少しずつ明かされてきた壬氏の出生背景がここに来て意味を持ってきたように感じられるよ
深緑が気付いてしまったように、壬氏は尊い生まれであり間違っても宦官として後宮の管理を託されるような立場ではない
ならば壬氏は己に出来る事を考える際には、まず己は何者として事態に対応すべきかを決めなければならない。なのに中途半端な逃げを己に許してきたばかりに、深緑にも偽楼蘭妃にも壬氏らしからぬ言動で迫ってしまっている。あれは壬氏が反省するように宜しくない言動だね
それでも彼が猫猫を取り戻したいと願うならば遮二無二に行動するしかない訳だ
…まあ、扉まで破壊してしまう羅漢はやり過ぎだと思うけども(笑)
猫猫の行方は知れないまま新たに楼蘭妃や子昌も行方知れず。己に出来る事を為しても厄介事が増えるばかり
そう思うと、己に出来る事を行いつつ同時に厄介事の解決も図ろうとした羅半はかなり優秀であると判るね。ならば、袋小路に嵌りつつ有るかもしれない壬氏とて、彼を”使う”事で己に出来る事と代えたなんて考え方もできるのかもしれない
囚われの姫君の如く遠き場所に追い遣られた猫猫の元まで壬氏の手が届く時、壬氏は己をどのような存在と定義した上で彼女を迎えに行くのだろうね?
ビール売り子に歴史あり!と言わんばかりのA・Bパート
売り子の中で最も若手で常連が少ないサラだって、彼女の頑張りを見に来る家族が沢山いる。彼女は恥ずかしがるけど、あれとてサラというビール売り子を象徴する歴史
更衣室に残っていた大量の私物、特に昔の制服等は売り子の歴史であるのは見ての通りなのだけど、そこにウィクベ等が混ざる事で球団の歴史にも繋がっていくように感じられたね
売り子は球団でビールを売っているだけでなく、球場という場所を彩る存在でも有るのかな
だからか、他球団のファンが球場に来れば売り子のレベル含めて批評される。特に舐めた見方をする者達が自分達より上位の球団なら余計に悔しくなる。デニスがフォームへの悪影響覚悟でホームラン勝負に本気になるのは彼も球場の一部であるからだろうし
なら、最も球場の雰囲気を象徴する存在であるサン四郎が舐められた状況に何も感じないわけがなくて
球場を彩るビール売り子・ルリコが発した本気の応援に応えて負けが定められた台本を破り、球団の歴史を守ってみせたサン四郎の姿は格好良かったよ
鬼は永い時を生きる存在である為か、一度でも鬼になってしまえばそこから不変の存在になってしまう。例えば甚夜が31歳にしては若い見た目であるように、箱庭の鬼が200年の時を少女の姿で過ごしたように
だから不変の鬼が変わらぬ景色の中に留まるにはそれこそ周囲含めて不変とするしかなかったのかな…。それが鬼娘が選んだ止まった箱庭の中で他者をも拒絶する時だったのかもしれない
それだけに変わらないものは無いのだ、全てはいつか変わってくれるのだと示してくれるかのような話には温かい気持ちになってしまったよ
変わる象徴は序盤から出ていたね
直次の母は彼にしてみれば厳しい存在であるのは変わりようがない筈だった。けれど甚夜に示した態度のように子の明るさを喜び感謝する心を持つ。それは一つの姿しか無いと思わせた形が不変でないと示すもの
似た話は直次自身にも言える事か
兄が居なければと苦しそうに放浪していた彼の在り方は兄が戻らない限り変わらないように思われた。けれど、直次は兄が戻らないままに兄が遺した意志を受けて変わったね。時を進み続ける力を得たのだと判る
最も象徴的なのはおふうと定長の在り方か
時を拒むおふう、拒むを拒んだ定長。千日手に成りかねない状況が変わったのは新たな家族を受け入れるというとても単純でとても難しい決断を両者がしたからだね
時が止まった箱庭から出る決断であり、新たな時の中で生きる決断であり。鬼が不変を辞めた証となるならば、同様に甚夜も不変でない生き方を選ぶ余地があるかもしれず
今は未だ妹への感情を定めきれていない彼が永い時を生きる中でどのように不変と思われたものを変えていくのか、見届けたいと思えましたよ
オグリは関わり合う者との相乗効果によって自身を高めてきたタイプ。北原と出逢い、ベルノと出逢い、ノルンやマーチとも良い相互関係を育んできた
彼女は良い意味で他者に影響されるだけに、効能が逆転してオグリの足枷となる展開は重苦しい…
オグリと北原の絆はオグリを東海ダービーへ導くものか、それとも日本ダービーから離してしまうものか。オグリが迷わない、悪く言えば考えないからこそ北原に選択が託された形だね
オグリは既にカサマツの星か中央に比肩する者か曖昧な描かれ方がされているね
カサマツの観客からはカサマツ魂がどうのと言われ、中央で戦うタマモからはライバルのように意識される。六平は走りを評して地方に収まる器じゃないと言うけれど、現状彼女が走るのは地方レース
オグリをどう見るべきか扱うべきか。他者の評価が一定しないなら己はどう在るべきかが問われてくるのだけど、オグリは北原が隣に居ない自分を想像できない。今の自分は北原によって齎されたと信じている
オグリを中央へ連れていけない北原の存在はオグリの未来を固定化させてしまうもの、なんて捉えられてしまう
北原の夢はとても純真。眼前のレースから受けた情熱で東海ダービーを目指す彼の夢に揺らぎはない
対してオグリは北原の夢を受けて自身の夢とした。それは北原が目指すのがもし日本ダービーだったら、そちらを夢としていただろうと思える程に揺らぎが見える。なのに本人に迷いが無いから北原だけが迷う羽目になる
でも、中央のライセンスを持たない北原が迷うのはどう言い繕っても己の為でしか無くオグリの為にはならない
北原が示した無情なる選択肢。迷いの無いオグリに迷いを与える勝敗を前に彼女は誰の為に何を目指すと決めるのだろうね?
これまた癖の強い娘が登場したなぁ…
まこは友達が居なかったからか挙動不審さを見せてしまうタイプだったけど、ななは友達が居ても相手によって酷い挙動不審を発揮してしまうタイプか
幾つかの面でまことななは似ていると言える。だから二人だけではコミュニケーションの促進は難しい。二人の間に適切な潤滑油が混ざり込む必要があった訳だ
つつじは両者の知り合いという意味では仲介役となれるけど、面白言動でリアクションを引き出すタイプの彼女主導だと、リアクションをコンビで返せないまこ達には荷が勝ち過ぎる
それよか二人がアクションを起こす上で負担にならない方法を潤滑油にすべきで、そこで料理という手法が持ち上がってくる展開はいいね
まさに肉と脂は裏切らないならぬ肉こそ油になるわけだ
そもそもななのイメチェンとかまこが食材を持ってきたりドイツ語の教えを請うたりの行動に現れるように二人ともアクションは起こせている。後はそれを交流へと結びつければいいだけ
そう思えばブロック肉は両者の好きを引き出すものとなったような
ななの好きを作れたまこ、まこにちゃんと謝れたなな。新たな友達関係の誕生には微笑ましさを覚えてしまうね
…ただ、ななはあの極端な相手によって態度が違いすぎるアクションをもう少し直した方が良い気がするけど(笑)
消えた猫猫を探す面々が描かれる今回。けれど手掛かりがあるわけじゃないからすぐ手詰まりになる。猫猫の不在に焦る玉葉妃や壬氏を他所に羅門の探し方は今回の主題を象徴するようなものになったような
父である羅門とて猫猫を心配する心は有る。けれど、その感情を微塵も出さず、手掛かりらしきものを見つけたとしても一気に猫猫に繋がると言わず、まずは猫探しと口にしてからついでに娘もなんて発言する
彼は己に出来る限界を弁えているね
壬氏達が何とかして猫猫を探し出そうとしても人探しの専門家ではない彼らには限界がある。だからまずは己に出来る事を繰り返し、少しずつ猫猫に至る手掛かりを手にしていくわけだ
羅門は薬の知識から猫猫を追った猫の居所を、赤羽は猫猫を知る侍女として翠の字の思惑を言い当てて
ならば、壬氏とて己に出来る事として子翠という名の下女が後宮に存在するかを確認する。これは壬氏や高順でなければ探し当てられない真実
それぞれが己に可能な領分で行動を始めている
他方で攫われた為に出来る事が殆ど無くなったのが猫猫だね。一応手掛かりは残しては居るけれど、それ以上は無理だった
後は流れに身を任せるだけかと思いきや、道中で翠苓と子翠の関係を探り当てるのは流石。ただ、正体を見破ってもそれ以上の行動を起こせなかったのは、結局現状の彼女にはそこまでしか出来ない限界を前にしているとも言えるのだけど
訪れたは狐の里、ここで翠苓達は行動が制限された猫猫に何をさせるつもりなのだろうね
球場とは多様な人間が集う場所である為か、時には嫌な相手に出会う事も有るのかな?仕事から逃れたのに後輩に出逢ってしまう村田、他選手の応援ライバルに出逢ってしまったユキとキサ
でも、多様な面を持つ人間だからこそ、第一印象は嫌な感じがしても別の面を知れば好印象に落ち着いたりする。野球に詳しい清水と親しくなれそうな村田とか、同じ穴の狢に陥るユキとキサとか
他方で別の面を知る過程がすんなりとは行かなかったのがルリコや恵となるのかな?
村田は清水の野球好きを知って好印象を抱くけど、デレデレしたとも受け止められる村田の面を知って不快感を催すのがルリコか
清水に勝てないと見るや村田に小さな嫌がらせをするのは彼女らしいし、そこにどんな感情が潜んでいるか気になってしまうね
けど、別の面だからこそ嫌悪感を抱いてしまったのが恵か。確かに雨の日の球場はキツそうだ
でも、彼女の父はそんな別の顔を持つ雨の球場にこそ良い面を見ているというのは面白いし、その流れで恵も雨の日ならではの面を見出す流れは良かったな
他者や場所に普段と異なる面を見る事で好印象を持つ事も嫌悪感を持つ事も有る。けれど、そうした多様な感情を齎してくれる球場こそ多様な人々が集いたくなる場所なのかもしれないね
他の誰も存在を覚えていないか知らない兄を探しているなんて直次の悩みは捉え所が無いね
普通の失踪であれば人相書を配れば良い、誘拐なら犯人の痕跡を追えば良い。けれど、正体の見えない探し物は探し方も判らない。これに鬼退治が本領の甚夜が関わるが良いかも判らない
他方で他者も直次のようにはっきりしない悩みを抱えているのかもと見えてくる内容でしたよ
奈津との会話は思わず邪推したくなるはっきりしない何かが有ったような
甚夜は彼女の婚姻が近いのでは?と気にするが、奈津は近しい善二との祝言は否定するし自由な嫁入りが保障されている割に誰と目する相手も今は居ない模様
代わりに甚夜の所帯事情を気にしたり、年齢に驚いたりするのは…
ただ、確かなのは流浪の民として生きる甚夜を気にかけてくれる奈津はとても良いお嬢さんであると言えるのだろうね
奈津から生き方を気にされる甚夜は己で選んだ道ながら、はっきりした確信は持てず悩みながら生きている
そんな甚夜以上に悩みの中を生きる直次、自分すら信じられない彼だから助けとなってくれる甚夜の対応に過剰なまでに喜ぶし、彼の刀に過剰な興味を示してしまう
はっきりしない闇を藻掻く彼は、はっきりした助けが二つと無い喜びに思えるのだろうな…
今は真相の見えない事件。ここに水仙がどう関わってくるのかな……
ベルノのデビューは悔しい結果に。けれど、彼女の貢献がオグリを支える構図は変わらないね。むしろこちら方面で彼女の才覚は明白になりつつ有る
オグリは様々な者と二人三脚を組んでレースに関する諸々を上達させているね。ベルノ然り、北原然り、ノルン然り…
そして、誰かの助けを借りて強くなるオグリという図が描かれただけに孤独の頂点へ至ろうとしていたマーチが知らず抱えていた寂しさも強調されたように思えましたよ
オグリが北原の教えを我が身とするのと対称的にマーチはトレーナーの教えに耳も貸さず。イメージの中では勝てると豪語する彼女だけど、端から見れば独りで瞑想しているようにしか見えない
そもそも彼女は回想で示されたように共に走る友さえ居なかった。助けが必要で無かったとも言えるし、助けを求められなかったとも言える
どちらにせよ、彼女にとって頂点とは独りで辿り着くものであり、誰かと競うものでは無くなってしまっていた
対してオグリにとって頂点とは誰かと辿り着くものか
北原が東海ダービーを目指しているといえば、自分もそこを目指すと明言。マーチが前回にて自分に負けないと言ったなら、自分も負けないと宣告
その傾向が最も出たのが2度目のスパートか。オグリも北原も知らない新たな力、それはマーチという友が居たから出せた力
今回の負けはマーチにとって嬉しくない筈。けれど共に東海ダービーを目指そうと差し伸べたオグリの手を取り「次は負けん」と告げる彼女は間違いなくもう独りでは無いのだと思えたよ
遊ぶ為のお金を別置きするのは見上げた行動の筈なのに、それを暗号形式にした上で隠し場所を忘れ、果ては隠してすら居なかったってぶっ飛んだ精神しているなぁ、しのんは(笑)
少し前までまこに一緒に遊ぶ友達なんて居なかったから彼女の面白い素質も出てこなかった。一緒にお出掛けし、好きなものや美味しい食べ物を打ち明け合えるつつじ達と出会えた事で彼女も賑やかな存在に成っていく様子は微笑ましいね
そして、予想された結果へ当然の如く至るしのんは最早安定のオチ要因になりつつ有る気がするよ?
洞察力に優れた猫猫は相手の腹の中を読み取る力に優れていると言える。だから羅門が手習い所を通して広めたい知識に気が付くし、その過程でヤブ医者や手習い所を自然に利用する羅門の才覚にも舌を巻く
ただ、これって猫猫ばりに知恵が回る人間とこれまで敵対する事が少なかったから猫猫の読みだけが光る状況が成立していたとも言えて
いわば猫猫の独擅場。それを崩す強敵の再出現にこれからの展開へのワクワクが増してきましたよ
張り紙の違和感という小さな手掛かりから診療所、特に深緑の悪意へと洞察を広げる猫猫は流石だね。その上で深緑には自分が気取った事を気取らせない
それは一方的な腹の読み合いであり、猫猫に選択肢がある状況である為にここは追求せず診療所をそのまま出る選択肢が取れる
それを崩し猫猫に逃げられない状況を一瞬にして構築した翠苓は恐ろしいね。あのタイミングで現れ、猫猫の抵抗を無力化させた彼女は猫猫と並び立つ洞察力の持ち主であると判る
他方で胃が痛くなるような腹の読み合いをしていたのが羅漢と子昌ですか
感情が幾つも飛び出して見える羅漢と感情が全く見えてこない子昌。対称的な二人はけれど腹の中に飼う思惑も対称的なようで
漫画版を読んだ時は「赤」の意味がよく飲み込めていなかったのだけど、アニメではっきりと色を見れた事で羅漢側の思惑、それによって推察できる子昌の思惑がはっきりしてくるね……
食えない羅漢が詳らかにした子昌の帝位を食いかねない陰謀。ここに猫猫の危機がどう関わってくるのかな?
ご意見箱に投じられた感謝が今回の話の主体となったけど前半のなぎさの話も感謝する心がちらちら見えたような
イジりは対象への愛がなければ他者から楽しまれる事はない。その意味ではなぎさが鋸山をイジり続けられるのは彼の活躍を応援したい気持ちが有るからかもしれない。だからか、何も用意せず頭を空っぽにして放った言葉はむしろ彼の愛らしさを褒める言葉となるし、なぎさの心を受け取った鋸山とて明日も宜しくと、彼女に感謝しつつも彼女の感謝に応えようという返しをしたのかもしれないね
場所によっては取り敢えず置いているだけで存在すら認知されてない事もあるご意見箱。そこへルリコへの感謝が綴られていれば誰からの言葉か探りたくなるというもの
オチとしてはルリコが怪しんだ者全員が感謝の言葉を送っていたというものだったけど、それって裏を返せばルリコと関わった者は彼女に感謝したくなるくらい彼女の頑張りによって球場を楽しんでいたと言える訳で
ルリコは感謝を貰えた事で村田に感謝を返すけれど、それでは済まないくらい村田だってルリコに感謝している。また、選手達も応援してくれるファンや家族に感謝している
数多の心が交わされるとても気持ちの良い球場。だからこそ、村田が言及するように今年こそ優勝して欲しいという皆の想いも高まるのだろうね