新越谷の強みって野球を楽しんでいる事でも、芳乃が居る事でもなくて詠深という絶対的エースが中心にいることなのかもしれない
あの試合展開でも変わらぬ調子で投球を続けられるってかなり普通じゃない
1死2・3塁の大事な局面でのスクイズを読んでいたというのに太陽光が邪魔して相手を助けてしまう痛恨のミス
本来ならそこで中田に長打が出て新越谷の負けが決まってもおかしくないんだけど……
芳乃はそこでも敬遠を繰り返すのか!
当然の如く大ブーイング。大量得点は与えなくても、ここから選手のメンタルが折れて試合が崩れてもおかしくない
だと言うのに、ブーイングなど気にせず表情も変えない詠深は本当に頼りになるね
怜がボールを取り損ねた場面でも「野球の不思議な所だね」「プラマイゼロ」と呑気に構えている
試合展開に関係なくペースを維持し、仲間のミスや敵の好調にも影響されない
中学時代はもっと酷い野球をしていた詠深だからこそ、皆で同じ方向を向いて、自分の投げた球を珠姫が取ってくれるならどんな試合展開でも楽しめる
詠深は新越谷の精神的支柱になっている
だから詠深を中心にしていれば勝つ見込みも有ったのだけど……
試合展開を読み、自分に求められる役割を理解している中田。4番の中の4番という看板に相応しいホームランでしたな
美味なる味を追求する美食殿。美味なるプリンを求めるミヤコ
両者の道が交わった先にあったプリンはとても美味だったようで。……虫入りだけど
どんなに美味しくても虫入りプリンは嫌だなぁ(笑)
それにしても、ユウキよ。どうやってあの状況から助かったのか?
遂に慊人の正体が……!
慊人の存在はあまりに変えようのない現実であり、彼が存在し十二支に言葉をぶつけ続けるだけで、十二支に拒絶を許さない関係を強要しているのだと否応なく理解させられた
避暑の旅を通して由希も夾も幾つもの変化を手にした
それは良い面もあり悪い面も有る。どれも一歩を踏み出した先で手にした変化
それに感化されたのか、透も変化を望み始めたのは意外に思えた
そんな矢先に現れた慊人の存在があまりにも恐ろしい
悪意をぶつけているのは彼の筈なのに、まるでこちらが悪いかのように思わされる言動。
それは生まれながらの王者の言動であり、十二支を縛り付ける神の言葉
十二支を統べる神であるという彼の存在は十二支の境遇の逃れられなさを体現している
けど、同時に十二支を何から守らなければならないのか、誰から守らなければならないのかも明確にさせる
高く根深い壁であるけれど、鎖の形は見えた
草摩の者ではなく普通の高校生でしか無い透にはあまりに難しい問題
けれど、透ははっきりと「呪いを解きたい」と想いを固めた。「守りたいです。皆さんが歩んでいく道を」と考えた
まだまだ小さいけれど、確かな想いがやがて十二支に何を齎すのか、そして透は十二支の呪いとどう向き合っていくのか。気になってしまう
サブタイに石上とあるのに当人は登場しないAパート
もし登場しているなら、あの手紙が該当するのだろうけど……
そうなるとミコが「裏ヒロイン」と呼称されているのはそういう意味なのだろうか?
大真面目で正義に燃えているミコだからこそ、妄想が逞しいのだろうね(笑)
女王のように振る舞う妄想かぐやに笑ってしまったが、まるで天使のように後光を背負う藤原書紀にも笑ってしまった
キス未遂から様子の可怪しいかぐや。そんな彼女の面倒をみる早坂の苦労が偲ばれる…
格ゲー画面で代弁されるかぐやのテンパリ具合は非常にコミカル
結局、身につけたルーティーンは役に立たず。それじゃ勝利ポーズですね
自分の惨めさを理解し、見下していた者達の中に入っていく石上の行動には感服
謎言語が飛び交い、あっさりとしたアドレス交換、応援服としての女装。どれも石上にとっては慣れぬ空気感
今は顔が見えない応援団のウェーイ系たち
「少しだけ頑張ってみるか」と考えた石上。応援団として活動する中で、彼らを理解し一人一人の顔が見えていくようになるのかな?
突如始まった断罪イベント。
大見得切って示された「ちゃんとした証拠」がちぐはぐで根拠薄弱だったように、今回の話は何かがズレていくような感覚が付き纏っているね
カタリナへ向けられた悪意はあっさり仲間達によって回避される
むしろ本当の問題はマリア失踪から始まる
これまでカタリナは自分の破滅を回避するために努力してきた。だからヒーロー達から嫌われないようにするとか、貴族じゃなくなっても生きていけるようにするとか自分の為の行動が殆どだった
それがマリア失踪と闇の魔力の話から思い至るようになるのは皆へ及ぶ危害や破滅
あのカタリナが「これなら私一人で破滅した方がどんなに良かったか」と考えるなんて相当の事態
唐突に姿を現した隠しキャラに拠る破滅。
本来の主人公ではなく、悪役令嬢へ向けられたシリウスの悪意
彼の悪意や涙は何を意味するのか、カタリナはここから自分や皆の破滅フラグを回避できるのだろうか
カタリーナはファリエル家を自分の居場所だと思えていなかったからか
かと言って、ジモにも拒絶されたから寄る辺を無くしたカタリーナは反抗的になって…
まずはカタリーナがファリエル家への印象を変えなければ物事は進まない
けれど問題はカタリーナだけでない。ファリエル家だってカタリーナを家族として迎え入れなければならない。
双方に問題が有る
カタリーナはファリエル家が求める振る舞いをしない。それは彼らの流儀を受け入れないということ
ソフィアはカタリーナを庇いはしない。それは母親になる気がないように見えてしまう。
二人共、どれほど自分の有り様に不満があったとしても現実の関係性を変えられるわけではない。
まずは今を受け入れないと次の段階の幸福を手に入れられはしない
そういった意味ではアルテは徹頭徹尾カタリーナの味方として行動し、何がカタリーナの幸せに繋がるか考え続けた
だからこそ、アルテの行動に拠ってカタリーナはジモに会いに行く勇気が生まれたのだろうね
「ちゃんと前向いて精一杯やってるか?」というジモの言葉を聞いて自分の行動を改めたカタリーナ
カタリーナの為に初めて夫に逆らったソフィア
「強く抱きしめて欲しい」という言葉と行動で二人は初めて親子になれたのだろうと感じられた
そういや、カタリーナの料理趣味がもう少し話に関わってくるかと思いきや、今回はそれ程触れられなかったね
その辺は次回以降になるのかな?
この作品って可久士と姫の親子愛は毎回描かれてるけど、二人の似た部分ってあまり多くは見えなかったりする
それがここに来て二人共貯めるのが苦手だという新事実が!
備蓄が苦手な親子って何だか微笑ましい
そんな備蓄の出来ない可久士が姫の為ならと猛スピードで原稿を仕上げるのには笑ってしまった。そういう所は漫画家と言うより親バカといった印象
そして何の憂いもなく旅行へ…と思いきや、病の気は備蓄してましたか
これも一種の職業病なのだろうか?
病気を溜め込んでいたなら、そこに集うのも情念の備蓄のようなもので
可久士の快癒を願った写経が危篤と勘違いされ、更には女達の競争の場に発展するのは面白い
ああまでして大量に想いを込められると可久士にとっては確かに快癒願いではなく呪いだよなぁ(笑)
隠し事の多い温泉宿
漫画家であるとバレる心配のない旅路の筈が隠し事暴露大会や文豪の幽霊が絡んできて、全く別の隠し事がバレそうになる展開へ
可久士の隠し事は姫に漫画家であると隠している点なんだけど、ここに来てアシスタントも視聴者も全く知らない別の隠し事の存在が仄めかされる
隠し事って相手が隠されていた事実を受け入れてくれれば丸く収まるのだけど、そのまま受け入れられたら困る場合だって有る。
可久士が姫に漫画家であると隠すのは、父がシモネタ漫画家であると姫や世間が受け入れたら姫が友達に虐められると思っているから
そんな隠し事には触れて欲しくないというのが可久士の本心
幽霊は居てくれた方が良いという姫。同時に触れられないのは理由があるとも
未来では触れられてしまう可久士の隠し事。可久士が「正体は漫画家」以上の隠し事があったんは後藤家という温かい親子の居場所を守る為でも有ったんだろうなぁ
未来の悲惨さが垣間見えたラストだった
強豪梁幽館を前に極度の緊張感を抱きながら、一歩一歩手探りで進むように戦術を決めていく芳乃は何だからしくない感じ
対して、変わらぬ笑顔で「わくわくしてきた」と言う詠深はいつもどおりで見ていて安心するね
新越谷のノックを見て弛緩した空気になる梁幽館は油断しているかと言えば、そうではないのが恐ろしい
舐めているように見えたのは最初だけで試合に入ってしまえば、弱小の新越谷に対して真っ当な試合を展開する。守備は素晴らしいし、攻撃でもあっという間に詠深の魔球に対応してしまう
こうなると芳乃が緊張してしまうのも仕方ない。それでも勝つ為にと必要な策を選べる芳乃はやはり策士か
一打席目敬遠はなかなか思い切った策だけど、負けないためには必要な戦術
これはあの野次の嵐に耐えられる詠深が居るから成立する作戦だね
多くの勝負と緊張が交わされる試合展開
その中で変わらずに野球を楽しんでいる詠深は新越谷にとって力強い存在となりそうだけど……
海という華やかな舞台で目にする幾つもの光景
コッコロの控えめながらも海を精一杯楽しもうとする姿勢に思わずほっこりしてしまったのでした
今回の海訪問ってコッコロが福引を当てたからなんだけど、彼女にとって最大の幸福は別
あくまでもユウキと出会えた事を最大の幸福だと考えている
だからか似合っているか不安な水着もまずユウキに見せに来る
一緒に泳ぎの練習をする二人の姿が良いね
海では水を掛け合ったり、海の家で食事したり。どれも新鮮な出会いを齎すものばかりで彼女らの姿はとても楽しそうだ
サレンとアキノの対立から始まった目玉商品考案。その食材探しでも驚きの商品を考える様子は正に未知への挑戦
クラーケン出現も彼女らに齎すのは危機感ではなく、イベントのドキドキ感
倒した後に得られるのも驚きの目玉商品と有って、海での出会いは何もかもがキラキラした思い出になりそうなものばかりだね
締めは水中遊泳
世界中の様々を空想していたコッコロにとってこれらがどれだけ素晴らしい光景であり、その素晴らしさを共有できる仲間が居る事がどれ程の幸運に満ちているのか
コッコロのモノローグを聞いていたら、少し感動してしまったよ……
そういや、キャルは順調に美食殿に染まってますな。
一人でも田植えに励み、監視役という立場を気にしつつも海を満喫、クラーケン退治にも協力
終いには海中を楽しめるようにと魔法をかけたキャル
もう彼女は美食殿の一員としか思えないのだけど……
慊人の発する悪意や害意が夾を追い詰めていく様子にはただただ胸が痛む……
猫憑きという只でさえ、幸福を掴みづらいポジションの夾を徹底的に追い詰めていく慊人の言葉はあまりに辛い…
前回小さな試練を乗り越えた由希は慊人に呼ばれ、不安定になり拳を向けた夾の相手をしなかった。夾が向かい合うべきは由希ではなく、慊人であり、慊人が発する己の罪
夾を追い詰める慊人の言葉は決めつけばかりで悪意に満ちていてまるで聞いていると底なし沼に沈んでいくかのよう
けれど、慊人の言葉は夾の中に元々あった疑念や絶望を引き出すもの
夾が見たくない嫌な部分を、小さな声を引き出すもの
母親の死に関する罪の意識、父親から押し付けられた罪、猫憑きとしての罪
それらは夾から生きる意思を奪ってしまうもの。それでも夾が生きずに居られなかったのは師匠が言うようにありとあらゆる全てが自分を拒絶するわけではないと心の何処かでちゃんと知っているから
透は夾の化け物の姿を見ても必死に向かい合おうとした。
透は夾の化け物の姿を見た後も一緒に居てくれた
呪われた在り様を持つ夾にとって決して手放してはいけない大切な存在
それを理解した瞬間に零れ落ちた夾の真意が……
それは夾がこれまで見てこなかった大切な想いであり、生まれたばかりの小さな想い
でも、夾のその小さな想いは小さすぎて慊人の圧に勝つ事は出来ないし、透にも明かすことが出来ない
「希望なんて無い!」と花を踏みつけた夾の前に訪れた透という存在
大切であると認めることは出来た。けれど、大切だと伝えることは諦めてしまった
透は消えかけている夾の小さな想いを拾い上げることは出来るのだろうか…
もうミコはこの方向性で行くんだね。どこかしらの部屋に入る度にいかがわしい光景を目撃する彼女の心労は如何ほどか
ミコが居ると藤原書紀が話の掻き回し役からミコを誘導する役に変わるのも面白い
四角四面な伊井野ミコ。彼女としてはいい加減で不真面目な生徒会の空気が許せなかったようで
白銀やら石上を批判していた彼女が藤原書紀に乗せられて変顔写真を撮ることになる流れには笑ってしまった
堅苦しいミコを一瞬にして生徒会の雰囲気に飲み込んだぞ、藤原書紀……
体育倉庫に閉じ込められるなんて数多のラブコメで行われてきたイベントだけど、本作の場合、相手が仕掛けた罠に違いない!なんて考えてしまうのか(笑)
いつ仕掛けてくるのか…と身構えていたらいつの間にか後戻りできない展開へ。そのままゴールしてしまうのかと思いきや、後少しという所で闖入してしまうミコのタイミングの良さよ
かぐやが倒れた瞬間、シリアス展開突入かと身構えたら、とんでもなくしょうもない展開にただただ笑うばかりでしたよ
頑なに恋の病を認めようとしないかぐやはもういい加減自分が白銀のことを好き過ぎておかしな事になってるって気付いた方が良いんじゃないですかね?
かぐや本人よりも恥ずかしい思いをしてる早坂が可愛らしい
カタリーナは礼儀作法が壊滅的なタイプかと思いきや、普通に出来るっちゃ出来るのか
では、何故親の前だけピンポイントに礼儀作法をサボるのかと言えば、子供らしい我儘や親への反発が含まれているようで
ユーリがアルテをヴェネツィアに連れてきたのは物珍しさがメインの理由かと思っていたのだけど、ユーリのカタリーナへの接し方やカタリーナの夢を考えると適切な人材と言えるのか
こうなってくるとアルテは貴族出身である為に知っている礼儀作法よりも、女性でありながら画家として厳しい道を歩んできた経験の中にこそカタリーナに教えられるものがありそう
なら、アルテが装うべきはヴェネツィアの衣装ではなく、工房で踏ん張ってきた時に纏っていた仕事着ということになるのだろうね
同様にカタリーナの悩みも貴族としての衣装の中ではなく、古布の服や調理師の服を纏っている時にしか見えてこないのかもしれない
アルテの絵を見て、彼女の歩んできた道を垣間見たカタリーナ
お返しとして晩餐会に招待したのは自分の心の内を開陳する為だろうか?
その中でアルテはカタリーナをどういう少女と判断して、彼女に何を教えることになるのだろうか?
漫画出版業界の華やかさと大変さが垣間見える回
それに振り回される漫画家が大変なら、漫画家の事情に振り回されるアシスタントも大変そう
それはさておき、今回も十丸院さんは絶好調ですね……
ミラーボールをシャンデリアと表現する姫が可愛いなと思っていたら、可久士は可久士で編集の「先生呼び」は蔑称だと吠えている
名は体を表すというけれど、体に見合う名前でないとおかしなことになる
年末パーティを期待しているから、居酒屋やカラオケなんてモチベーションを下げる要因でしか無い
体を優先するために名をずらして他社の年末パーティに潜り込むなんてちょっと危ういラインの行動だけど、名がずれれば漫画家であると隠している可久士は姫をパーティに連れていける
……そこで居酒屋に招待してしまう十丸院は本当に厄介な存在だと思うわけですが
名がずれれば姫に本当のシャンデリアを見せてやれる。ただ、姫にとっては大きすぎてシャンデリアじゃなく、シンデレラだったらしいけど。シンデレラ…?
姫と可久士の遣り取りにほんわかしていたら、またやらかす十丸院。本当に厄介な存在だな!
最終的に編集と間違えられた可久士は漫画家であると証明するためにキャラTを着ることに(笑)
名と体が一致する状態になった可久士。やはり漫画家である宿業からは逃れられないのだろうね
だと言うのに未来編では消えた漫画家扱いになっている。果たして消えたというのは本当か嘘なのか
芳乃は選手として試合に参加しているわけではないけど、マネージャーとして試合を動かす力を遺憾なく発揮していたね
自分達のしたい試合をするだけでなく、相手の望む試合を崩しその隙に攻め込む
熟練の監督か!と言いたくなる試合運びである
ただ、相手を崩せばその分相手の投球も乱れてくる。
芳乃にとって予想外のデッドボール。芳乃が崩れれば新越谷も崩れてしまう
そこで希が良いバッティングをしたね。あれで新越谷へ向いていた流れが維持された
芳乃だけが勝利に至る流れを用意しているのではないと判る描写
芳乃が作り、希が守り、続くバッターが乗った新越谷の流れ
夏大会最初の試合は新越谷の強さの秘密が見えたように思える試合でしたね
試合後の伊吹に依る芳乃へのフォローも良かったな。その辺りからは双子なりの意思疎通を感じられた
続く対戦相手は梁幽館
こちらは新越谷の試合運びを分析している時点で強者のオーラがぷんぷんと…。試合前からどのような流れを作ろうか考えているフシも見える
特に中田の演説は強者の集団を引っ張るに相応しい内容
芳乃も梁幽館の強さが判っているから、選手の急成長だけでなく常軌を逸した運が必要だと考える
とんでもない強者を前にしても変わらずに「今日は思いっきり楽しんで行こう!」と考える詠深。新越谷は楽しさを大事にする詠深を中心に何処まで梁幽館に食らいつけるのか…
と言うか、梁幽館って年齢の割にとても若く見える監督が居る時点で最強じゃない?