サービス開始日: 2016-03-14 (3566日目)
これまでの花奈は一人で朗読してきた為か、そこに自己分析による理由付けは不要だったのかもしれない
けど、放送部に入り他者の理由を聞いていくと自分の理由を見出していく。まさしく他者紹介はお互いを知る場でありながら、同時に己を知る機会となったようで
でも、それが紹介の形を取る以上は第三者にも己は知られていく。杏との衝突は集団の中に入ったならば必然的に生じる摩擦、花奈がこれまでと異なる活動を始める象徴に思えたよ
初対面の相手を第三者に紹介する。言うは易く行うは難しな試練は自分を把握していないとまず相手に教える事も出来ない。前回、放送部に入りたいとすぐには言えなかった花奈には高いハードル
だからこそ、包み隠さず自分の好きを話してくれる冬賀の言葉は花奈から好きを引き出してくれるね。朗読への好きを強みと思えるようになった花奈の姿は良い
ただ、好きを外部へ向けて露わにすれば、それを好きと思うだなんて気に入らないと考える人間と衝突する事も有る。それが杏になるわけか
杏は恐らく好きよりも向き不向きを介して己を知った人物だね。だから呑気に好きへと進もうとする花奈や冬賀が気に入らない
Nコンに出場してしまえば実力に優劣は付けられてしまう。自分の”好き”を否定されない為には好きじゃないもので実力を伸ばさなければならない時もある
だとしたら、朗読を諦めた杏にとって”好き”だけで相手を引き込む実力を見せつけた花奈は残酷な存在なのかもしれない。おまけに花奈はそれに無自覚だし
早くも人間関係の摩擦が見え始めた集団活動を通して、花奈は朗読とどう向き合っていくのか楽しみだね
司の指導を本格的に受け始めたいのりは活動のステージを一段上げたようなもの。だからか、これまでに無い練習に身体が悲鳴を上げる事も有るし、それまでは見えなかった諸々が見えてくる事も有る
特に11歳という遅い年齢で始めたいのりに対する僻みや嫌味は酷いもの
この有り様は今後いのりが立ち向かっていく逆境を端的に示しているようでもあり、司といのりが逆境をどう乗り越えていくかも描いていたような
バッジテスト、これから彼女が歩むべき道を思えば初級くらいは簡単に出来るべきでは…?と安易に思ってしまうけれど、3回した練習していない段階でテストを受けるのはリスクが有るし、逆にこのペースでテストを受けていかないと同年代に追いつけない点は有るのだろうな
言葉の通り、同年代は遙か先に居る。だから理鳳からは悪口を投げられるし、光は既に実績を示している
2人はいのりがこれから追い付かなければならない相手であると同時にフィギュアを早い段階で始めた場合の理想として君臨する存在だろうね
テストの環境はいのりにこれまでにない光景を見せる。それは彼女にかつてないプレッシャーとなる
ここで司が別種の日常動作を挟み、彼女に平生の心境を取り戻させるのは良いね。これから新しい環境に挑戦する事になろうと、いのりがこれまでに培った練習成果を軸とすれば彼女は自然と滑り出せる
ただ、そんな頑張りでもまだまだ母親の気持ちを満足に変えられないのは辛い…。いのりの母とて子育てで培った経験則が有るから、現状のいのりから輝かしい未来へと容易に繋がると思えない
そのような閉塞感が描かれたからこそ、いのりにとって輝かしい未来を体現した光と友達になり、更には彼女とてもっと上手くなる途中に居ると知れたのは大きな心境変化となるのだろうな
光は小さな頃から練習していたから、才能があるから、そんな理由だけで栄光を掴めたのではなく、自分で行動して掴むチャンスを得たのだと知れた
ならば、いのりも年齢というハンディに関係なく欲を口にする必要がある。そうすれば司が叶えてくれる
逆境に挑み続けるいのりを益々応援したくなる内容でしたよ
続編初回は大人しいノリ。ただ、後宮における日常というより、後宮の運営に絡む話が多かったような
冒頭から壬氏は各妃に挨拶し均衡を図ろうとしている。それは彼が後宮の管理者として果たすべき役割
なのにただの毒見役である筈の猫猫も後宮の為に香油やアルコールを用意し、性教育まで考えている。知らずして彼女も管理者の如く働いている
それだけに今回を大人しい話と思えたのは管理上、頭の痛い問題が発生しなかったからだろね
前半部では識字率向上を企図した大衆小説の流布だなんて面倒な事をしているね
けれど、文字を読めれば生き方の選択肢が増えるのは事実。思えば、猫猫が無垢な乙女に性教育を行おうとしたのも、玉葉妃が鈴麗に将来を考えて猫猫の知識を授けたがるのも似たような話
そもそも猫猫が本作で縦横無尽の活躍が出来るのも彼女が持つ薬学関係の知識に拠るもの
知識は人を助けてくれる
後半部では拾い猫の話から猫猫と壬氏の関係へと話が発展…
猫猫は立場上の問題で猫の世話を見る羽目に。あれだけ世話しても彼女は猫に夢中となっていないようだけど、この猫猫と毛毛の関係が壬氏と猫猫の関係に置き換えられるのは面白いね。立場上、利用するだけだった筈の相手にいつの間にか壬氏は夢中になっている
だとすれば、毛毛にしたお腹の匂いを嗅ぐ行為は本当は猫猫相手にしたかったの……?
ともあれ、些細な事象を推理してひとりごとのように真相へと至る本作。今回は解消されなかった「子猫は何処から来たのか?」という些細な謎は日常的でありながら、本作としては油断ならない真相に繋がっていくのでは?と予感させる初回でしたよ
事前段階ではキャラデザをどう受け止めて良いか判らなかったのだけど、いざ始まってみればキャラデザより衝撃的な葬式からのスタートに加え、葬送されたサヨが平然と会話等に加わる光景に衝撃
舞台は現実の日本に存在する江の島なのに巨大ロボ・アクエリオンが登場する事を始めとして何もかもが非現実的。現実と非現実が曖昧な本シリーズは知っての通り、1万2千年前の因縁が地続きとなった作品でも有る
アクエリオンらしくないけれど、やっぱりアクエリオンらしさに溢れた初回だと思えましたよ
キャラデザはカートゥーン調だけど、反して会話内容や各キャラの内面は非常に繊細且つ現代的に描かれているね
特に舞台となる学校がこれまでのシリーズより人口密度の高さを感じさせる為か、不器用ながらも心を通わせようとするサッコ達とそれ以外の差を強く見出だせてしまう
そう考えると学校という集団に迎合できず、疎外感を覚えるサッコ達だけがまず特別な存在であるエレメントに選ばれる展開は却って彼らを浮いた存在と強調するものと思えるね
アクエリオンシリーズといえば、ベクターマシンによる自由な合体が見所の一つとなるわけだけど、初回で合体シーンは描かれず
ただ、それを補って余りある要素は出撃シーンかな。見覚えのある光景が変形・展開してベクターマシンが飛翔するシーンは現実を基にしているのに非現実的なだけに興奮させられたよ
いわば集団と合体出来ないサッコ達がアクエリオンでの合体を通してどのように自己実現を果たすのか、ひとまず継続視聴していきたいと思える作りでは有りましたよ
インハイを戦う千夏はどうやら自分の願いだけでなく、先輩達の想いも背負う事になったようで。そりゃダンゴムシのように丸まり転がりたくなる
それは誰かさんの助けが欲しくなる瞬間だったのかもしれない。それだけに大喜の念が籠められたミサンガは千夏を励ますものに。他にも遠い場所で大喜は新たな念を届けるべくシュートまでしている
千夏が戦うように大喜も戦ってくれている。その関係に分け入って己の戦いを魅せたのが雛だったのだと感じられる内容でしたよ
雛はインハイで3位という素晴らしい成績を収めながら慢心していない。むしろ次を意識している。彼女の中で戦いは終わっていない
それでも現状を褒めてくれた大喜の言葉は彼女にとって一つの成果として胸に届いたのだろうね
けれど、大喜は雛を褒めつつも別の挑戦をする千夏へと気が散っている。ならばと雛は大喜にもっと自分を意識させたくなったのだろうけど……
だからってあのタイミングで告白するなんて全くの予想外でしたよ!
雛は大喜がまだ千夏を好きだと知っている。その上で返事を求めない告白をした決断には彼女の強さが現れているし、新体操と同じく次を想定しているのだと判る
結果、大喜は雛を強く意識し始めるね。千夏の戦いを意識から外してしまう程に……
大喜の念が外れた事が始まりかのようにインハイを敗退し、更には大喜と雛の逢瀬を見てしまった。明暗が分かれ、まるで勝者と敗者が決まってしまったかのような千夏と雛のこれからがどうなるのか気になって仕方有りませんよ…!
やはり本作は相反する要素を重ね合わせた作品であるように思えるね
スマホに映った景色を見て先へ進もうと語り合う姿には確かな希望を感じさせる。また。自分達を邪魔する敵がいると知っていても、れんげの強さやかっぽ~を挟む事でどこかピクニックの様相を見せる
けれど、その際にえりかが口にしかけて辞めたように彼女らの生活は危険と隣り合わせ
彼女らが纏うその気楽さは厳しい現実と薄皮一枚で隔てられている
相反する要素という意味ではゆりの友達関係にも現れているね
彼女は居なくなると寂しいからと友達になる事を拒絶していた。でもその実態は寂しい別れを経験したからこそ友達に臆病になっていた。ならば居なくならない友達を保証できれば、又は別れた友達と再会できるならば彼女とて友達を欲する心を取り戻せる
相反する要素は反対であるが故に実は近い処にあるのかもしれない
ゴリアテを前にえりか以外の面々が前回と似た調子の戦いを繰り広げる他方で独り戦うえりかは絶望的な死線を潜り抜ける事になる。その際の彼女のパニックは敵と戦う状況がどれだけ危険であるかを実感させてくれるもの
余裕は苦境と相反するけれど、きっと近くにある。だからえりかを助けに来たゆりが助けが必要な側に回ってしまうのも相反する要素が重ね合わせられた結果なのかもしれない
あまりにも早い友達の喪失。一生の友達という意味を嫌な意味で理解させられてしまったよ⋯⋯
生と死の境にて求めるのは自分が生きているか死んでいるかというよりも、己はどのような人間であるか
いわゆる自分探しを自宅等ではなく滞在先のホテルで行うのは少し面白いかもしれない
ホテルに来た当初は記憶どころか名前すら思い出せない。それが自分の欠片を探す内に少しずつ思い出され、そうして自分を取り戻していくという構図は留まるというより進む為の準備をしているかのよう
名前を忘れていた時点での音子は無個性に近い。落ち着いているというより自己表現の仕方を知らない印象を受ける
だから名前と顔を取り戻した後の彼女はそれこそ猫のように動き回り、ホテルや人の事情を探り出す。その行動には彼女の個性が溢れているね
音子がその調子なら他の滞在客だって己を取り戻していく
印象的なのは顔がタロットになっていた女性は自分探しの結果により、己がホテルに辿り着く原点へと留まるのではなく、見つけた自分によってこれからの歩み方を見つけた点か
生と死の境で行き先を見つける為に自分探しをしているけれど、見つけた行き先は必ずしも生か死の二択ではない。見失いかけていた自分を活かす遣り方だって見つけられる
そんな手伝いをした音子は案外あのホテルに相応しい人物と言えるのかもしれないね
演技と朗読は微妙に異なるもの
舞台を動き回る必要はないが、棒立ちが許されるわけではない。自分の言葉を相手へどのように届けるか、また自分はどのように言葉を発するかが焦点となる。それはまさしく自己表現だね。朗読を通して花奈という人間が他者へと伝わっていく
花奈は当初からその才能の蕾を持ち合わせている。それ故に彼女は朗読を通して何者になりたかったのかという点が彼女を理解する入り口となるのかな?
花奈の朗読を聴き放送部に勧誘する瑞希の行為はいわば眠る才能をを拾い上げるようなもの。それによって燻っていた者が活躍の舞台を得るのは物語の始まりを感じさせる流れ。対して花奈は言い訳を使い誘いを断る
放送部に入りたくない訳ではなく、環境が彼女に花咲く事を許さぬ意識を植え付けていた
最終便の時刻も朗読会を喜んでくれる人達も、大人や子供達からの評判も。また、人が少なく狭い島は彼女に我を通せぬ要因ともなったのかもしれない
瑞希は彼女の才を花開かせようとする。けれど、勧誘しても詩を聞かせても近づいても彼女は自分を咲かせはしない
けど、咲かないからといって咲きたくないとまで思っているわけではなくて
海を前に朗々と詠み上げた花奈は誰に何を届けようとしたのか?何の為に言葉を紡いだのか?
まさしく朗読の最後にあったように修羅と化していたのではないかと思えてしまう。自分を阻害する何者をも打ち破り己の思うが儘に蹂躙する修羅に
花奈は自身を花咲く事を許されない者だと捉えていたようだが、その一方で己を花咲かせようと藻掻いてた。だからといって一人で勝手に咲けやしない。そんな必死の願いを瑞希が聞き叶えるシーンは解放感に満ち溢れたものに思えましたよ
早くも本作への期待が更に増す初回となったね
難しいとか駄目だとか言われて夢を諦めたり、進路を変えたりなんて経験が有る人は山程いるだろうけど、そうした人ほど夢を応援してくれる者が居れば人生そのものが変わったのかもしれない
本作は司がいのりを指導する教育ものに見えて、その実は諦めきれない夢を2人で叶えるバディものかもしれないと思えましたよ
周囲もそしていのり自身も応援できないフィギュアスケートへの夢、それをかつて応援して貰えなかった司が教え導く構図は美しい
ただ、司とて当初からいのりを応援する人間だったわけではないね
お金を払わず滑っていたいのりを追い掛け、その遣り方を辞めるよう諭す。自分とて親に応援して貰えなかった人間なのに、親に話せずズルをしていたいのりに通り一遍な教えをしている
そんな彼の姿勢が変わるのは、改めて彼の進路選択が瞳から無理解を受け、更にいのりに対し無理解な母親を見てからだね
自分と同じようにいのりも応援されない立場。だからこそ手を差し伸べる重要性が判る
だとしてもフィギュアスケートへ進むのは容易な決断ではない。本人のやる気ではなく家族の理解が必要となる
いのりは母親を驚かせる才能を持っていても親から理解されない。ここで無理解による限界を迎えたいのりが自分を変えたい本気の願いを口にしたのは良かったな
それを受けたからこそ、いのりのそして自分自身の最大の理解者である司が彼女を最大限応援する必要があって
フィギュアスケートをさせるだけに留まらず全日本なんて大言壮語を吐いてしまった司。早くもこのバディが進む道が修羅であると伝わってくるような初回でしたよ
予告映像とか特に見ずに見た為に動き過ぎと表現しても過言ではない本編にガチで驚愕。めっちゃ身体が動き回るし、めっちゃ髪の毛とか揺れてるね⋯
そういう作りだから動作にばかり目が引き寄せられてしまうけれど、本作はそうした賑やかさとなる「動」の表現とれんげの雰囲気に代表される寂しさの「静」が併せ持たれた作品に思えましたよ
敵は正体不明の敵、そしてゆり達が使う武器も未知のもの。トドメとして怒涛のように繰り出される台詞の数々は一つ一つへの注意力を散漫とさせつつ、それらの物事を大いに楽しむ準備運動としてくれるね
その対極として放り込まれたのがれんげの持つ寂しさかな
記憶も友達もなく街を彷徨っていたれんげに有ったのはゆり達が持つ雰囲気と全く異なるもの
意外に思えたのはそんな両者が合流し、ゆり達の賑やかさに当てられてれんげが楽しげな雰囲気を放つようになる点か。おまけにかっぽ~コーナーなんて始めるし
そうしてゆり達の「動」に取り込まれるかと思いきや、記憶を持たない非共通項により境界線が引かれた印象
ずっと一緒に居るけど友達になれないゆり達と、そんな彼女らとの出会いで一生の友達を手にしたれんげ。その認識の違いはこれからどう描かれるのかな?
新OPの千夏が天使すぎて仰天した……。あと、雛も可愛かったし、新EDも良かった……
さておき、今回は道の先達に指導を受ける内容となっていたような
大喜は千夏との触れ合いを少しずつ増やしているが、花火大会の件に代表されるように擦れ違いだって有る。同居状態で距離を詰める難しさも知っている
だからバドにおいて指導を欲しているように恋愛面でも指導となる対象が居れば有り難い。今回は華恋が指導役となったね
針生と華恋の恋愛的始まりはかなり突発的。それまでも関係の進展に迷う事は有ったようだけど、告白は準備してのものではないね
二人には本音を明かして話せる関係の土台が有ったからか上手く発展できたようだけど、それでも今を「実験中」と話す口ぶりからは恋と部活や仕事の両立が容易でないと察せられるね
その姿勢は大喜にとって大いに参考になるもの
見倣われた針生とて指導を受ける最中と言えるのかな
部活面では兵頭の後を必死に追っているし、恋愛面では華恋の後を追う形
他方で人生としては二人、特に華恋から大きな影響を受けているね。出来ない事でも不確定な未来を良い未来へと確定させる為に努力した彼女の姿は針生にとって大きな指針となった筈
彼女の不安げでありながら応援する姿を見た事で針生はかつてない程に兵頭に追い縋れたようで
試合後、針生と兵頭の遣り取りは短いながら、先達・後進の関係性が感じられて良かったな
そして華恋から指摘された盲点、新たな教え
考えすぎて距離を保つより、考えずに行動する大切さ。大喜はこれを受けて自身の行動を変えられるのかな?
取り敢えず、先達である針生と華恋は確かに試行錯誤のバランスを繰り返して交際しているようだけど、その在り方が二人には丁度良い感じな印象。大喜も千夏も二人を参考にするのは有りだと思えるけどね
待たされた最終回は志帆と亜季の関係を仕切り直すものに
志帆が明らかにさざるを得なかった想いは亜季が別の人物に片思いしている以上は叶わぬもの。対して亜季は同様の想いを持ちつつも友人という立ち位置に自分を留める事で関係を壊さなかった
志帆は留まれば関係を壊すと知っているから、先んじて壊そうとしている。そこで片思いの恋を叶えたひまりと依が志帆と亜季のキューピッドになる構図は良かったね
でも、そういう努力は別に志帆も亜季も頼み込んだものではない。その意味では余計なお節介かも知れないけれど、そうした踏み込みが亜季にも志帆にも想いを素直にする機会を与えるものとなっているね
亜季を前にしての志帆の叫びは想いの発露そのもの。でも、志帆と向き合う事が彼女の想いを詳らかにすると考えていなかった亜季は想いを受け止めきれないと
一度知ってしまった想いは止まらない。だから志帆はバンド抜けたわけだし。同じように亜季だって志帆への想いを行動力へと変えられたのかもしれない
状況を変えるきっかけとなるのは亜季と依の関係が変わっていた点か
無理矢理のように片思いに蓋をして友人だと誤魔化した。でも、そう思い込み続ける内に亜季の中で真実になっていたというのは良い兆候
ただ、亜季がそう出来たから志帆にも出来るなんて一種の暴論。だからこそ、最後は志帆自身が踏み込む必要があって
そこで志帆に多大な後悔を齎したキョウが志帆の背を押す展開は良いね。それでようやく志帆は恐れずに前へと進めたわけだ
ただ、この最終回でどうにも気になってしまう点は志帆と亜季に関する比重が大きくなり過ぎて、ひまりと依が二人一緒に居るシーンが少ない点か…
というか、最終回に限らずも取捨選択の関係でひまりと依のいちゃつく場面がかなり削られている点は気になってしまったり
ローレライの志帆という強烈なキャラクター性を持つ人物への比重を増やして物語は相応の帰結を見せたわけだけど、代わりに削られた諸々を思うとやっぱりアニメ化って簡単ではないんだなと思わされたり…
戦いを経て大切な者が帰ってきて旅の終わりと思いきや、それとて大きな旅の一部と訴えてくるのような最終回に思えたよ
千夜も迅火も真介も村に戻ってきた。なのに、そこから自身の旅を仕舞いにする為に新たな旅を始めた。迅火とたまは約束を果たしに、真介は平和の邪魔を片付けに、千夜と月湖は友との別れを
それ彼らにとっての遣り残しであり、一つの旅が終わったから手を付けられる事であり⋯
それぞれの旅は全くの別種。けれど、真介の復讐が迅火とたまに益を齎し、迅火とたまの幸運は長く生きる者の在り方を教えてくれる。ただ、長命による変容はすぐに影響するものではないから、千夜と月湖は同じ時を過ごした旅の仲間として、なうとのお別れを惜しむ事が出来る。彼らの旅はあそこで一区切り付いたかもしれないけれど、彼らの思い出は消えること無く残り続けるのだろうね
ただ、同じ時間感覚はいつまでも続かないと教えてくれるのが月湖の涙かな⋯
千夜は幾度もの衝突の果てに月湖の隣に留まると選んだ。でも、それは月湖と同じ旅が出来るという話ではない
千夜と月湖が共に過ごした年月は確かに幸福なものであったのだろうね。でも、同時にそれは旅を止めているようなもの。時が流れるように人の生き死にも移ろいゆく生活に千夜は同行できない
だから千夜は本当の旅に出る。その旅が誰とも共有できないものではなく、同じように長命を生きるムドや迅火、せつとの付き合いが続いているというのは良かったよ
トボけたように生きる千夜はただ生きているのではなく、生きる為に生きる、進む為に進む、旅をする為に歩き続けている。それは手段が目的となっているようでいて、長命を楽しむ彼なりの手法であり、同時に彼の中に留まり続ける暖かさが意味を持って彼を活かしていると伝わってくる。彼は今でも多くと共に在ると判る
それはまるで、迅火や千夜の旅を見守り続けた私達にも暖かい何かを授けてくれると感じられるラストでしたよ