描かれるダキニの絶望と希望と絶望。そこにリシュという新たな希望が訪れる展開に本来はじ~んと来るものがあるだろうに、しょうもないギャグとエロが全力で襲いかかってくるものだから、どういう感情で見れば良いか判らなくなる(笑)
物を丁寧に扱ったり、裁縫をするのは好き。けど、他人の領域にまで踏み込むことには恐れを抱く。
千枝は丁寧で優しい子なのだと冒頭からすぐに判る。けど、それと同じくらい引っ込み思案な性格も見えてくるね
だからこそ、行動実現力が段違いなつかさとの相性が逆に良いのだろうけど
手が届きそうな対象にどう思うかは人それぞれ
例えばPが同期グループの躍進に焦るのは自分達も手が届く領域だと思うから
小春がつかさを「キラキラで王女様みたい」と喩えるのに対し、千枝は「大人のお姉さん」。相手との距離感の違いを示しているのかな
つかさが高校生ながら社長と知り、更に届かない存在と思ったようにも思える
他のシーンでもつかさには圧倒されつつ、同年代のみりあと小春に釣られて頑張る辺り、遠い存在より身近な存在の方が同調しやすいタイプなのだと感じられるね
でも、変わらずつかさの服には距離を感じていた
変わるのはつかさやPの緊張を知ってからかな?遠いように思える存在でも自分と同じく緊張しつつ、それでも困難に立ち向かっている。その同調が千枝が踏み出す力となったのかな
逆に千枝が頑張れば、その頑張りは同調する皆にも通じる。手直しされたドレスは千枝の努力の証だけど、結果のステージは皆で作り上げたもの
届かないと思われた憧れと一緒に仕事をして、ドレスにも自ら手を伸ばした
踏み出した先で届いた輝きは千枝達に素晴らしい輝きと自信を手にさせるものになったね
動かない体でも眼の前の小鉄を救わなければならない。究極の情けを求められる局面だからこそ、かつて自分が包まれていた情けを思い出せたのかな
記憶も人情も無であるように思われた無一郎。そんな彼が何も無いの「無」ではないと知れるEPにほろり…
手厳しい有一郎の言動、でも環境を考えれば彼が一杯一杯になるのは当たり前
同日に両親を亡くし幼い双子だけで生きていく。心の余裕、豊かさを持ち続ける方が難しい日常。むしろその環境でも他人への情けを捨てず、夢すら抱ける無一郎の方が特殊だったのかも知れない
その後、無一郎は一人で鬼を倒すという別の特殊性も見せた。でも、だからって有一郎が凡夫だったかと言えば、それも違う気がする
咄嗟に鬼から無一郎を庇い、命を失う間際には弟の無事を願っていた
それは誰にでも出来るわけではない情け
無一郎は無限の情けに包まれていた。それは無一郎が与えたものも有るし、与えられたものも有る。全ての情けは無一郎へと返ってくる
そうして覚醒し情けを取り戻した彼が見せた一閃は痺れるような美しさでしたよ!
懺悔室からペディキュア塗りとマルタンの境遇は情けなさ過ぎて最早ギャグ。けど、そこまで落ちて己の不出来を認められなければ選べない進み方も有るのかもしれない
ベストな道はベストな自分で進むしか無い。ベターな道なら弱い自分でも進める
今回のミオリネは終始緊張してる。それは総裁を目指す中で少しでも弱い所を見せたら負けに繋がるから。だからベストな自分でベストコースしか進めない
でも一度自分の弱さを認めたグエルは別だね。ベストな交渉よりも自分に出来るベターへと進み格別の答えを得られた
ミオリネに弱い所があるとすれば、スペーシアン代表と見られてしまう点。でも、そこにこそ打開策が有った訳か
スペーシアンだけどアーシアンと協働した医療装具は交渉を決定付けられなくても、先方から信頼を得る契機となる。いわばベターな答え
先方としてもベストではなくベターな回答である点は面白い
弱い自分でも強がる自分でも別け隔てなく受け容れてくれる相手が居るのは良いね。そんな地球寮を前にしたからスレッタは進む事が出来たし、マルタンもそこへ弱い自分として進む事が出来た
二人のした事は地球寮にとってベストでは無いけれど、ベターながら笑顔を取り戻せる遣り方
弱いままに少しだけ進んだスレッタだから、エリクトやミオリネを強いまま進める存在ではないかもしれないと思い直せたのだろうね
強くなってベストを選べる自分ではなく、弱くてもベターを選べる自分へ
新たな進み方を得たスレッタは己の不出来に直面したミオリネを助けられるのだろうか?
いつからか恋人達のイベントとして扱われがちなクリスマスを本作はきちんと家族のイベントと扱った上で一郎としおりのデートを描くから、二人の結論は家族になる未来を前提としたものになる
そんな温かさを感じられる回だったな
恋人になって時間の短い二人がいきなり二人の時間を想像するのはハードルが高い。けど、皆で集うパーティーなら容易に参加できる
でもそこに新人カップルが混ざっていれば話の中心になるのはまあ必然。その流れは一度で終わらないからお泊まり会へ継続すると
しおりが家族以外の者との交流を深める機会
だからちひろ達に秘密を明かしていない点を後ろめたく感じたのだろうね
まち達は良い事を言うね。全部話していないからって友達になれないわけじゃない。大切な恋人が理解しているなら問題ない
あのお泊まり会はしおりに友達を作る機会となり、同時に一郎の特別性を再確認する機会となったようで
クリスマスデートは遠くの特別ではなく近くの日常を見る時間に
しおりは自分達に横たわる契約に痛みを感じる。一郎は問題をしおりに押し付ける事を辞める
そうして関係を一歩も二歩も進めた二人の様子はニヤニヤと出来るものでしたよ!
…後、キス時間に妙なテンションになるしおりには笑ってしまったよ
隣人が多い環境、だからこそ求められるのは相手のルールに則って動くこと。でなければ大怪我や事故に繋がる
エリアスが実習である点を尊重し無力な分身で付いてきたのも相手のルールに合わせたからと言えるのかな
なら、チセもエリアスや隣人のルールに合わせなければならない
隣人相手なら明確なルールが有っても人間同士だとそうも行かないのは難しい話
まだチセはルーシーの事情もフィロメラの事情も知らない。だから彼女らの領域に立ち入れない。まあ、それはチセの側も同じだから奇妙な関係性がルーシーとの間に生まれるのだろうけど(笑)
エッヘ・ウーシュカもナックラビーもルールを持つ隣人。逃げるにも立ち向かうにも相手を知らなければならない
そこでチセがエリアスのルールを上手く広げ、頼るのではなく相談する形を取ったのは良い機転。そうした柔軟性が有るから、エッヘ・ウーシュカのルールを利用する手も思いつくのだろうね
一方でルールを破壊する者はいつだって居るもので。その役目がチセに回ってくるとは意外だけれど
ナックラビーは倒し、被害も最小限に収められた。けれどルールから外れた行動を取った点を気持ちよく受け止めるなんて出来なくて
少しずつ進むチセの変貌にこちらまで不安になってしまうね
前回のEPにて命を懸けて聖獣を召喚する儀式が描かれ、オズマルゴ等の環境がサリフィに不似合いという印象が強い状態
だからこそ、彼女を連れ出そうとするイリヤの叫びが響く。また普段は魔族の姿で居るしか無いレオの対の存在としても人間の彼は注目に値する存在に思える
というか、レオにとって恋敵に映るイリヤの登場が少女漫画的に美味しい展開というのも有るけど
臣下には威圧的でもサリフィには優しい存在でありたい。だからイリヤにも寛大な姿勢を見せねばならず…
それを察しきれないサリフィとレオのズレが色々と美味しいです
魔族を憎むイリヤにすれば、サリフィが魔族と生きると宣言するのは信じられない
サリフィが魔族に受け容れられる為に味わった今までの苦難を思えば無茶ではない当然の考え
サリフィはそもそも帰る所がないからとレオの妃になった。それを思えばイリヤが住む場所を用意出来るなら当初の理由を今も通すのは無理筋
レオもイリヤもサリフィの為に自分を削っている。勿論、イリヤの方に魔族への偏見が含まれているのは事実だけど、極端に間違っているわけでもない
サリフィはどちらを信じるべきかという問題に対し彼女は迷わず答えを出した
イリヤは信じられず誘拐し、レオは信じたが為に追い掛けた
次回、二人の男がサリフィの為にぶつかる様が描かれるかと思うとワクワクしてしまうね
喜怒哀楽鬼を越えて本体に迫っても別の鬼が現れるとか、半天狗攻略は無理ゲー感が強いね
でも半天狗に迫っているのは確か。そう感じさせるのは憎珀天の性質が半天狗に近づいている為だろうか。そして、それにより炭治郎の性質も光り始めるね
己の振る舞いを無視して弱い者虐めと炭治郎を責める。それは酷い責任転嫁。戦う役目を他の鬼に押し付け泣き喚く半天狗そのもの
人に情けを掛けられる炭治郎だから、情けを都合の良い使い方をする憎珀天を許さない
炭治郎の情けは連鎖を生むもの。無一郎に影響し、更には小鉄にも影響した
誰よりも弱く無一郎が諦めた状況でも決して諦めなかった小鉄は自分に出来る情けを求め続けた
それが結実して無一郎が檻から解き放たれる様は彼らの情けが鬼とは全くの別物であると感じられたよ
ミオリネもエアリアルも裏切られる形で失ったスレッタは何も無くなったと捉えられる
なら、止まってしまうかと思えば、進む理由さえ有れば何となくでも進み続ける事は出来る
肝心なのはその進む理由となるわけか
スレッタを切り離した形となるミオリネは逆にそれを理由に進むしか無い状況。ただ、進み方が問題かな
プロスペラは信用に値する人間ではないし、彼女の言はミオリネを自身の思惑に沿うように導いているように感じられる
彼女の掌中にある限りミオリネの進みは危ういまま
裏切りにより大切なものを失う。その理由を相手に求めれば怒りに、自分に求めれば反省になる
スレッタとチュチュは正反対の受け止め方をするからスレッタだけでは進めない状況も進めるように後押ししてくれる
スレッタに理由はなくても進ませてくれる
でもエアリアルが突きつけるのはスレッタには彼女が信じていた中身がそもそも備わっていないとの真実か…
信じた道も進んだ道も間違っていた。得られたものなんて何も無かったと思わざるを得ない状況
母親やエアリアルに頼ったままではスレッタの中身は永遠に埋まらない
空っぽな宇宙で誰にも届かぬ鳴き声を上げるスレッタ。それが見た目通り生誕の模倣であり、ここから彼女の真の進みが始まると良いのだけれど
危険な紛争地に向かうミオリネ、平和な学園に戻れと促されるスレッタ。その進んだ先に有るのは果たして……
お墓参りという陰の気が多いイベント。どうしたって暗い気分になる。だからこそピクニック要素を混ぜて陽の気を醸し出しす久我一家の遣り方には温かい気持ちになるね
又、そこにしおりが入り込む事で後ろ向きに終わらない一日にもなっている
お墓前の報告は簡素に。むしろメインは面白ご飯
かといって故人の存在が無視されるわけではなく、ふとした拍子に故人が顔を出し、釣られて悲しさもやってくる
けど、陽の気が有るから嘆きの時間とならない。温かい家族の繋がりを感じられるシーンだったよ
本当の嘆きは家族の目がない瞬間に
だとすれば、その瞬間に隣りに居たしおりは一郎と悲しい事も楽しい事も分かち合いたいと考えているのだと判るね
それはつまり、ただの恋人からもっと深い関係になるという事であり…
結婚報告みたいになってしまった墓前報告。あれは本番に向けての予行演習だったのかも
最後はしおりの過去に存在した陰を陽に変える遣り取り
風邪を引いたら広い部屋で静かに一人。しおりにとって体調を崩した時間は寂しい時間で
だとすればそこに一郎が寄り添ってくれた事実は彼女にとって、体調不良の時間をちょっぴり幸福な時間に変えるものになったのかな
今回は年少者を見守る年長者の視線を幾つも感じる回だったな
その最たる例がアドルフか。既に長い時を生きているのにそれと感じさせない振る舞いをしつつ、時には年少者を導く発言をする
年少者達はそういった年長者の言葉を頼りに道を歩んでいくのだろうと感じられたよ
生きた年月的にはエリアスの方が遥かに上なんだろうけど、感情や感性に鈍い彼は人間に学ばなければならない事ばかり
普段はチセ相手の問答も、より人を知っているアドルフ相手に行われたりする事も有るわけか。アドルフもそれを理解しているから、自分の出生なんて踏み込んだ話を敢えてしたのだろうね
それはエリアスにとってまた一つ学びとなる
アドルフの姿勢の特殊性はレンフレッドを前にすると尚目立つね
アリスへの過ぎた言葉で弱る彼の愚痴相手になる姿勢は年長者そのもの。けどアドルフはレンフレッドの後輩として振る舞いたがる
それは重ね行く年月を認めたがらないようにも見えるし、もしくはわざとらしく年少っぽく振る舞う事で幼さを自分の中に留めようとしているかのよう
温かみのある関係性が幾つも描かれていただけに、フィロメラの実家環境は驚き
本人を前に堂々とした陰口、孫娘と相対していると到底思えない祖母の振る舞い
どれもがフィロメラに安寧を齎す場所とは感じられないものであり、同時にフィロメラはあの場所で子供として扱われていないのだと察せられるね…
自らが慕う者の為に出来る事を重ねる面々の姿が目立った印象
邪魔役となるアヌビスだって王や国の為を想ってサリフィにキツく当たる。けど、サリフィだってレオを想って挑戦している
自分の為ではなく他人の為だから譲れない、衝突する。でもそれによってレオを悲しませたら本末転倒なわけで
サリフィが挑戦した聖獣召喚はサリフィが挫けそうになるくらい厳しいもの。なら見守る側にとっては更に辛いものになる
そこでサリフィが立ち返って自分を慕うレオの想いに気付けた流れは良かったね
だから難儀な筈の召喚が成功する展開に納得感が生まれる
ベンヌの件も同じかな
慕われる存在であると証明する為の飛翔。最初の羽ばたきをするにはまず自分がサリフィに慕われていると、想われていると知る事から始まる
それでも抜け殻である彼には難しかった筈の飛翔がサリフィの飛翔で成功した事実、それはベンヌもまた彼女を慕い始めたのだと伝わってきたよ
童話めいた話にクラクラしてしまう面はあれど、小春という女の子が何に憧れ、何を大事にしているかが見えたような
親から愛され人をにこやかにし、ヒョウ君からもきっと大事に想われている。その時点で彼女は特別でお姫様のような少女。でも今の小春はそれを否定するんだね
彼女が頻繁に迷子になるのは惹かれるものが多いからかな。だからふわふわと歩き回ってしまう
蝶を追って歩き彷徨うだけに留まらず、小動物達にアイドル仲間の面影を見る。彼女を普通の少女の枠で捉えるのは難しい
なんてったって夢はお姫様だし
だとしたら、そんな小春を助けるナイト役が必要で、それがヒョウ君になるのか
小動物達が小春を慰める間にヒョウ君がPを誘導するとか童話感が強すぎて本当にクラクラするんだけど、だからこそ小春がどのようなお姫様になりたいか、そして目指すシンデレラ像がはっきり見えてくる描写だったとも言えるのかな?
四人同時に首を切っても死なない喜怒哀楽鬼、鬼化している玄弥と絶望度合いは高い筈なのに、一瞬にしてコメディに変えられる炭治郎は強いなぁ(笑)
暴走して可怪しくない状態になりつつ有る玄弥が、だからこそ炭治郎の言葉に耳を傾けられるし、それが後に彼の行動を変えるきっかけになる
敵の方もコメディ入っているのはどういう偶然か
強力無比な喜怒哀楽鬼の本体は小人鬼。笑えるような事態でも打開策が無いという意味では積みも同じ。笑いは転瞬の間に絶望へ
この構図は玄弥の過去も同様か。兄と支え合い希望有る家族を守っていけると約束した矢先に絶望に叩き落された
玄弥は無力で気付かないままだったから絶望に負けた
対して炭治郎は彼の気質により絶望をコメディに変えた。状況を変えられるなら諦めてはいけない。変えちゃいけない望みの為に変えなければならない
鬼に勝つ為に炭治郎に譲った玄弥の姿は雄々しいね
誰にとっても難しさは有るコミュニケーションの齟齬を恋人関係のものとせず、一旦仕事上の躓きとして扱った上でその後に家族や恋人の温もりによってそれを丁寧に解かしていく流れにはほっこりとするね
本作は話に派手さは無いからこそ、落ち着いた話運びに安堵感を得られるよ
絵柄の違いで仕事が取れないというのは経験の浅いしおりには対処の難しい話。おまけに姫だった過去も邪魔となっているかもしれない
その意味では焼肉屋が初めてというのも新たな齟齬を生むかもしれない土壌
けど、まち達が初めてだらけの彼女を優しく受け容れているからしおりの齟齬は苦いものではなく美味しいものになる
一郎がしおりへの言葉に迷った挙げ句、手紙すら掛けず最終的に80ページの漫画を書いてしまうのも実はディスコミュニケーションなのだけど、少しズレている者同士だから逆に温かな交流となるわけだ
又、仕事の件は佐野の方に齟齬があったと判るラストは良いね。齟齬が解消された後には幸福が待っている。そう思えたよ
サリフィもレオも互いに魅せられて結びついた二人だけど、レオは王の立場。恋愛感情だけで全てを決められる訳では無いし、レオに近づく女性も恋愛感情からではない
だからこそ、レオは自分の意志で見初めたサリフィだけを望むし、そのサリフィが側室を勧めるを良しと出来なかったのだろうね
いわば朝食の席は政治劇の現場。それを理解しないサリフィはアミト姫の面倒を見る程
でもアミトもアミトで政治を意識しつつヨルムンガンドへの慕情も併せ持つ
姫君達の政治は理解できないサリフィでも誰かを思うアミトの気持ちは理解できる
それを基に踏み出せる
それこそがレオに最も届く行動原理でありビビアンを恐慌させるもの
そしてビビアンの自分本意な感情は、他人を想うレオを想うサリフィの心を呼び覚ます
まだ明確に己の感情を定義付け出来ていないようだけど、それでもサリフィはレオの隣りに居ると決めた
それはとても大きな一歩だろうね
それにしてもアミト姫の顔がインパクト有りすぎて……。サリフィとも親しくしてくれるし、本当に良い子なんですけどね(笑)
でもマンドラゴラのスコーンとかちょっと怖すぎて口にできる気が起きないな。悲鳴を上げるスコーンって何だ(笑)
アイドルを志す梨沙とサッカーを好む晴の対比で見るから梨沙を女性的、晴を男性的と見そうになるけど、本質はもっと深い部分の個性や人格に関する差が二人には有ったのかな
けど、それは決して対立するものではないから、それぞれの言語を介する事で最終的にステージに並び立てたのだろうね
性差による違いではなく個性による言語の違いが判り易く生じたのはバックダンサーを語る晴とPのシーンかな
サッカーとアイドルに喩える二人は通じ合っていると思えるけど、異なる言語で話しているならどうしたって擦れ違いは起きる
だから晴とPは衣装に関する懸念が抜け落ちていた
男子に混ざりサッカーをしスカートを受け付けない晴。それは男っぽいからではなく、結城晴という少女のアイデンティティが受け付けないという話。また自分の意志でアイドルになった訳では無いという納得不足も関わっていたのかな
異なる言語の為に梨沙と衝突し、サッカーなら語れる晴が納得出来る環境作り、それが観戦よりもプレーという話だったのかな
又、Pも晴に近づく為に敢えてスカートを履いて踊るという奇行にも出てる
スカートが本当に似合わない人が履いたらどうなるかを見た晴が着たのはスパッツという折衷案。梨沙とは違うけど、限りなく近い姿
そして異なる人格を持っていた晴と梨沙は「キックオフ」という言語で結び付いた
そのような二人が後ろから練り上げたステージはLiPPSの実力も有れど、素晴らしいものだったよ
前々回にてエリアスがチセに求めたのが恋愛や家族的な意味での「嫁」ではなく、一緒に居る理由付けである点が示されたからか今回は言葉の意味に迫る描写がチラホラと
「嫁」だから一緒に居るのか、一緒に居るから「嫁」なのか。究極的にはどちらでも良い謎掛け。それでも相手との関係性に名前があるのは意外と嬉しいものなんだろうね
素直に「友達」と言えないチセとアリスにサイモンが煙に巻くような言葉を通じて友達と言わせるのは良いね。年長者の貫禄を感じさせる
傍から見れば特定の言葉でしか表現できない関係性でも当事者が明言するのは難しかったり、気後れしてしまう場合がある
だから別の視点を持つ者が言及するのが大事だったりするわけだ
ただ、それが宜しくない関係もあって、それがアリスとレンフレッドの場合かな
「魔術師と護り手」か「養父と娘」か。どちらの言葉であってもアリスには不満足。またレンフレッドはアリスを「娘」という言葉で縛る事で何かを制限しているような…
二人は言葉がある事で逆に息苦しさを感じているように思えてしまうよ。だからこそアリスの負けん気に感銘を受けるのだけど
逆にチセとエリアスは言葉で始まった関係なだけに、その時の言葉は正しかったのか、今の関係を表す言葉は有るのかという点を丁寧に考えているね
相手を縛る為に使った「嫁」という言葉、正確な意味で使ったわけではないから嘘のように思えて、言葉に釣られて関係まで嘘ではないかと不安になってしまう
だから言葉以上の感情が必要になったのだろうね
以前の言葉は言葉として残しつつも、一緒に居られる感情に従って言葉を新しく定義する
不器用で人として未成熟な二人だからこそ、そうやって段階を踏んで自分達が一緒に居る今を肯定する
チセとエリアスの触れ合いはじれったいからこそ、見ている者を温かい気持ちにさせてくれるよ
上弦の鬼に刀鍛冶の里が襲われ、半天狗や玉壺は炭治郎達に襲いかかる危機的状況は変わらないままに甘露寺蜜璃が参戦したことで幾らか安心感が生じたね
又、里の者達もただ助けられるだけでなく、自分達も戦い他のものを助けようとしていた
そういった助け合いによる力強さを感じる回だったかな
炭治郎からの親切、そしてお館様の言葉によって自分の行動を変えた無一郎。炭治郎からの更なる気遣いを知った事でより自分の行動を変えたようで
子鉄を助ける際には散々悩んだのに、千本針魚殺の際は躊躇なく己の体を盾とした
彼はピンチに陥っているけど、その変化が彼を助けるのではないかと思えるよ
炭治郎と禰豆子は互いに助け合う様相
炭治郎が気絶する間は禰豆子が背負い、禰豆子が気絶すれば炭治郎が背負う
だから半天狗攻略の鍵となる赫刀も二人で生み出す
互いを助け合う兄妹愛が生んだ素晴らしいヒノカミ神楽だったね
ターフを駆けるウマ娘達の姿に観衆は歓喜を覚えるわけで
その勇姿はまさしく輝き。なら全身全力で自分らしい走りを完遂した時こそ、最も華々しい輝きが放たれるのかもしれない
だからこそ、トプロやオペラオーの輝きにアヤベも引っ張られたのかな?
アヤベ達に勝つ為に自分らしさを捨てようとしたトプロがオペラオーの真っ直ぐな輝きに感化されて、自分の走りに回帰する流れは良いね
そうして光の下に改めて立った彼女だからこそ、暗闇に落ちていきそうなアヤベの手を引き止められた。彼女を光の下に戻れる可能性を残した
でも、他人から幾ら輝きを与えられようが結局は自分で光を取り戻さないと自分らしい輝きは戻ってこない
その最後のピースが亡き妹からのメッセージか…
勝手に不幸だと決めつけていた妹から幸福を願われた。それと同調するトプロの言葉
だからアヤベも走りを取り戻せたのかな?
そう考えると徹頭徹尾輝きを失わなかったオペラオーって凄いなと思いつつ、自分らしい走りと輝きを掲げアヤベも光の下に戻したトプロが栄光を手にする展開は納得
ラスト、忘れてたウイニングライブとうまぴょいにずっこけてしまったものの、良い作品を見られたという充足感を得られたよ
サブタイトルがストレートにEP内容を示しているね……
譲れない大切なものが互いに有る。相手に譲れないなら相手を負かして自分の大切を通す他無い
決闘システムの根幹に回帰するような激烈な対立構造でしたよ……
プロスペラの企みを知り、過去の因縁を知ったミオリネから見ればスレッタは囚われの姫君
騎士として救おうとすれば、その境遇から解き放つのが最適。序盤の関係から見事に逆転しているね
当時のスレッタにはガンダムという剣があった。剣を持たないミオリネが使える武器といえば騙し討ちだけ…
スレッタに囚われの姫君のつもりはない。むしろ騎士として大切なミオリネを守ろうとしている。その時点で二人は衝突している
本来、衝突回避の為には片方が大切さの順序を譲る事が肝要
例えば、グエルの恋心はスレッタに届かなかったが、グエルが他を一番の大切とした事で無用な衝突は回避された
スレッタはミオリネを大切としつつ彼女を一番と出来ていない。母の要求なら無茶でも呑むのに、ミオリネの要求は呑めなかった
だから、ミオリネが大切なスレッタを守る為には彼女の意思を無視してスレッタの心を折り、エアリアルを取り上げるしか無かったわけだ
結果、他を大切と出来たグエルはジェタークの皆の応援でトラウマを乗り越え一刀を振るえた
対して大切の順序を譲れなかったスレッタは、大切なものの為に大切なものを壊す決断をしたミオリネに負けてしまった
ラスト、スレッタにとって本物の試練が始まるのだと感じられる叫びでしたよ……
恋人になっての初デート!…に該当する筈だけど、幼いまちとふみおが居る事で家族旅行の体を成しているのは面白いね
恋仲となった若い二人だけの時間が阻害される形。けど、どちらもまちとふみおを邪険にしない。むしろ4人で居る事で彼ららしい温かみが形成されていたね
それでもしおりの方には一郎に触れ合いたいという欲が見え隠れしていたね
一郎の両手が塞がっていると残念がるが、ここでしおりを優先するようでは好きになった一郎ではなくなる
だから彼女が申し出たのが一郎の時間を分けて欲しいとの願いか
彼を家族から切り取りたいわけじゃない。まちとふみおを一番に考える一郎が欲しい
そういった欲求が高まりすぎて、彼のうなじを触りたがるしおりの図は面白かったけども(笑)
欲求のせいで「どこを好きになったのか?」という当初の疑問が捨て置かれてしまうような、しおりの天然さに癒されるし、しおりの欲を受け止める一郎の優しさにほんわかしてしまうね
集団生活特有の軋轢や衝突がはっきり生じた回。ただ、ここはカレッジだから各生徒の個性には魔術的な特性や家格的な因縁が絡む
それは当事者には大変なんだろうけど、傍目には賑やかな様相。けど、今回ゾーイとルーシーに生じた諍いはもっと単純な人間関係の問題だったのかな
ルーシーはチセとの遣り取りに現れるように直截な言動は彼女の飾らない性格を端的に示しているけど、それは相手によっては不要な傷を呼び込むもの
チセ相手ならチセの態度により問題とならなくても、ゾーイのように特別な事情があれば想定外の問題を生んでしまう
ルーシーは過度に人と関わらないから、距離感を間違えてしまった
対してゾーイも似たような罪を持っていたね
特殊な生まれから自分の秘密を隠し、その過程で察したチセへの違和感から彼女を過度に遠ざけてしまった
そうすればチセは不安になるし、その態度に苛つく者だって出る
だからルーシーやゾーイに必要だったのは互いの腹を割って話し合う事だったわけで
ゾーイの特殊性が忌避に繋がらないのは偏にあそこが特殊な人間ばかり集ったカレッジだった点とチセの方が余程特殊な事情を抱えていた為か
故郷では嫌な想いをしたゾーイも、カレッジでは特殊性の渦に呑み込まれる。頭の蛇を美しいと言ってくれる人に出会える
集団生活だからこそ、自分を過度に隠すよりも打ち明ける方が受け容れて貰える可能性が高まる
だとしたら、今回の一件を経ても自分の事情を話さい為に壁を残し、これからも軋轢が生じそうなルーシーやフィロメラは気になるね
また、メインにはならなかったがセント=ジョージの二人や<七つの盾>等、まだまだ視聴者に明らかになっていない各々の事情を思えばこれからも本作は楽しめそうだと思えるね