最近の本作は心にダメージを喰らうような内容が多かったけれど、今回は更に一段と厳しいものだった
エリアスを拒みカルタフィルスの手を取ったチセ。ステラが人質に取られている以上カルタフィルスの行動を拒めない。だからと言ってあの眼球交換のシーンは幾ら何でもキツすぎますよ……
それに続く過去の場面も切ない。以前、自分の家族にも笑顔が有った頃を思い出せたチセ。だから突如始まった過去も明るい家族風景から始まるのだけど……
増えていく仕事量、怪異に襲われる日々。何が父から家庭を捨てさせる決定打になったのか判らないが、出ていく直前にチセに誘いの声をかけそうになってでも結局止めて「ちょっとだけだから待っててな」と言った時の父親は何を思っていたんだろう?
それをきっかけに母親も追い詰められていき、一瞬浮かんだ悪魔の囁きに乗ったばかりに……。
父親が出ていく際の偽物の笑顔、母親の飛び降りる直前の許してねの言葉。これらは確かにチセの人生を縛る呪いと呼ぶに相応しいもの
自身の過去を見終わった後には母親を許さないと伝えたチセ。「許さない」は「忘れない」にも通じる言葉。
エリアスと生き続けることを選んだチセにとって、既に死んでしまった母親と共に在ることはもう出来ない。母親に連れて行って欲しかったと考え死に憧れていたチセが様々な出会いや経験を通じ、自分の首を絞めた母親に対し、一人で逝ってしまったことを許さないといいつつそれでも首から手を離し生きる道を遺してくれたことに感謝を伝える
こういった言葉を伝えられるようになったのはネヴィンの影響が大きい。前回、何度もチセに道を示してくれた夢の中のネヴィンがチセの心の中から生じた存在であることが明確になった。なら、ネヴィンが疑問を呈した「何故母は自分を殺さなかったのか」は元々チセが心の何処かで疑問に思っていたことであると判る
そして今回許してと頭を下げた母親もチセの心の中の存在。そんな母に思いの丈を伝えエリアスへの感情を明らかにした行為はチセを縛り続けた呪いを解き、生きて前に進む意志をより明確にする
夢から覚め対価のためにカルタフィルスを知ると決めたチセ。この時カルタフィルスの首を絞めているけど、以前チセの首を絞めたシャノンは生きる意志を呼び起こすためにやったんだっけかと何となく思い出した
身体が限界を迎え今にも倒れてしまいそうなのに出鱈目な強さを見せつける柳原。島田も悪い戦いはしていないはずだし何度も柳原を追い詰めていたのに負けてしまった。
これは単純な棋力による差ではなく背負っているものによる差なんだろう
既にかなりの年齢で自分から将棋を取ったら何が残るのだろうと煩悶し、自分をなにかに例えてくれる先人もなく、だというのに仲間から受け取った襷は増えていく。そんな焼かれ続けるような想いの中で戦い続ける柳原。体調も精神もキツイ状況
それでもがんちゃんの「まるで焼け野っ原に居るみてぇだ」という言葉を否定するために、自分に襷を託した人たちの頑張りを肯定するために、焼かれ続ける自分だから出来ることだと鬼神の如き強さを見せつけた柳原の姿は格好良い。
対局後にはがんちゃんのカメラで記念撮影。共に記念撮影をした彼らがいつか遠くない日に消えてしまう現実があったとしても、彼らを感動させられる程の熱量が籠もった将棋を指せたのは、A級にしがみ続けた柳原の踏ん張りが有ったからだと思えた
ラストのしみじみとした「来年はもう無理だろうな」という独白に思わずしんみりしたのに……
やはり将棋の怪物は色々と普通じゃなかったよ
これまで命令の形を取ってきた絶対遵守のギアスを皇帝の野望を止め明日を手に入れるために懇願の形で使ったルルーシュ。この時、ルルーシュの中でギアスへの認識が変わったんだろうな
敵対していたルルーシュとスザクが手を結びブリタニアを手中に収め、対するシュナイゼルは黒の騎士団を配下に収めた。最終局面に向けた敵対構造が明確になった印象
嘘による裏切りが多数発生した前回、それに続く今回は裏側に隠れていたあれやこれやが表に出てきた回だったように思う。
皇帝が己の野望のために動き出すに加え、アーニャの中に潜んでいたマリアンヌの出現、C.C.の復活、シュナイゼルのクーデター、ナイトオブワンが隠し持つギアスと盛り沢山
その中でもスザクの変化は群を抜いている。
これまで正義として有るべき理想を胸に抱いていたスザクがフレイヤによる大きすぎる犠牲とそれにより黒の騎士団が停止した事態を前にルルーシュのように「必要なのは結果だ」と言い切る姿は別人のよう
元々戦争を止めるために父親を殺し、その後もブリタニア軍に入り込み戦い続けたスザクが綺麗な存在な訳がない。ずっと彼は矛盾を抱えていたのにそれを理想や美学により押し潰していたが今回のフレイヤにより遂に彼の本性が現れたわけだ
ただ、変化があまりに突然過ぎて見ているこちらは少しついていけない部分があるのだけど。それでも、彼がようやくこの物語においてルルーシュに並び立つもう一人の主人公になったように感じる
そしてスザクが裏返れば、これまで裏側に居たルルーシュは表返ると
黒の騎士団を失いゼロとしての立場を失った彼が素顔のままに謀略を重ね皇帝を追い詰める姿は痺れる
ネットで知り合った女の子に出張の度に会って仲良くしていたら相手がドン引きするぐらい本気になってしまい迷惑していた所に本妻登場して成敗!……という構図だろうか?
チセとエリアス、それぞれがやらなければならないことをした結果があまりに擦れ違っていて辛い。又、今回のメインではないけれどアドルフやマリエルも自分に出来ることを最大限やっているのにそれが報われておらず悲しい
でも行動の結果が報われないと取るか、充分な見返りが有ったと取るかはその人の気持ち次第でも有る。
ピュリスは樹に取り込まれた自身の姿を人に手を差し出した「証のようなもの」と捉える。この考え方はチセに少し似ているし、ピュリスの有様をマリエルが納得しない点はどこかエリアスとチセの関係を彷彿とさせる
そう見るととマリエルがチセに宿ったドラゴンの力を利用してピュリスの呪いを解こうとしていた行為すらエリアスと被ってくる
しかし、マリエルとエリアス最大の違いはその思惑を行動に移すかどうか。
魔女の集会でもチセを助ける有効な手段が見つからないどころか、命の代わりになるものは命しか無いと言われたエリアス。チセへの依存が凄まじいことになっていたエリアスはこの時点で相当切羽詰まっていた為にマリエルの言葉に飛びついてしまったんだろうけど、そんなエリアスの焦燥をチセが察せられなかったのが悔やまれる
これまでも散々人間とは異なる価値観を示し化け物を思わせる面も見せてきたエリアス。彼がマリエルのように命を命で補う行為を躊躇するはずがない。
ただ、よりによってステラを選んだ理由に人間的な嫉妬の感情が含まれている故にチセはエリアスの選択を理解できる部分がありつつそれを実行できるエリアスが理解できない
化け物の面を見せたエリアスの傍を離れ別の怪物カルタフィルスと共に行くことを決めたチセ。
視聴者的には最悪の選択にしか思えないチセの行動。それでも、今回の選択の中でもチセが己の、そして二人の幸せを掴むためのものだと信じたいな
「今の貴方」という表現に再び二人が隣に並べる未来を期待しつつ次週を待ちたい
柳原と島田のあまりに見窄らしいポスターや棋匠戦開催の裏事情からそれほど期待されていないタイトルに思える冒頭からゆっくりと双方が掛ける意気込みやどうあってもタイトルにしがみつかなければならない理由が見えてくる展開は面白い
島田の事情は以前、説明されていたけどやはり時間が経っているから少し忘れていた部分もあった。それが駅舎の横断幕や応援に来た高齢者達の様子から思い出され、更に何時になく気合の入った島田の顔で彼がどれ程タイトルを欲しているかが判る
けれどそれ以上に激しく、それでいて静かに伝わってくるのは柳原の背負っているもの
これまで真面目に対局する場面があまり描かれてこなかったために「気のいいおじーちゃん」に見えていた柳原の内面がこれでもかと描写されていた。
昔は零と二階堂のように仲間たちと楽しくやっていた柳原。それが一人減りもう一人減り続け、その度に涙を流す彼らから想いを託されてきた。
そんな背景があることを知ってからあの賑やかな宴会模様や一人寂しくタバコを吸うがんちゃんの隣へ行く姿を見ると、散々失って託されて将棋を指し続ける行為から逃れられなくなった彼がそれでも大切にしたいものなんだろうなと思う
そういった意味では島田はあの光景をアウェイと言ったけど、それは柳原の味方の集いという意味以上に柳原の棋士人生の集大成でもあるゆえに、あの光景を前に柳原の背負っている部分が垣間見えアウェイと感じられるのかもしれない
記者は「A級から落ちたらどうします?」と聞いてきたけど、柳原にだってそんな先のことは判らない。多くの襷に纏わり付かれ焼かれている真っ最中の彼には目の前の将棋盤が全て
起床時は普通のお爺さんと何ら変わらぬ姿から将棋盤を前に老獪な化け物に変化した彼が誰も見たことのない新手でどのように棋士人生を見せつけてくるのか非常に楽しみ。
これまで積み上げられてきた嘘によって多くの裏切りが生じた回
フレイヤによるあまりに大きな犠牲にニーナもスザクも動揺しているけど、これはシュナイゼルが巧妙にフレイヤが戦闘用だから敵殲滅にしか使われないとニーナ達を騙していた面が強いのだろうと感じられる
又、シュナイゼルは玉城達にゼロやギアスの正体を誠実に話しているように見えて幾つか考えを誘導するような言葉も放っている。何よりもあれだけの証拠を握りながらフレイヤが使用されるまでネタバラシしなかった時点で恐ろしい男である
というか斑鳩に乗り込む豪胆さを示しておきながら、操られていないか恐ろしいなんて大嘘としか思えない。
ルルーシュが全てを失ってしまったのは、これまでの彼の功績が絶対遵守のギアスや嘘によって形作られてきたから。そこに真実が差し込まれてしまえばあっけなく崩れてしまう脆い玉座。
シュナイゼルを前にカレンや騎士団を駒と言ったがそこには真実も嘘もある。そこで自身の顔を晒したのは敗者としてみっともない立ち居振る舞いは避けようという虚勢があった訳だけど、それでも最後まで忠実であったカレンにだけルルーシュの真実の言葉が届くのは印象的
そして最も今回の「嘘と裏切り」を象徴するのはやはりロロ
ロロは偽りの時間の中でルルーシュに出来た嘘の弟。これまでルルーシュがロロに投げかけてきたのは殆ど嘘ばかりで唯一の真実は今回の罵声だけ。でもロロはそれを嘘だと思い込みルルーシュだけが自分の本物なんだと言う。ルルーシュの嘘を信じて逝けたロロは幸せだったのかもしれない
同じくルルーシュも知らなかったのはロロがナナリーを殺そうとしていた点。これを知らない為にルルーシュは本当はナナリーに与える筈だったロケットを与える事が出来、ロロを偽りであっても弟として認められる
ロロとの嘘の絆によって再び立ち上がったルルーシュ。ある意味ナナリーの為に戦っていた過去の自分を裏切るような展開である
最悪のタイミングで裏切った扇だけど、その理由は千草(ヴィレッタ)をゼロから守るため。裏切りが横行する回で彼だけが真実の愛の為に戦うラブロマンスの世界にいるようでほんの少しだけイラッとしてしまう
「蒼の薔薇」のラキュースは中二病キャラだったのか…。こういったファンタジー作品で中二病キャラを見ることになるとは……
多方から才能が無いと言われ続けていたクライムが剣士としての矜持を失うほどの敗北を経たブレインから「優しく強い」と讃えられるのは印象深い流れ。他にもセバスのプレッシャーに負けず暗殺者にも立ち向かった。
「蒼の薔薇」の面々にも可愛がられているのも判ったし、クライムのどこに魅力があるのかと訝しんだ前回とは印象が180°変わるような内容だった
それにしてもセバスは行動が派手になっていやしないか?独断行動NGとまで決められてはいないだろうが、アインズの思惑を超えた行動に成りつつ有るように思えるが
撃てば大量に人が死ぬために、これまで人殺しを避けてきたスザクにとってフレイヤは絶対に使いたくなかった兵器。だから紅蓮相手に敗北しそうになっても撃たない覚悟を揺らがせず自分が死ぬことを選んでしまう。だからこそ「生きろ」のギアスが効力を持ってしまうのは悲しい展開
ギアスの効力が有ったとはいえ、自身の過失によって大量の命を失わせてしまったとスザクに見えてしまうだろう光景。
前回の意図せぬ裏切り、今回の意図せぬ虐殺。これでスザクは黒の騎士団を使い大量の命を消してきたルルーシュと似たような罪を背負うことになった。少しずつルルーシュとスザクが再び手を取るための下地が整ってきたように感じられる
それにしてもルルーシュは前回スザクに裏切られた(ように見える)展開で学んでいないのだろうか?ルルーシュの意志に反してシャーリーを殺したロロにナナリー奪還を命じてしまうなんて。足元ではギアス嚮団壊滅の余波で藤堂裏切りフラグが進行してもいる
厄介な敵であったジェレミアを味方にし、ギルバートを操れた事で慢心が生じたのだろうか?
又、ナナリーの喪失はルルーシュにとって自身の存在理由が揺らいでしまうほどの大事件。
以前ナナリーを守る役目を失った際に彼が再び戦えるようになったのは、ナナリーが安全地帯にいて他の願いを叶えたいと思う心があったから。
けれど、ルルーシュは一番守りたいと想っていたナナリーを目の前で失ってしまった。彼が再び立ち上がるためにはもっと別の理由が必要だけれど、それは果たしてどのように齎されるのだろうか?
前回の戦いを通して仲間意識を改めて強くしたヒロ達。厳しい戦いの後の水着回はサービス回というより、サブタイトルに有るように叫竜と戦う特別な少年少女たちが普通でいられる最後の時間のように思えた
海ではしゃぎ聞きかじりの性知識に興奮し楽しげにバーベキューをする。それはとても普通の少年少女の在り方
けれど、彼らは叫竜と戦うために用意されたテストチームで今回の海水浴だって大人たちによって用意された仮初の瞬間。そう考えるとヒロ達が訪れた廃墟すら人が住んでいた形跡の薄さからどこか作りものめいた嘘の空間のように見えてしまう。その後、自然の夕日に感動する描写が有るから尚更
ヒロがゼロツーを受け入れたことでセラススの重要性が上がったことを思えば、今回廃墟の近くで海水浴させたのは何かの計画の一部なのかもしれないと勘ぐってしまうが……
イチゴはヒロを綺麗に諦められたのかさっぱりした表情。それでもヒロとキスしたあの瞬間だけは特別と二人っきりのタイミングで伝えようとする乙女心はとても良かった
ヒロというパートナーを手に入れ明るい表情になったゼロツー。ゾロメ達からの剣呑な視線もなくなり、共に海水浴を楽しむ姿からは彼女も仲間に受け入れられたかに見えるけど実際はそうではなく、イチゴがヒロを改めて仲間だと宣言する場面でゼロツーだけがその輪に居らず、流れ星も独りで見ている
ゼロツーを受け入れてもまだイチゴ達の仲間でいられるヒロ。それは彼がかろうじてゼロツーの全てを受け入れているわけではないからだろうけど、博士が言うようにいつか感情まで喰われてしまった時にヒロはゼロツーのように孤独になってしまうのか、それとも仲間との絆を維持できるのか気になる
でもそれ以上に気になるのは出産関係の本を拾ってしまったココロの行く末だったりする
コンビニ飯が出てくるかと思って手作り弁当渡したらお寿司が返ってくるとか等価交換の法則はどうなってるのさと言いたくなるお昼事情が少し面白い
季節は流れあっという間に一学期終了目前。なのにクラスの半分以上と話したことないと言う花名の為に改めての自己紹介が行われるけど……
この辺りは結局先生の言うとおり、花名自身のペースで進めていけばいいと思うけどな。コミュニケーション能力の高い栄依子とたまてからすればクラスメートなのに話さないなんて花名をサポートしたくなる事態なのかもしれないけど、元々の性格や浪人している秘密などから花名はどうしたってクラスメートに壁を感じてしまうのだ。
なら、栄依子達以外と全く交流を持たないかと言えばそうではなく、大会と栄依子達が繋がりを持ったのは花名が切っ掛けだったし、今回描かれたようにゆっくりと高橋と話す切っ掛けを手にしている
他の人からじれったく見えるようなスロウスタートであっても花名は少しずつ成長し続けている。そんなことを感じさせる回だった
そう言えば、花名が他者の出来ることやコミュニケーション能力を羨む描写はこれまでも有ったけど、栄依子の「とある成長」を都市伝説と凄む花名の姿は意外性が在りすぎて笑ってしまった
そちらの成長度合いも気にしていたのだろうか?
秋穂邸訪問回
秋穂が持っていた本のデザインとさくらの夢がリンク。やはり秋穂はあの夢や同時に発生したクリアカード事件と関係があるのだろうか?
他にもイギリスを大切なものが見つかった場所と言ったり、日本にはある本を探すために来たと言ったり意味深な発言が幾つも。又、完璧執事の海渡が何故秋穂に仕えているのか、それでいて秋穂の気持ちには気付いていないのか気付いていないふりをしているのか等々、秋穂周りは気になる点が多い
今回登場したのは透過のカード。ここまで害の少ないカードだと出会い頭に問答無用で封印するさくらの方が悪者に見えてしまって困る。
ジョエルの家に雪が積もり売り家になっていた場面は妙な物悲しさを感じてしまった
異形の腕を前にしても周囲だけでなく当事者のチセですら感情的にならない中、きちんと叱ってくれるアンジェリカはいい母親
前回、チセの成長や変化が示されたのにここに来て改めてチセの価値観が他者と非常にずれていることが提示される描写はなかなかの曲者
ルツから「何で笑える?」と聞かれるほどの状況でありながらチセは自身の腕よりもエリアスの火傷を心配してしまい、身体がもう持たないことを察しても雛が助かったことに価値を見出してしまう。チセはもう自身の命を軽視しているわけでもエリアスの言うように自己犠牲精神に自惚れているわけでもない。正しく自分の命の価値とエリアスと過ごす日々を大切に想っている。けれどそれが周囲にとても伝わりにくい
吐血した際の「やっと死にたくないと思えた端から~」の呟きはエリアスに届いたけど、生き続けるためになりふり構わず妖精の国に住むことも考えてみるとのチセの言葉はエリアスが居る場面で言うべきだったと思わずにいられない。
チセだけが考える妖精の国に住む二人の未来、エリアスだけが知るチセが春を越せないかもという現状。チセは「一緒に考えてくれますか」とエリアスに告げたけど、先の事情に加えて魔女の集会に参加するかどうかの判断など既に二人の考えがずれ始めているのが感じられて辛い……
チセの誕生日だったというのにおめでたい要素が全く無いどころか、異形の腕とカルタフィルスの存在、何よりも不吉な次回予告がこちらのメンタルを容赦なく削ってくる……
ナナリーの危機にルルーシュが頭を下げ踏まれても抵抗せず、ただただナナリーの安全を願ったことでスザクも歩み寄りの姿勢を見せたことで二人の道は再び交わるかと思いきや……
あの場面でルルーシュは普段の彼に比べればかなりの反省を示しているんだけど、本心を全て話しているわけではない。特にユーフェミアの死やスザクに掛けたギアスの真相については事実から遠く離れた、どちらかと言えばスザクがイメージする「悪人ルルーシュ」がやりそうな理由を提示している。
もしかしたらルルーシュが「これ以上嘘をつきたくない」と言いつつ真実を隠しているのは、あそこまで頭を下げておきながらスザクとの和解を考えていないから?
C.C.の助言で味方を求めてスザクに会いに来たはずのルルーシュ。「これ以上の何も要らない」という台詞の「これ」の中にはもうスザクとの友情は入ってないんだろうなぁ
又、今回ルルーシュにとってスザクが裏切ったような形で物別れに終わったのはスザクがルルーシュに嘘をつく(ような)展開が必要だったからだろうか?
前回までの状態ではルルーシュがこれまで数多くの嘘をつき、スザクとの友情を裏切ってきた背景があるためにこのまま和解しようとするとルルーシュだけが一方的に悪いということになってしまう。それはそれで事実なのだけど、二人が同じ目線で和解するためにスザクにも落ち度があったと見えるような描写が必要とされたのだろうかとカノンに責められるスザクを見て感じた
直前の描写、再びの東京決戦、ルルーシュの精神状態と第一期のブラックリベリオンを思い起こさせる状況。唯一最大の違いはそんなルルーシュの隣にC.C.が居ないことだろうか
残金が僅かになってしまったりセバスの裏切りに素っ頓狂な声を上げてしまうアインズが面白かわいい
前回までの話はリザードマンとの戦いの中で元々はNPCであったコキュートスがアインズの判断に頼るのではなく自らの判断で動くことを求められるものだった。
対して前回から行われているのはセバスによる独断が含まれている。コキュートスの場合はある程度アインズによる管理の元、コキュートスなりの判断が行われその思索の結果もある程度アインズの利益になるような理由付けがされていたものだった。
けれど、今回のセバスの独断は作り手であるたっち・みーの信念に基づくものであってもアインズの利益になるかどうかの判断は行われず報告すらされていない。それが裏切りの兆候としてソリュシャンに報告されてしまうのは仕方ない気もする
セバスの独断に対してアインズがどのような判定を下すのか、そしてセバスの優しさはナザリックにどのような影響を齎すのか次回が楽しみ
王子からは化け物と呼ばれラキュースからは天才と呼ばれるラナー。暗号解読のくだりを見るに王族にあるまじき能力を有しているよう。それだけに才能がないと明言され出自も頼りないクライムを大切にする理由が判らない
そこにあるのは純真無垢な理由かそれともおぞましい企みかどちらだろう?
今までの言動とギャップの有りすぎる記憶を失った状態のC.C.。思わず可愛いと思ってしまうが、このC.C.をルルーシュはどう感じているのだろう?ナナリーくらいにしか見せたことがないのではないかと思える程の優しい態度は珍しいもの。元のC.C.に戻って欲しいという願いの現れか?
皇帝復活を前に恐慌し味方が居れば…というC.C.の言葉にスザクを思い出すルルーシュ。
共犯者のC.C.が記憶を失い、ゼロの正体を知るカレンはブリタニア。全てを欺いてきたために味方が全く居ないルルーシュにとって「ナナリーを守る」という一点についてのみ全幅の信頼を寄せられるスザクを想起するのは当然なんだけど、傲慢な面が強いルルーシュが電話越しとはいえプライドをかなぐり捨てスザクに頼み込む姿は強烈。
ゼロのようになりたくないとカレンの扱いが中途半端になり、更には大量破壊兵器のフレイヤを託されてしまったスザク。
現状を変えるための一手を欲していた彼にとっても実はルルーシュからの頼みごとは渡りに船。
ルルーシュとスザク、二人の関係が始まった場所での秘密会談は彼らにどのような変革を齎すのだろうか?
どうして九頭竜の対局話が一息つく前に桂香の話が突然始まったのかと訝しんでいたけど、九頭竜が山刀伐を破った理由と桂香が復活し自分の指したい将棋を指せた理由が繋がっているからなのかな?
会長と山刀伐の研究によって完成されていたはずの振り飛車対策。それが敗れたのは九頭竜の不可能に挑む決意と山刀伐の負けるわけはないという奢り
同様に桂香が負け続けてしまったのは自分はプロ棋士の娘なんだからという奢り。そんな現状を破れたのは銀子の桂香を想う言葉と昔の自分からのエール。それを持って桂香はここから将棋を続け関わり続けるというある意味不可能に近い領域に挑む決意を固められたのだろうね
同じくあいにあったのも奢りと言えるもの。澪に駒落ちで勝ってしまったことで勝つ辛さを知ってしまったあい。けれどそんな理由で止まり続けるようならそこにあるのは自分は強いという奢りだけ
桂香との対局の中で「負けたくない」という決意を再び明確にしたことであいは不利な状態から桂香に逆転勝ちできる
ただ全体的に見た場合、対局中の演出や技名?が頻出する描写がどうにも受け入れがたいのが難点……。又、会長と山刀伐が編み出した振り飛車対策を破った九頭竜の感慨をもう少し聞きたかったように思う
第四話でヒロはゼロツーを自分と変わらない存在と認識したが、第五話でゼロツーの怪物性が改めて示された点や、ヒロの身体が限界を迎えていた為に二人の心は離れ離れになっていた
それが血反吐を撒き散らしながらも独りで戦おうとするゼロツーを見て、ようやくヒロはゼロツーは自分と変わらないどころか自分とほぼ同じ想いを抱いていたことを認識する。それは自分一人の力じゃ飛ぶことが出来ない現実への孤独や諦観。
ゼロツーが立ち向かう現実を自分と重ね合わせ彼女を助けたいと強く思ったことでヒロは怪物のように見えていたゼロツーを受け入れられた。だからこそ、ストレリチアに搭乗して以来酷く侵食していた痣が収まったのだろうか?
一方、イチゴの想いは結局ヒロに届くことはなかったようで。ただ、それは諦めたというよりも今の自分ではヒロの隣に居られない現実を受け入れられたようにも見える。
前回はセラススの未来の姿のように私には見えたクリサンセマムの面々。けれど、ラストにヒロ達と共に喜び合う姿から彼らはセラススの未来などではなく、ヒロ達と全く変わらない敵に怯えもするし勝利に喜ぶ当たり前の子供のように見えた
そんな子供達に混ざらず、叫竜を倒さなければと呟くゼロツーからはまだまだ壁を感じてしまうけれど彼女が本当の意味でヒロ達の仲間になる日は来るのだろうか?
人徳のなせる技かコミュニケーション能力の高さ故か、誕生日プレゼントに幾つものヘアピンを貰い冠からは手製の指輪さえ貰った栄依子だけど、一番喜んだのは自分が作ったアクセサリーを先生が付けていたのを知った時だったのは印象的
百合好きには堪らない回だったんだろうなと感じられる内容だった
泣き上戸なレンフレッドの姿はこれまでの行動から得られるイメージとギャップが有りすぎて衝撃的
登場初期の陰湿なイメージから随分変わったものだ
今回はレンフレッドだけでなく他人から受けるイメージが以前と変わったキャラが何人も
カルタフィルスは見た目は少年でも幾つもの災厄を撒き散らし他者の命を何とも思っていないような心の有り様は怪物そのもの。けれど、チセが夢の中で出逢った彼は、自分に何が起こっているか訳が判らないまま放り出された助けを求め続けるか弱い存在のよう
チセの保護者としてチセが無用に危険な目に遭うことを避けてきたエリアス。他にも傍若無人とも言える態度や行動は他人の都合なんてお構い無しなタイプであることが伝わってくるものだった。そんな彼がチセの意見を聞き彼女の我儘を認めたのはレンフレッドからすれば意外な姿。これはチセが言うようにあの時の遣り取りがあったからこそ
近くで聞いていた男性陣は「あの時」について別のイメージを想像してしまったようだけど(笑)
チセを魔法使いの世界に引き込んだセスから雰囲気が変わったと言われた場面はチセが以前と大きく変わった事が最も鮮明になるシーン。あの頃のチセの目は本当に暗いものだったからなぁ
対して今になってもあまり変わらないのがエリアスのチセへの認識か。チセは「僕のもの」で「そう望んでくれてる」とのエリアスのイメージはいつか足を掬われそうに思えるが
ドラゴンを呪縛式で拘束しておけば大丈夫だろうと見くびっていたのも拙いイメージが先行したため。
恐怖からの暴走で恐ろしい存在になったドラゴンの雛にが同調したことでチセだけ雛の恐怖を正しく理解する。他者の辛さを知ってしまったチセの行動は結局変わることはなく、それに対するエリアスの変わることはない
次回は視聴者にとっても辛い話になりそうだ