3期への繋ぎになる小品とはいえ、学生期間としてはかなりの長さをカバーする形になっている。3でやたらとたくましくなっていた久美子がまだそうなる前、2の面影が強いところから3へと変わる過程として、やや物足りなさは残るものの、補完、そして伏線としては十分に楽しむことができた。3のエンディングがああなったからこそ、それを予期させないそこまでの過程が眩しく見える。改めてやはり、3のエンディングはあれが良い。
序盤のやたらとウェットなやり取りや、繰り返される絵本との対比はしつこさすら感じていたが、後半でリズと青い鳥が入れ替わった時、あのウェットな描写こそが自然とリズと青い鳥を誤認させていたのだと気づかされて感心した。引いた目で見れば高校生のよくある進路の別れであり、その中でのごく小さなすれ違いと和解でしかないのだが、作中作をモチーフとして使いつつ錯誤へと誘導し、その解消を演奏へと昇華させる形で巧みに描いており、丁寧なアニメーションと劇伴も相まって素晴らしい作品となっていた。本編のように部としての結末を描き切ることもなく、二人のやり取りとして締めたのも非常に好印象。どうしても部とコンクールに引きずられて描写がそちらに寄ってしまう本編よりも、こちらの方が好みだった。
開幕から自信満々にいつもの無能、いつになったらメタ認知が出来るようになるんでしょうかこの子は。そしていつも通りの良い事言ってますよね的なシーンで陳腐なセリフに陳腐な展開。いつものくだらない下ネタ。作画以外常に25点ぐらいの低空飛行が常態化している。そしていつもの臭いポエム、痛いキャラ、くだらないギャグ、上滑りする会話劇、見え見えの謎かけ。終盤のあるあるの展開は普通に描写していれば作画ブーストもあって普通に受け入れられそうなのに、とにかく無用なゴミポエムやイキりが挟まれるせいでため息が出てくる。さすがに何かを期待するまでもなく、この品質・この品揃えがこの作品のコアコンポーネント群であり、この組み合わせが通常運行だと判断せざるを得ないだろう。もう特に何か期待していないが、まぁここまで来たからには完走はしようかと思う。
二転三転する展開は興味を惹くし、エンタメとして面白さがあるのは間違いないのだが、終盤は急にいつもの麻枝展開になっていく。どうしても日常、急展、喪失からの僅かな救いをベースに描かずにはいられないようだ。キャラクターはこの尺の中では良く描けている方だと思うし、音楽は良い。ストーリーもこの尺で描けるサイズに整えられており、Angel Beatsからの進歩が見られる。神様になった日のような崩壊はしていないし、Summer Pocketsのようにゲームを無理やり短尺にしたような不自然さもない。ただ、中盤の急展開はまだ良いとしても、終盤2話の展開はさすがにちょっとやりすぎ感はあった。もう少し地に足のついたエンドでも良かったのではないかな。