共に、孤独を生きていく。
人見知りの小説家・高代槙生は、
姉夫婦の葬式で両親を亡くした姪の田汲朝を、勢いで引き取ることになる。
思いがけずはじまった同居生活によって、それまで静かだった槙生の日常は一変。
他人と暮らすことに不慣れな性格のため、15歳の朝との生活に不安を感じていた。
一方、両親を亡くし居場所を見失った朝は、はじめて感じる孤独の中で、
母とはまるで違う“大人らしくない”槙生の生き方に触れていく。
人づきあいが苦手で孤独を好む槙生と、人懐っこく素直な性格の朝。
性格も価値観もまるで違う二人は、戸惑いながらも、ぎこちない共同生活を始めていく。
共に、孤独を生きていく二人の、手探りで始まる年の差同居譚。
恐れ入った。Netflixで見出しを見かけ、「1話だけ見てやるか」と軽い気持ちで再生したら、本当に面白くて一気に見終えてしまった。見て本当によかった。
この作品を世に送り出してくれた人がいるという、その事実だけで胸がいっぱいになる。国語の教科書に載っていそうな深みがあり、非常に道徳的でハートフルな作品だ。
何と言っても素晴らしいのが、会話の演技。引き込まれるような素晴らしい演技が続く中、最後のライブへと収束していく展開には、片時も目が離せなかった。本当によくやってくれた、と言いたい。
脚本も素晴らしく、全13話という長さがちょうどいい。何より、きれいに完結させている点もポイントが高い。
メッチャ面白かった!
ちゃんと見てないと内容を取りこぼしそうになったり、気楽な話ではないので見るのに精神力は必要だったから残っちゃったけど。
それがリアルな描写かどうかはわからないけど、人間に向き合ってる人間を描いてたのを見れたのが面白かった。
テンポよく成長していくのではなく、一歩ずつゆっくりと時間をかけて悩みながら進む話の展開が心地よかった。まきお(cv沢城みゆき)が良すぎた
すべてのシーンに味がある、素晴らしい作品でした。これもフリーレンと同じく、激情的な展開は無く、一歩一歩緩やかな坂を登っていくが、その一歩が毎回心に刺さるという作品。小説家が主人公の作品だからか、セリフがいちいち全部良い。日本語をすごく丁寧に扱っている。全部が良いからいちいち取り上げるのもあれなので、印象に残ったセリフを一つだけ。「人がいないと空気が困る。取り込まれるはずだった小さなタオル、返却するはずだった本、他人に触れられるはずのなかった下着」。死んで世界からいなくなったことをこのように表現することに、改めて言葉の奥深さを感じた。そんな言葉の良さは原作から完璧なアフレコで引き継ぎ、それにプラスして演出面でアニメならではの魅力も付加してくる。ノートの行間が砂漠になったり、学生時代の休み時間を大人の飲み会で重ねたり、お母さんの日記に何重にも意味を持たせたりと。
そんな単体シーンの良さのほかに、朝ちゃんの成長を軸にした全体的なストーリーにも奥深さを用意している。朝ちゃんの思春期の描写が本当に良かったな。突如与えられた自由に困惑する場面、パソコンを買っても、部活を選んでも何も言われない自由の使い方が最初は分からない。槇生ちゃんが保護者ではあるが、その場しのぎの優しさもくれないと気づいたとき、初めて両親の死を実感する。そんな思春期を通じて一歩一歩大人になっていく。違国に迷い込んだもの、迷い込まれたものが、互いの生活に触れ、家族ではないがかけがえのない人になっていく過程が、非常に心に刺さりました。最終回で大人になった姿を描いて、この先の物語を想像させてくれるのも良かった。
まだまだアニメでは触れられていない話がありそうなので(えみりの話とか、槇生とお姉ちゃんの話とか)、できれば2クールで観たかったなというのが唯一の欠点。全11巻だからね。まだまだあるでしょう。でも、おそらく端折りながらも1クールのアニメで綺麗にまとめてくれた脚本家さんにはあっぱれです。残りは原作で補完することにいたしましょう。実写版は140分の映画でやったらしいが、正気か…?
というわけで、大きな話の動きや、すごく感情を揺さぶってくるイベントを用意しなくとも、こう丁寧に積み重ねていくと、それだけでも心がゆすられるのだなと改めて実感しました。題材がリアル寄りだから、自分だったらこんな時どうなるんだろうと反芻してしまって、視聴中頭の中がぐるぐるしてしまうアニメでした。
最後に、やはり沢城みゆきさんはすごい。もう完璧でした。槇生を演じてくれるのにここまでふさわしい人はいないでしょう。沢城×諏訪部という声優界一エロいカップルを見れたのも個人的には最高でした。
朝が槙生と暮らし始めてからは特に大きな出来事もなく、日常の風景を描いているアニメでここまで面白いと思えるのは凄いなと思った。朝は最終話になっても槙生のこと全然理解できてなくて、異国というより異星の人間感がした。「他人のために何かをすることなんて、他人の心を動かせやしない」的なことを言っていたけれども、朝があんなに立派な人になったのは槙生が朝のことを第一に考えていたからだろうなあ。義母になろうという気がなさそうなのも槙生らしくて良かった。あと毎話毎話edの入りで、心が浄化されるような気持ちになったのが良かった。全然分からなかったけど、なんか幸せな気持ちがします。
傑作
(愛情も含め)自分が必要なものは誰かが与えてくれると信じている子供が(そう考えるのは甘えではなく子供として自然なことだが)、その「誰か」(親)を失い、自分が必要なものは自分で自分に与えるものだと学んでいる大人(槙生)に引き取られる。親に従う生き方しか知らない子供(朝)は、自立した生活を送る槙生を「自分とは違う国の玉座に座る女王」だと感じる。
女王ではあるが、槙生は相手を支配しない。「こうすべき」という正解を与えない。しかし子供である朝は「自分で選ぶ」とはどういうことかがまだ分からない。誰かに決めて欲しい気持ちを、相手の愛情が足りないせいだと取り違えたりする。
朝の親は槙生の姉であり、槙生に対し「こうすべき」を押しつけてくる存在だった。槙生はそのことにわだかまりがあるが、姉が育てた子供(朝)を通して今は亡き姉と和解する。
二人は親子となる。朝は失った親を悲しむ心の余裕を取り戻し、槙生は子供を持つという失った選択肢を取り戻す。ハッピーエンド。
原作漫画ファンとして、原作通り丁寧にアニメ化されているのを感じ、良かったです。
沢城みゆきさんのまきおちゃんの演技が、漫画を読んでいた時に僕が想像していた声の通りで素晴らしかったです。
またOPが朝が軽音部として歌った歌である、という設定が最終話に仕込まれいたのが、アニメっぽい演出で良かった。
他者の在り様の自分との異なり方を「違う国」と表し、それを否定せず、受け入れ(られるようになって)、共に在り続ける様を丁寧に描いていると思う。
小説家である槙生が、よく考えられた言葉を用いる様が印象に残る。
いいアニメ。
両親を突然事故でなくした主人公 田汲朝(CV:森風子)。小説家で色々デコボコのある気質の叔母、高代槙生(CV:沢城みゆき)と住むことになる、朝の視点と槙生の視点から、2人の世界の違いが描かれる。周りの影響を受けながら、少しづつ歩き出していく朝と、彼女に変な影響を与えたくないと悩む槙生もまた変わっていく姿を描いている。
原作既読。アニメで更に良さが増していた。ヤマシタトモコはBLでも有名だが、繊細な感情の機微を描くのが本当にうまい。お互いに話が分からない、通じない「異国」感を砂漠のシーンとして描いているが、アニメでも良い描写になっている。
軽音部の新歓ストリートライブで歌う朝が眩しい。新人の森風子の歌が良かった。原作ではライブシーンはさらっと描かれるが、アニメではしっかり歌っているところを描く演出で、情感があってよかった。
原作7巻(11巻完結)がアニメでは最終話。その先の原作のシーンも少し入る感じ。12話だとやはりこのあたりまでということで、ゆっくり2クールで描いてほしい作品ではあったが、それでもアニメ化されてよかった作品だった。