前回をいまいち受け止め切れないままかなりぼんやり観たので感想が出て来なかったのだけど、他の人の感想を見て改めて観返すと前話のCパートで綾瀬が今の家族や生活に前向きになったことが心象風景で描かれ、この回では浅村父やクラスメイトとこれまでより積極的に関わろうとする様子が描かれる一方で綾瀬と距離を置くことを決めた浅村の学校と家での寄る辺なさが対比されていた、と。
朝食の時に浅村父から綾瀬母の言葉を聞いた浅村がいつまでも実母へのトラウマから綾瀬母と距離を取っていてはいけないと思った風であり、そこからの自転車で坂を登るシーンなので坂は浅村のトラウマの暗喩なのだろうけれど、このシーンは坂を登り切ったのか曖昧なまま終わる。浅村の「お母さん」という言葉も自転車で坂を登っているのに息が切れていないことから浅村の心の中だけの言葉で口に出せたわけではなさそう。
浅村父は多忙のためかこれまでに浅村の気持ちを思いやるシーンがほとんどなく、綾瀬母とはまだ打ち解けておらず、綾瀬とは距離を置こうとしていて、学校では丸としか親しくしていない、その中でバイト先での読売と藤波との会話は意味が大きそう。
読売が清原がFA宣言した時の長嶋監督みたいなこと言ってたの良かった。浅村は今からでも読売に入団するべき。
反応や行動は人間も学習していくものだろうけど、それと感情や心の境目とか、心があるとしてありのままの心というのがどういうものなのかとかは結局みんなよく分からないんだよな。夏生自身もこれまで経験したことがないようなことに対して自分の気持ちが分からなくなっているわけだし…。
きみの色を観たので改めて感想を書くけど、きみの色が出会いと始まりの話で今作が別れと喪失の話でそれぞれがA面 / B面だという見方も可能ではあるかなと。それぞれの内容を考えると音楽がミスチルとラブリーサマーちゃんだったのも内容によく合っていたように思います。
今作がもっとシリアスな作画で過ぎ去る日々を詳しく描いていたりしたらちょっとつらく感じたのではないかという気がしたりなど、きみの色も今作も描かないと決めたことを描かないことへの思いを強く感じる内容でした。
オープニングで描かれていた幼少のふたりが出会えていたらのシーンが9話であらためてあり、いまのふたりがバスに乗り綾瀬の髪が短くなりとオープニングをやり直しているような内容が描かれていたのはいまのふたりが幼少に出会えていたら結べたような関係にこれから至る暗示だと解釈したのだけど、10話は綾瀬母の浅村への思いの吐露、綾瀬と浅村父ふたりの夕食とこれまであまりなかった家族のシーンがあり、今後の出来事の予感はありながら穏やかな回だった。
綾瀬が綾瀬母の言葉を回想する時の画がこれまでは浅村の回想で使われていた描き方になってたのはなぜなんだろう。綾瀬がプールのことを思い出すシーンもこれまでの回想の映像のテイストとは違ったけど、これは9話までの綾瀬の回想で使われていた映像の処理は綾瀬が日記を読み返していることを表現していて、綾瀬は本当に日記を書くのを止めたということかな。
藤波はもし踵が高い靴を履いているんだとしても身長が高い。
オープニングのタイトルロゴの色の変化はキッチンとダイニングの間に置いてある花の色の移り変わりに合わせてあるのかと思っていたけど、10話は話の中で花が変わっていたようなので確信が持てない。
作中で描かれたこと以外の背景についての説明をすっぱりと切り落としてあるように感じたから物語の起こりの部分はとっかかりがないように感じられて、これについてはもう何度か観返したら感想が変わるかも。劇中で描かれたこととそこから生まれた音楽のライブのシーンがすごく良かったので、作中ではっきり描かれなかったことを考えたりするより作中のその瞬間のことを素直に受け取るのがこの作品の見方として自分には合っていそう。
ライブのシーン、ルイが作曲した設定であろう曲のタイトルがルイと直接の関係はない「反省文」なのは曲作りに苦労していたルイにふたりが与えた影響の暗示として美しいし、あとの2曲では5本の指を使って鍵盤を弾いていたトツ子がルイの曲では人さし指だけで弾いているの、山田監督なのか牛尾氏なのかのルイがそういうニューウェーブを愛好するような音楽オタクであるということの解像度が高過ぎてちょっとにやにやしてしまった。ライブシーンの音楽が映画館の音響ですごく良い感じに鳴るようになっていたのは牛尾氏の職人芸かな。
ミスチル特に好きじゃなくて、エンディング主題歌も事前に単品で聴いたときは良さが理解できずちょっと不安を覚えたのだけど、本編を観た後ではこの作品のエンディングに綺麗に収まっているように感じられたので良かった。映像は綺麗だし、メインのキャラクター達の声を声優が本職じゃない人たちが演じてるの、素朴だったり内気だったりするキャラクターと良く合っているように感じられたのも良かったし、また観返したいな。
ラブリーサマーちゃんが音楽担当なのたのしみにしてたけど、しっかりフィーチャーされてたのうれしかった。
公開時期と内容的に「きみの色」のB面なのではないかという気がするので「きみの色」を観てからまた観返したい。
前回までの解釈が結構間違ってたな。観返してみると作中ではっきりと描かれていたことと、そこから要素をつなぎ合わせて自分が読みたいように読み取ったことがずれてた気がする。
アバンとCパート、どちらの空想の海のシーンも海は実写を加工してたのかなと思ったけどどうだろう。アバンの方の海のシーンの綾瀬のモノローグは海にいた時の感覚を話しているのかと思ったら前回の朝食のシーンの綾瀬の心情に繋がったので、綾瀬の言葉は前回のミルクを飲んでいる時のことでありそう。映像が綾瀬の回想部分とはっきり分けられていたこと、綾瀬のモノローグで綾瀬が覚えている綾瀬母から海に誘われたのが中学生の時に一度だけなこと、から空想だと判断したけれど、いずれにせよ綾瀬の過去の思い残しが解消されたということではあるのでしょう。
プールのシーンの前半は綾瀬の回想の時の映像で描かれてたけど、いつの綾瀬が振り返っているのか。今回はプールの歩道橋?の底に水面の揺らめきが映っているのが浅村と合わせて描かれていたから、綾瀬の部屋の天井に映っていた時のと合わせてもしかしたら恋愛感情の暗喩なのかな。
直接的な恋愛に纏わるシーンの演出はベタな感じで急に過剰に濃い雰囲気になったように思えたけれど、終わりまで観たらまた違う感想になるかも。綾瀬が鍵を海に投げ捨てたところから浅村が飛び起きるシーンに繋ぐような編集はこれまで避けられてたように思うから、今回のこういう刺激の強さを今はうまく受け止められない。
バスに乗っているシーンがあったり綾瀬の髪がショートになったりはオープニングの映像を踏まえいるように感じたし、今の生活で綾瀬の傷が癒えていっているということがはっきりと描かれたけれど、ここからお話が動いて残り3話?でどうなるんだろう。綾瀬の笑顔と比べると浅村はまだ心に抱えるものがありそうに思える。
思うところが有り過ぎるので、8話までの内容についてのとりとめのない思いを一度ここに書き留めておきます。
今気づいたけどアスペクト比、画質が昔の映像みたくなってるのが綾瀬の回想、クレヨン?で塗ったみたいになってるのが浅村の回想なのか。オープニング含め綾瀬の回想が古い映像として再現されてるのは結構先の未来の綾瀬が振り返ってる設定なのかもしれない。
ここまでで浅村が綾瀬を好ましいと思うようになる要素ある?と思ったんだけど、綾瀬に毎日みそ汁を作ってほしいと言うシーンで実母と浅村が出来合いのお弁当を食べカップのみそ汁を飲む回想がものすごく暗く描かれていたから、綾瀬と綾瀬母が家族のために毎日食事を作ることが浅村にとって大事、そこから浅村も綾瀬のために出来ない料理を頑張ったということかな。
オープニングは現在の家族友人とのシーンが綾瀬の回想として描かれていて、存在しないふたりの過去が今の映像として表現されてる。幼少の浅村が先にバスを降りてる綾瀬を追いかけた後、現在の夜に戻って綾瀬が浅村を探してバスを降りてるの、お互いいなくなってるのに気づかないくらいぼんやりしていたということだから、バスの中で眠ってしまって夢を見ていたという線もあるのか。どちらがリードしてるかで幼少期と今の浅村と綾瀬の性格とか関係を描いてると思うと味わい深い。綾瀬の回想部分の最後に藤波が出てたのが謎なんだけど、黒髪ショートの髪型からして平穏に生きてこられた世界の綾瀬として観るのがたのしいかも。幼少の二人が駆けているのはコスモスの花畑に見えるけど、だとすると劇中が初夏〜夏なのとオープニングの季節が秋なのは関係あるんだろうか。
タイトルロゴの色が回ごとに変わっていってるて書いてる人がいたから気にして観返してみたけど、浅村・綾瀬家のダイニングに飾ってある花の色合いとロゴの配色を合わせてある気がしました。花が変わる周期に合わせてロゴの色も変わっているようだったのと、花が置かれていない回のうち第3回はオープニング映像なし。綾瀬親子が越してくる前からダイニングには花が置いてあり、3話で綾瀬が見つけたカセットのケースも花びらで装飾がしてあったので、浅村家の誰かが定期的に花を買うような人物であるということが何かしら大事な要素ぽく、そうすると花と対になる蝶がオープニングで横たわっている藤波に止まっていることの意味を考えてしまう。
とりあえずいきなり浅村にこの距離感の家族が出来てしまった読売"ぐぬぬ"栞先輩がかわいそう過ぎる…。浅村が落とした"栞"を拾い上げる存在として登場した藤波だけが希望だよ…。
あと劇伴担当のCITOCA氏の詳細は最後まで放送された後に出してくれるのでしょうか。
夏生は自分に心が有ったほうがうれしいみたいだから自分に心はあると思うと言う時のアトリの悲しそうな顔は設計の仕様上とアトリの自認の上では感情はないことになっているのに、夏生の期待に応えられない自分を悲しく思っているという点で実際には感情がある、ということなのかな。
自分がアトリのことを好きなのではないかという問いに動揺した夏生が自分を納得させたいあまりに目の前のアトリより空想に走ってしまい、それでもそんな夏生を受け止めようとするアトリと気持ちはすれ違ってるのに関係は進んでるの今後が不穏だな…。
作画ずっと安定して綺麗だけど3Dのカメラワークとか演出面があまり自分の好みと合ってないなと感じるシーンがこれまで多かったのだけど、ウィルがユリウスの分身を潰していくところは観ていて爽快でした。
あとエンディングで匂わされてたエルファリアのおちゃめなところがようやっと本編で観られてまんぞく。
前回から間が空いたにも関わらず若宮が猿を切り伏せるシーンがこれはちょっと…という感じだったので今後の制作に不安を覚える。こういう動きがあるシーン、これまではもう少ししっかりしていた印象だったのだけど。
冒頭の回想シーンのアスペクト比は昔の映像フォーマットを意識してたのかな。綾瀬にとってプールが大事なものであること、浅村がプールに行かないと言ったことの重さを無理なくさらっと匂わせていて、なぜ綾瀬の気持ちがここまでこじれているのかを表している冒頭が以降の展開の味わいを深めているの本当に巧い。この回では綾瀬母と浅村の会話と劇伴の重ね方、朝食のシーン、あと何回かあった水玉模様のガラス越しの光の描写がとても良かった。
一度浅村にプールを断られたところから綾瀬が自分の感情を持て余してるの、夜のご飯で作り置きを温めるだけ + 浅村が長々と言葉で説得しようとしたのがうまくいかなくて、朝に浅村が作ったご飯を食べるっていう言葉以外のことも含んだコミュニケーションでようやく綾瀬が気持ちを口に出来るっていう過程の描き方がとても丁寧だった。浅村がハムをトーストに乗せて食べちゃってるのを見て自分もやってみたら意外と美味しかったとかホットミルクを飲んだというのが綾瀬の気持ちを晴れさせるのを画と効果音で見せてくれたの本当に良かった。パンをかじる音とかパンにバターを塗る音とか食器とカトラリーが触れる音の細やかな音響も綺麗で心地良い。
綾瀬が浅村親子のカセットテープを持っているのはなぜなんだろう。カセットプレーヤーもヘッドフォンもこれまでの綾瀬の持ち物になかった気がするからテープとまとめて綾瀬母から借りたとかなのかな。カセットプレイヤーはWe Are Rewindのやつぽかったですね。Cパートは昔の映像なのにアスペクト比は本編と同じだったのは残っているのは音声だけで映像は今の綾瀬が想像したものだからかな。綾瀬が夜を眠れず過ごすシーンで机の上の浅村親子のカセットが描かれたあとに天井に水面のゆらめきが映っていたのは次回への伏線なのか。
家庭環境故に深い人間関係を結べなくなったふたりの回復の物語としてよくここまで安直な恋愛要素を持ち込まずに保たせてくれていてうれしい。いちばん親しい間柄の人間である母親とも十分な時間を持てなかった綾瀬の浅村に対する依存や執着を安易に恋愛にされてたらすごく気持ち悪く感じたと思う。
いけてない髪型といい言葉選びといい読売がお姉さんていうよりおっさん寄りなの本当に良い。登場時間が少なかった読売"なるほどのすけ"栞先輩を応援しています…。