これまで人の信仰を誘導する形でミタマの力を増幅させてきた征人
そんな彼が信じていたものが足元から崩れるような展開にはゾクゾクするね
かといって、そこでやられっぱなしにならず、反撃の糸口を探す彼の姿は格好いい
対するロキはその名が示す通りにトリックスター的な人物か
幻覚で人を騙し、偽神の凋落を画策する
だからこそ、そんな人物に征人が一杯食わせるべく彼の想定を超える道を選んだ事でこれから始まるだろう競争劇に期待してしまうね
お洒落に注力し『好きな人』を明確に持つ梨沙は小学生ながらに大人びた少女かな
彼女は目標が明確だから自分の遣り方やチャンスの掴み方を確立している。けど、それが逆に彼女自身の可能性を縮めているような印象を受けた前半だったよ
日焼けNGだからと同年代との遊びを拒み、映画主役のオーディションと聞けば詳細を聞かずに快諾…
その意味では主役としては不合格としつつ、友達役を代わりに提示した大人達は梨沙に新たな可能性を与えている
Pも自分より大人な存在から新たな道を受け取っているね。梨沙を子供ではなく一人の人間として扱う方法
でも新たな道を歩むなんて簡単ではないから不安は避けられない
従前の遣り方で行き詰まってしまった梨沙とPは新たな道の模索は共に向き合う形で
Pは道の進み方を判っている訳では無いからまともなアドバイスが出来ないが、だからこそ等身大の視点で彼女と一緒に悩める。梨沙も不安感を吐露し、Pを信頼出来る相手と見定められる
そうした梨沙が進むは新たな道ばかり
ライバルと思っていた仲間に相談、普段と様変わりした姿、励まされる役柄
以前と全く違う新たな姿。そこにPが梨沙らしさを残すアクセを用意していたのはナイスだったな
ラスト、誰も想像しなかった道を野望として掲げてみせた梨沙の大物感にやられてしまったよ(笑)
魔族を勉強する前半部、人間を勉強する後半部に分かれていた印象
サリフィは街の様子から魔族と人間の共通項を見出しているね
魔族も人間も異物を恐れるのは同じ。だから両者から異物と扱われるサリフィは排斥されてしまうと…
その哀しさが有り余る程に描かれていたよ
魔族も人間もサリフィの正体を知る前は優しさと温もりに満ちていたのに異物と知り一変した
反面、相手の正体や異質さを知っても態度を変えなかったのがサリフィとレオの組み合わせ
魔族の世界において瘴気で弱るのは異物の証。だからサリフィは捨てられたと思ってしまった
でもレオだって瘴気がなければ姿を保てない異物。排斥する理由はない
サリフィが貰った指輪は瘴気という異質に少しずつ慣れていくためのもの。いきなり全てに迎合するのではなく少しずつの変質
また、サリフィが魔族の国を勉強し始めた点を併せて考えれば、今後時間をかけて彼女が魔族を受け容れ、また魔族から受け容れられていくのだろうと想像できた回だったよ
前回はトプロやアヤベが身を置く環境を支えであり負荷であると感じたけど、今回はその傾向がより強く見えたな
トプロは敗北で支えを負荷と感じてしまった。アヤベは負荷を罰と扱い更に力とした
二人の向かう先は対称的である故にライバルとして成立している
過負荷にも程があるトプロの追い込み。それは自分を信じる者達に応えられる自分にならなければという焦りの現れ
でもそれは本当の意味で信頼に応える動きではないんだよね。見えない期待ばかり追っては体が重くなるばかり
その意味では見える期待に回帰させたトレーナーは有能だね
対してアヤベはまさかの方向性…
勝負を楽しむなんて何も間違いではないのだけど、喪った者を支えにしてきた彼女だから得る事を否定してしまう。走る未来を失う自分に安堵を覚えてしまう
暗闇に落ちそうなアヤベをトプロやオペラオーは果たして引き上げられるのだろうか?
トプロやアヤベが迷う横で負荷とか支えとか些細な問題だと言わんばかりのオペラオーが癒やし
サイダーが顔に掛かった事をケチが付いたと考えず、箔が付いたと考える彼女は本物の王者だよ
敵が無限に分裂しそうだとか、子鉄達を助けるのは正しいのか?とか、考え過ぎても考えなくても正しい答えを出すのが難しい状況
必要なのは間違いの無い考えのもとに適切な答えを出すこと
その点を無一郎も炭治郎も巧く遣れているね
命を削り取られるような限界ギリギリの戦い、普通なら思考停止に陥りそうな境界で敵の戦い方や傾向を適切に見抜く炭治郎は流石
それでも何もかも見抜くまで待ってから攻勢を仕掛けているのではなく、時には考えを切り上げてタイミングに合わせている
だから半天狗の考えを上回れる
対して幾ら考えても正体が見えないような禰豆子や玄弥の特殊体質が半天狗に焦りと恐慌を齎すのは面白い
考えなければ答えは出ない。一方で戦いの中では命を諦めた時点で戦いは終わる
考える炭治郎と考えさせる禰豆子や玄弥。その組み合わせは意外な強さを生みそうだ
親子や家族の繋がり、総裁選…。そういったしがらみが前面に押し出された事で子供の側から見た世界の閉塞性も強調されたような
デリングの罪によりプロスペラは多くを喪い復讐に奔った。けどそうならなければスレッタとミオリネは出会えなかったわけか……
エアリアルの成り立ちやテロ騒動の根幹、ベネリットグループ…。それら全ては過去の何かしらから今に至るもの
しがらみはあまりに雁字搦めになっていて子供の力ではどうにも出来ない。過去から通じて支配者の側に立つ者が有利な構図
その意味では子供が支配者に成れる総裁選は分水嶺となり得るか
しがらみの輪は一方で仲間意識を形作るものでも有るね
サビーナがニカを勧誘したのは同じ曰くを持つから
ラウダやペトラがグエルの帰還に安心したのはジェタークを支える家族だから
チュチュ達がミオリネの周りに集まるのは彼女を仲間と認めているから
スレッタに自分の過ちを謝り、彼女の価値観に向き合おうとしたミオリネに突き付けられたのはどうしようもない隔絶、同じ価値観を有していないとの疎外感
むしろミオリネはプロスペラに通じるしがらみを有しているのかな
二人は支配者の側に立つ人間
プロスペラが過去に囚われているように、ミオリネの出自は過去に関連している
ミオリネがデリングの功罪を否定するなら、今のミオリネを否定する事になる。ミオリネが目指せるのはきっと罪というしがらみの先にある未来
総裁選は物語の焦点となりそうだ
晴れを待たないもしくは晴れを自ら呼び寄せようとするしおりや一郎達の振る舞いは素晴らしいものだね
本当は動物園に行きたかった、本当はタロットが壊れて悲しい
子供が見せた利口さに対し、大人二人の対応はとても息のあったものだったよ
動物園やタロットが台無しになった際にふみおとまちが見せたのは我慢
確かに待っていればいつか叶う、報われる日は来るかもしれない。でも今日という日を我慢して過ごせばそれは楽しいと言えないわけで
ハレを率先して作り出す一郎としおりはとても素敵
一郎としおりのハレはまち達だけに向けられるものではないね
一郎はしおりに漫画家を勧め、しおりは罰から逃れる為に自身を騙すよう勧める
大切な人にハレを与えられる二人だから、お似合いじゃないなんて有り得なくて
慎重に過ぎる一郎の断り文句。だからこそ、慎重さとか正直さとか超えた先にあった一郎の告白が本能レベルのものだと感じられる素敵なワンシーンだったよ
今に辿り着く道、これから辿るべき道。エリアスとチセが別々の場所でエリアスの過去を知る者と歩んだ道を語る事で見えてくる今を形作る構成要素
一人の存在として色々不出来なエリアスが今の人格を形成した背景、チセが自分を壊さない遣り方を探し始めた背景。それらが見える回だったね
幾度かに亘って過去を語られてきたエリアス。けど今回の話を経ても彼の全貌は見えないまま
それでもチセにとってエリアスがどのように現在の形に成ったか知れたのは大きい意味を持つようで
今のチセに「嫁」は大きな意味を持たない。代わりにラハブの模倣から始まった彼と今を楽しく過ごしている。彼の傍でチセは生きている
そんなエリアスを育てたラハブにチセは助けられたと言えなくもないわけで
チセの感謝以上にラハブが救われたと思えたのはエリアスが自分の手元に居た頃以上に成長しチセと暮らせるようになった点なんだろうなぁ
今のエリアスは不器用でも人間と暮らせている。だからその中で不器用な生き方をしているチセを案じて彼女を試練を課しているわけだ
エリアスが歩んできた道の先でチセと出逢って、二人の道が交わる事で二人の人生は変わって…
でも道を歩む中で別の道を歩む者と入り交じるなんてある意味当然の話。だとしたらカレッジで日々を過ごす中でチセと関わりと持つ事で道の形が変わりそうな少年少女たちにこれからどのような変化が起きるのか楽しみに思えてくるね
小学生お嬢様アイドルにバンジージャンプという作為有り過ぎるオファー
思惑含みな大人の要求に子供が応える必要なんて本来無いのだけど、これにアイドルという作為有る偶像を意識する桃華が挑戦するものだから作為は増す
アイドルと自己、作為と無作為。そのバランスを探る話だったのかな
そもそも桃華だけオファーされた理由が大人の都合が入り過ぎているね。おまけに収録中の振る舞いもイメージ先行な台本で固められている
作為を突き詰め過ぎると無作為な振る舞いが入る隙は減ってしまう
それでも桃華は作為の有り過ぎる収録を楽しめていたようだけど、その調子にPまで呑まれてしまえば世話ない
ありすは大人の都合に合わせようとする桃華を気遣うけど、桃華を尊重して口は出さず。でもそれこそ他者の都合に付き合うようなもの
桃華に揺らぎが出始めるのは自分に求められる振る舞いがアイドルなのか、イメージ上のお嬢様か曖昧になった瞬間
これにPは又しても巧い助言が出来ていないね。結局彼も大人の側だから
作為と無作為を超えるには無理矢理にでも自然な振る舞いが必要で
アイドルの自覚有っても恐れを抱く高所の光景、自ら飛んで素の感想を示したP
変わらずPの助言は巧くないけど、それで桃華は作為と無作為の迷いを捨てられた
お嬢様・アイドル・桃華として不足なく我流のバンジーをしてみせた彼女は偉大な成果を示してみせたね
コメディチック過ぎてギャグアニメかと勘違いしそうになるノリの中、まるで日常に紛れ込んだ異物のようにやってきた玉壺と半天狗によって空気が一変してしまう流れは秀逸
あれだけでも2つの鬼がこれまでの鬼と異次元の存在と判るというもの
矢鱈と他人に関わり世話を焼いてきた炭治郎。それは主人公然とした振る舞いだけど、そこに炭治郎の信念が有った点は尊敬してしまうね
「情けは人の為ならず」を体現する彼。炭治郎が無一郎と関わらなかったら、無一郎に影響が生じる事なんて無かった。無一郎が炭治郎と関わらなければ小鉄を助けようなんて思わなかった
炭治郎の情けは最終的に炭治郎や無一郎以外の為にもなっていると判るね
容易に分裂する半天狗、異形を使い熟す玉壺。どう考えても一人じゃ倒せない2つの鬼。協力が必要な局面である事を思えば炭治郎の情けが攻略の鍵になるように思える回だったよ
毎回ボス戦みたいなノリの作品だね本作は
皐月賞はトプロでもアヤベでもない存在が勝ち取った。三冠レースの行方は誰にも判らなくなった
レースは知名度や下馬評ではなく、自身が何によって支えられているかが問われる状態へ揺り戻されたようなもの
トプロはその点が判り易いね
トレーナー、仲間達、街の人々。あまりに多大な願いは彼女にプレッシャーを与えかねないものだけど、トプロはその負荷を我が物としているね
逆にオペラオーは判り難いものだったのかも。栄光を信じる心が彼女自身を支えている
果たしてそこに負荷は有ったのか?
別方向の支えを持つのがアヤベか
走りに喜びと寂しさを抱える彼女は生まれられなかった双子の妹という負荷を常に抱えている
その負荷は他人と分かち合うものではないから、トプロ・オペラオーのようにライバルとして手を取り合う事は出来ない。けどそれが孤独を意味しないのがアヤベの特徴か
負荷を支えとし使い熟せれば走りに活きる
トプロが多くの負荷に負けず自分の走りを通せたのは流石
だとすれば、トプロ以上の負荷を負荷とせずに勝利に繋げたアヤベはもっと凄まじい
三者三様なレース結果の受け止め方はまだ三冠レースが終わってないのだと感じさせたよ
前回のテロで学園の平和が脆く崩れ去った今、描かれるのは平和の裏にある戦争の一端と子供達の知らない事情ですか
スレッタや地球寮の者達は登場しない代わりの演者は『フォルドの夜明け』、グエルにミオリネ
共通項は既に裏にいる、もしくは立ち入ろうとする者達か
囚われたニカに突き付けられるのはノレアが知る裏に過ごす者達の悲哀
ニカが反駁するのは理論立っているようで理想論に過ぎない。それじゃ裏で消えゆく命のどれも救えない
だとすれば、父さえも拘束したシャディクの計略はそれを救うものに成り得るのかな?
『フォルドの夜明け』が過ごす環境は学園と全く異なる風景だね。以前にチュチュ等を介して地球環境の厳しさは言及されていたけど、実際に描かれたのは非法組織とはいえ更に厳しいもの
死に向き合う環境だから、自責に押し潰されそうなまま死を迎えようとするグエルの幼稚さを許さない
それでもグエルの青さは押し潰す環境に抗うものになるね
オルコットが諦めた命の為に藻掻き、死者のMSを使って生き残った
だから裏に身を置く事になったグエルが考えるのは変わらない。生死ではなく家族と自身の繋がり
裏を進む事になったシャディクとグエルに迷いはない
なら同じく裏を覗き見たミオリネは誰の為に何の行動を起こすのかな?
そして平和が崩れ行く中で幼さを吐き捨てるように厳しい道を進み始めた彼女らの行動はエアリアルや母に迷いを懐き始めたスレッタにどのような影響を与えるのだろうか?
原作既読
人間と魔族という種族の差は有っても同種族から受け容れられていないという点では似通う二人
獣王と贄姫。喰う側と喰われる側。交じる筈のなかった両者の交流が生じたのはそうした相似点が有ったからなんだろうなぁ
サリフィは明るいだけの少女というわけではない点も特徴的かな
家族と思っていた相手は赤の他人で自分は生贄の為に用立てられた存在。これは絶望して可怪しくない衝撃
普段のサリフィからその心情は察せられないが、雷を過度に怯える様は彼女が事実を知った日がどれだけトラウマになっているかが判るというもの
家族と思っていた相手から向けられた絶望を知るサリフィだから王様が隠し持つ絶望に少しずつ気付き、そして近付けたのだろうな
同種族の魔族から受け容れられない人間の血。それは魔族の王という在り方を否定しかねない事実
でも、サリフィは血ではなく気位にこそ彼が王であると見出す
安寧の場を持たないサリフィと王様だから、絶望を共有できた相手をこそ安寧の場とする
それがまさかの贄姫サリフィを王妃にするなんてレオンハートはトンデモナイ無茶をしたものだよ
原作が完結済みであるだけに安心して視聴できるだろう本作、じっくり楽しみたいね
仕事を取れないプロデューサー、アイドルに成れないみりあ達。未熟という意味ではどちらも子供
けどPはみりあ達にとって年上で、みりあは幼い妹から見ればお姉さん
本質的には子供なんだけど、時には大人にならなければならない。そういう背伸び感の有るEPだったかな
みりあ達のお願いに応える為に課長に媚びるPは年下感満載。そもそも姉の居る弟キャラだし
だから心にも威圧されるし、裏では梨沙達から不安視される
アイドルたちから頼れる大人として扱われない彼はどこか子供っぽさを残していると言えるのかもしれない
生配信をしてみたいとみりあは年下特有の憧れでねだるけど、心は「大人になってから」と避ける。心が言及するように配信は子供の無邪気さだけでは通用しない世界
だから雰囲気が悪くなった際にみりあが空気を読んだ対応をしたのは彼女の大人の部分が出た証
これに対して、Pが「赤城さんらしく」と時折大人な子供のみりあの魅力を忘れないようにとカンペを出したのは良かったね
あの瞬間に彼は大人として子供のみりあの後押しが出来た
そうして子供の無邪気な夢を潰さずに済んだから、みりあは最後に「ホントはすっごい怖かったの」と子供らしく打ち明けられたのだろうね
事前知識皆無の状態なのでメインとなる三人がどのような活躍をしたか全く知らない為にレース展開には良い意味で驚かされたな
大舞台で好敵手としてぶつかりあった三人のウマ娘。その走りは熱狂を呼び起こすが故に見ているこちらも熱い感情を抱かずにいられない
ナリタトップロードもアドマイヤベガも三冠レースを征する為に多くを掛けている
二人は好敵手のように激しく競い合うから世間も二人を本命と扱うし、当人もそのつもりになる
だからこそ、二人とは別の場所で命を削るように走りを研ぎ澄ましていた勝者の登場に驚かされる
別にトプロもアヤベも手を抜いたわけでも走りが足りなかったわけでもない
それでも違いを生んだ何かの差。それがテイエムオペラオーを勝者の座に就かせるわけだ
その差は明示はされないものの、各々の表情にヒントは有ったかな
というか、舞台役者を思わせる発言を繰り返す彼女にあれだけの熱さが存在した事に驚いてしまう
美しさを意識するなら嫌うだろう泥臭さ。でもオペラオーが最も泥臭いレースをした
それが王者にとって最上に相応しいマントになっているように思えたレースだったよ
パワハラの柱に虐められていた少年を助けたら、その子がパワハラ上司になるなんて理不尽すぎる(笑)
ただ、炭治郎が無一郎に云うべき事は言ってるし、小鉄との遣り取りもコメディチックだから気にならないけど
修行パートに属する話なのに変わらず面白いのは流石
困難な環境だからこそ得られる貴重な経験
パワハラ同然である点はどうかと思うものの、そもそも縁壱零式も気遣い皆無なからくり人形。炭治郎も力を出し渋る余裕なんて有る筈が無い
それが力の会得、更に人形の中身さえ露出にも繋がるわけだ。修行パートのお手本のようなエピソードだったかな
ルールというシステムはMS同士の戦いを無害な決闘に抑えていた。だからMSが跋扈しようと学園は平和だった。スレッタも決闘なら人殺しを避けニカを守れると考えていた。なのに…
夢に浸っていた愚か者共の目を覚ますような激烈な回でしたよ……
ニカは結局、僚友に何も語らず…
学園というシステムが平和を意味する以上、平和を甘受する他の生徒とあまりに異なる出自を持つ彼女は己を語る事が許されない
それは壁であり、救援の拒否か…
ニカを取り巻く別のシステムが彼女の秘密を打ち明けさせてくれない
ソフィが考えるのはその逆かな
システムが人や環境を固めてしまうなら、システムを壊せば守られていた秘密が露わになる。
MSが人殺しの道具であると突き付ければ、ミオリネを害せば本物のスレッタに会えると信じた。その為に凶行に奔ったわけだ
だからこそ、システムを破壊する者をも支配したエアリアルの恐ろしさが否が応でも伝わってくる…
プロスペラとデリングが企図したシステムの中枢と言えるエアリアルの中でスレッタにようやく揺らぎが見え始めたけど、果たしてミオリネはスレッタを守ってやれるのだろうか?
支配や接触による罰。それは棘による婚姻という以上に二人を苦しめるけど、そこで目立つのは一郎の優しさかな
美人さんと婚約できると喜ばず、しおりにとって何が最善かを考えている。彼女が居ない場面では妹弟の事を考えている
人の事ばかり案じる彼の優しさは作品の破天荒さを和らげるもの
凛とした責任力を感じさせるしおりだけど、一方で感じるのは視野の狭さかな
島のお姫様が漫画から世界の広さを知り、それに倣おうとしている
行動は称賛すべきだけど、愚直さはナンパシーンに現れたように危ういもの
外界に飛び出たばかりの彼女は誰かが見守ってやらねばならない
ならそこで一郎の立ち位置が改めて課題になるわけだ
しおりが望むのは伴侶、一郎は特になし
敢えて言うなら彼は漫画家の先達として漫画界に足を踏み入れようとしている彼女を見ているね
だから一郎がしおりの事で最も見ているのはどれだけ漫画が好きで努力しているか
それは宇宙人とか関係なく伝わるものだから、罰よりも何よりも一郎にしおりの心を伝えるものになるね
一郎はしおりが外界で暮らす手助けをすると誓った。まだそれは結婚を意識したものではないけど、二人が少しずつ互いの距離を縮め心地よい関係を築いていく第一歩であるように思えたよ
チセにとって緊張するし不慣れな学校生活。最初に関わったルーシーは取り付く島もなかったけど、フィロメラはいつものお客さんを思わせる状態だったのは逆に幸いしたね
また、魔法の授業も披露するのは初めてでも、いつもしている事の延長線上。未知の学校であってもこれまでの積み重ねが何らかの形で活きていると感じられるね
あと、アリスと再会できたのも大きいのかな。ああいう不慣れな場所で旧知の人間に会えるだけでも大違いなのだから
そういった意味ではエリアスの存在も何気に大きいのかも。彼の姿はいつもと違っても、彼が教える「隣人」はチセにとって慣れた相手
他の生徒が苦戦したりする中で容易にやってのけるのは経験の差が出たね
別の見方をすればカレッジの生徒にとってチセこそ不慣れな存在
魔法使いと云うだけで珍しがられ、興味を抱いて話しかけられる。リアンやヴェロニカはその筆頭か
一方で緊張から倒れていたフィロメラの事情は気になる処。彼女にとって何が不慣れなのか。交わした対価がチセとフィロメラにどのような結びを形作り関わりを生む事になるのか。不慣れな二人を見守りたくなるね
前々から仁奈の癖の強すぎる口調が気になっていただけに今回の話はちょい衝撃を受けてしまった……。そういう背景があったとは…
寂しさを覚え、皆が集まってくる着ぐるみにこだわる仁奈。そんな彼女が第3芸能課を『一緒』にするピースだったのかな?
第3芸能課は仲は良くくても志を同じくする集いではないし、絆の強さも未だない。というかプロデューサーも信頼を得られてないし
だからソロデビューを目指す言葉のズレを諫める言葉を誰も持たない
それを思うと仁奈の着ぐるみを探す騒動は第3芸能課の仲を深める想定外のイベントになったのかな
捜索の中、仁奈は人の輪を作る才を披露しているかのように色々な人を集めるし、彼女自身も多くの人に懐くね。彼女は賑やかさの中心に常に居るように思える
そんな彼女が家庭環境から『皆』を求めるタイプだったなんてね…
一方で『皆』を求め続けた仁奈は『皆』を作り出せる存在になっていたわけだ
仁奈と一緒に捜索したありすとプロデューサー、彼女らを心配して付いて来た第3芸能課
そうして一緒に何かを志した事で第3芸能課は『一緒』になる機会を得たようで
癖が飛び切りに強く思えた仁奈が第3芸能課を纏めるピースとなるとは予想外だっただけに他のメンバーの『癖』もどのようなものか気になってきたよ