ミュージカル映画の登場人物が突然歌い踊り出すことの違和感を、突拍子もない事をしかねないAIだからって設定でうまく納得させてもらえたの新鮮でした。
中年男性ふたりがどちらもただ嫌な性格として描かれていたことと、実験としてはわりとめちゃくちゃな結果に感じられたのに会長が無条件で全肯定してたっていうところはなんだか高齢男性だけ都合の良い奥行きのないキャラクター設定だな…と思ってしまって気になりましたが、全体としては素直に感動できて良かったです。
これまでなんとなく匂わせ的に見せられてきた設定が一気に明らかになって、それに対してルジュがあまり悩まずあっさりと態度を決めたように見えたことに不満を感じる…。この先う〜んていう展開にならないと良いけど…。
こういういろんな要素が掛け算になってすごい良かったって作品を見ると個別の項目について評価をつけたりどこかが良かったとか書き留めておいたりするの野暮だなって気持ちになる。書いておかないと忘れちゃって思い出せなくなるから書いておくけど…。
上坂すみれ氏の怪演が特にめちゃくちゃ良かったな…。ストーリーの最後だけそれなりに歳を取ってしまってから観るとあまり感情移入が出来なかったけど、青春群像劇として若い人が観たらまた違う感想になりそう。
ただ、音楽についてだけはメッセージ性の強い曲たちを笑いのネタとして消費していて、その点はすごく感じが悪かったと思います。