劇場版2作目の予告編を劇場で観て気になったので観てみました。中国のアニメは会話、演出、展開のテンポ全部がとにかく速くて着いて行けないものが多い気がして文化の違いを感じることが多いのだけど、この作品はそれを楽しんで観られる内容でとても良かったです。
3部作の真ん中なのでストーリーについての感想は3作目を観るまで控えようと思うのだけど、絵柄について大きく変えてきたなて感じた第1章よりTV寄りの雰囲気になっていた気がして、雨や夕方、夜のシーンが印象的だった内容に合っているように感じて良かったです
日常の所作や動作に大きめに動きをつけているシーンが多かったけど、それがいちいちぜんぶ可愛いかったのと、顔のクローズアップのシーンがどこも本当に魅力的でした。曲も元気が出るようなものが多かったしダンスもみんな良かった
第3章がたのしみになるような出来でうれしかったです
一度の鑑賞ではセリフの細部を覚え切れなくてぼんやりした感想ではあるのだけど、とても良かった
時間を数えながら観たわけではないので印象の話だけど、基本的には100メートルを距離的にも時間的にも短く感じさせるシーンが多かったように思います。浅草さんに請われてトガシが100メートルを走った後、スタート地点にいた浅草さんのつぶやきがトガシに聞こえているかのように演出されたり
高校での800mリレーが時間をかけてしっかりと描かれていたように感じたのは男子ふたりのブランク明けを意味していたのか、100メートルが特別であることの表現だったのかは一度観ただけだと整理がつかない
肉離れを理由に契約解除を宣告された後のトガシが小学生の前で泣き崩れるシーン、小学生の声がトガシと小宮の幼少期を演じた種﨑さんと悠木さんで、そのことを切っかけにトガシが昔の気持ちを思い出すの、マンガからアニメへの翻案として劇的で印象に残りました
おそらくはトガシの最後のレースになるという悲劇の予感を孕みながら結末を見せずに終わる最後も好きな感じ
トガシが選手契約の打ち切りを告げられるシーンでドリーズームが使われていて実写みたいだと思っていたら、エンドロールでロトスコープが使われていることがクレジットされていて、実写をアニメにする手法としてロトスコープはかなり好きかもしれないと思うなどしました
テロを描いて原子爆弾が爆発するところまで行く作品とか初めてだったのでその衝撃だけでも十分だけれど、映像も音楽も美しかった
直接的なモチーフ、引用は「太陽を盗んだ男」、Sigur Rósの1stアルバムもしくはその収録曲の「Von」、あとは停職になった刑事が独断で捜査を続行するてのはもしかしたらいくつか似た作品があるのかもだけど知ってる範囲だと「ブラック・レイン」
たぶん「LAZARUS」を観る前に観ておけたら良かった気がする内容でした。「LAZARUS」はアメリカの出資で「カウボーイビバップ」の次を担うような作品を目指したぽいのでそもそもの方向性が違いそうだけど、時勢の面でも元首相の襲撃ていう現実で暴力が行使された事件の後ではここまでテロリストやテロ行為を美しく描くことは許されなったのかもしれないなと…
Sigur Rósをモチーフにしていそうな菅野よう子さんの劇伴も素晴らしかった
CLAMP作品のアニメでこういう雰囲気のもの初めてだったので新鮮でした。坂本真綾さん出演で音楽が橋本一子さんて点ではラーゼフォンを、作品の雰囲気としては押井守監督の「天使のたまご」を思い出しました。これが「カードキャプターさくら」の劇場版と併映されてたと知ってびっくり。
バトルの作画が良いからユウグレの強さが分かりやすいわね
イチキシマとユウグレは同じ声ぽい?
アキラの傷が治ってたのも血液中の何かを使って治したのかな
毎回旅先でラブコメやるの!?
登場人物の安直な相互理解や関係の進展はないけれど、夢の世界を通じて繋がったことに確かな希望を感じるストーリーが短編の中で展開されることが印象的でした。
若手アニメーターの育成を目的としたプロジェクトの成果物でもあるので日常動作の作画を多めにしたそうなのだけど、そういう目的と結果として出来上がったものがうまく噛み合っているように感じられたのも良かったです。
生い茂った草木やほこりまみれの室内の作画どうやってるんだろう?普通に描いてたら大変そうだけど…
水質検査で放射線量を測定してるとちょっとびくっとしちゃうな。寝室で亡くなってた人の死因はなんだったんだろう
東京が真っ暗なのは災害の中心だから?
ゆりかもめを知らないの、いつからシェルター暮らしだったのかな。古い歌をたくさん知ってるのも気になるけど、これはアイリが教えてる可能性もあるのか
ヨーコが籠もってたシェルターはいろいろ行き届き過ぎに感じるしお姉ちゃん何者…?お姉ちゃんが死んじゃったからシェルターの封鎖が解かれたとかかな
現代の生活を回想してるのはアイリでそこにヨーコを空想で描き足してる?
少し先まで観てから観返すとトワサは倫理観を欠いたマッドサイエンティストみたいな感じが強くてアキラはそれを全肯定、父の一哉はトワサを少し心配をしているのかな
コールドスリープから目覚めてからの他人への思いやりが深いアキラを考えたらトワサの開発した技術で起こっている問題を無視してトワサを全肯定出来るようには思えないんだけど…一部の人達から見たトワサと未来でのOWELの存在はそんなに変わらなそう
AIアシスタントがトワサの心の機微を汲み取れなくてAIアシスタントをオフにするシーンがあるけど、民衆の意見は黙殺するのに自分の気持ちは汲んでもらいたいというのトワサに嫌な印象を受けてしまった…
AIアシスタントの名前は日本神話でスサノオの剣から生まれた宗像三女神からとのこと
エルシーはAIデバイスを人間に埋め込むLC計画から…2話めでLC計画がアンドロイド開発への布石てセリフが有った。トワサが自分と同じ顔のアウトサイドシリーズを作ったのは自分の不完全さを自覚して性格の異なる個体を複数作ったとかなんだろうか
トワサは漢字にすると永久さぽいのか。アキラが撃たれたのは東京?でハコダテでコールドスリープしてたの?
一般人は簡素な民族衣装でOWEL関係者とアンドロイドはしっかりした衣服を着てるけど経済格差なのか文化的なものなのか
エンディングで焚書にかけられる絵本のタイトルは本編に出てきた「こころのとり」、将来のアモルが描いた?ぽい絵本は「とくべつな血」
冒頭のアモルの泣き顔とか途中のユウグレとか顔のクローズアップが綺麗で良かった
ユウグレの行動原理・原則はロボット三原則なんかとは違いそうだけど、誰が決めたどういう内容なんだろ。今回はOWEL構成員の命を奪うことにならなかったのはアモルの眼の前だったから?それともアキラの行動原理に影響を受けてるの?
ユウグレがアモルの傷を治した時に使った「人類の体内のあるもの」もストーリーに関係するんだろうな…エンディングで将来のアモルが描いた絵本ぽい「とくべつな血」はこれの話?アモルのレトギアの刺青をユウグレが鳥に描き直したのは「こころのとり」と関係してる?
後半はポストアポカリプスSFラブコメだ。アオモリにイタリア系のマフィアが…
しかし前時代的なオカマキャラは余程の意味付けがないと制作陣のジェンダー観の欠如にしか見えないけど、そういう価値観も含めて退行してしまった世界を描いてるとかなのかな
捻くれずに真っ直ぐに生きようとか、自分の人生の責任は自分にしか取れないけど助けられることは助けるよとか、今生きてる人への優しさを感じるお話でした
ほとんどの登場人物がかっこ付けようとして格好が付いてないように見えるのだけど、それが実直な努力の過程なのだとしたら好ましく見えてくるね
エンディングで主人公にも鬱屈した過去があったことが暗示されて、それが主人公が人を助けようとする動機なのかなと感じたことも合わせて良い回でした