ミータリオで『灯』に求められるはクラウスを頼らない形での諜報活動。実力は足りないのだから当然、敵に気付かれてはいけない。
個々に活動しているからクラウス襲撃のような連携は取れない
だからこそ足りない部分を補う必要があって。それが早くも見える回だったね
今回、メインとなったのはモニカか
『灯』の中では実力が頭一つ抜けている彼女を追い込む大学生
簡単に最高得点を採るモニカは凄いが、同じように最高得点を採り続けるミランダも凄い
突然訪れた極限の闘争はモニカを追い詰める。でも的に刺さった結果だけが全てとなるなら過程は問われない
その意味ではミランダが努力を振りかざし、モニカに勝とうとしたのが間違いと言えるのかな
モニカの悔しさなんて的には反映されない。同様にミランダの努力とて反映されない。だからモニカのイカサマやサラの反則がまかり通るわけだ
モニカだけでなく日常に紛れた相手がジビアを襲ってくる。誰がどのタイミングで襲ってくるか判らない敵。ラストシーン含め、これが紫蟻の力なのかと感服する
だからこそ、真っ当に働き蟻に追い詰められるスパイ少女達を他所に警察に捕まってしまうリリィが面白すぎるよ(笑)
アナスタシアという人の手を介しサリフィによって届けられた魔族の親書、それはとても象徴的な出来事
また、サリフィが王の前で語った魔族の普遍性、そして人の王に見出したレオとの共通項
これらを踏まえれば、人と魔族は大きく変わらないから手を取り合えるのかもしれない。サリフィの功績によって人と魔族が結び合う未来が少し見えたような気がするよ
人から魔女と排斥されていたアナスタシアは原因であるルーツを探っていたのに、今では自分を受け止めるオセロットによって正体に悩む愚かさを知った
彼女を通してレオのルーツは知れなかったけど、他方でレオが目指すべき心構えを教えてくれるもの
かといって、レオだけに構えさせるものではないから、サリフィは彼の隣に立つ為に努力するわけだ
その決意を新たにしたタイミングであのような陰謀が起きるとは…
人との和平交渉、サリフィの王妃認定。人が魔族に、レオの本当の姿が魔族に受け容れられる余地が生まれそうな、様々が明るい方へ向かっていた裏で王の正体を暴こうとするセトの暗躍
レオが王として立つバルコニーがまるで処刑台かのように様変わりしたラスト、これまではサリフィに与えられてきた試練がレオに投げつけられた形となったね…
セシリアとギーゼルベルトによって語られる「聖女とは何か」は聖女がどれだけ尊い存在であるかを補填するもの
踏まえるとセシリアを聖女呼びするローレンは正しいように思うけど、一方で彼は彼女個人を見ていると言う
特別な聖女と普通の少女、改めて彼女をどう扱うべきかが問われた回だね
ギーゼルベルト達が語る聖女や加護はセシリアが常人と異なる存在であると告げている
他方でカミラを前にして恋バナに花を咲かせる様子は普通の女の子といった処
そもそもあの街に居たフレデリカが聖女として扱われ過ぎ悲劇を迎えた件を思えば、セシリアを聖女として扱い過ぎない方が正しいのだろうね。まあ、その為にはローレンの鈍感さをどうにかしないといけないのだけど
セシリアを普通の女の子として扱うなら想い人のローレンだけが居れば良いという訳ではなくて
本来なら此処でお別れのヘーゼリッタが再びセシリアと共に過ごせるように手を回していたのは彼女が既にセシリアの友達だから
そう考えるとセシリアは本当に周囲から愛されていると感じられるね
螢多朗達だけでなく、視聴者にも恐怖を振り撒く悪霊はヤバい存在という他ない。だからこそ圧倒できる夜宵という異常な少女の活躍に魅せられる
特に彼女の場合、悪霊の心理を読んだ上で行動しているという点が何よりも強みとなっているね
脳幹を弄って霊を従わせる悪霊なんて異常そのもの。でも観察すれば強くないと知れる。また、被害者から見える傾向は性格のヒントとなる
正しく考察すれば悪霊は恐ろしくない。夜宵はそれが出来たから悪霊を捕らえられたわけで、螢多朗も察したから協力できたわけだ
夜宵が仕掛けた罠は霊の性質を理解していないと仕掛けられないもの。この点からも彼女が普通の枠から大きく外れた人間と判るね
そんな夜宵の前に立ち塞がるは霊と全く異なる神様。愛依を守る為に異常な神様に異常な夜宵がどこまで立ち向かえるか見ものだよ
今回は一挙に幾つもの境界線が登場したな…
ルディ以外に日本を知るナナホシが登場した事で物語は大きな転機を迎え境界を越えたと言える。でも、この事実は現世と前世の境界を意識させるもの
同時、そのルディを前にする事はフィッツに彼との境界も感じさせてしまうわけか…
ナナホシ登場時の境界線を踏み越えたと感じさせる激しい切り替えは凄まじいが、それだけに静かに切り替わる気絶後の遣り取りもインパクト充分
あの世界では目にする筈がない文字、聞く筈のない言語。境界を越えて別世界からやって来たナナホシの存在は逆にルディ自身が境界を越えて来た異物と突き付ける
ナナホシが語る転移者の物語、元の世界に戻ろうとする渇望。それらはルディの知らないものばかり
ルディが現世における事件を調べる上で前進する手掛かりとなるけど、一方で彼女が求める前世への後進は望まない
ルディとナナホシの間に境界線が有ると判るし、またルディ自身が前世に対して境界線を引いていると判る
物語としては大きく動いたが、接しながらフィッツは理解できなかった
転移事件について怒りを迸らせてもそれは無理解の証となりルディと協調できない
少し前まではルディと特別な関係に成れそうだったのにナナホシの登場で境界線が引かれた。彼女の遣り場のない気持ちはここからどうすれば良いのだろうね?
宮村は柳と違う方向で人から好かれる人間となったけど、宮村を好む人間が堀に始まり渡部や堀父など厄介な人間ばかりというのはどういう巡り合わせやら
堀家は理解できるけど、渡部は宮村を好む理由が判然としない点が余計にキモさに拍車をかけているね(笑)
宮村に纏わりつく痕跡から浮気を疑う堀。宮村の男友達の匂いを把握しているのは厄介過ぎる癖だけど、つまりは好きな人なら実体だけでなく匂いまで好きとの感覚かな
その点では宮村が浮気対策に自分の男友達の匂いを覚えるのは意味が無いし、渡部が実物より写真や声を収集しているのは結局は触れられない間柄だから
宮村と堀のマジ喧嘩、原因は忘れる程に些細なのに意地になって仲直り出来ない
これはこれで恋人のイチャコラと捉えられるけど、下手に放置すれば破局に繋がるのも事実
堀が突如持ち出した「嫌いになったんでしょ」なんて暴論、宮村からの返しが少ないから思い込んでしまう罠
だから堀と和解する為には、宮村だって堀を厄介な程好きだと伝える事が必要
仲直り後には再び宮村に纏わりつく痕跡に舞い戻った堀だけど、そこに宮村が返したのは驚きの行為
色々有ったけど、やはりこの二人は互いをきちんと好き合っている厄介なカップルだと思えるよ
バレンタインとホワイトデーという甘いイベントを描いた後に始まるのは苦々しい恋物語
チョコやケーキに関し美味しさを求めるなら既製品を買えば良い。でも美味しさ以外を伝えたいなら手作りの品となる
それは恋においても似たようなものだったと言えるのかな?
リサが須藤に渡したケーキは失敗したが一纏まりのストーリーとして評価された。それはロボが作ったものなら叶わないもの
でもそれは手作りと話していたから通じる話で。須藤のお返しは美味でも手作りと知られないから美味しさ以外は伝わらない
でも須藤はそれで良かったようで
リサに店のケーキを奢ったレオンは気持ちを伝える気が無かったのだろうね。けど気持ちが存在しないわけじゃないから、押し殺すしか無い
恋を向ける相手が「友達」を求めるなら、面倒さ等を楽しむ余地も無いなら、生の気持ちを消すしか無いか…
その発想は手作り感のないロボット的なもの
レオンの「手作り」に相当するのはきっと須藤新医院に来院した点かな
施術を行うなら他の医者でも出来る。リサとの接触を回避せず来院したのは施術以外に伝えたいものが有ったから
リサはレオンの気持ちに応えられはしない。それでもリサに伝わったレオンの生の気持ちがレオンの選択を変えたのかな……
手札が相手に筒抜け且つ包囲された状況では普段守れる者も守るのが難しくなる
限界の状況でも守りたい者は何か、その為に何が出来るか?
何もかもが極限だからこそ、それらが際立ってくる印象を覚えるEPだったね
美羽に行われたセレノアの精神攻撃は彼女の安息を利用するもの。守りたい者、守られたかった人
それはまさしく卑怯な手段。総士が言うように怒るべき状況
そして怒りは奪おうとする敵への最大の抵抗手段に成り得る
限界を迎えようとしていた零央と美三香は二人で居られる自分達を守る為に生を諦めようとした。それを許さないのが総士だね。というより彼はずっと怒っていた
その怒りは零央達を取り戻し、更なるザルヴァートル化すら呼び起こすのか
守れたけど守れなかった者、対してこれから守れるだろう者。全てに納得できるわけでないからそれにも怒りは覚える
でも怒りなんていつまで続けて良いわけではないから、怒りを解いての赦し合いも必要になってくるわけで
絶望や犠牲は有っても次の段階へ進む面々。これがマリスへの逆襲になると良いのだけど…
ミータリオ編開幕のEPはこれまで着実に培った努力や成長が表出した形に
クラウスから任務の一翼を任されるようになり、直前の襲撃でもクラウスを降参一歩手前まで追い込んだ。だからこそ目立つのはティアの不足か…
再びズレを強調するクラウス
チームのズレが個性として機能しているなら確かに問題ない。けど、それが特定個人の不調に拠るものなら別問題
ティアの認識は後者に近いのかな。ローランド、クラウス襲撃と自信喪失させる出来事が続いた事で彼女の火は消えかけている
そんな状態だから新天地での夢も展望も抱けない。他者の活躍ばかり目に入り、自分の停滞を意識してしまう
不調のティアが対峙する事に成った自分に敗北感を味合わせたローランドとの接触。ここに彼女の抱える甘さやヒーロー願望はどう活きるのかな?
悲劇の聖女フレデリカと接していたギーゼルベルトの関係は想いのベクトルが似通っている点からセシリアとローレンの関係を想起してしまうもの
他の部分は大いに異なっている2組を比較する事でそれぞれが何を今でも大切に思っているかが見えてくるような…
セシリアとローレンは異なる土地でも平常運転に戻ったよう
名前呼びは一時的なものに限定され、代わりにアクセサリーの贈り物。少し近づいても決定的な一歩には成らず
でも、変化の薄い穏やかな関係が二人にとって大切な日々であり失われないものなのだと判る
それはギーゼルベルト達とは全く異なるもの
フレデリカとギーゼルベルトの交流は限定されたもの。恋を思わせる雰囲気はあっても、それ以上を望めるようなものでは無かったのかな
だから変化は二人に制御出来ない方向からやってきて仲を引き裂いたわけだ。それはギーゼルベルトやヘーゼリッタにとって喪失以外の何物でもなかったから今でも悔いとして残っていたと
後悔を変えるのは類似関係のセシリア達。ローレンはギーゼルベルトの、セシリアはフレデリカの想いの残滓を指摘出来る
今でも幸せの渦中に居るセシリア達がかつて幸せの中に居たフレデリカ達の想いの尊さを思い起こさせる
悲劇が残る街にセシリア達が訪れた価値が見えるEPとなったね
これまで魔族の国にて異物として扱われてきたサリフィが今度は人の国にて異物として扱われる不可思議な構図
人の国でサリフィは魔族と繋がりある怪しい者として扱われる。それは理不尽故に同じように理不尽な扱いを受ける魔女と関わる土台となるわけだ
先祖の過ち、魔族文字の理解。それだけを以って魔女扱いされるアナスタシアは人の異物。かつてのサリフィと待遇は似ているものの、サリフィが彼女と関わろうとする動機そのものはレオに関する理由ともっと単純な理由が重なっている
それで居ながら、他者と関わる際に正しく相手を知った上で関わろうとするサリフィの姿勢は好印象を抱かせるもの
それはアナスタシアにとってかつての友人と重なるものだったのかな?
その時は開けなかった心を代わりに開くかのようにサリフィへの態度を変えたのは代償行為のようだけど、これによって二人は異物同士を理由として和解する訳じゃなくなる
サリフィは人の国で思わぬ繋がりを手にしたわけだ
思わぬ繋がりはレオに通じるもの。人の国で見つけたレオのルーツ、また魔族の国では法官セトが王の正体について疑念を呈す
レオとサリフィが別々の場所にいるタイミングで出現した魔族王レオの存在が揺らぎかねない事実。本作がクライマックスに近づいているのだと感じさせるよ
魔法大学編に入ってから人と人との繋がりが広がる様を描いたEPが続いているね。今回の話はそれを深掘りするものになっているんだけど、「どうしてそうなった?」と突っ込みたくなる流ればかりだからどう解釈していいやら困るな…(笑)
その意味では未来はどうなるか判らないを如実に現しているよ
エリナリーゼの本性を知らないまま淡い恋心を抱くクリフという時点で突っ込み処しか無いんだけど、無謀に過ぎる告白が成功するなんて意味不明だ(笑)
いや、クリフは恋心が叶いエリナリーゼは愛しい人に出会えたのだから良い筈なのだけど、流れが滅茶苦茶過ぎて納得できない……
「どうしてそうなった?」PartⅡ、リニア達の代わりに決闘を受ける流れにどうして魔王が介在するの……?
意味不明にも程が有るけど、これまでも流れを無視した出会いを幾つも経てきたルディなら逆に日常茶飯かもと思えてしまう
ルディには他者に理解できない運命が有るのかも
こういった経緯や流れに沿わない出会いがルディを襲うなら、今の関係を続ければ未来は安泰だなんて言える筈がない
フィッツはルディと再会してから色々な表情を見せてくれるようになったけど、そろそろ正体を明かして進展させないと何処の誰とも知れない人にルディを奪われてしまうんじゃないかなぁ…
なんて濃密な人間ドラマ……
戦いを生き残れた者が単純に幸福と成れないのは戦時下の苦しみか…
大切な存在が喪われた現実が生きている者を苛む。また、敵の攻撃が読めないというあやふやさも島の者達を追い詰めているね
絶望的な状況で総士が示した希望は良いね
偽りの平和の中で彼が学んだ料理は現実に繋がる美味しさ。また、その美味しさが総士にとって遠見家と真の和解を得る機会ともなっている
喪われたものはあれど、得たものだってきっと在る
マリスが突き付けるのは喪失による恨み。だから彼を前にすれば島の者達も喪失の恨みに囚われてしまう
それはルヴィが言うように試練が形を持った代物
でも、史彦達は恨みに囚われないだけであって、犠牲の否定まで至ってない点は哀しい…
新たな犠牲を前提とした第二次L計画を踏まえ、征く者と残される者の対話が本当に辛い…
どちらの立場であろうと別の立場になった者と永久の分かれとなる可能性がある。それでもどちらかを生かす為に分かれなければならない
辛い決断、なのにマリスが齎すのは地獄だなんて…
《忘我》編終盤でアネットの特異性は充分に示されているが、今回はアルバイトという普通の生活を人としてネジが外れているアネットが問題なく満足に出来る描写を挟んでからのラストだったため、《忘我》編とは違ったインパクトが有ったね
裏向きは潜入任務でも表向きは接客バイト、『灯』の少女達はアネットにバイトなんて出来る訳がないと心配する。なのに誰より素敵にこなしていたら、そりゃ心はアポーになる(笑)
アネットに出来る訳が無いという思い込み。それが余計にショックを与えるわけだ
下品なスラングに余計な意味を見出させず、思い込みの裏をつく大麻取引の仕組みと似ている
更に言えば、アネットが発信機を付けたのもそれが犯人だと思うのが普通で、「ムカついたから」なんて思い込みの裏をつく所業
下手な思い込みが相手の正体を判らなくさせる
アネットに関しては思い込む時点で既に間違っているのはオチを見れば明白
クラウスにプレゼントなんてそりゃ純な気持ちを期待する方が間違っている
だとしても、他者の成長を削り取ろうとするのはガチで人として間違っているんだけども(笑)
凱旋の儀にレオはサリフィを妃候補として出したいけど、民衆はそれを望まない
異なる立場に居て折り合えない両岸を繋ぐ者こそサリフィになるというのは良いね
人間でありながら魔族の国に居て魔族の王に嫁ぐ。そんな特殊な立場のサリフィだからこそ出来る事がある
アヌビスやサリフィの意に反してサリフィを衆人の目に触れさせたいレオ
それは誰よりサリフィを優先してしまう「私」。これに対しサリフィが優先させたのは民衆という「公」。また王と王妃という「公」を意識させる事で自分達の目指す関係性も思い出させる
サリフィは対立するレオの心の落とし所を見つけている
レオは生贄を「私」として生かしてきた。が、「公」の王だから制度は無くせないし生贄の幸せまで保証出来ない
その対立する行為の源泉にあるのは自分の出生か…。愛に拠って生まれてきた確証を持てない相容れない血脈
これに対し出生ではなく現在を見て誰かに望まれていると言えるサリフィはレオに強さを与えてくれる
レオが考える制度改革、確執を知らない世代が増える時代を見越して、またサリフィが認められる為の土台作り
重臣が反対する人間との交渉。その手始めがアヌビスとサリフィの対話か
「公」の立場に居るアヌビスは人間だから通じないと主張するけど、サリフィはそこに「私」を見る。自分を嫌っているから対話しないと反論する
サリフィの行動原理となるのはレオの為になる行動がしたいとの「私」、それはアヌビスにも通じる懸橋
これにてサリフィは懸橋と成れると証明された。その補助を魔族でも人間でも無いベンヌが当たるのは象徴的
レオはサリフィへの懸念に「私」を見て「私」を返す。二人の信頼がいつか「公」に繋がれば良いなと願うEPだったよ
教会を飛び出して話を展開という意味では5話と似ているけど、今回はセシリアが知らないローレンの一面を知る者達との交流がメインという点では、セシリアが聖女ではなく一人の少女として人々と触れる中で二人の仲を異なる角度で意識させるEPになったと言えるのかな?
外見を取り繕ってもエリックにはただの迷子として認識されたように、Aパートのセシリアは聖女らしくないから今回のセシリアとローレンは聖女と牧師としての印象が薄まる
ローレンがセシリアに隠し事をするとしても、それは聖女が理由と成らず恥ずかしさが理由となるように。また、嫌われたくないなんて個人的な理由を意識してしまうように
異なる街へ行けばセシリアはより聖女らしさを失う。特にローレンが同期や恩師に会って少し学生みたくなった事もあり尚更
恋人かと疑われるように普段なら詰められない距離を詰めるチャンス
だとしたらセシリアの名前をローレンが普通に呼べるかどうかが鍵になるのだろうけど、聖女の悲劇が残る街は普段とは異なる距離の二人にどのような影響を与えるのかな?
サブタイに偽りなしとは恐れ入った。しかも攫うのはルディ側なのか…
治療は進まなくても、ジュリを加えた人間関係は穏やかで人形制作も上々な雰囲気。が、そこに存在した一つの瑕疵
アレを御神体とするルディにとって絶対的に許せないロキシーへの冒涜。逆鱗に触れたリニア達が哀れ…
魔法大学に入学したばかりのルディは侮られようと既に歴戦の勇士。眼力でザノバを怯えさせるし、リニア達を圧倒する
しかし、圧倒するのは何も力だけではない。その代表が信仰心。好意的解釈不可能な狂信はあらゆる良心を圧倒する
でも、それって人としてアウトな気が…
それをフィッツに普通に相談してる点はもうアウトの重ね塗りといった印象。けど彼女的に監禁はアウトでも報復はOKなんだ…
フィッツの報復案は実害はほぼ無い代わりに心理的に少々の恐怖心を与えるもの
狂信によりリニア達が受けた恐怖をイイ感じに中和するものになったような
フィッツは変わらず正体を明かさないがモノローグが示すように心の中はルディで一杯なわけで
アリエルとの約束を破って見せそうになった素顔。全てが変わっていたかもしれない瞬間
今は勇気がなくて見せられなくても、関係が変わった後の自分達を想像できるなら可能性は無ではない。そこに期待してしまうね
みんな大好き柳くんな回
彼そのものは目が悪い、同級生に敬語、イケメンと過度なキャラ付けがされているわけではないけど、柔らかな物腰が人を惹き付ける
また、多くを惹き付けるからこそ他者に自分こそ一番になりたいと思わせるのかも
でも皆から好かれてばかりだと当人は壁を感じてしまう事もあるのかな。それが敬語に繋がってしまったり
その意味では寒いバス停に佇んでいた際、絡みつつも温もりを与えてくれたレミ達って実は「友達」という言葉以上に柳にとって尊い存在だったのではないかと思えるよ
でもやはり敬語というのは彼と更に仲良くなりたいと思う者にとって距離を感じるもので
柳と仲良くなりたいが余り迷走する仙石は哀れ。でも、そんな彼をも肯定するから柳はもっと好かれるわけだ
ただ、あの流れでオチが「宮村は仙石は仲が良い」になってしまう点にはやっぱり仙石の迷走を感じてしまうよ(笑)
ヒトの尊厳や権利とは何に依拠するのかと悩ませるEP
適正な医療を受け快復を目指す権利も購入物品の不備を訴える権利もどちらもヒトが有するもの
そこにヒューマノイドという人間に似た存在が混じる事で権利どころか人間性すらあやふやになる構図には恐ろしさを感じるね
事故により以前と異なる性格となった老人。真っ当な治療を受けさせるのは当然の権利でそれを防ぐのは権利妨害に思えてしまう
ただ、権利ばかりに主眼を置いてしまうと掛居のように患者家族を無視してしまう。だから掛居は患者家族が治療を受けさせたくない理由を勝手な思い込みで誤解してしまった
勿論、家族に暴力を振るうからと言って治療を受けさせないのは違う話だけど、老人が快復した為に家族の尊厳が抑圧される日々が復活してしまった
事故が暴力部を欠けさせたのに治療により元通り。データ復旧が可能なヒューマノイドだからこそ発生する問題だろうか…
カスタマーサービスをヒトと思わぬ顧客の暴言。なのにヒューマノイドは人間でないと更に貶す。正論が存在せず人間性も欠如した遣り取りは佐倉ヒューマノイドであっても追い込まれる
一方で彼はプロ意識も持っているね。だから謝罪のプロに任せるとなれば否定的になる
謝罪屋の対応は人間性が欠如しているからクレームを解消できる。クレーマーがサービスに人権を見出さないから実行できる人権無視の対応
でもこれはクレームを有耶無耶にしたのであって顧客の満足を得られた訳では無い
ヒトの尊厳や権利を尊重する遣り取りとはどのようなものか。誰も正しい答えを持たないからこそ、もやもやした感覚ばかりが残ってしまう…
島の襲撃というどう転んでも悲劇しか生まない事態。幾ら倒しても減らない敵や知り合いの顔をする敵など絶望感も半端ない
それでもファフナーを駆る少年少女達に引く事は許されず
だからこそ一騎が示した局面を一変させる力に感動してしまう
滅ぼすか滅ぼされるかの関係。その痛みは時に喪失に繋がるから、失わなずに帰れた時だけ言える「お帰り」や「ただいま」に安心を覚える。総士もそれを欲するようになる
が、真矢は喪失せずに帰還したのに失っていた。その嘆きはどんな力を持ってしても止められない点があまりに悲痛……
第二期で出番は多くてもヘマも多いティア。彼女の面目躍如となるEPであると同時にグレーテ以外からはあまり感じられない恋愛について触れたEPでもあるね
『灯』の中で最も引っ込み思案で恋愛に疎く見えるサラに訪れた罠。これを単純な復讐劇とせず、サラに自信を掴ませる過程としたのは工夫在る構成
当初、ティアが仕立てた衣装は過度に背伸びをさせずそのままの魅力重視。今のサラでもすぐに恋愛志向に成るのではないかと思えるもの
でも実態は恋愛詐欺。恋愛に未熟なサラだから騙せると踏んだ卑劣な罠
このままでは引っ掛かったサラが悪かったという話になってしまう
次にティアが仕立てたのはサラに背伸びをさせ、他者を魅了する姿。それは今の姿で無くても未来の姿かもしれない恋模様
詐欺師を恋愛詐欺に掛ける逆襲は恋愛に自信を持てずに居たサラの認識を変えるもの
また、クラウスに拠るフォローも良かったね
『灯』の少女達は恋愛志向に変わったわけではない
それでもサラの未来の恋心が守れた事は確実。その点に関しては恋愛マスターたるティアの実力が披露されたと言えるのかな
…だからこそ、グレーテの恋愛指南においてはポンコツになるギャップが今回の成果を台無しにしているのが勿体ない(笑)
失ったもの、取り戻したいもの、それは何だったのか問われるレオとフェンリルの決闘。それはきっと己を振り絞る中でしか見つけられないものだから、対等な条件で死力を尽くし邪魔を入れずに闘う
王位という立場を求め始まった筈の決闘は単純で原始的な願望へと集約したような
優位な立場を捨て対等にレオと闘うフェンリル。それは誇りだとかレオに屈辱を味合わせたい等ではなく、失ったものを取り戻す為か
かつての自分は対等な力比べで負けた。その時に失ったものを取り戻そうとするなら有利な立場で勝っても意味はない
この段に来て、フェンリルは取り戻す事と勝つ事が同じ意味を持つようになる
だから強さを否定する弱い王様であるレオは一度は負けそうになる
その彼に力を与えるのはやはりサリフィだね。彼が失いたくないもの、取り戻したいもの。その頂上に有るのはサリフィ
愛する者の為に立ち上がるレオの覚悟は誰にでもある原始的な闘争本能。それは復讐に生涯を捧げたフェンリルに匹敵するもの
そして、最期に己の命を与えたフェンリルの意図を考えると…
奪われた為に何も持たなかったフェンリルとニル。けれど、それでも二人が二人として生きてきたなら持ち続けた何かは有る筈で
国の王には成れなかったフェンリル。それでも最初から最期までニルの王様である点は決して変わらない事実だったんだろうなぁ……
聖女と牧師が働くレストランって何……
兎も角あのレストランは店員が一人だから忙しそうに見えた。でもそこに一人二人と加われば幸福度が上がる。人も集まる
今回はそういう趣旨のEPだったのかな
セシリアとへーゼリッタの女子会
ヘーゼリッタは独り哀しく死んだ聖女しか知らなかったからセシリアにはローレンと結ばれ一人で無くなって欲しいと願う
でも人に囲まれたセシリアは既に幸福なわけで。むしろヘーゼリッタの幸福を探るのは聖女ならでは
視える為に孤独だったアベルに声を掛けたのは彼が関わりたくなかったローレン。彼はアベルの力なんて知らなかったのに、関わるべきはアベルと確信していた
そこにあるのはアベルは嫌い、ローレンは気にしない見えない何か。それが二人を悪友として今も繋いでいるのだから面白い。お陰でアベルとローレンも幸せそう
「無言のフィッツ」から乙女成分が溢れ過ぎてて、いつルディは気付くんだ?って気持ちになってしまうね
シルフィとは異なるフィッツとの触れ合い方。ルディからは異性と認識されないが故に機能不全問題とは関係ないと思える相手との交流。それがどう変化するのか見守りたいね
ルディが「先輩」と呼び慕うフィッツ。彼女の言葉は視聴者的にヒントに満ちているからこそルディを鈍いと感じてしまう
でもルディの病が急に治せるものではない点を思えば、あのようにゆっくりとした穏やかな交流がきっと何らかの解決へ導くのだろうと思えるね
今は少し異なる道の二人、それが合流する日が待ち遠しい
ストーリー的に脇道に思える人形制作、でもストレートな遣り方だけが問題解決に繋がるとは限らない
例えば人形を魔術でも手先でも作れないザノバには修行よりも奴隷を使った方が良いように
異なるアプローチが問題解決に繋がる場合もある
だとしたら人形制作くらいにしか関係なさそうな奴隷購入も、ジュリエットとの出逢いとしてまた異なる問題の解決へ繋がっていくのではないかと思える。
同時に、フィッツやザノバとの交流も別の何かに繋がっていくのではないかと期待してしまうね
霊障を身に宿す螢多朗は霊に囚われた人間だから、これ以上危険な目に遭うとか身近な人を危険に晒す事を厭う
でも、悪霊に囚われた詠子を助ける為に奔走した今回、囚われの状態から抜け出す必然性に気付けたのだろうね。…それが真逆の結果を呼び込んでいるのは不幸としか言えないけど
これまでは自分の為に自分や詠子を守りたいという意思だったろうけど、詠子が螢多朗を求めるなら、詠子の為に自分や彼女を守るという意思へ変化する
それは螢多朗にとってオカルトとの向き合い方を変えるものであり、同時に社会復帰とは何か?の答えを彼に授けるものになっているね
…だというのに、螢多朗が大切な女性の為に出した答えが詠子によって誘導された答えというのが本当にもう……
螢多朗は呪いに打ち克つ為にオカルトを学び勝つ必要が有るけど、もう少しだけでも詠子の闇を知っておいた方が良いんじゃないかなぁ(笑)