山での修業を経て奇跡の体現者となった3人だけど、その後の受け止め方が3人の方向性を変えたような気がしてしまうね
迅火は全能感に満ち更なる高みを目指し、たまは不安感に襲われるものの迅火を否定できず追従の姿勢。真介は失ったものばかりを重視
3人の見ているものは異なる
だからか、断怪衆を前にしても3人が心に掲げるものは何処か異なるね
成長した迅火は眼の前の勝利どころかたまとの未来すら夢見る。でもたまはこの断怪衆襲撃に関し出来る事は何もないから迅火を見守るだけ
真介は更に失わないように見えない筈の死角からの攻撃を防いだ
違いが交わる事はなさそう
迅火はその全能感のまま道錬と武の極みに向かう
真介は復讐心を抱えたままバリーと地獄の底へと墜ちていく
奇跡が彼らを強くした筈なのに、身についた強さがそれぞれの目指す方向を変えてしまった
先を見通せない限界バトルは彼らにどのような結末を用意しているのだろうね
雪と逸臣の間には手話だけでなく口話やラインも有る。今回はドイツの励まし方なんて教えてるし、想いを伝える方法は様々。それは二人の仲が成熟し始めたからで
それだけに、同じように成熟させられなかった桜志、これから成熟させる心、それぞれの想いの伝え方に注目してしまったな
雪はハンデの為に人から言葉が伝わらない時が有って
それを今回のような場面で桜志が守ってきた。桜志には雪の想いが伝わっている
だから、伝わり過ぎてしまう手話を止めてしまう訳で
でも雪の回想により桜志の手話だって雪に伝わっていたと判るのは良いな
桜志が伝えたかったのは「それ」ではないかもしれない。でも桜志の手話が有ったから雪は前向きに大学を過ごせた。別の形で桜志の想いが成就したと言えるのかもしれない
ならそれまで伝わらなかった想いだとしても、別の形を取れば別の想いが届く事が有るかもしれなくて
心とエマ、こちらはどうなるのかな?
様々な伝え方が有る雪と逸臣の想いが遮られそうになった瞬間、雪が近づいていくのは良いな
離れた形の会話ではなく、限られた光でも接する形で。そうしたから擦れ違いの可能性を潰せた
提案された雪から想いを伝えるデートの行き先探し。微笑ましくも温かい交流に胸が一杯になるね
猫猫が羅漢の弱みを知った状態で成立した勝負は羅漢にそのつもりが無くても出来レースに近い
猫猫は自分の盤面がどのような結果を生むか理解していた。その意味では眼前の盤面の意味を理解していなかった若い羅漢との対比になっているような
人の顔を判別できない羅漢にとって、きっと他人は全て等しく他人
顔が駒に見えるなら羅漢にシャンチーや碁と人に違いは無い
だとしたら盤面を通して触れ合えた鳳仙は羅漢にとって唯一の人間だったのかもしれない
また、一方の鳳仙にとっても羅漢は薄っぺらい愛を求めてこない唯一の人間だったのかもしれない
相手を唯一としていたのに、鳳仙は妓女で羅漢は武官であるが故に恋物語は成立しない
不幸だったのは盤面を変える行為をしてしまった事か
羅漢はその意味を察せず、鳳仙は伝えられなかった。擦れ違いが悲劇に至ってしまった二人にとってあの時の事など全てが今更
だとしたら、枯れても形を保つ薔薇は何の意味を持って羅漢に届けられたのだろうね
魔法はイメージの世界、想像できた者が強い。二次試験が終わり三次試験へ移る今回は相手を想像する行為が描かれたのかな
中心となるフリーレンは他者の心情理解に秀でているわけではない。それでも想像を辞めない。それが彼女の魔法使いとしての、また師匠としての強さを示したように感じられたよ
フリーレンは杖を大事にするフェルンの心を想像できず喧嘩になった。でも、そこでフリーレンは想像を辞めなかったわけだ。直感では新調するのがベストな壊れた杖の修理を頼もうとした
結局杖を受け取ったフェルンの心情までは想像出来ていなかった気がするけど、そこには寄り添おうとした過程がある。だから改めてフェルンはフリーレンを師と認められたのだろうね
デンケンとリヒター、カンネとラヴィーネの間柄も同じ。二次試験に落ちた相方に対し相手の心情を想像し寄り添っている。それは何よりの力だろうね
それだけに想像を不要とし直感で正しく合格者を決めるゼーリエは魔法使いとしての高みに居る超越的存在であると見えてくる
それを理解しているからフリーレンも彼女から合格を取れると思わない。でも残念がらないのはゼーリエが与える以上の合格をかつて貰った経験があるからかな
フランメから受け継いだ花畑を出す魔法がヒンメルの心に届き、彼の想像を刺激した。あの時からきっとヒンメルにとってフリーレンは最高の魔法使い
なら今更ゼーリエに認められ必要はなくて
そして自身が認めたフェルンが認められるかどうかをフリーレンは正しく想像できていた。エルフの想像を超えた人間の誕生、それは正しく時代の移り変わりを感じさせたよ
ここ数話衝撃的な展開が続いたと思ったら、今回もかなりの衝撃が
スミスは現在から過去へ行き未来をやり直した。そしてルルは未来から現在へ戻り過去をやり直すのか…
イサミ一人では本物のヒーローに成れないから支えが必要で。それが時間に逆らう二人となるのは面白い
ルルが行った時間遡行は大いなる勇気が必要な行為
そもそも本当に過去をやり直せるかも判らないし、スペルビアの協力も得られるか判らない
それでも守りたい人達を守る為に時間を超えた彼女はその時点でヒーローと言えるのかもしれない
だからスミスでも無理だったスペルビアへの搭乗もルルは勇気の果てに叶えられるようになる。勿論そこにはスペルビア自身の勇気も在ってこそ
ルルの勇気とスペルビアの勇気が溶け合う事で新たなヒーローが誕生したわけだ
でも、だからってそれをOMIAIと呼ぶかなぁ(笑)
新たな力が手に入り、皆で最終決戦に向かうかと思いきや、イサミ・ブレイバーンとルル・スペルビアだけですか
でも、それは無謀さから来る行動ではなく、皆を守るヒーローとして意識が生み出した行動。なら、最終決戦では本物のヒーローが存分に見られるのかな?
と言うか、この作品が終わってしまうのがとても寂しいのですが何とか続いてくれやしないものか……
恋を探る友崎が同時に探るのは日南の人間性。親友であるみみみにも見通せないそれは弱キャラでしか無い彼の力では容易に見通せない
ここで同じく日南を探っていた風香がブレ始めるのは印象的。日南を探る事で風香が元々持っていた人間性が影響されたような…
演劇のキャラであるアルシアを深める為に風香は日南という人間を分析した。けれど、クリスというキャラが風香の写し身である為か、あの物語に相応しい結末がどのようなものかを突き詰めていく行為は風香自身を突き詰めていく行為に繋がるようで
日南を探り風香を探り。そうする内に風香が日南や友崎を見倣い始めるのは面白い
風香が繰り返し主張する世界の理想
理想的な人間を敢えて日南のようなパーフェクトヒロインと定義した場合、日南のように成るのが理想的という話になる
思い返せば友崎だって日南を参考に自分磨きをしてきた。でも友崎がどうなりたいかを意識しつつ自分を変えたのに、風香には自分がどうなりたいかという意識が希薄なような気がしてしまう
風香自身が選んだ道だから他人が変えるのは難しい
一方でポイントとなるのはその人にどう在って欲しいかという一種の我儘かな?
友崎にとって風香はどのような人間であって欲しいかという点は迷走を見せる風香と接する上で重要なキーとなってくる気がするよ
他にも、台本が無くても夫婦漫才っぽくなるみみみとの仲が文化祭へ向け、どう変化して行くのかという点も気になるね
天才とは人より秀でた者で人の上に立つ者で。そのような綾小路と坂柳が司令塔としてぶつかった。今回の試験は彼らに相応しい構図
ただ2人が求めたものはそれぞれ違ったかな。綾小路はただクラスの勝利を、坂柳は天才の証明を。そして坂柳の目的が途中で変わるからこそ、彼女の表情は注目に値するものとなったね
特別試験の種目はバラエティに富み様々な生徒が活躍する。けど全ては司令塔次第。生徒達の成長は見えても、結局は司令塔による戦いの前座でしかない。人の上に立つ綾小路と坂柳によって彼らは踊らされている
だから堀北や橋本がチェス盤に向かい実力を発揮しようと天才の前では大した価値を持たない
堀北や橋本が見ても理解できないチェスを綾小路と坂柳が披露する事で二人の実力は桁外れだと証明してくれるね
そのショーは素晴らしいけれど、結局は彼らも踊らされる側というのが何とも言えない…。更なる上位者である月城によって2人の勝負は穢された
二人は大人であり理事長代理である月城の前ではどうとでもなる存在
それでも勝負した2人が証明したものは何だったのか
坂柳は綾小路の天才性を否定する為に勝負を仕掛けた筈だった。けれど、今は綾小路が本物の天才である事に喜びを感じているかのよう
憧れの存在と対面しその天才性を温もりとして味わい、自身の温もりを返した彼女はとても愛らしい表情をしていたよ
迅火と真介は神雲や千夜にはとても敵いやしない弱い存在
勝つ為には常識にない途轍もない奇跡が必要。偶然によって引き起こせる奇跡は強者の証かもだけど、それを人為的に引き起こしたら何が起こるか?という点を面白い視点で描いた回となったよ
真介は千夜の首に刃を掛けた。迅火は神運から逃げ延びた
人為的であっても途轍もない奇跡は彼らに己を再定義させるものとなったようで
真介は断怪衆の霊力改造人間であっても子供には手をかけない男となった。迅火は龍に負けない己を現実のものとした
そうして、奇跡を人為的に操れるなら超常の存在である山の神も操れるわけか
でも、それとて迅火が己を超えて神雲とある程度戦える事を前提としている。本物の奇跡を手繰り寄せて神雲と痛み分けとした迅火は大きく成長したね
ただし、奇跡を安く扱った代償は高く付いたようで。力を得て破滅を逃れたのに別の破滅へ繋がってしまった。迅火達の旅はどこへ向かっているのだろうね
桜志の心情を丁寧に描いてくれたスタッフにマジ感謝……
雪は既に逸臣と良い仲であり、他者が割って入る事は難しい
それでも桜志は逸臣に突っ掛かる。そこにあるのは心のような横恋慕か、それとももっと別のものか
話した事のない想いだからこそ、それは形を持たせるのが誰にも難しい感情
雪と逸臣はもう付かず離れずの間柄だね
今回は『泊まり』とは微妙に違うけど、同じ部屋に居て同じ映画を見て
雪は逸臣が引っ張ってくれると言うけれど、逸臣だって雪に引っ張って貰って手話の世界に入る事が出来た
二人は二人で一緒に居られる空間を作っている
桜志はもっと前から手話の世界に居た人間。でもそこで雪に求めたりしなかった。ただ、彼女の世界を傍で見守ってた
人に言わせれば或る感情の名前を見出だせるだろうけど、桜志はそれをせず、手話の世界を肯定していた
だからきっと桜志にとって手話以外の世界からやってきたのに、手話を覚えた逸臣は本当に気に入らない人間で
逸臣が自分勝手だったら桜志はもっと嫌えたろうけど、既に示されたように逸臣は雪の世界を肯定しつつ広げてやれる人間。また、雪をとても愛している
なら、感情に名前が付いてしまった桜志がそんな二人を認められないわけがなくて
素直になれた時には終わっていた恋物語がとても優しくて儚い……
流石に花を咲かせるのは薬屋の領分では無いのでは?と思ってしまうが、そこでも冴え渡る結果を見せてくれるのが猫猫か
存在しない青い薔薇を求める羅漢に唆された壬氏は操られる側。だというのに猫猫はそこに反攻の色を見たのかな。相手の思惑通りに動いてやるものかという精神が薔薇を狂わせたようで
オチとしては青い薔薇なんて咲かせられないと白を青に染める処置を行った訳だが、そこで薔薇まで偽物にしなかった点には猫猫の意地を感じるね
相手に操られる必要はない。それでも要求から逃れるのも腹立たしい。だから、存在しない色は無理でも季節外れ程度なら咲かせてみせる
ただ、そこで容易に自分を追い詰めてしまうのが猫猫の悪い癖だね
自分を大事しない、自分に色を見ない
対して羅漢は人を見ないタイプか。見えないから悪戯するような真似を繰り返し反応を見て人となりを察する
なら、そんな彼をして見る事が出来る猫猫とは、そして鳳仙花の紅とはどのような繋がりが潜んでいるのだろうね。次回が本当に楽しみだ
複製体を前にしたデンケン達の戦いは素晴らしいけれど、今回はそれ以上のものが描かれたね
イメージすれば一級魔法使いでさえ切れるユーベルが目立つが、それ以上にフリーレンの魔法は至高の領域にあると感じさせた
この第二次試験は改めて魔法使いの高みとはどのようなものかを示すものとなったように感じられるよ
魔法は相性のようなものだから連携して苦手をぶつければ簡単に倒せる。それでも相性だけでどうにかなる相手じゃなく、勝てるイメージがそもそも沸かない程の実力差が有る要注意人物だけは別枠
それを覆したユーベルの考え方は至ってシンプル。切れると思ったから切れる。知覚では切れないと判っている筈なのに、感覚だけで切っている。イメージに容易に到達するその感性は彼女の魔法使いとしての優秀さを示している
ただ、イメージすら引っ繰り返したのがフリーレンか
フリーレンはフェルンに負けるイメージが無かった。対するフェルンは既知の隙や作戦でフリーレンに勝つイメージを見出したからこそ勝機が生まれた。超常的な魔法使いを倒すイメージをフェルンは充分に持っていた
だというのにイメージすら及ばない領域の魔法を見せつけてくるなんてフリーレンはとんでもない存在ですよ
この二次試験は様々な人間の強さを見せつけたけど、やはり最後はフリーレンの強さへと収束したね。魔法かすら理解できない魔法、至高の真髄
それ程の格好良さを見せつけたというのに、最後にはフリーレンのイメージに沿ったミック喰われ芸で締めるというのが何とも乙な展開ですよ
前々から予想する向き自体は有ったものの、まさか本当にその通りだったなんて
てか、あの気持ち悪い言動を繰り広げるブレイバーンとスミスが同一人物だったと知りちょいショックが……
絶望の後に明かされた新たなる希望。それはヒーローになれなかった男がヒーローに転じた事で輝いている
前回に続き語られるはスミスがヒーローになれなかった事に伴う思考の切り替え
両親は守られず、そしてブレイバーンに乗る役目さえ貰えなかった。それでも彼は折れる事なくヒーローであるイサミの隣に居続けた
そうして起こったのは自身がブレイバーンになる奇跡。彼は正真正銘のヒーローになった
それによりブレイバーンという存在が持つ意味も変わってくるわけだ
これまではイサミを乗せたがる変態でしかなかった。でも正体がスミスと知れた事でそこには勇気が在ると伝わってくる。イサミと共に戦う為に彼は魂すら変化させたのだと判る
だからこそ奇跡が示された後で新たなる勇気の姿、バーンブレイバーンが登場するわけだ
スミスは戻って来ない。それでもイサミとスミスがバーンブレイバーンとして新たなるヒーローの姿を刻んだ。それはとても輝かしいものだったよ
それだけに気になってしまうのはスミスを失ったルルがスペルビアと何をしようとしているのかという点だね。ていうか、流石にルルだけには正体を明かしてやったりしないのかな?
みみみからの告白、弱キャラの脱却、そして演劇。幾つもの要素が絡まって進む友崎の恋愛課題は人と人が関わる際に生まれる気持ちをより探求するものに
それだけに彼に想いを寄せるみみみに目を引きつけられる形になるし、対する風香が何を想っているかも気になってしまうよ
みみみにすら尋ねてしまう付き合う意味、友崎は彼女が自分を好く事は認められても自分が誰かと付き合う情景は想像できていない。それでも風香やみみみから受け取った言葉は彼の想いを育てる土壌となっている
人間関係が想いを育てるとしたら、風香の経験を反映したらしき演劇に込められた想いも気になってくる
最初は風香の想像から始まった筈の物語は演者が決まった事で現実の人間関係を反映する形に
紺野の件から判るように風香は人間分析に秀でている。そんな彼女が物語を書く為に日南の分析を始めた。それは本当に物語の為なのか、またその分析は恋や交際を知ろうとしている友崎にどう影響してくるのか
空恐ろしい気分になってしまうよ
平田の更生を行うエピソードを通し、どのような手法に頼ってクラスを守るのかという点がフォーカスされた回だったような
幸村も掘北も反則気味な方法を交えつつ、己が考える最善のプランによってクラスを守ろうとしている。でも、相手が在る以上は完璧はプランなんて存在する筈がなくて
平田が折れたのも結局は他人と己を制御できなかったからだね
堀北ですら諦めた平田に話しかけ続けるのは美雨だけ。彼女は平田を引き戻す為に己に可能な全力を続けている。また高円寺も協調性皆無の性格にしては珍しい挑発を行っている
誰も彼もがあの学園に存在する難局に対し向き合い戦っている。逃げ続けているのは平田だけとなるわけだけど…
そうなるのも仕方ない事情があったという事か
当初、友人の難局を傍観してしまったが為に友人は壊れてしまった
次なる虐めを止めようと積極関与したら、それはそれで壊してしまった
不作為でも作為でも救えなかった。それは山内の件も同じ。だから平田は停止し人と関われなくなった
見る人が見れば仕方ないと思う彼の境遇、ここに綾小路は努力が足りないと言えてしまうのか……
綾小路の言葉は冷徹。そこらの主人公なら感情から来る言葉によって挫折者を立ち直らせるだろうに、綾小路の言葉はきっと計算ずくの言葉責め
理詰めのようなそれは盤上における綾小路の実力を示唆しているね
だからこそ実力者が揃い踏みしたシーンで次回へ続くラストカットには静かな興奮を覚えてしまうよ
綾小路が司令塔となり率いる今回の試験、どれ程の力を見せてくれるのだろうか?
考え方を変える、または硬い頭を軟らかくするかのような修行回となったね
破天荒な山の神が導く迅火達の新しい境地。これまで旅を一歩一歩硬く踏みしめてきた彼らには容易に辿り着けない全くの別空間。極端な状況の修業となったからこそ彼らには効果的となったのかな
山の神が操る幻術は神雲達を惑わすもの。正しく進む先を判らなくさせる
でも見方を変えれば幻術なんて既に在ったと言える訳で
闇を誅滅する断怪衆を率いるのに闇と通じていた野禅、闇への愛情により迅火が隠していた人間の家族への絶望
特に迅火は自らの幻術により見るべきものを見えなくさせていたなら進める訳がない
物事を正しく見えないままに歩いてきたから歩み方を変えるような修行が必要で
迅火には己と敵を新しい視点で見る目。真介には目前の障害を切ればいい訳ではないとの視点。ならたまはどのような視点を得るのだろうね
また断怪衆の人間とはいえ、子供の首に刃を突きつけてしまった真介は復讐に燃える己をどう変えれば良いのだろう?
恋が始まっている二人と恋が始まりそうな二人による手話合宿。雪と逸臣は既に熱々だから、そんな二人と一緒に居ればりんと京弥は刺激される
これまでは自身の恋を持ちつつも雪を応援する立場に居たりんの恋心がとても綺麗に描かれた内容には高い満足感を覚えましたよ!
一方で雪は逸臣との関係が全て完璧というわけではないね
逸臣と海外へ行く為にバイトをしなければ。その切迫感を必要以上に抱いてしまえば逸臣を見れない。すると言葉を交わせない
そこで無邪気な振る舞いで雪の視線を縫い留め、会話を取り戻した上で雪に踏み込める逸臣は本当に良い男……!
雪と逸臣に気遣って二人の時間を作ればりんと京弥にも時間が出来る。これまでは勝手に恋い焦がれるような関係、もしかしてと期待するだけの相手
だから時間を作って言葉を交わせば足りない欠片を埋める事が出来て
直接的な言葉とはならなかったけど、二人の想いを育む上で重要な合宿となったね
雪と逸臣の関係に安らぎを覚えてしまうのは、興味本位とかで付き合っているのではなく、相手の世界に踏み込もうとする思い遣りがそこに有るから。この雰囲気はそう簡単に真似できるものではない
桜志は雪にもいずみにもそんな雰囲気を作れ無かった。とても中途半端
発破をかけられた彼が次回にて何をするのか、原作を読んだ際に印象的だと思えた回だけにしっかりと見届けたいよ
言ってしまえば今回の話って勘違いに端を発するドタバタコメディ回なんだけど、最近重々しいEPが続いていただけに気の抜けた今回のEPは殊更楽しめたね
白鈴が誰かに身請けされるかもしれない。早急に対処しなければと危機感を抱いた李白がそれでも示した漢らしさには敬意を表したくなるね
別に猫猫は李白の為に行動したい訳では無いが、白鈴には強い恩義を感じている。だから李白の為よりも白鈴の幸せの為に李白を相応しい男か見極めようとする
ただ、それが壬氏から見ればとんでもない場面になってしまうだけで
李白を「愛すべき馬鹿」と猫猫は言うけれど、男の全裸を平然と見ている猫猫も「愛すべき馬鹿」な気がするなぁ(笑)
猫猫があんな調子だから保護者か恋人気取りか曖昧な壬氏が出張る事になる。その意味では壬氏だって「愛すべき馬鹿」かもしれない
そうして三者の馬鹿が揃った事で見えたのは李白の気持ち良い実直さだね
今は白鈴に手が届かない。それでも愛する女の為に馬鹿を貫き通そうとする彼の姿には好印象を抱いてしまうよ
あまりに衝撃的な内容過ぎてEDをどういう気持ちで見れば良いか判らなかったよ…。いや、あのEDには毎回困惑しているけども
これまでヒーローはいつもイサミで、スミスはヒーローに憧れつつも現実を見据えていた。その彼が下した決断に震えが止まらない……
イサミとブレイバーンへの支援体制の中軸を担う役割となったスミスは本物のヒーローではないけど、ヒーローに近しい存在
だから一人でヒーロー役を担うイサミを支えられるし、イサミもスミスを最上の友として戦いへ向かえる
その関係はスミスに良い影響を与えるものになっていたのかな
霧の中で戦わざるを得ない戦闘はそのまま孤独感を強調するものに。イサミとスミスは通信が繋がっていても、頼りにできる距離にない
逆に見える距離の味方が倒れればそれを意識せざるを得ない。イサミというヒーローを頼れないスミスは仮初めのヒーローとして決断しなければならなかったわけだ
でも、スミスにブレイバーンは居ないわけで
力を持たぬ彼がそれでも発揮できる命の耀き。これがせめて敵を倒せたならばと思うけれど……
あと、まるで未来を知っているかのような発言を度々するブレイバーンが「また会おう」と言ったのだから、スミスが生還する道が有るのではないかと期待してしまうが果たして……
複製体を掻い潜り迷宮の最深部を目指すだけの試験がフリーレンの存在によって、果たして人間に永劫の時を生きるエルフを打ち破れるかという試練に様変わりするのは面白い
そこではどう協力するかも迷宮を楽しむかも過度なプラスにならない。人間が持つ強さの可能性が試されるわけだ
フリーレンはあまりに強い存在だから、心の情報や迷宮の真相が判っても複製体打倒の助けにならない。フェルンが見つけた弱点すら致命的な隙であっても、それで一気呵成に戦いを終わらせてくれるものでもない
結局は魔法使いとしてフリーレンより優れているかが問題になってくる。だから偽フリーレンに最も近い実力を持つフリーレンとフェルンだけが挑むしかなくなる
フリーレンと複製体が行うは超越者の戦い。常人は立ち入れない、至高のエルフだけが辿り着ける領域
だというのにゼーリエの回想は別の可能性を見せてくれるね
かつて存在したフランメという人間の超越者はゼーリエの認識を超えて、多くを成し遂げた。彼女単体は特異点だったとしても、人間がエルフを追い越す可能性を示してくれる。特にあの頃から千年も経ったとなれば
フェルンは幾つも優れた点があるけど、フランメ程の特異点というわけではない。でも至高の領域に居るフリーレンの隙を突く攻撃を知っている
その些細な一点がこの戦いにおいて超越者たるフリーレンを倒す道に繋がっている
魔法使いの強さを測るこの選抜試験、エルフであるフリーレンが無双するかと思いきや、最終的に人間の強さをこそ証明するものに回帰したように感じられるよ
文化祭という一大イベントを前にして意識されていく「誰を好きになるか」という問題、みみみの告白によってそれが加速した形だね
ボールは友崎に投げられた。なら友崎はどう投げ返すかが問われるのだけど、それ以前の問題として友崎には人を好きになる覚悟は有るのかという点も問う内容となっていたね
動揺のあまり助けを欲する友崎の姿は少し情けない。更に自虐まで混じれば水沢のように忠告するのも当然というもの
でも、ここで己の誠実さから逃げ出さずにみみみの好意を受け止め、更には今の自分が気になっている女の子の名前も挙げられた
友崎は弱キャラかもしれないけど、弱いままの自分から脱しようとしていると感じられたね
誰かを好きになる行程を進む為のピースを友崎は得る必要があって
その対話の相手に風香を選ぶ辺り、友崎の嗜好って明示されている気もするけど、一方でみみみとの面白おかしい遣り取りも良いもので
どの道を選ぶのが最良か迷う局面。それだけに原作を読んだ時にかなり衝撃を受けたあの演劇が少しずつ形を成していく様には色々と期待してしまうよ
初の退学者が出た為に雰囲気が極端に悪くなった状態だというのに、厄介な理事長代理はやってくるし退学者が出る試験は始まるしと散々な状況。ならクラス内における人心掌握が重要になってくる筈
なのに掘北は退学者を指名した件を引き摺っているね。だからこそ綾小路がいつになく表に出る運びとなるし、彼自身の意識が変わる兆しも見え始めたね
見返りよりリスクの方が大きい司令塔、だから全クラスがプロテクト持ちを指名する。それによって退学リスクが無くなるのは良いけど、その分退学への緊張感も薄れ、クラスを纏めるのも難しくなる
平田の荒れっぷりは目立つね。退学者が出たから平田は荒れている。結局、掘北の覚悟が回り回ってクラスを揺らがせている
それは掘北が立ち向かうべき試練となるね
掘北がそんな状態だからか、綾小路が向き合うのは軽井沢との甘い空気だったり堀北学との未来に関わる対話だったり
特に印象的だったのは掘北に関する会話か。今は綾小路の足元にも及ばないのに、堀北学に言わせれば無視できない存在になる可能性が有るとか
未来は誰にも判らない。それだけに綾小路や掘北がこれからどう変わっていくかを楽しみに思える回ともなったのかな
物言わぬ岩石となってしまった灼岩はもはや語り合える友でなくなってしまった。たま一行も語り合いの言葉少ない状態に
仲間と話せなくなってしまった真介は魔剣との対話が却って進むというのは皮肉な構図。また、その構図は真介が本当に戦わなければならない相手も語り教えてくれるものになっていたのかな
闇に守られる村は生贄が要求されているが為に人と闇の共存が出来ている
でも、そこには自分の生き方を自分で選べない弱さが有る。真介が打破しなければならないと考える虐げられる弱さだね
だから当初は強い闇に憤った。そして次に闇を倒し灼岩の仇である烈深に怒りを向けたわけだ
でも、真介が真に怒りを向けるべきは自分自身なのかな
魔剣との対話を通して己との対話力を鍛えた真介だから気絶する烈深を倒す自分を灼岩は許さないとの声が己の中から聞こえてくる
真介にとって強さを求める意味が変わり始めたと判るEPだったよ。それだけに次回行われる神との対話はたま一行に何を齎すかも期待してしまうね
そこまで物語に絡んでいた訳でもない心の片思いをここまで丁寧に描いてくれるなんて……!
逸臣、心、エマの三人で紡いできた曖昧な関係は心が我慢する事で成立していたようなもの。なら逸臣に彼女が出来て我慢せずとも良くなったとしたら…
それでも踏み込めない彼の優しさがとても尊く描かれていたよ…!
心にも紹介され、キスの合図まで取り決めた逸臣と雪はより彼氏彼女らしさを増してきたね
雪にとってそのような日々はドキドキの連続で、きっとその状況に慣れる自分なんて今は想像できない。でも、逸臣が言うように時間は有る
時間があれば目に入る風景は違ってくるし、手話合宿なんてイベントも起きたりする
対して時間が変えてくれなかったのが心とエマの関係か…
好きになった時にはエマは逸臣の事が好きで自分は友人にしか成れず、逸臣は今は付き合わないと未来での変化を匂わせる。ならエマを好きな自分を変える為には自分を痛めつけるしかなくて
それが結局、悲壮な覚悟に繋がってしまうのは本当に哀しいね……
でも心の覚悟によってエマの笑顔や3人の関係は守られたわけで。だから色々変わってしまった今もエマは心に髪を触らせている
でも関係を変えなかったから、エマを今更変えてしまうような一言を伝えられなくて
心が抱える切なさに見ているこちらまで切ない気持ちになってしまう素晴らしいEPでしたよ……!
衝撃的なEPの後に続くは事件の整理と次のEPへの繋ぎか
猫猫の口から語られる事故のような事件に関する推理は真相に限りなく近い憶測だけれど、一つ一つの事実から確信できる真相ではある
また、事件は壬氏の正体に繋がる憶測も導けるのだけど、ここで踏み込まないのが猫猫か…
事件についてもう一つの憶測を誘導する翠苓は更に怪しい動きを見せたね。まさか死を偽装するなんて
面白いのは翠苓の行動は猫猫に通ずる部分があること
猫猫は日常に有る様々が毒になる知識を用い活躍してきた。翠苓は毒を薬として活用し逃げ延びた。それは猫猫をも上回る毒狂いの証かもしれない
逃げられたらそれ以上は憶測の領域。猫猫が事件に関わるのは一旦終了
憶測を避けるのは壬氏も同じ。翠苓については憶測も出来ず、皇帝の御子に関する憶測を彼は持たない。確固として有るのは自身の役目だけだろうか?ただ、それもどういうもの……?
さておき、次なるEPは禿の噂話に端を発する騒動となりそうだ
各魔法使いの前に立ち塞がる複製体に対し攻略法を探る様子が様々な方向性から描かれたね
偽物は心無き複製に見えるが、もし心が有るなら攻略の糸口も有る。でも心が無いなら別の手段が必要となる
そうした探求の一方で自分達側の心も探っているのは面白い
ユーベルは眼前にいる自身の複製の心を探っているようでいて、その実探っているのは自身の心。同時にラントの心も探っていた
ユーベルは他者に共感する事で新たな力を得る。なら彼女にとって相手を倒す力を入手するとはつまり相手と自身の心を分析する工程に他ならないわけだ。その工程は苛烈であるが為にユーベルの魅力を改めて伝えるものになっているね
変わらず迷宮攻略に勤しむフリーレン達は楽しそう。攻略に関係ない隠し部屋まで見つけてしまうなんて
だから最深部に自身の複製という凶悪なボスが居ようと心持ちは変わらない。迷宮を隅から隅まで味わうフリーレンにとって、自身の複製は突破不可能の壁ではなく知恵を尽くして回避する罠の一種。むしろ迷宮攻略の醍醐味とすら思ってそうだ
前向きな心持ちはそのまま相手を倒すイメージへと通じるね。確かに強敵を前に心折れてしまう事はあるだろうが、どんな状況だろうと勝てると信じているなら負ける筈がない
だから迷宮を楽しんできたフリーレンとフェルンとて負けるイメージを持っている筈がなくて。だとしても心無い感じにフリーレンを殺せると言ってしまうフェルンはどういう精神構造をしているのだろうね?
強敵が2体も居る為に分散せざるを得ない戦力。ここでスミスが対スペルビアの陣頭に立つなんてね
これまではブレイバーンに頼りきりだったが、誰だって己の力で戦わなくてはならない時が来る
2人目のヒーローが降り立つように輝きを放ち始めた彼がどこまでやれるか見ものですよ
スペルビアもクピリダスも油断ならない相手。だから大きな力を持たないスミスには荷が重い。戦う事は出来てもブレイバーンのように一刀両断にするなんて出来やしない
というか、クピリダスを切って切って切りまくるブレイバーンという流れはどういうギャグなのかと(笑)
スペルビアを拷問(?)した事で見えてくるのはルルの正体とスミスに足りない力を埋める術
今回は正しく適合できなかったようだが、彼の方向性そのものは見えたような
ヒーローに憧れる彼の適正とルルの新たな生きる道。イサミとブレイバーンがそれを手に出来ただけに彼らも同じように輝けないかと願ってしまうね